「ふふふ……♪」
「あっ…よさぬか、ミロ!」
「いいじゃないか、それならここは?」
「あ……ん……ほんとに……お前ときたら……」
「あ……俺にそういうことをする?」
「いつもいつも私ばかりそういう目にあうのでは片手落ちだろう。」
「あ……おい、よせっ!………そんなに俺を喜ばせたいわけ?俺は嬉しいけどさ♪」
「え……あの…」
「お前にそんなことされると……」
「あっ…」
「ねっ♪」
「………(真っ赤)」


結局、もう一度大きめの余震が来て、再び美穂からすまなそうな声で電話があった。
「美穂から安全確認………」
するとカミュがすっと立ってゆき、壁の電話線をぐいっと引き抜いた。
後ろ姿に見とれていたことはないしょにしておいたほうがいいだろう。
むろん戻ってくるときには俺は天井を見ているのだが。
「これでよい。」
「ああ、俺もそれでいい♪」

もう一度余震が来た。
おさまってしばらくしたとき、玄関の戸を ほとほと と叩く音がする。
「………」
黙って立ち上がった俺が浴衣を羽織り応対しに行くのをカミュは赤い顔をして聞いていたと思う。
「元に戻すからな……」
電話線をもう一度差し込んでカミュのそばに戻る。
「そろそろ寝るか。」
「ん………」
ほんとに日本って国は………。


,