「 夜 相 思 」    
 
     風 吹 窗 簾 動  
     言 是 所 歓 來  

                                 ≪読み下し文≫ 「 夜 相思う」

                                                   風吹いて窓簾(そうれん)動く
                                                   言う 是れ所歓の来たれるかと

   
       【 歌の大意 】    夜中にあなたのことを思っていると、風が吹いてきて窓の簾が動いた。
                    はっとして、恋しいあなたがいらしたのかと思いました。  

                                      華山畿(全二十五首)の中から    中国名詩選 松江茂雄編より








カミュ様が朝餐のお席でご出立のお気持ちをお告げになられたとき、昭王様はひどく驚かれたご様子をなさり、
「それはまた急な…」
と呟かれたあと、次のお言葉を探しておられるようにお見受けするのだ。 それはご無理のないことで、お側で聞いていたこちらもあっと思って頭に血が昇り、なんと申し上げていいのかわからないのだった。
「 どうしても明日でなくてはならぬのだろうか。」
と仰せになる昭王様のお顔にすこし血の色が昇り、お困りのご様子が窺える。。
今までの例からしても、燕に来られた大事なお客人がご帰国なされるときは、何日も別れの宴が催されることが多いのだった。 これほどに親しくおもてなしになられていたカミュ様のことだから、ことに格別にお思いでいらっしゃるのだ。
「これから向かう土地は寒気の訪れが極めて早く、一日も早く燕を発たぬと冬の季節を迎えて困ったことになる。 本来なれば半月も前に出立していたものを、思いがけず水難に遭遇したゆえ、かくも長き滞在になったもの。 なにとぞ出立のお許しを賜わりたくお願い申し上げる。」
そう云われるカミュ様も、お淋しいのか、いつもよりお声も低目で張りがないようにお見受けしたものだ。
それでも昭王様はご無理を承知で日延べをご提案なされたけれど、カミュ様のお気持ちは固くていらっしゃる。 すこしうつむかれて黙って首をお振りになるばかりで、ついにご翻意はなされなかったのだった。

その日の午前中はご公務でお忙しく、カミュ様とお過ごしになる時間はおありにならない。 昭王様のお指図により、もったいないことながら、カミュ様とご一緒に過ごさせていただくことになる。
カミュ様は住み馴染まれたばかりでいらした天勝宮のあちらこちらを巡り、お顔見知りになった方々にご挨拶をなさりながら別れを惜しまれた。
第一番に斉綾殿で春麗さんを呼び出して太后様のご都合を伺うと、やはりカミュ様のご出立のことにたいそうお驚きになられ、すぐに奥にお招きをいただいた。
太后様は、カミュ様が燕を水難から救われたことを深く感謝なさり、驚くカミュ様の御手をお取りになってお別れを悲しまれ涙を流されるのだった。 これはひどく異例のことで、同席した者は太后様の意を受け、みな深く拝礼をしカミュ様に燕の謝意を表すのだ。 太后様は天勝宮で誂えた装束をすこしでもお持ちになるようにお勧めになられたが、カミュ様は 「何も持たずに来た身ゆえ、このままで去りましょう 」 と仰せになり、丁重にご辞退なさる。 路銀にと、急ぎご用意なされた白銀の粒を入れた錦の袋も同じようにお断りなされたので、それでは、と傍らの御机の上の高坏 ( たかつき ) から棗 ( なつめ ) の実を一掴みお取りあそばされて麻の袋に入れたものを差し出されると、今度はカミュ様も拝礼なさりお受け取りになられたのだった。
謝辞を述べられて斉綾殿を拝辞したあと、足は自然に蓮池に向かうのだ。 あの日と変わらずに白と桃色の花がきれいに開き、眺めはなにも変わらないのに明日からはカミュ様のお姿がないことを思うと、花の色も緑の葉の色も色褪せてしまうように思えてくる。 觀蓮亭にお立ちのカミュ様はいつもにましてお美しく、一刻も早く昭王様のご公務が終わり、こちらにおいでになれればと願うのだ。 もう一度お二人で楽しいお話をなさり、そしてお茶をお持ちしてお喜びいただけたらどんなに嬉しいだろうに、もうそんなこともなくなるのだ。 蓮池の周りの回廊を巡りながらあれこれと思い出話をするのも今日限りかとおもうと、いつの間にか涙が出てきてしまう。 カミュ様に見られまいと思っても、すぐにお気付きになられ、慰めてくださるのも畏れ多くてならなかった。

