「 大塚芳忠の誕生日 」


「今日5月19日は大塚芳忠の誕生日だ。」
「え?誰?」
「声優だ。 最近では 『 ロード・オブ・ザ・リング 』 のアラゴルンの吹き替えをやっている。」
「なにっ!! アラゴルンだと!!」
「ほぅ、急に気合いが入ったな。」
「当たり前だ! あの男こそ、ゴンドールの王イシルドゥアの末裔、高い徳性と高貴な血を受け継ぐ 人々の希望にして人間の世界を統べる王なのだ! ああ、思い出しても血が騒ぐ! 俺は映画を見て、あれほど感動し、憧れたのは初めてだぜ! キャラクター一人一人の個性と魅力と存在感は、他の追随を許さない! お前が人類の至宝であるのと同じく、 『 ロード・オブ・ザ・リング 』 は映画史上に燦然と輝く至高の星なのだ! ああ、できることなら指輪の世界に入ってお前と一緒に冒険したいっっ♪♪ミナス・ティリス城下のペレンノール野で お前と肩を並べて闘い、襲いかかるオークとウルク=ハイを叩っ切って血路を開き、アラゴルンに王の扉を開くのだ! エルフやローハンの勇敢な騎士と共にサウロンを打ちのめし、勝利の凱歌を上げようではないか! どうだ、素晴らしいだろう! ワクワクして今夜は眠れないっっ!!」
「ずいぶんな惚れ込みようだな!」
「ああ、そうだよ、最高のものには最高の賛辞を! これは当然のことだ。 だから俺はお前に毎朝毎晩賛辞を贈る。」
「…え…ええっと…大塚芳忠は、ほかにNARUTOの自来也の声も当てている。 私にはわからないのだが、ミロ、お前は知っているか?」
「フッフッフッフッ♪」
「なにをいきなり笑う?」
「だって、あれだろ? …ほら、イチャパラ♪」
「…え?」
「ほんとに知らないのか? イチャパラ、これすなわち、イチャイチャパラダイス♪」
「……それはなんだ?」
「ええっと、つまりだな、自来也という忍者が執筆している書籍だ。 人気シリーズでよく売れているという設定だ。」
「では自来也というキャラは作家なのだな。」
「あ……ああ、そういってもいいだろうな。」
「それはアカデミックでよい。こんど私も読んでみるとしよう。」
「え……」