2005.04.19
エンドレス2(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ぬぅ…」
「どうしたの?」
「いや、なんでもないのだ。」
「そう。」
「…」
「…」
「ぬぅ…」
「どうしたの?」
「…なんでもないのだ…」
「そう。」
「…」
「…」
「ぬぅ…」
「どうしたの?」
…エンドレス…

2004.08.17
ありがとう(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

『お主なら、いつか私が負けることがあっても代わりに優しい王様になってくれるかもしれないではないか!!』
何よ、バカ…
弱虫のくせに偉そうに…
でも、ありがとう。
本当は嬉しかった。
この戦いでも、信じられる人がいた。
その事が、とても。
ありがとう。その一言だけが伝えたくて。

2004.08.15
じぇらしい(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「のー、ティオー」
「なによ。」
「まだ怒っておるのか?」
つーんと、完全にそっぽを向いてしまうティオ。
「のーおー。」
まるで自分の怒っている理由を察していないかのような物言いに(実際察してないが)とうとう耐えられなくなったティオ。
「……なによ、いっつも、コルル、コルル、コルル!!それ聞いて、私がどんな気持ちかも知らないくせに!!」
「ティオ?」
バッと立ち上がったティオを引きとめようとするが、
「何よ!!私のキモチ、全く気づいてくれないくせに!!ばか!!もう知らない!!ついてこないで!!だいっ嫌い!!」
ガッシュは何も言えなかった。
そのままバタバタと階段を下りる音がする。
それでもガッシュには、ティオの言葉をかみ締め、残された雫を見つめることしか出来なかった。

吐き出してしまった感情、今まで必死に耐えてきたはずだった。
コルルの名前をガッシュから聞くたびに、いつもうらやましかった。
負けない。パティにもそう誓ったが、本当に負けたくないのはコルルだ。
負けたくない。そう思うことで、この感情をガッシュに悟られないようにした。
はずだった。
ずっと耐えるつもりでいた。
ガッシュに告白して、一番好き、誰よりも好き、そう言って貰ってから初めて。
ガッシュの一番になったその時に、嫌だって伝えるつもりだった。
でも。
もう耐えられなかった。
いつもと同じだったのに。
コルルのためにも優しい王様になってこの戦いを終わらせる。
ガッシュのいつもの台詞だったのに。
今日はなぜか、耐えられなかった。

独り公園のブランコを揺らすティオ。
その周りを、ティオの心を象徴するように、風が一つ、凪いでいった。

2004.08.12〜13
日常(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ウヌ〜…」
「どーしたの?」
ゴロリン、ゴロリン、とゆったりリズムを刻みながら回るガッシュ。
それに声をかけ続けるティオ。
この問答ももうかれこれ十分くらい続いている。
「ウヌ〜…」
「ちょっと、どうしたのって!」
最初は気にも留めてなかったティオも、答えないガッシュに腹を立て、とうとう怒り出す。
しかし、ようやく回転をやめたガッシュがティオにかけた言葉は、
「ウヌ?ティオ、どうして起こっておるのだ?」
この台詞に、今のティオが耐えられるはずもなく、
「あんたってやつは〜!!」
当然のごとく首絞め。
「ぬおおぉぉ、な、何をするのだ…」
「うるさい!」
容赦なく絞めあげる。
ようやく収まったのは、ガッシュの顔が少し紫がかってからだった。

「で、何悩んでたのよ?」
ようやく首を離す。
「ヌ…ウ…知らないのだ…」
「はぁ!?」
「前、何に悩んでいたか忘れて、それについて悩んでたのだ。」
「…もういいわよ…」

2004.08.27
よく分からん…(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ティーオー」
「なによ?」
「なんでもないのだ。」
にたにたと笑うガッシュ。
何か意図を含んでいるようで、だがその笑顔もガッシュらしい笑顔といえばそれまでなのだが。
「なによ、気持ち悪いわね。」
「なんでもないのだ〜。」
ルンルンと部屋を出て行ってしまった。
全くわけが分からず、ティオは取り残されるだけだった。