ご公務を終わるのを待ちかねたように、昭王様はカミュ様と午餐をお摂りになられ、いつものご進講はお取りやめになって、ようやくご一緒に野駆けにお出かけになられた。 カミュ様がこの螺鈿の鞍にお乗りのお姿を拝見するのもこれが最後かと思うと、涙でお姿が曇ってしまうのはどうしようもないのだ。
こっそり涙をぬぐっていると、馬上のカミュ様に駒を寄せて別れを惜しまれておられたアイオリア様が、ふとこちらを振り向かれ、
「貴鬼も今日こそは共に来ぬか? カミュ殿ともこれで最後となるのだ。我らの競い馬を見たかろう。 渤海までとは違い広野はすぐそこゆえ、私の前鞍に乗ってもさほど困りはすまい。 かまいませぬか、昭王。」
その言葉の嬉しさに天にも昇る心地で昭王様を見上げると、思わぬアイオリア様のご提案に最初は驚かれたようだが、すぐに楽しげにうち笑われる。
「それはよい考えぞ! 余とカミュとの競い馬をその目に焼き付けておくがよかろう、ただし、鞍の前輪をつかんでいるだけでは心もとない。 決して落馬せぬよう、アイオリアの腰に帯で縛り付けるがよいな?」
「これは心外な! このアイオリア、左手 ( ゆんで ) で貴鬼を抱き、右手 ( めて ) で手綱を持ちますれば、なんの支障もござりますまい。」
「いや、貴鬼はムウからの大事な預かりものぞ。 万が一のことがあっては、ムウに顔向けができぬ。」
昭王様にそのように言われたのは初めてで、胸がドキドキする。 ただの侍童なのに、昭王様からそのような格別のお取り扱いを受けるとは信じられない思いなのだった。
お言葉に礼をなさったアイオリア様に手招きされて駒のそばに寄ると、上から手が伸びてきてあっという間に鞍の上に引き上げられた。
昭王様は傍らに控えていた瞬様に皮帯を持ってこさせて、おん手ずから結ぼうとなされるのを、
「それは私が結びましょう。」
とカミュ様がお受け取りになられ、うまく工夫して結んでくださった。 そのころには興奮して、もちろん涙など出てくる筈もないのだ。
「どうだ、苦しくはないか?」
その場で輪乗りをしながらアイオリア様がお尋ねになるので、
「これなら渤海までも、いえ、天竺までも大丈夫です!」
とお答えし、それが面白いとお三方はおおいにお笑いになられるのだ。 ほんとうに心楽しくて、悲しいことなど吹き飛んでしまうのだった。

