「 ダニエル・ラドクリフの誕生日 」


「今日7月23日はダニエル・ラドクリフ (1989〜) の誕生日だ。」
「あ〜〜っ、知ってる! ハリー・ポッターの俳優だ!」
「うむ、当年とって16歳、このコーナーでは最年少を誇る。」
「う〜ん、俺たちより若いのか!」
「第一作の出演時には11歳だった。」
「ふうん、11ねぇ………しかし考えてみると、俺たちは11の時にはとっくに黄金になっていたからな。11といえば世間では子供そのものだが、俺たちは聖闘士の最高位だった。特に考えたこともなかったが、俺たちって珍しい人生を送ってるのか?」
「さぁ……? 一般的には聖闘士になる確率は極めて低いが、私やお前にとっては他の道を選択する余地はなかったことを考えると当然の人生ともいえる。」
「そうだよな、俺も聖闘士じゃない自分なんて考えられない。 ブドウ畑で働くのもいいが、やっぱり黄金がいい♪今の自分が気に入ってる♪」
「うむ、アテナとともに地上を守るという崇高な目的のために持てる力を使える喜びと充実感はなにものにも代えがたい。」
「いや、そうじゃなくてさ♪」
「え?」
「俺の言いたいのは、聖闘士になったおかげでお前とめぐり合えたってこと!もし、あのまま村にいたら、同じ村の女の子と結婚してた可能性は高い。とても考えられんな!有り得ないぜ、そんなこと!俺はお前とじゃないといやだ!」
「ええと………」
「お前もそう思うだろう?普通に学校に行って、普通に卒業して、いや、お前のことだから常にトップの成績で最優秀賞をもらって特待生で大学院まで行くんだろうが、いい企業に就職してパソコンをたたいて営業成績を上げて。そんな生活が望みか?サラリーマンって言うんだぜ、そういうのを。」
「ええと………しかし、もし、お前が同じ企業に就職してそこで私と知り合ったら?」
「…え?」
「そこで出会った私たちが……その……」
「恋に落ちたら……ってか?」
「ん………まぁ…そんなところだ…」
「……そうねぇ♪………それは……聖闘士では命の保証はないが、普通の生活なら添い遂げられる確率は極めて高いな。」
「添い遂げる…って…」
「ううむ………悩むところだな……しかし、そうするとお前の聖衣姿を見られないし、美しい宝瓶宮でお前を抱く楽しみもない。日々の暮らしに追われるから、北海道のけっこうな離れで贅沢三昧の数年間、というのもたぶん無理だろう。」
「………暮らしに追われる…??」
「やっぱりだめだ、聖闘士がいい♪最初からサラリーマンなら不足はないだろうが、俺たちはすでに聖闘士になっている。 聖衣を身につけた俺たちは最高だよ!要するに、聖戦なんか二度と起こらずに、すべての闘いを二人して勝ち抜けばいいだけの話じゃないか♪やっぱり聖闘士だな、今の状態がベストだよ♪」
「うむ、私もそう思う。私たちは聖闘士となるべく生まれてきた。」
「じゃ、そういうことで…♪」
「あっ、ミロ…!」
「驚くことはない。現状を再確認し、俺たちの関係をより強固なものにするのは当然だろう?」
「あ………でも…」
「いいから、いいから♪」