リチア電気石 Elbaite


リチア電気石の写真

産地:パキスタン ペシャワール
高さ:50mm
硬度:7〜71/2  六方晶系
化学組成式:Na(LiAl)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4


リチア電気石はリチウムを主成分とする電気石です。透明度の高い物は11月の誕生石になります。 写真の標本は色は1つの結晶に緑色と紅色の2色があります。 こういう2色ある物をバイカラートルマリンと言うこともあります。 同じ2色のものでも、中がピンク色で外側が緑色のもの(その逆もあり)をスイカに見たててウォーターメロンといいます。 柱状の結晶を輪切りにするとスイカみたいに見えるのです。

リチア電気石の紅色系は宝石名でルベライト(Rubellite)と呼ばれます。

なぜトルマリンは電気石という和名が付けられたのでしょうか?  トルマリンを熱したり摩擦したりすると静電気を帯びてきてちりを吸い寄せる性質から付けられました。 この性質を利用してかつてはパイプの灰取りにも使われていました。

ウソか?本当か?トルマリンのマイナスイオンパワー
ここ数年マイナスイオンブームの中で、トルマリンもマイナスイオンを発生しているということで注目されてきました。 トルマリンを入れてお風呂を沸かすと良い、お湯を沸かすと良い、枕にトルマリンのつぶを入れて眠ると良い、 トルマリンのブレスレットやネックレスを身につけると良い等々、 トルマリンから発生するマイナスイオンが体に良い影響を与えると言われているようです。
しかし、実際にはトルマリンからはマイナスイオンは発生していないようです。 参考資料によると、トルマリンからマイナスイオンが発生すると長い時間の間に化学組成式が変化していくとの事です。 その本は岩塩を例に説明しています。塩の化学組成式はNaClです。 Naがプラスイオン、Clがマイナスイオンで、マイナスイオンが発生すればClが徐々に減っていきます。 ですが、マイナスイオンのClが少ない岩塩は見つかっていません。トルマリンにも同じ事が言えます。 いろいろな原子がしっかりと結合しあっているためプラスイオンが多くなったトルマリンは存在しません。 また、トルマリンは難溶解性なので何かの成分が水に溶け出すということもありません。
素朴な疑問。じゃあなんでトルマリンのマイナスイオンパワーがブームになったんでしょうか? マイナスイオンって何か体にいいらしいと思って上の写真のトルマリンともう一つを枕元近くにおいていたことがありましたが、何もありませんでした。 そりゃそうです。トルマリンからは何も出ていないんだから。



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