駒を歩ませながら街中を抜ければ、昭王様のお通りの先触れがまわっていて、大勢の人々が道沿いに集まり「祥瑞」やら「吉慶」やら「慶福」やら、口々に目出度い言葉を唱えながら拝伏してくるのだ。 薊の人々はみな、カミュ様が燕をお救いになったことを知っているので、昭王様とお揃いのところに巡り合わせたことをとくに有り難く思っているのに違いなかった。
街並みを抜けると鞭が入り、馬は広野を目指して一散に駆けてゆく。 前をお進みの昭王様とカミュ様は、時折りお言葉を交わしながら馬を走らせておられ、こんなに蹄の音と風の音がするのに、どうしてお話ができるのだろうと不思議に思う。 きっと格別に仲睦まじくておいでになるので、お気持ちが通じ合うのだろう。
広野に着くと、さっそく昭王様とカミュ様が競い馬をなさり始める。 アイオリア様が目当ての木を指差して教えてくださり、矢のように風を切って駆けてゆかれるお二人の御姿はみるみるうちに小さくなってゆくのだ。たいていは昭王様がお勝ちになって、にこにこなされてこちらまでお戻りになられるが、五回に一回位はカミュ様が先頭でお帰りになる。 そんな時、カミュ様は恥ずかしそうに頬を染められ、昭王様はちょっと悔しそうになさりながら、それでもカミュ様の腕をお褒めになるのだった。
「剣のお手合わせのときはカミュ様が少し手加減なされたように伺っていますけれど、競い馬はどうなのでしょう?」
声をひそめてそうお尋ねすると、アイオリア様は驚いたように、
「馬にかけては、昭王様は燕でも並ぶ者のない名手であられる。 おそらく、明日は燕を発たれるカミュ殿に花をお持たせになられたのであろう。」
と小声で教えてくださった。
そのあと、アイオリア様も加わって競われることになったので、馬から下ろしていただき、離れたところから魔鈴と一緒にお三方の応援に回って時を過ごした。 昭王様の馬はもう疲れているはずなのに、やはり先頭を切られるのはさすがにご立派なものだった。
いよいよ帰ることになり、もう一度アイオリア様の馬に乗せていただこうと思っていると、
「帰りには、私の馬に乗らぬか?」
とカミュ様がお誘いくださったのにはびっくりしたものだ。 どぎまぎしていると、昭王様もにこと微笑まれる。
「よい思い出になるであろう、アイオリア、皮帯をこれに。」
馬上のカミュ様に軽々と引き上げられるとすぐに昭王様がお寄りになり、おん自ら帯を締めてくださろうとなさる。
「あっ! それは!」
驚いたアイオリア様がお止めになろうとしたが、
「よい、無礼講ぞ。 たった今、そう決めたゆえ、かまうことはない。」
と楽しげに仰せになりながら、帯をお持ちのお手をカミュ様のお腰の向こう側に回されたので、尊いお身体に触れてはならないと思い、緊張で息もできない気がする。 異国のカミュ様はそこまではお思いではないらしく、腕を軽く上げて身体をギュッと引き付けていていてくださるのが、これまた畏れ多いのだ。
「できた!」
「ほぅ、これはこれは! 昭王には 『 吉祥結び 』 しかおできにならぬと思っておりました。」
「見損なってもらっては困る。 あのような飾り結びでは、ものの役には立たぬ。 一人で帯が結べなくて、どうして永定河まで行けようか!」
昭王様のお手元をじっと覗き込んでおられたアイオリア様も、そのお言葉に水難のことを思い出されて、それからは思い出話に花が咲き、ゆっくりと駒を歩ませながらの楽しい帰り道となったのだ。カミュ様のお手に軽く抱えられて乗っている螺鈿の鞍は、畏れ多くも太后様が昭王様の二十歳の賀にお贈りなされたもので、ほんとうなら手を触れることさえできない尊貴なものだ。 散りばめられた青貝の輝きがとても美しく、そっと撫でてみると、つやつやした手触りに心が躍る。頭の上から降ってくるカミュ様の異国風のお声にも胸がときめき、夢のようなひとときを過ごしたことだった。

野駆けからお帰りなされてからは、急ぎ用意された内宴にお揃いでご出席になり、アルデバラン様、アイオリア様、それから叔父上とお別れを惜しまれた。 カミュ様には、昭王様がお好みに違いない白綾の練絹の装束に金と青の飾り帯をお合わせし、お出ましになる直前に昭王様から届けられた鮮緑色の翡翠の佩玉をお下げいただいた。 この佩玉は先王様からの伝承のお品で、昭王様の二十歳の賀のときにお使いになられたたいそう高貴なものなのだ。 届けられた紫の袱紗を開いてあっと驚き、そうとはご存じないカミュ様に佩玉の由来をご説明申し上げると、たいそう驚かれて、頬を赤くなさりながら思し召しの篤いことに感謝なさっておられた。
紅綾殿での内宴で、昭王様はあまりお飲みにはなられずに、カミュ様と仲睦まじくお話をなさって時をお過ごしになられる。 カミュ様も、もとよりあまりお飲みにはなられないので、燕でご親交を深められた方々とご歓談なさりご一同は夜遅くまで打ち解けて楽しまれたのだった。

