「 太宰治の誕生日 」


「今日6月19日は太宰治 (1909〜1948) の誕生日だ。」
「ええと、誰だっけ?」
「小説家で、代表作に 『 斜陽 』 『 人間失格 』 、それから 『 走れ、メロス 』 などがある。」
「ああ、『 走れ、メロス 』 ならよく知ってるぜ! WEBで全文読んだからな!」
「ほぅ、それはよかった! あれは日本の教科書にも採り上げられる頻度の高い文章だ。」
「ふうん、そうなのか! わかりやすくていい話だと思うな。 だから、お前が大奥の話をしたときにすぐに引用できたんだよ。」
「大奥………そういえばそんなこともあったか。」
「自分で話しておいて忘れるなよ。 俺なんか印象が強烈だったんで、いまだにお前を抱くときに、寝ずの番のことが頭をよぎることがあるんだからな。」
「え………ほんとうに…?」
「ああ。 お前、考えたことないの?」
「そ、そんなことは………」 ( ←真っ赤)
「まあ、いいさ、何なら今夜、思い出させてやってもいいぜ♪」
「ミロっ!」
「ふふふ、冗談だよ♪」
「お前には冗談でも、すでにインプットされてしまったではないか………」
「え? なにか言った?」
「いや、何も。」

「ところで、この、『 走れ、メロス 』 だが、俺とお前でできないか?」
「………え?」
「俺がメロスで、お前がその友人のセリヌンティウス、で、暴虐な王はもちろんサガに依頼する。はまり役だぜ、きっと!」
「サガに?」
「デスでもいいけど、ここはやはりサガだろう。最後に改心するし、ぴったりだよ! で、メロスを信じて、進んで捕らえられたセリヌンティウスがいままさに処刑されるときになってもメロスを信じ続けるとこなんかは、お前に向いてるだろう?」
「そうかも知れぬな。」
「だから、俺がメロス。 お前のために走り続けてやるぜ!」
「ミロ………一つ問題があるのだが。」
「え?なに?」
「最後のシーンでメロスは裸体になっていて、少女に緋のマントを捧げられている。それでもよいのか?」
「……え? そ、そうだっけ? ええっと…」
「私としては群集の前でお前が裸体を晒すのは好まない。 いくら私を救うためでもだ。」
「うう〜んと………俺としては恥ずかしくはあるが、お前を救うためならやむをえん、といったところだな。それにまさか、役の交代はできんだろう?」
「あ、当たり前だっっ!!わ、私がどうしてそんな格好をっ!」
「うん、俺もそんなのは嫌だ。」
「では、あきらめよう。私たちには、『 走れ、メロス 』 は似合わない。」
「残念だな………よし、提案がある!」
「え?」
「最終シーンだけ黄表紙にして、寝室でやろうぜ。もちろん俺に緋のマントを着せ掛けてくれるのは、お・ま・え♪ 期待してるぜ♪」
「しかし…」
「そのあとすぐに脱がせてくれていいからさ♪」
「ミロっっ!」
「いいから、いいから♪」