カジカ追記
今回の舞台は草津温泉、この自由さが東方見聞録のいいところ♪
次回は 「 湯もみ 」 に挑戦か??
さて、ハーデス篇をご存知ない方にはわかりにくい内容なので、少々解説を。

冥王ハーデスから十二時間のかりそめの命を与えられたサガ・シュラ・カミュ様の三人は、アテナの首を取って来い、との苛酷な命令に従った振りをしてハーデス城に戻り、敵方のパンドラを倒そうとしますが、ハーデス城には冥王の結界が張られており、本来持てる力の十分の一も出すことができません。 さらに十二時間が経過し、朝の光を浴びた三人は灰となって消えるしかないのです。

さて、パンドラの手下のゼーロスに痛撃を与えたカミュ様に、冥闘士のはしくれである彼奴はいったい何をしてくれたかっ!
もはや力を失い、立つことも叶わぬカミュ様をあしざまにののしり、こともあろうに足蹴にしてくれたのであります。
現実を冷静に見極めるために、見たくもない原作をひもとき、その末代まで悪名をとどろかすであろう悪鬼のごとき所業を再検討してみましょう!
13回! なんと至高のカミュ様を13回も全力で足蹴にしてくれているのです。 まさに神を恐れぬ悪魔の仕業です。
その瞬間、全国津々浦々五千万のジャンプ読者が怒りに打ち震えたのも当然です。13という数字が、ゼーロスの運命を暗示しているというのは、神の啓示でしょうか。
そして、原作では、まさに命の灯が消えんとするときに星矢たち青銅聖闘士がその場に飛び込んできて、師であるカミュ様がさらに足蹴にされているのを見た氷河が、満身の怒りを込めて憎っくきゼーロスに (おそらく) ダイヤモンドダストを喰らわせます。
瀕死のカミュ様は既にシャカの天舞宝輪により聴覚以外の感覚を剥奪されており、その見えぬ目で駆け寄る氷河に、にこ、と笑みを送り、灰となって消えてゆくのです。 ひざまずき涙する氷河の姿は (ミロカミュファン以外の)涙を誘います。 ミロカミュファンは、悲しいのもさることながら、なんでここにいるのがミロ様じゃないんだっ、と思うんですね。
それに続き、サガとシュラも灰となって消えてゆくのです。

この展開は展開として、当サイトではこの慟哭すべき悲運からカミュ様を救うべく、古典読本 「古池や」 をアップしました。
そこでは論理の全てを蹴散らして、ミロ様がカミュ様を救います♪
しかし、ミロ様としては、かのゼーロスに対しては恨み骨髄ッ!!!!

ああ、うっかりして言い忘れてました!
ゼーロスは 「 フログのゼーロス 」 と名乗っており、その身につける冥衣は、さながら蛙のような形態を呈しています。
そこで、ミロ様は蛙が大嫌いっ!
我が至高の存在、なによりもいとしいカミュ様をあのような目に合わせたゼーロスの眷属を一匹たりとも許すことができないのは当然なのですね。

ところで、いとしいカミュ様がゼーロスに酷い目に合わされているときにミロ様はどこで何をしていたのか?
ハーデス篇を知らない方にはさぞかし気になることと思います。
実はそのとき、強敵ラダマンティスの手により、アイオリア・ムウ・ミロ様の三人は生きながら死の国に落とされ、永遠に苦しむ、というとんでもない運命をたどっています。つまり、ミロ様は、カミュ様の死に目にも会えず、フログのゼーロスの所業を知ることすらないのですね。
とすると論理的にいって、ミロ様は「足蹴」の事実も 「ゼーロス」 の名も知らないことになりますが、それでは話にならないので、当サイトでは、ミロ様はみんな知っている、ということになっています。
しかし、カミュ様は聴覚しか残されていなかったので、ゼーロスの姿を見ていませんから、蛙にはなんの悪印象も持っていないのです。まあ、たとえゼーロスの蛙仕様の冥衣を見ていたとしても、ゼーロスと両生類の蛙の間には、なんら関連性は認められぬ、とかいって、一切気にしないだろうことが容易に予想されるのですが。
しかし、論理性などという非人間的なものには拘泥しないミロ様は、蛙が大っ嫌い、と言うことに。
これがミロ様の論理で、ええ、私も達見だと思います。
むろん、ハーデス城で何があったかは、ミロ様は絶対に話題にしません。あらためて屈辱の記憶を探り出す必要などないからです。            

せめて、カミュ様を蹴ったのがラダマンティスだったら、ここまで恨みには思わなかったのに…、と時々思います。
彼ならば、1、2回は蹴るかもしれないが、それは 「邪魔だ、どけ!」 くらいのあっさりとした蹴り方で、それほどこちらの神経を逆撫でしなかったと思うんですね。でも、ラダマンティスはまともな神経の持ち主で、倒れている敵を痛めつけるような卑怯な真似はしない人ですから、それもありえないのですが。
                 
さあ、これでハーデス篇をご存知ない方にも、ミロ様の怒りがご理解いただけたことと思います。
お時間がありましたら、上掲の「カジカ」 と、そして「古池や」 を再読していただけまし
たら幸いです。