宴がはねてからカミュ様のお供をして翠宝殿に帰り、いつも通りにお休みのお世話をさせていただいた。 今まで通りのことをすればよいのに、これで最後という気持ちが胸の奥から湧いてきてどうにも手が動かない。 椅子にお掛けになっているカミュ様のきれいな御髪を梳かしながら、我慢し切れなくてとうとう声を上げて泣いてしまったら、それまで黙っておられたカミュ様が振り向いて、畏れ多いことに抱きしめてくださった。
お手の暖かさに、ますます悲しくて、おんおんと大泣きしてしまう。 何か言おうとしても、心に思っていることの万分の一も言葉にすることができず、出てくるのは涙ばかりなのだ。
「貴鬼にそのように泣かれては、旅立つのがますます辛くなる。 私も泣きたくなるゆえ、なんとかこらえてはもらえまいか?」
そう仰せになるカミュ様のお声も少し震えておいでのようで、もったいなさにますます涙がこみ上げてくる。
「約束はできぬが、もしやすると何年かのちに希臘へ帰る道すがら燕に立ち寄ることがあるやもしれぬ。 その折には、また会えるかもしれぬ。」
ほんとうにそうなったら、どれほど嬉しいか知れはしない。 何度も頷きながら、もう一度お目にかかるその日まで、決して忘れぬようにと、御髪の匂いを胸いっぱいに吸い込んだのだった。

やがてカミュ様が御寝なされてから、隣の控えの間に下がり、横になりはしたものの目が冴えてどうにも眠れない。 カミュ様が燕においでになってからのことをあれこれ考えていると、楽しかったことや驚いたことが数え切れぬほど浮かんでくるのだ。。
そのうちに大切なことを忘れていたのに気がついた。 カミュ様は香の匂いが強すぎるのはお好みではないのでお休みになられるときは香炉の火を落としておくのだけれど、明日の朝に焚く香木を切らしていたのだ。 余分は紅綾殿にあるので、これから取りにいけば困ることはない。
音を立てぬよう、そっと起き出して翠宝殿の外に出ると、南からの風が吹き、よく晴れた空を大きな月が渡ってゆくのが見える。 歩くのに不自由することもなく紅綾殿まで行くと、扉の警護をしていた衛士も顔見知りなのですぐに通してくれる。 あちこちに立っている衛士に合図しながら足音を忍ばせて御寝の間の隣の部屋まで辿りつき、暗い中でやっと梅花の香筥を探し当てた。 御用掛の侍僕も昼間の疲れからかよく寝入っていて、起きはしないのだ。 ほっとして幾つかの香片を取り出して、廊下への扉を開けたとき、急に風が吹き込んできて、御寝の間との境の御簾を揺らして乾いた音を立てた。 昼間に聞けばなにほどでもないだろうに、しんと静まり返った夜中にはことさらに大きく響くように思うのだ。
どきっとして振り返り、何の物音もしないのにほっとして帰ろうとしたときだ、
「誰か?」
とても低くて小さなお声だったけれど、昭王様だということはすぐにわかった。 お叱りを賜わるかと肝を冷やしながら、御簾に近づき 「 貴鬼にございます 」 と申し上げると、 しばらく黙っておられたあと、
「これに」
とお声がかかる。
今度は音を立てぬよう注意深く御簾をくぐり、おそばに寄ると御水の御所望があった。 起き上がられた昭王様に水差しから一杯注いで差し上げると、ゆっくりとお飲みになられる。
「このような夜更けに、いかがした?」
「翠宝殿で使う香木を切らしていましたので、取りにまいりました。」
そうお答えすると、黙って頷かれた昭王様が、そのまま横になられず起きておいでになるので、帰りかねてそのまま控えていると、
「翠宝殿には平安か?」
とのお尋ねがあった。
「はい、とうにお休みになられました。」
「さようか…」
そのまま、しばらくお言葉がない。お許しが出るまでは御前を下がることができないので、ずっと控えていることになる。
「明日はカミュとも別れることになる。 そちも名残惜しかろうが、今宵一晩、よく仕えるように。」
そのお言葉にはお淋しそうな色があり、つい喉元まで、カミュ様の前で泣いてしまい、抱きしめていただいた、と申し上げそうになったが、ぐっとこらえて我慢した。 そのようなご迷惑なことをしたとお分かりになったら、昭王様に呆れられるに違いないし、やはり小さな子供はしかたのないものだ、とお思いになられたら恥ずかしくてならないのだ。
「はい、心して。」
「頼むぞ。 もう夜も更けたゆえ、早く翠宝殿に戻るがよい。」
その仰せに拝礼して、横になられた昭王様に寝具をお掛けしてそっと御寝の間をすべり出た。