2004.09.16
復活(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「で、ガッシュはどうしたいんだ?」
目の前で落ち込む、小さなパートナーに優しく声をかける。
「ヌ…、分からぬのだ…。」
うなだれ続ける。
ガッシュにとってあの涙はそれほどの意味を持っていた。
「走れ。」
突然清麿が呟いた。
「ヌ?」
戸惑うガッシュに、
「もう考えるな、走ってしまえ。」
さらに続ける。
「清麿…?」
「忘れたか?お前はあの時そう言ったんだ。」
ニヤリと笑う。
その言葉は、まだであって間もないころ。
迷う清麿にガッシュがたたきつけた言葉だった。
「お前の頭でそんな難しいこと考えても仕方ないだろ。こんなの俺でさえわからないんだ。」
「ヌ?そうなのか?」
つい、と顔を上げる。
「そうだ。だったら考えたって仕方ないだろ?だから考えるな。もう、走ってしまえ。思うままにな。」
「…そうだの。清麿に分からぬのなら私が悩んでも仕方ないの。」
納得したかのように、落ち込んでいた顔に光がさす。
「おう、行って来い。」
「ヌ。では行ってくるのだ。」
ぴょん、と飛び上がり、玄関に向かってかけていく。
その背中は、先ほどの沈み込んだものとは別人のように、明るい。
清麿は、玄関を飛び出した後姿に笑いかけ、
「さて、後一仕事、っと。」
階段を降り、受話器に手をかけた。

2004.10.30
ヌゥ…(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「困ったのぅ…」
腕組みするガッシュ。
一人寝室にこもってうなる。
「明日までに后を決めろなどと…あまりにも急すぎるではないか…」
候補は3人。
ティオとコルルとパティ。
みな、よく知る者たちである。
「ウヌゥ、どうしろというのだ…」
頭を抱える。
「きよまろ〜どうすればよいのだ〜。」
8年も前に分かれたパートナーを呼ぶ。
彼は自分より明晰でいつも頼っていた。
そして、自分を王にしてくれた。
彼がここにいてくれたら、きっと何らかのヒントなり答えなりをくれたと思う。
しかしここは魔界である。
彼が答えるはずもない。
「ヌゥ…どうしろというのだ…」
ガッシュの悩みは夜遅くまで続いた。

2004.07.05
ティオ[金色のガッシュ!!]

あんなに弱虫だったのに。
あんなに泣き虫だったのに。
あの子はいつのまにあんなに強くなったんだろう。
魔界にいた時とは大違い。
でも、考え方はあの時のガッシュと一緒。私の好きな…。
そういえば、清麿にきいたんだけど、パティって、自分はガッシュの恋人だって言ってたそうじゃない!!
覚えてなさいよ…魔界に帰ったらただじゃおかないんだから!!
それで、コルルにも、勝つ。
ガッシュのなかにいるコルルを、追い出してやるんだから!!

2004.07.04
ガッシュ[金色のガッシュ!!]

ヌゥ、私には魔界のころの記憶がないからのぅ。
私が何をしていたか、まったく分からぬのだ。
ティオと何をしていたか、パティと何があったか。
キャンチョメやウォンレイとは何をやったか。
さっぱり覚えておらぬ。
しかし、人間界に来てからは色々なことをした。
ウマゴンとは毎日遊んでおる。
パティは恐い。ウォンレイは強い。
そしてティオ。
ティオとは本当に色々やった。
敵も倒した。でーと(そう言っていた)というのにも行った。
そして、何故なのかはよく分からぬのだが、楽しい。
ティオといると、ほかの誰といる時よりも楽しいのだ。
それが何故なのかはやはり分からぬ。
それでも、いつか分かる日が来るかのう。

2004.05.02
やることが無くて(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ガッシュー、なにやってんのー?」
清麿の部屋の戸を開けたティオ。
「おお、ティオ!いいところに来てくれたのだ。」
その肩をがっしりとつかむガッシュ!!
「ちょ、ちょっとどうしたのよ?」
赤い顔で戸惑う。
「やることが無くて暇だったのだ。どこかへ行こうぞ!」
返事も聞かずに手をひいて飛び出した。
「ちょ、ちょっとー!!」

2004.05.03
悪夢(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ここは…?」
ただ真っ暗な闇に、一人浮かんでいた。
ティオの目に倒れたガッシュが飛び込んでくる。
「ガッシュ!ガッシュ!!」
抱き上げて揺さぶってみるものの、まったく反応が無い。
「清麿!!恵!!」
返事は無い。
「どうしよう…ガッシュ…死んじゃやだよぅ…」
抱きしめる。その目から、しずくが一つこぼれる。
「誰か!誰かいないの!!ガッシュが、ガッシュが死んじゃうよぉ…」
抱きしめたまま泣き崩れる。
「ティオ、ティオ…」
「わっ!!」
揺さぶられる感覚と共に目を開けると、ガッシュの顔が。
「ガッシュ!!よかったよぅ…。」
目の前のガッシュに思い切り飛びつく。
「ヌ!?どうしたのだティオ?恐い夢でも見たのか?」
ただ泣きじゃくる。
「よかったよぅ、ガッシュ…死んじゃったかと思ったんだから…」
「ヌ?何のことなのだ?私がティオをおいて死ぬはず無かろう?」
いっそう激しく泣きじゃくる。
ガッシュも、何も言わず、ティオを支えていた。

