高槻市政 行財政改革大綱

 

高槻市は2004年3月第6次行財政改革大綱を発表しました。 ( 実際にホームページで明らかにされたのは5月のようですが )

高槻市のホームページではPDFファイル形式ですので組合でテキスト形式に変換してあります。

読みやすいように適時行替えなどしていますので、形式が原文とはことなっています

 第6次 高槻市行財政改革大綱


高槻市行財政改革大綱
〜たかつき“再編”STORY〜

平成16年3月 高槻市

目次

第1章  行財政改革の取り組み
1 新たな行財政改革の必要性
2 改革の目標
3 改革の基本方針
4 改革の推進
第2章  具体化の指針
1 効率的な行財政運営
(1)施設の効率的な運営
(2)外部化(アウトソース)の推進
(3)事務事業の見直し
(4)組織体制の見直しと職員定数・人事
(5)財政運営について
2 公民の役割と協働の推進
(1)公営企業について
(2)外郭団体について
(3)市民の参画の推進
3 適切な進行管理
資料
行財政改革大綱アクションプログラム


1 新たな行財政改革の必要性

 現在、国において進められている構造改革は、国庫補助金等や地方交付税などの税源配分を見直す三位一体の改革に見られるように、「地方のものは地方へ」の考えから、国の権限等が地方へとシフトされ、行政需要が増加し、財政運営をますます厳しい環境下に置こうとしている。

 本市では、他市に先がけて、昭和61年3月の高槻市行財政改革大綱の策定以来、大綱の見直しを含め、五 次16年間にわたって行財政改革を推進し、数々の成果をおさめてきた。

 しかしながら、本市の10年後を想定したとき、人口急増期に採用した職員の多くがこの10年以内に退職し、職員構成上、大きな転換期をむかえる。加えて、高度情報通信ネットワーク社会を見据えた電子自治体への取り組みは、経費・時間の削減や職員の再配置を必要とさせるものである。

 一方、本市の人口推計は人口の減少とともに老年人口が25%を超え、生産年齢人口が8ポイント低下することを示し、本市が急速に高齢社会に進むことを予測している。こうした人口の高齢化は、税収の減少と福祉部門を中心とした行政ニーズの増加をもたらすとともに、利用対象者の減により自動車運送事業・水道事業等の公営企業の経営を悪化させ、現行の市民サービスを維持することさえ困難な、財政の破綻もあり得る危機的な状況が想定される。

 限られた財源のもとで、既存の必要な事務事業を維持・向上させ、都市基盤を整備し、新たな行政需要に対応するためには、より抜本的な改革を進め、効果・効率的な行財政システムによる自治体経営を推進する必要がある。

 そこで、現行の行財政改革大綱見直しのために、平成15年6月に高槻市行財政改革懇話会を設置し、行政機関のあり方などをはじめ全般にわたって活発に、かつ慎重に審議され、平成16年2月18日に意見具申を受けたところである。

 今回の意見書では、今までの大綱に沿った事業を継続しながら、事務事業の総点検や見直し、アウトソースの検討、公営企業における健全経営のあり方などについて、改革に取り組むよう提言されている。意見書に基づいた新たな行財政改革大綱を策定し、予測されるこうした状況に的確に対応し、市政運営を維持・発展させるためには、より一層の行財政改革を推する必要がある。

 本大綱は、今後の本市の行財政改革の方向性、方針を示すもので、これに基づき具体的な改革に取り組むものである。

2 改革の目標

 国の動向や社会経済状況が大きく変化するなか、総合計画にある「水とみどりの生活・文化都市」の実現にむけて、国の制度改革を活用した大胆な事業の外部化など組織・事務事業の再編(システムの変革)等を内容とする行財政改革を市民団体やNPOなどとの役割分担を明確にした協働により、自主的・主体的に推進し、“住んでみたい、住みつづけたい、子育てしたい魅力ある都市 たかつき”を目指すものである。

3 改革の基本方針
(1) 行政機関、各種行政委員会、外郭団体、公営企業等を含めた全庁的な取り組みとすること。
  
(2) 行財政全般にわたり、都市経営的視点から抜本的な見直しを行い、行財政サービスのより一層の効率化を目指した新たな行財政システムの構築を図ることを目指す。
 
(3) まちづくりは行政の責任を前提としながらも、市民、民間企業、行政機関が相互に理解・協力しあいながら進めていくものであり、そこには適正な役割分担、機能分担、費用分担、いわゆる協働のシステムが構築されていなければならない。

