高槻市政 行財政改革大綱
高槻市行財政改革大綱
 平成8年4月

目  次
第1章 行財政改革の基本的な考え方
 1 新たな行財政改革の必要性
 2 改革の目標
 3 改革の基本方針
 4 改革の推進

第2章 異休化の指針
 1 効率的な行財政運営について
 (1)職員の意識改革
 (2)事務事業の見直し
 (3)施設の効率的運営
 (4)財政運営について
 (5)組織の活性化と人事・給与制度等の改善
 (6)任意補助金等の精査
 (7)外郭団休の効率的運営及び活用

 2 公営企業の経営の効率化・健全化
 (1)自動車運送事業
 (2)水道事業

 3 行政の情報化の推進
 (1)行政の情報化の推進
 (2)行政情報の提供

 4 地方自治の推進


第1章 行財政改革の基本的な考え方

1 新たな行財政改革の必要性

 本市では、昭和61年3月に高槻市行財政改革大綱を策定し、昭和61年度から平成6年度までの三次9年間にわたり行財政改革を推進し、一定の成果をおさめてきた。

 しかし、わが国経済は、構造的な問題もあって、これまでのような順調な成長が見込めず、加えて、本市の税収が近隣市に比べ相対的に厳しい状況の中で、人口急増期の後遺症として、遅れている都市基盤の整備のための財政需要が依然として大きい。

 このように、本市を取り巻くく財政環境は厳しい中で、今後とも経常収支比率の悪化、起債残高の増蒿等、財政の硬直化が懸念されており、構造面での改善措置が急務となっている。

 さらに、今日の地方分権の流れや本格的な高齢化社会の到来を間近に控え、情報化、国際化の進展、余暇の増大により生活の質や環境への関心の高まりなど、社会経済情勢の変化とともに、市民の価値観も相当変化してきており、市民ニーズもますます多種・多様化し、増大してくるものと思われる。

 このような状況のもと、限られた財源の中で都市基盤を整備し、新たな行政需要に対応するために、これまでの行財政改革の成果を踏まえつつ、より抜本的な改革を進め、簡素で効率的な行財政システムを確立する必要がある。

 そこで、現行の行財政改革大網見直しのために、平成7年7月に高槻市行財政改革懇話会を設置し、行政機関のみならず全般にわたり活発に、かつ慎重に論議され、平成8年2月に多岐にわたる意見具申を受けたところである。

 その意見具申に沿って新たな行財政改革大綱を策定し、より一層の行財政運営の改革を推進するものである。

2 改革の目標

 社会経済状況が大きく変化する中で、「さわやか未来 ふるさと高槻」を合言葉に、21世紀に向けたまちづくりの目標である、新総合計画「水とみどりの 生活・文化都市」を実現していくためには、市民の理解と協力を得ながら、都市経営感覚の視点で、経済的・社会的変化に柔軟に対応できる組織に変革し、さらに地方分権の受け皿としての執行能力を高めるとともに、市民により質の高い行政サービスを提供するため、自主的・主体的に行財政改革を推進するものとする。

3 改革の基本方針

 (1)行政機関のみならず、外部団休、公営企業等を含めた全般にわたり取り組むこととする。

 (2)市民福祉の向上と効率的な行財政運営は、地方自治の本旨である。
    引き続き「最少の経費で最大の効果」をあげることを基本とする。

 (3)これまでの慣例躇襲や既得権にとらわれず、柔軟な発想で常に自己改革に努め、創意工夫のある先見    的な視点で制度自休の見直しを行い、「創造的市政」を追求する。

 (4)本格的な高齢化社会の到来など、社会経済状況の変化を的確に把握し、新しい市民ニーズに効果的に   対応するために、財政基盤を強化する。

 (5)まちづくりは、市民、民間企業、行政機関が相互に理解し協力しあって実現するものであるとの認識のも   とに、行政の責任に留意しつつ、それぞれの役割分担、機能分担、費用分担を明確にする。

 (6)行政運営の公正の確保と透明性の向上を図るとともに、広報広聴活動を活発化し、行財政運営に対す    る市民の理解と協力を求める。

 (7)今日の情報化社会にあって、プライバシーの保護に留意しつつ、マルチメディア時代に適した手段で、内   部事務の合理化を進め、行政サービスの一層の向上を図る。

 (8)市民生活のあらゆる面で著しく国際化が進んでおり、市民の視点からの国際交流等をきめ細かに支援、   促進するとともに、市民ニーズに適した事業を、日常的に自然な形で、市民にわかりやすい方法で提供し   ていく。

 (9)地方分権の推進にむけて、その受け皿としての体制整備を図るとともに、国と地方公共団休の関係を抜   本的に改善する制度改革が進められるよう、関係機関と連携しながら、国・府に対して強く要請していく。