2004.05.05
気分(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ガッシュー、それ何かぶってんのよ?」
「かぶとなのだ。清麿が朝作ってくれたのだ。」
なるほど、新聞で折ったかぶとが、ずり落ちそうになりながらも、ガッシュの頭にのっている。
「ふーん。そういえば今日はこどもの日って恵が言ってたっけ。」
「そうなのだ。こどもの日なのだ。」
何がうれしいのかは分からないが、いつになく元気のよいガッシュ。
「ねぇガッシュ、何かいい事あったの?」
「ヌ、そうでもないが…。なんかこう、気分がいいのだ。」
「ふーん。じゃあ、今日は何する?」
「そうだのう…」

2004.05.08
いたずらU(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ちょ、ガッシュ、もうちょっと優しく…イタッ!」
「ウヌ、こうか?」
「アッ、そこ違うってば。ここよここ!」
ガッシュの手をそこへ導く。
「ウヌ、ここだな?」
「ハッ、アッ、そ、そう、そこよ、そこ…アッ、ンッ…」
先ほどからうめいてばかりいるティオ。
ガッシュはやはり少し心配になった。
「ヌ?ティオ、痛むのか?やはりやめておいたほうがいいかのう?」
続けながらだが、心配そうなガッシュ。
しかしティオは強めの口調でそれを遮った。
「ダメ!やめないで!アッ、そ、そこ、気持ちいい…ンッ。」
「ヌゥ…しかし本当に私でよかったのか?こんなことするのは初めてなのだぞ?」
「ンッ、べ、別にいいわっよ…ンッ!は、初めてだって、ハッ、き、気持ちよければ、い、いのよ。」
「そうか、ならよいのだが…」
しかしガッシュの息が、少しづつ上がってきている。
「ヌゥ、ティオ、そろそろ交代してくれぬか?疲れたのだ…」
ティオはあっさりとその願いを受け入れた。
「ンッ、もういいわよ。ありがと。」
起き上がり、ぐるぐると腕を回す。
「あー、だいぶ楽になったわ。ありがと、ガッシュv」
ニコニコ顔のティオに対し、バテバテのガッシュ。
「ヌゥ…しかし、このまっさあじというのは疲れるの…」
「それは、あんたがやったから。今度はあたしがやったげるから、ほら早く寝て。」
「ウヌ…」
言われるままに横になる。
「じゃあ、いくわよ。痛かったりどこが気持ちいいかとかちゃんと言いなさいよ。」
上に載ったティオがそう言いながら手に力を込めていく。
「ヌッ、た、確かに、き、もち、いい、の、う。」
そうやってしばらく代わる代わるやり続けていた。

2004.05.11
キモチT(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

あの子はたくましくなった。
魔界にいたときとは見違えるほど。
あの子は強くなった。泣かなくなった。
泣き虫とあだ名され、落ちこぼれとあだ名されるほどだったのに。
そして私も。
あの子ほどではないけれど。
確実に一歩一歩強くなっている。
そして、私の、キモチ、も。
こっちに来て、強く、あきらめずに戦うあの子に。
だんだんと惹かれていった。
まだ、まだこれを言葉には出来ないけれど。
いつかそのときが来たら。
私のこのキモチ、受け止めてくれますか…?

2004.05.12
キモチU(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

いつも助けてくれる。
いくつもの危機を救ってくれた。
優しい王を目指すと、約束してくれた。
遊んでもくれる。
色々な食べ物もくれる。
一緒にいると安心する。
キャンチョメよりも、ウォンレイよりも。
誰といるよりも。
誰にも抱いておらぬ、特別なキモチ。
このキモチが。
何なのか分かる日は、私に来るのかのう?
もし来たら、私は、そしてティオは。
どんな反応をするのだろうか?

