神田明神から30分ほどの宿に戻ったカミュの頬は相変わらずほてったままで、小声で詫びを言いながらミロが急いで敷いたフトンに横になって荒い息をついている。

   ………しかし、おかしいな?
   甘酒っていうのは、そんなにアルコール分が強いのか?

ちょっと気になったミロが調べてみると、甘酒の作り方には二種類あって、酒粕から作ったものにはアルコール分が含まれるが、米と米麹から作る本格的な甘酒にはアルコール分は含まれないのだという。

   え? するとカミュはなぜこんなに酔ったんだ?
   あの店の甘酒は本格的な作りで、アルコール分なんか入ってない筈だ
   もし入っていれば、俺にわからぬはずはない
   もしかして………

「甘酒って、そういえば酒っぽいな。」
「………うむ、やはり私には酒は向かぬ………特に日本酒はワインよりもはるかに強いようだ…」
「甘いからって、子供向きだと思ったら大間違いなのかもな。」
「ああ………なんといっても酒は酒だ…」

つまりカミュは言葉で酔うのである。
現実にアルコール分がなくても、似たような味がして 「酒」 と名が付いていれば、それだけで酩酊状態になるらしい。

   ふうん………♪

「俺も今ごろになって酔いが回ってきたみたいだ………」
「………え? …お前もか?」
けだるそうにミロを見上げたカミュが、あっと思ったときにはもうミロの腕が柔らかく身体に回されている。
「あ………」
「酔った同士で一緒に寝かせてくれる?」
「あの……ミロ…」
みなまで言い終わらぬうちに花の唇がやさしくふさがれて、ミロの身体の熱さがカミュを瞠目させる。
「ミロ………こんなに熱くて………」
「俺………かなり酔ってたみたい……でも………」
「でも………なに…?」
「抱きたいから……抱かせて♪」
「あ………」
やわらかく抱き寄せて淡い紅に染まっている肌に唇を落としてゆくと、いつになくしなしなと身をよじり、たちまち甘い溜め息が洩らされる。
本当に酔いが回っているのなら、無理をさせれば気分が悪くなることもあるのだが、何しろ 「酔っている」 と思い込んでいるだけのカミュなのだ。

   これはいいい♪
   眠り込むこともなければ、気分も悪くなりようがないし、
   酔っている、という感覚がカミュをいっそう艶っぽくさせるっていうわけだ♪

昼日中の明るさを恥じらい恐れるカミュが、ミロに懇切丁寧に扱われていくうちに、やがて我を忘れてゆくのは目に見えている。

   酔ったお前をゆっくりと見せてもらおうか♪
   甘酒の効果が切れる頃には、今度こそ俺がお前を酔わせてやるよ………

笑みを含んだミロはゆっくりと唇を重ねていった。




           
私も、おかしいと思ったんです、甘酒って子供でも飲めるんでしょ??
           そこで調べてみたら、
           酒粕から作るのはアルコール分があるけど、きちんと米・米麹から作ればアルコールはなし!
           そうだったのか!!
           ミロカミュって、勉強になるから好きよ(笑)。

           で、ミロ様も十分に楽しめるから一石二鳥♪