「カミュ……」
「あ…」
「少しくらいいいだろう?」
「でも……こんなに明るくては…」
「いやなの?」
「ただでさえ恥ずかしいのに、この目を見られるのは嬉しくない。」
「う〜ん…」
たしかに、顔をそむけているカミュの左のまぶたは気の毒なほど腫れていて、せっかくの美貌が台無しだ。いくら心を込めて愛しても、ただつらいだけに見えてしまうような気もする。
「といっても、午前中から雨戸を閉めるなんて目立つ真似を出来るわけがないからな。」
「だから、今日のところはおとなしくしていたらどうだ?」
「ここまで来て、はい、そうですか、と引き下がる気は俺にはないね。なんとかならない?」
「なんとかって言われても……」
ここでミロは考えた。
見られるのが恥ずかしいのなら、見えないようにすればいいのだ。
「そうだ!見えなければいいんだろ?それなら目隠しをすればいいんじゃないか?」
「目隠し?ああ、なるほど!」
「二人とも目隠しする必要はないな。お前は腫れたまぶたを俺に見られたくないんだから、お前が目隠しをすればいい。まぶたの保護にもなっていいと思う。眼帯と同じだよ。」
「なるほど。」
素直に頷いたカミュが、どこからかミロが探してきた日本手ぬぐいで目隠しをした。
「それなら安心だろ。目も守れるし、なにも見えないから夜と同じだ。」
「ん……これならよい。」
「俺がいいって言うまで目隠しを取るなよ。」
「わかった。」
見下ろすカミュのも言われぬ風情にミロが息を飲む。それは想像していたよりも、ずっと……

   これって、すごくよくないか?
   なんてったって、目隠しをしているカミュを好きに出来るんだからな!
   もしかして、思いっきりアレなシチュエーションじゃないのか?
   ふふふ………今日はじっくりと楽しませてもらおうじゃないか

「それじゃ、あらためて……」
「あっ…」
不意に伸びてきた手に抱きすくめられたカミュが小さな声を立てた。
さよう、夜は……いや、昼はこれからである。