2004.05.14
作成(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「よし、後はこれで10分焼くだけ…」
オーブンに生地を放り込み、タイマーをあわせる。
焼きあがるまで、何もやることが無い。
「上手く出来るといいな…」
失敗してないことを祈りながら。
ガッシュはおいしいって言ってくれるかな、とは口に出さない。
いつもは恵に手伝ってもらうのだが、今日は初めて一人で作った。
喜ぶ顔が、おいしいという一言が感じたくて。
だけど、失敗してないか、それが不安で。
あれこれと、色々なことが浮かんでくる。
結果発表のベルが、鳴った。

2004.05.17
アルコール(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ねー、ガッシュー。」
「ヌ?」
甘えた声でしなだれかかる。
「ど、どうしたのだティオ!熱でもあるのか!?」
「そんなんらにゃーいわよう。にゃんあ、ろう、りるんがいいにょひょ。」
どう見たって普通じゃない。目が据わっている。
「恵殿ー!清麿ー!!」
慌てて助けを呼ぼうとするが、
「らーめ、いらせれあれにゃいv」
後ろからのしかかられ、つぶされる。
そのままマウントポジションを取られた。
「ヌゥ!はなすのだティオ!」
もがくガッシュだが、
「うるひゃい!!」
と一喝された。
さらにティオはろれつの回らない口調で続ける。
「にゃんれよ!にゃんれあんひゃはひるもひるも…」
「ヌゥ、なに言ってるのか分からないのだ…」
「うるひゃい!!にゃんれよ…にゃんれあんらはあらひのひもひにひるいれふれにゃいにょよ!!」
「ヌゥ・・・」
ぽろり、ぽろりと涙がこぼれる。
「にゃんれ、にゃんれあらひは、ひょんにゃやるにょひょろひゅひににゃッらんらろ・・・」
言い終わるか終わらないかのうちに、ドサリと音を立ててガッシュの上に崩れ落ちた。
「ティ、ティオ!!」
返事の代わりに聞こえたのは規則正しい寝息。
寝ていることを確認したガッシュの思うことは一つ。
「ヌゥ、動けぬのだ…」

2004.05.19
良く分かんない(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「むぅ。」
「うーん。」
「ぬぬぬぬぬ…」
「んんんんん…」
「ぬおおああぁぁぁ…!!」
「はああああぁぁぁ…!!」
…………なにやってんだか…………

2004.05.27
暇(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ガッシュ〜。」
「ヌ?どうしたのだ?」
「ひ〜ま〜。」
ごろごろごろ…。
転がって近づいてくる。
「ウヌ、確かにそうだのう。」
ごろごろごろ…。
こっちもまわりだす。
互いに向かっていき、待っている結果は。
「「イタッ!」」
なわけで。
「痛いじゃないのよ、考えなさいよ!!」
「ティオだってまわってきたではないか!」
「あたしが先だったんだから、当たらないよう工夫ぐらいしなさいよ!!」
「ウヌゥ…」
あいかわらず、ガッシュはティオに弱いようで。

2004.04.15
お礼(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ねえ、ガッシュ。」
後ろ手に隠したものを、
「これ、あげる。」
さしだす。
きれいにラップされてリボンで止められた包み。
「ヌ?ティオ、くれるのか?」
「…え、ええ。」
「ウヌ、ありがとうの。開けてよいかの?」
ティオの了承を得、包みを開く。
「おお、クッキーではないか。どうしたのだ?」
「あたしが焼いたのよ。文句があるなら食べなくていいわ。」
赤くなり、すねたように取り返そうとする。
「ヌ、それはだめなのだ。ティオの食べ物はおいしいからの。」
赤かった頬が深紅に染まる。
「……ありがとう。」

2004.04.28
プチヤキモチ(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ねぇガッシュ。」
「ヌ?」
いつもより一段厳しい緊張の面持ち。
「あのパティって娘、何!?」
厳しく詰め寄る。
「ヌゥ、パ、パティはパティなのだ。」
「あの娘、自分はガッシュの恋人だって叫んでたじゃない!!」
豹変二歩手前。
「ぬ、そ、そんなことは私は知らぬのだ!」
「あっそ。あくまでしらを切るのね。いいわよ。もう何も作ってあげない!!」
プイとそっぽを向いてしまうティオ。
その言葉に、
「ヌゥ、それは困るのだティオ〜。本当に私は知らぬのだぁ!」
泣き出すガッシュ。
「分かったわよ。お菓子は作ってあげるから。でも本当に知らないのね。」
さすがにかわいそうになったのか、慰めに入るティオ。ただ、念を押すことも忘れない。
「ヌ。本当に知らぬのだ!!」
「分かったわ。じゃあ、何が食べたい?」
ため息一つ。
「ぬ、ブリなのだ。」
「無理!!」