4 改革の推進

 (1) 本行財政改革の具休的な実施計画については、行財政改革推進本部が中心となり、年次計画を策定  し、全庁的体制のもと、効果的かつ計画的に推進する。
  なお、進行管理については、行財政改革調整委員会が行う。

 (2) 本計画の実施時期は、原則として平成8年度から平成12年度までとする。

 (3) 本行財政改革を実施するにあたり、市議会・市民・関係団体等の理解と協力を得るように努める。

 (4) 実施計画の推進状況については、行財政改革懇話会に定期的に報告するとともに、市民に対しても公  表する。

第2章 具体化の指針

1 効率的な行財政運営について

 限られた財源の中で、新たな行政課題や社会経済情勢の変化に的確に対応していくためには、より一層の効率的な行財政運営に努める必要がある。

 (1)職員の意識変革

  行財政改革をより一層推進するには職員の理解と協力が不可欠である。

  来たるべき地方分権時代の担い手として、自己改革に取り組むとともに、常に経費や費用対効果等を意識  し、恒常的・自主的に事務事業の見直しを行うことを求めていく。

 (2)事務事業の見直し

  事務事業については、今日の行政需要として、その必要性、妥当性、効果性、効率性、均衡性、迅速性か  ら見直しを行い、行政の責務を明確にしつつ、施策の転換、廃止、縮小、統合、民間等への委託、非常勤  職員の活用等により整理合理化を行う。

 (3)施設の効率的運営

  市民ニーズに対応して会館等公共施設の整備が進んでいるが、当該施設の役割、機能、運営方法、職員  配置基準等について検討し、施設の統廃合や民間等への委託を積極的に推進し、効率的な施設の管理   運営を図る。

   ア 施設の統廃合

     保育所、学校等については、今日の状況から、効率的運営を図るためには、一定基準を設定し、施設     の統廃合を図り、空き施設については、地域住民のニーズに即して多目的に利用できるよう、検討を     行う。
 
   イ 民間委託等の推進
 
     施設の管理運営については、行政責任を確保しつつ、より良いサービスを効果的に提供するため、管     理運営の委託化を推進する。

     特に、社会福祉施設、社会教育施設、公園等の維持管理運営については、外部団体の活用や民間     委託に移行する。

 (4)財政運営について

   総合計画を基本として予算編成を行い、計画の達成に向けた財源の配分に努める。

   また、経常分の予算査定は、原則として既存経費にとらわれることなく、マイナス・シーリング方式を継続   し、軽費の増嵩を抑制して節減した経費を、優先度の高い特別施策や新規施策に充当するよう努める。
   個人を対象とする行政サービスの提供については、社会的弱者の立場に配慮しつつ、行政の公平性を    確保するため、定期的にサービス内容と受益者負担を明確にし、必要な是正を行う。

   さらに、独自財源の可能性について研究を行うとともに、市債や基金の活用、資産の効果的・弾力的運    用、課税客体の完全把握など、健全財政の維持にむけて、なお一層努める。

   なお、地方分権、権限移譲による事務事業の移管にあたっては、国・府に対して必要な自主財源が保障   されるよう強く要請していく。

 (5)組織の活性化と人事施策、給与制度等の改善

   総定数については、府下で有数の少数精鋭的配置となっているものの、未だ類似団体より職員数が多    い部門がみられるので、一層の適正化に努め、人件費の総額を抑制する。

   また、職員の高齢化対策やバランスのとれた年齢構成にするには、職員の豊かな経験や知識を有効に   活用していける長期展望にたった人事施策を行なう。

   さらに、新たな行政課題や市民の多種・多様な市民ニーズに対応できる、簡素で弾力のある組織・機構   に整備する。

   ア 職員定数の適正化

     行政としての役割分担を明確にすると共に、事務事業の見直し、行政需要の的確な把握、事務処理     方法の改善、組織・機構の簡素・効率化、職印配置基準の見直し、非常勤職員の活用、民間等への     委託、計画的なOA化の推進、職員能力の向上等を推進し、職員定数の適正化に努め、1割程度の      削減を目標とする。

   イ 組織・機構の簡素効率化

     従来の縦割り的行政の非効率性を改め、市民ニーズを軸とした組織体とする観点から見直しを進め、     大部大課制を原則に、簡素で弾力のある組織・機構に整備する。

   ウ 人事施策の改善

     現行の勤務評定制度をはじめとする人事管理諸制度のより一層の活用と制度の改善を行い、ノーワ     ーク・ノーペイの原則、実績主義の徹底、適正な処遇により、公平・公正な人事行政の確立と職員の     勤労意欲の向上に努める。

     市民ニーズの多様化に対応して行政サービスの向上を図るため、柔軟で効率的な職員の勤務体系      について検討する。

     また、職員の高齢化対策や年齢別職員構成の歪みを是正するために、長期展望にたって、総合的な     人事施策を行う。

   エ 給与制度等の改善

     社会が生活給から業務に見合った機能給・能率給へ変化してきているなかで、職員給与も相応の対     応をすることを求められているところから、法律に規定された給与制度に照らし、職員の勤労意欲や能     力を引き出すことを視点に、給与制度の改善を検討する。