(4) 行政運営にあたっての、その公正の確保と透明性の向上は最重要事項である。市民への行政情報の提供に努め、行財政運営に対する理解と協力を求める。
  
(5) 第五次の実施計画において完了していない事務事業については、実施事業として継続する。

4 改革の推進

(1) 本行財政改革の具体的な実施計画については、懇話会意見書及び本大綱を踏まえ、行財政改革推進本部を中心として策定し、全庁的体制のもとに全部、全課が全力を傾注し、効率的かつ計画的に推進する。

(2) 実施計画の実施時期は、原則として平成16年度から平成18年度までとする。なお、進行管理については行財政改革本部調整委員会が行う。

(3) 実施計画の進捗状況は行財政改革懇話会に定期的に報告するとともに、市民に対して公表する。

(4) 行財政改革の実施にあたっては、市議会・市民・関係団体等の理解と協力を得るように努める。

第2章 具体化の指針 

 1 効率的な行財政運営

 進行する少子高齢社会と地方分権の推進による国からの権限委譲は、市民ニーズの拡大・多様化と新たな財政需要や税収の減少をもたらし、本市の財政運営を長く、厳しい環境下に置くものと考えられる。こうした行政・経済環境に対応するためには、より効果・効率的な行財政運営に努める必要がある。
   
 (1) 施設の効率的な運営

 市民ニーズが拡大・多様化するなか、生涯学習活動や地域活動が活発化し、公の施設に対するニーズは高くなるものと予想される。

 市民が期待する公の施設のあり方を研究・分析し、利用度の低い施設については施設形態・事業内容の変更や統廃合などの再精査の上、指定管理者制度等の活用も含めた効果・効率的な管理運営方法について第三者機関も含め検討を進める。

  ア 直営施設
  イ 外郭団体に委託している施設

 (2) 外部化(アウトソース)の推進     

 持続可能な行財政運営を行うには、常に民間とのコスト比較が必要である。事業部門から管理部門までの、すべての事務事業について民間とのコスト比較のもと、積極的に外部化について検討する。

 推進にあたっては、サービスの維持・向上を基本に行政責任、法規の遵守、委託者責任の所在の明確化、業務執行への監督・緊急時等への指揮監督、市民への平等・公平性の確保などを考慮し、総合的に検討する。

 @ 外部化の範囲

 事務事業の外部化は、事業部門、管理部門で法令等により規制されているものを除いた事務事業で、長期的な経費削減が可能で、時期的な繁忙業務や高度な知識・専門的技術を必要とする事務事業等について委託化や民営化、統廃合などを検討する。
  ア 広報、選挙、研修事務
  イ 給食業務
  ウ 保育業務
   など
 A 外部化事業の進行管理

 業務管理、委託契約に基づき、業務執行状況を適宜、的確に把握し、業務執行を管理する。

(3) 事務事業の見直し

 すべての事務事業を行政評価システムの活用などにより、総点検し、ゼロベースで精査し、効果の薄れたもの、不必要と判断されるものは、統廃合や転換を行うなど絶えず見直しを行い、試行を踏まえた幼保事業の一元化の検討など市民生活に必要で効果的な事業を、市民の理解と協力のもとに行う。

  @ 既存事業の見直し

    ア 事務事業の効果の分析、測定
    イ 総合計画に定める施策・事業に基づいた緊急度・優先度の精査
    ウ 部課を横断する類似事業の統廃合
  
  A 新規事業

 新規事業については、目的、方法、財源、達成目標の設定、終期を明らかにし、真に必要なもののみとし、行政の役割の明確化のもと、目標の達成が確実に見込まれるものに限定する。
    ア 目的、内容の精査・明確化
    イ 行政の担当すべき事業かどうかの検証
    ウ 事業効果の確実性
    エ 執行体制が確保されていること。又、事業経費のみならず執行人件費も考慮する
     
  B 事務の簡素化、迅速化の推進

 拡大・多様化する市民ニーズに即応するために、効率的で簡素な事務執行方法、体制を確立する必要がある。また、「e−たかつき計画」が目指す電子自治体への取り組みからも、個人情報保護の徹底のもと、スムーズな進捗が図れるよう次の事項について検討を進める。