2004.04.29
お願い(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ガッシュ…」
頬は赤いが真剣な顔。
「あのね、その…」
「ヌ?」
「その…」
なかなか言い出せない。
人差し指をこすり合わせ、顔の紅潮はどんどん進む。
「あの…わ、私と…」
「ヌ?なんなのだ?言いたいことはさっさと言うのだ。私に出来ることなら何でもするぞ?」
にこやかに言う。その言葉で決心がついたのか、一気にティオは言葉を吐き出した。
「私と…キス…して…」
言い切った。真っ赤を通り越しそうなほど紅潮しているティオ。
しかしガッシュは驚いた様子も無く、
「ヌ?そんなことでよいのか?」
「えっ?」
ティオに近づき、頬に口付けた。
「!!!」
口付けられた場所を手で押さえ、声にならない声を上げる。
ガッシュは少し頬を染め、笑顔になる。
「言っておくが、こんなことするのはティオにだけなのだ。」
その言の葉にこもった意味。すなわち、自分がガッシュにとって特別だということを感じ取り、
「うん!!」
ティオの目からはしずくがこぼれていた。

2004.03.06
誓い(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

この戦いに仲間なんていない。信じられるのは自分だけ。
誰もが王様になりたがっているんだから、そんなの当たり前。
そう、思ってた。こっちであの子に会うまでは。
あの子はぼろぼろになってまで、恵のコンサートを守ってくれた。
私が信用し切れなくてあの子の本の持ち主を連れてこなかったのに、あの子は助けてくれた。
マルスを倒した後も、まさか、まさかあんなこと言われるとは思わなかった。
「お主とは戦いたくない!お主なら、お主がいればいつか私が負けることがあっても、優しい王様が生まれるかもしれないではないか」って。
泣き虫で、でも許せないことには全身で反発して。
魔界でのガッシュそのままだった。
この王を決める戦いで、変わらずにいてくれた。
それが、その事がとても嬉しかった。
でも、コルルにはちょっと嫉妬するかな。
だってあの子、
「コルルという子が消える時、私にこう言ったのだ。『魔界に優しい王様がいたら、こんなことにはならなかったのかな。』と。
だから私は戦ってるのだ。優しい王様になってこんな馬鹿げた戦いを終わらせるために!」
って言ってたの。
少し、悔しいな。あの子にそんなこと言わせるなんて。
「あ、ガッシュ!」
ふと、視界にあの子の姿が映る。
「ウヌ?ティオではないか!どうしたのだ?」
私の声に気づいてガッシュは振り返る。
だから私は、ガッシュを助ける。
コルルとは別の形で役に立つ。
それがあの時の恩返しにもなるから。
「今日は何をして遊ぶのだ?」
「そうねぇ……」

2004.03.15
贈り物(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「はい、ガッシュ。」
ティオから、リボンでラッピングされた箱が差し出された。
「ウヌ?これは何なのだ、ティオ。私にくれるのか?」
受け取った箱を眺めながら聞いた。
「そ、そうよ、これは私からの誕生日プレゼント。ガッシュ以外に誰にあげるのよ?」
腕を組んでそっぽを向いてしまった。照れ隠しである。
「ウヌゥ、ティオありがとうの。開けてみてもよいか?」
ワクワクと目が輝き始めている。
「ええ、いいわよ。」
その声とともに、ガッシュは包みを解いていく。
さて箱の中には何が入っているのだろうか…。

2004.03.21
決心(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

ガッシュがあんなに強くなっていた。
私を圧倒するくらいに。
魔界ではあんなに弱虫だったのに。
今では腕力が私を上回るほどに。
やさしい王様になるために、この決意は伊達じゃないのね。
でも、私だって負けるわけにはいかない。
私だって王候補の一人。
王を目指して戦ってるんだから。
何があっても。
その道がどんなに険しくても。
ガッシュと最後に決着をつけるまでは、負けたくない。
いや、負けない、負けられない。
絶対に。

2004.03.23
日常(ガッシュxティオ)[金色のガッシュ!!]

「ねぇ、ガッシュー、今日は何するー?」
清麿の部屋。
今日は、恵の仕事場に入れなかったので仕方なくガッシュのところへ遊びに来ているティオである。
「うぬ、そうだのう…………」
昨日は、バルカンvsバルンルンで、サッカーみたいなことをした。
ガッシュには悪いが、やっぱりあれはつまらない。
一昨日は競争。
公園まで走っていった。何とか勝ったけど、あとちょっとで負けていた。
私にはそんなに特訓の成果は見えないのに、ガッシュはこのところメキメキ伸びている。
ちょっと悔しい。
「そうだのう、今日も特訓するか。」
「うん。じゃあ、行こ。」