説明

脊髄空洞症を一言でいえば
進行するかもしれない脊髄損傷だと思います。

初めに脊髄とはどこにあるのでしょう。

脊髄は背骨の中にあります。
脳とつながっていて
体を動かしたり 、
物の温度や触った感覚を
脳に伝える役目をしています。

下の図は背骨を 縦に割った略図です。
本当はもっといろいろありますが、
必要な部分だけを簡素化しました。


    (通常の脊髄)

髄液は脳で作られ、体中をまわって
また脳へ戻っていきます。

通常の脊髄には空洞も髄液もありません。
その脊髄に髄液が入ってしまうのが脊髄空洞症です。
髄液が入ってしまう原因は分かっていません。
またどこからどのように入ってしまうのかも
分かっていません。


(脊髄空洞症の脊髄)

病名には「空洞」とありますが、
実際には空洞と呼ばれる場所には髄液が入っています。
何らかの理由で空洞ができて、髄液が入るという説があるため、
この病名が付いたようです。

では、髄液が脊髄の中に入ってしまうと
何が起こるのでしょうか?

髄液は流れ出る場所がないため、脊髄の中に溜まっていきます。

骨と髄液に挟まれ、脊髄は圧迫を受けてしまします。


例えば
左手を動かす神経が圧迫された時は
左手を動かしにくくなります。

左足を動かす神経が圧迫された時は
左足を動かしにくくなります。

左手の温度を感じる神経を圧迫された時は
左手の温度を感じにくくなります。

左手で物を触った感覚を分かる神経が圧迫された時は
左手の物を触る感覚が鈍くなります。

圧迫を受ける場所には個人差があり 、
症状の出方も個人で違います。

圧迫を受け、神経が傷ついてしまうと、
元には戻りません。

動きが鈍くなった手や足は
手術をして空洞がなくなっても鈍いままです。
万一、動かなくなってしまっても、
手術によって動くようになるわけではありません。

空洞症によって出た痛みもなくなるく事は少ないです。


不思議な事に、
空洞の大きさと症状は比例しません。

それは
神経が圧迫を受けた場所によります。

よく使う神経を圧迫されれば
たとえ空洞が小さくても症状が出易くなります。

逆に
ほとんど使わない神経が
大きな空洞に圧迫を受けても
症状が出にくい(自覚しない)こともあります。

:参考:神経は何本も何本もありますが
実際にはすべての神経が
活発に使われる わけではありません。




また、空洞があっても症状のない(自覚しない人)もいます。
「進行するかもしれない脊髄損傷」と書いたのはその為です。

その半面、空洞が小さい、
術後空洞がなくなったのにも関わらず
症状が進む人もいます。

現在、空洞症には手術しか治療法がないため
いつ手術するのかを見極めるのが大切です。