 ア 公印、押印の簡略化、又は省略
 イ 事務分掌、事務委任、決裁システム等の見直し
 ウ 文書処理、整理方法の簡素化等の見直し
 エ 業務ごとの事務執行マニュアルの策定  
 オ 公共施設利用手続き、各種申請、報告等の簡素化 
 
(4) 組織体制の見直しと職員定数・人事

 @ 職員の役割の明確化による職員定数の抑制・削減

 今後10年以内に職員の約半数が退職する。この機会を新たな時代に即した組織変革への好機と捉え、職員が担うべき業務分野を明らかにし、非常勤職員、アルバイト職員などの活用や事務事業の外部化の推進等総合的な判断のもと、国の地方公務員制度改革の動向を見ながら派遣職員や任期付職員等の活用を検討し、職員定数の抑制・削減に努める。

  ア 職員の業務の明確化と再任用・非常勤・アルバイト職員の活用、人材派遣の活用の推進
  イ 専門的知識や高度な技術を要する業務への任期付職員の活用

 以上の内容を含む、計画的な定員適正化を検討し、採用基準等の明確化を進める。

検討にあたっては、事務職、技術職、技能職等の退職者数を勘案し、職員が担うべき事務事業の整理を行う。

 また、国においては65歳までの雇用義務化が検討されている。対応する職員、給与体系の検討を進める。

 A 柔軟で機動的な組織・機構

 従来、市の組織・機構は、市の独自性と国の補助金や組織に対応する形との併存
で構成されてきた。

 国の三位一体改革による地方交付税、補助金の削減などが進められるこの機会に、市民ニーズへの的確な対応が可能となる柔軟な組織体制の構築を検討し、現在のフラット制がより機能する、機動的な組織の構成を目指す。

 また、電子自治体への取り組みによる組織体制の見直しや水道事業と下水道事業の管理部門の統合について検討し、組織の簡素化を進める。同時に時期的に集中する事務や、事務量の不均衡などの解消も図る。

  ア より柔軟な対応が可能な大部、大課制の推進
  イ 新たな業務等に柔軟に対応できる部組織とする
  ウ 課単位による事務分掌

 B 総人件費の抑制

 適正な給与水準や多様な雇用形態の活用により、総人件費の抑制を図る

 C 職員の能力開発

 人材育成基本方針にのっとり、職員の職務意欲の向上や業務への創意工夫を推奨し、職員の行政能力を高めることにより、前例踏襲主義的な業務執行を排し、市政の活性化を図る。

  ア 研修内容の質・量ともに充実を図る
  イ やる気を喚起する人事管理諸制度の検討
  ウ 職員の専門性や技能を高め、講演会等の講師は職員で行う
  エ 職員研修のアウトソース化を含め検討する
 
(5) 財政運営について

 国の三位一体改革や本市の脆弱な財政基盤の改善を図るため、新たな課税客体の研究などを行うとともに、なお一層の財源の有効活用に努める。

 @ 健全な財政運営

 行政評価システムの活用により、事務事業を精査し、厳正な予算編成および予算の効率的な執行により、歳出の抑制に努め、予算消化主義の徹底した払拭と余剰予算の厳格な管理等を進める。

 A 適正な工事設計等

 単独事業(工事)においては、目的・使用年数・用途等を考慮した設計等の活用を検討する。

 B 市税等の増収と収納率の向上

 市民税等の収納率の更なる向上への努力と税率の検討や新たな税の創設の研究を進める。
 また、本市は一人当たりの市税収入が北摂7市で最も低く、税基盤が脆弱であるため、税収入を高める方策を総合的な施策をもって積極的に進める。
   
 C 利用計画のない市有地等の処分 

 長期保有状態にある市有地等は、売却などの処分を含め積極的な利用・活用を検討する。

D 任意補助金の見直し

 既存補助金については、従前から、その必要度・効果・経費負担のあり方 等により、精査・適正な執行に努めてきた。

 補助金は、交付先の自助努力や競争性の制限、他の類似事業等の活動を抑制する側面を持っていることを考慮する必要がある。経済がデフレ基調にあることを考慮し、再精査を行い、市補助金の削減を進める。

 補助金は次の項目によって精査し、適切な執行に努める。

  ア 必要度等の分析、効果性の精査
  イ 対象の精査
  ウ 率の見直し
  エ 終期の設定

E  受益者負担の徹底と適正化

 使用料・手数料は、市民生活に密接に関係することから、維持管理、運営経費に比べて低く設定されている。受益者と非受益者との間に不公平感が存在するとも言われており、受益者と非受益者との均衡や市民生活での必要度等を考慮し、適正な使用料・手数料の見直しの検討を行う。

