しりとり

「しりとり、って知ってるか?」
「シンメトリー?」
「違うよ、それは左右対称の模様のことだろう? このページの壁紙の模様もそれだが。 俺の言ってるのは 『 しりとり 』 、日本の言葉遊びだよ、言葉のおしまいの字を使って次のことばを言っていくゲームのことだ。」
「言葉のおしまいというと………もしかして、漢字で書くと 『 尻取り 』 か? 品がよくない………」
「そんなことを気にするのはお前くらいだよ! ひらがなで書いてるから問題ないだろうが。 俺もひらがなで言ったつもりだが。」
「私は聞いた言葉は可能な限り漢字変換している。」
「あ、そう………………まあいい、さっき美穂に教わったからやってみようぜ! 条件は二つ、おしまいに 『 ん 』 がつく言葉を言ったほうが負け、そして同じ言葉を使ってはいけない、ということだ。」
「ギリシャ語でよいか?」
「それじゃほとんど理解されないぜ、ここは日本語のサイトだからな、日本語でやらせてもらう。 まだ日本語に熟達してない俺たちが言葉を探すのが面白いとは思わないか?」
「なるほど、そうかも知れぬ。 乏しい語彙の中から選択するからこそやりがいのあるゲームになるだろう。」
「じゃあ、俺からいくぜ! ええと………聖闘士!」
「徳川家康。」
「おっ、有名人で来たな。 好き♪」
「機械工学」
「ふふふ………くちびる♪」
「慮遮那仏 ( るしゃなぶつ )」
「えっ? それなに?」
「毘慮遮那仏 ( びるしゃなぶつ ) ともいう。 仏教の仏の一人だ。」
「あ、そう………つきあい♪」
「維管束」
「くちづけ♪」
「遣唐使」
「しのびあい♪」
「イボイノシシ」
「色っぽくないな………しとね♪」
「年末調整」
「いつくしみ♪」
「ミトコンドリア」
「……なんだ、それは?」
「細胞内にあって、主に呼吸に関与する棒状または粒状の細胞小器官だ。 DNA・RNAを含んで細胞質遺伝に関与し…」
「せっかくだが、もういい……あえぎ♪」
「凝固」
「腰♪♪」
「鹿ケ谷」
「………なに?」
「 京都の地名だ、平家物語に出てくる。」
「肉体っ♪」
「一握の砂。 啄木の歌集だ。」
「ふうん………ふふふ……慰め♪」
「冥界」
「いやなことを思い出させるなよ………一心同体♪」
「一揆」
「……キス♪」
「すれ違い」
「すれ違い、って………いじらしさ♪」
「最大公約数」
「うつぶせ♪」
「せ………濁点が付いてもよいのか?」
「ああ、かまわないぜ。」
「では、絶対零度!」
「ほぅ! お前らしいな!うん、それなりに風情がある♪ それじゃ、俺は、ドキドキ♪」
「黄表紙」
「なにっ♪」
「いや、変更する。 起承転結」
「なんだ、つまらん………ふふふ、言ってもいいかな♪………蕾♪」
「未成年者喫煙禁止法」
「……は?」
「明治33年に施行されている日本の法律だ。」
「ふうん………ああ、暗唱しなくてもいい、要旨は理解してるつもりだ。 薄紅色♪」
「ロールシャッハテスト」
「ふっふっふっ♪ 俺に、と、がまわってくるのを待ってたんだよ、聞いて驚くな! 床上手 ( とこじょうず )♪♪」
「随想録」
「少しは驚けよ………それじゃ、口紅♪ もう一度、付けてやってもいいんだぜ♪」
「遠慮する。 日蝕」
「くびすじ♪」
「次亜塩素酸ナトリウム」
「無理矢理っ♪」
「臨床試験。 あ………私の負けだ。」
「…いや、俺の負けだと思う………」
「……??」





                
お二人とも日本語が未熟とはとても思えませんが。

                いくらミロ様が誘いをかけても暖簾に腕押し、糠に釘、
                鳴かぬなら鳴かせてみしょうホトトギス、ミロ様、あとは実力で勝負です♪