翠宝殿に戻ると、カミュ様の御寝台のほうから水音がする。 さては起きておいでかと思ったとき、
「貴鬼か?」
とお声がかかり、御簾内に招かれた。
「寝付けなくて喉が渇いて水を飲んでいた。 貴鬼はどこぞへ行っていたのか?」
「香木を取りに紅綾殿へ参りました。」
「紅綾殿へ…?このような夜更けに行かずとも、朝の香が焚かれなくとも困りはせぬものを。 昭王様のご迷惑ではなかったか?」
お声を低めてお尋ねになるカミュ様は、なよやかな白い寝衣をお召しで、夜目にもたいそうおきれいでいらっしゃる。 このお姿も今夜で見納めなのかと思うと、淋しくてならないのだ。
「ちょうどお目覚めになられ、今宵はよくお仕えするようにとのお言葉を賜わりました。」
「では、水差しの水が残り少ない。 せっかくの昭王様のお言葉ゆえ、頼めようか?」
お役に立てるのが嬉しくて、すぐに新しい水差しをお持ちする。
「私が去ったあとは、また昭王様のおそばに戻るのであろう? 私はもうお助けできぬゆえ、貴鬼が昭王様のおそばにいてくれれば安心して西比利亜に行けよう。」
暗い中でも微笑まれるのがわかり、カミュ様のおやさしさが身に沁みてくる。 横になられるカミュ様の御髪をそっと直しながら、いつかまたお目にかかれる日を心に念じずにはいられない。
カミュ様の気配を背中にして御簾をくぐりながら、明日からの翠宝殿のことを考えた。
昭王様が践祚なさるまでお住まいだったこの翠宝殿にはカミュ様がおいでになるまでどなたもお入りにはならず、主のいない空殿だったのだ。 昭王様はカミュ様ととても親しくなされていたので、思い出を大事になされて、またしばらくはどなたもお入りにならぬ日が続くのに違いない。

   もう一度カミュ様が燕に来てくださったら………

そんなことを思いながら、ほのかにただよい残っている梅花の香りの中で、いつかしかまぶたも重くなっていったのだった。





             
         この詩のように、
         風に簾がうごくのに恋人の訪れを予感する、というのはしばしば詠われる情景です。
         万葉集の額田王の歌に、
         
「君待つと 我が恋ひ居れば我が宿のすだれ動かし秋の風吹く」
         というのがありますが、同じ心境ですね。
         これは天智天皇を想って詠んだ歌だそうで、さすがは額田王です。

         最近では小林幸子がこの歌詞で歌っていますね。
         派手な衣装で歌われることが多いのですが、私はこの話を思い浮かべて涙します。