 また、新たに事業目的、性質、効果、公平性の観点等を再精査し、負担を検討する。

2 公民の役割と協働の推進

 地方分権の推進により、国と地方の役割分担が進められている。市においては、市が行うべき役割を明確にしつつ、市民・事業者との協働を図り、より効果・効率的な市民サービスが提供できるよう努める。

 (1) 公営企業について

 各公営企業においては、経済性や合理性を発揮し、経営の健全化に努めているが、公営企業を取り巻く社会経済情勢は極めて厳しく、急速に進む少子高齢化等による経営環境の変化は、現在の経営手法のみでは対応が困難と予測される。引き続き市民サービスの維持・向上を図るためにも、国が示す地方独立行政法人や指定管理者制度などの制度改革や民間経営手法を含め経営のあり方について、所管の審議会の意見を踏まえつつ検討する。

 @ 自動車運送事業

 経営健全化計画にのっとり、経費の削減を図り、効率的な事業運営に努めてきたが、モータリゼーションの進展や少子高齢化等により、今後の経営状況は非常に厳しいものとなることが予想される。企業運営の更なる効率化に努めるとともに企業経営のあり方等について検討する。

A 水道事業

 現在、経営効率化計画に基づき、人件費をはじめとした総コストの削減に努め、効果・効率的な事業運営に努めているが、節水循環型社会や少子高齢化等により、経営状況は一段と厳しさを増してくると予測される。そのため、職員定数の適正化や民間委託の推進、施設運営の見直し、非常勤職員の有効活用等に、なお一層取り組むとともに、弾力的な業務運営やより業務の効率化が図れる民間的経営手法の活用等についても検討していく。

(2) 外郭団体について

 外郭団体は、自主独立した運営により、単に受託事業のみではなく、自主的な事業展開を図り、コスト意識のもとに弾力的な経営を行うべきであるが、収支の不均衡や運営にあたっては管理部門に対する市からの補助金により運営されているのが現状である。

 管理部門も含め、収益の向上を目指した内部努力とともに、採算の取れない外郭団体については、委託経費の比較、収益性の余地等について検証し、その結果のもとに、経営手法を検討する。

 また、設立目的が失われた団体や公共性、公益性、必要性などを精査し、必要により統廃合を検討する。

 なお、内部努力や自主財源による独立した運営が困難な団体については、指定管理者制度等他の方法による運営に切り替えを検討する。

 内部努力の指針は次のとおりとする。

 市の関与として
  ア 職員派遣の見直し
  イ 運営補助金の削減 

 団体での努力
  ア 企業意識による運営とコスト意識
  イ 多様な勤務形態・職種による柔軟な事業執行体制の確立
  ウ 非常勤職員、アルバイト職員の一層の活用    
  エ 事業内容・規模に応じた民間的発想による適正な定数管理

 (3) 市民の参画の推進

 今後の市民サービスの提供にあたっては、市民の理解なくしては進めることはできない。市民への積極的な情報の提供と協働により進めていく必要がある。協働にあたっては、市民と行政の役割を明確にし、ボランティアやNPO、自治会、老人会など多様な団体との協働を進め、住民感覚を反映した、市民が真に求める事業展開を図る。

 また、ボランティアやNPOでは、福祉や環境などの公共的活動が大きな比重を占めており、行政としても積極的な支援を行っていく。

 支援にあたっては、その自主性を尊重し、側面からの支援方策を探る。

@ 市の情報を積極的に提供し、市民参加や市民への理解・協力・協働により市政を推進する
A 政策形成過程の情報として、パブリックコメントを活用しているが、今後、制度化の検討を行う
B 市民の積極的な市政運営への参加を図るため、審議会等への公募市民の参加、意見交換会の場の拡大を進める。
 
 また、市民への情報提供については、わかりやすい表現・表記で行うように努め、条例、規要綱等についても、わかりやすい表記に努める。

3 適切な進行管理

 行財政改革は、市民の理解と協力なくして成し得るものではない。本大綱に基づく実施計画の策定にあたっては、可能なかぎり目標を数値化するとともに、行財政改革大綱アクションプログラム(次頁掲載)に示す各事業の前倒し実施など、迅速かつ着実な進行と進捗状況を的確に把握し、市民への積極的な公表に努める。