     さらに、非常勤接点の報酬やアルバイト賃金等については、他市との均衡を考慮したものに是正する。

   オ 職員能力の向上

     これからの自治体は、来たるべき地方分権の時代に備え、職員の能力開発とりわけ政策形成能力や     政策開発を担当しうる人材の育成が必要であり、職場における実務研修をはじめ国・府・民間との交     流を推進するなどの多岐にわたる研修を充実させ、職員能力の向上を図り、人事施策に反映させる。

 (6)任意補肋金等の精査

   任意補肋金については、過去の効果と実績を評価するなかで、今日的な行政の責任分野、負担区分の   在り方、行政効果、期限の設定等について原点から精査し、定期的に整理見直しを図るシステムを構築   する。
   
   特に、新規の補助制度を創設する場合にあっては、原則として期限を定めたサンセット方式を導入するこ   ととし、既存の補肋金についてもシーリング制度の設定などにより、補肋金絵額の1割の削減に努める。

 (7)外郭団体の効率的運営及び活用

   外部団体を効率的に運営するには、社会経済情勢の変化等を踏まえ、自主性を高め、その設立目的、    業務内容、活動実態、果たしている機能、職員等の配置等について十分に精査を行い、民間人の登用、   若手職員の派遣などの、柔軟な人事施策により活性化に努める。
 
   また、外郭団体に委託した方が効率的運営が図れる事務事業については、既設法人の活用や新たな法   人を設立していく。

2 公営企業の経営の効率化・健全化

 社会経済情勢の変化等により公営企業を取り巻く環境は極めて厳しく、各公営企業において合理性及び効 率性を発揮し、経営の健全化を推進する。

 そこで、社会の変化に対応した簡素で効率的で健全な企業経営を目指して自ら総点検を行い、時代に対応 した組織の簡素合理化、職員定数の適正化、給与の適正化、民間委託等の推進、事務改善の推進、OA化 の推進、資産の有効活用等を進め、より一層の経営の効率化・健全化を図る。

 そのためには、経営責任者は経営に関する見識と指導力を十分発揮し、推進することが重要である。

 (1)自動車運送事業

  経営の効率化・健全化を図るために、公共性・安全性の確保に留意しつつ、職員定数の適正化、給与制   度の見直し、資産の有効活用、民間委託の推進、非常勤将兵の活用等に努める。

  特に、人件費については、経費の80%と他市より高率であり、バス会計の赤字の大きな要因となっている。
  そこで、これを是正するために、給与制度全般にわたり抜本的に見直す。

  また、一般会計からの負担についても精査するとともに、事業形態についても適宜検討する。

 (2)水道事業

  健全化計画を推進しているが、一層の経営の効率化・健全化をはかるためには、新たな健全化計画を策   定する。

  その策定にあたっては、職員定数の適正化、施設運営の見直し、民間等への委託の推進、非常勤職員の  活用などを図り、効率的運用に努める。

  特に、検針業務、施設維持管理業務については、早急に見直しを行う。

3 行政の情報化の推進

 近年の高度情報処理技術及び電気通信技術の進展に応じて、行政運営の効率化・高度化や多種・多様化 する市民サービスの向上を図るため、個人情報の保護に配慮しつつ行政の情報化を計画的に推進する。

 (1)行政の情報化の推進

  情報処理技術の革新に伴い、パソコン等の普及による情報処理の分散化など、新しい時代に対応した行   政の情報化を推進するため、計画的にパソコン等のOA機器の導入、データベースの構築等を進める。

 (2)行政情報の提供

  高度情報通信技術の進展に対応して、市民の立場に立った行政サービスの効率化・高度化を図るため、   庁内の関係部課のネットワーク化を促進し、タイムリーに行政情報を提供する。

4 地方自治の推進

 国においては、地方分権推進法が成立し、国から地方への分権に向けた取り組みが進められており、また、 大阪府においては、地方分権推進検討委員会が設置されている。このような状況のなかで、本市も、地方  分権に対する基本的な考えかたを積極的に国・府に示すとともに、釆たるぺき地方分権の時代に備えて自  主性、自立性を強化し、自覚と責任のある自治体に変革する必要がある。

 一方で、現行地方行財政制度の改善の要請はもちろんのこと、地方分権推進法の具体化するなかで、国・ 府・市が分権時代にふさわしい新しい関係を確立するためには、それぞれの役割分担を明確にし、権限移譲 の拡大、国の過度な関与の縮減、補助金の整理合理化、財源の移譲等、早期に地方分権の確立に向けた 抜本的な改正がされるよう、関係期間と連携しながら、国・府に対して強く求めていく。