2004.03.25
願い(ハルxエリー)[RAVE]

ハル、あなたは私が突然いなくなるとしたらどうする?
魔導精霊力(エーテリオン)を解放したら。
つまりエンドレスを倒したら。
私は、嫌。
ドックレース場から脱出する時に。
ジークハルトに殺されそうになっていた時に。
六祈将軍(オラシオンセイス)に囲まれていた時だって。
鬼の基地に連れて行かれた時だって。
ドリューに捕まった時も。
どんな時も。
あなたの言葉は私に勇気をくれた。
優しさをくれた。
ねえ、ハル。
もし、私がいなくなるとしたら。
あなたは、あなたは私に。
いったい何をしてくれますか…?

2004.03.08
進む道(ハルxエリー)[RAVE]

「ねぇ、ハル」
シルバーナイツ号の船首で風に吹かれながら後ろの少年に呼びかける。
「いー天気だねー。」
グーと伸びをする。
「はは、確かにな。」
少年が少女の隣に並ぶ。
「空は平和だな。地上ではDCがどれだけ暴れてるか分からないのに。」
少しくらい顔で俯く。
無理もない。ほんの一、二年前にはガラージュで16歳の少年をやっていたのだ。
それが今ではRAVE使い(レイヴマスター)として世界の平和のために駆け巡っている。
その重圧は計り知れないものだろう。
と、エリーはふいにハルの顔を覗き込むと、
「えいっ」
デコピンした。
「いってーな。なにすんだよ。」
額を押さえ抗議するハルに、エリーは笑いかけた。
「そんなに肩肘張らなくてもいーじゃない。出来ることからやったんでさ。じゃないと疲れちゃうよ?」
つづけて、むにむにとハルの頬を引っ張る。
「それに、さ。」
手を離し、真顔になって言う。
「そんなに悩んでるの、ハルらしくないって。あたしは前向きなハルの方が好きだよ。」
その言葉は、ハルの迷いに光をさしたようだ。
「そっか、俺らしくない、か。そうだよな。悩んだって始まらないか。」
船の行く先を見据え、納得したように呟く。
「そういう事!さあ、次に降りるのはどんなトコだと思う?」
甲板には二人の声が響いていた。
もちろん、この後しばらくほかの乗組員が甲板に出られなかったのは言うまでも無い。

2004.07.17
エリー[RAVE]

とうとうこの時が来たんだね。
レイヴを一つに戻すとき、つまり、私の記憶を取り戻す時が。
思えば、いろんな事があったなぁ。
ハルとドッグレース場であって、一緒にいるようになってから、本当に色々。
ありすぎて話しきれないかな。
いっぱい、いっぱい思い出ができた。
なくした記憶を甦らせても、それはかわらないよ。絶対に。
だからハル、心配しないで。記憶が戻って、本当の名前が分かっても、私はエリーだから。ね?
それに、魔導精霊力が制御出来れば、ハルの力になれるんだから。
だから、ね。

2004.07.16
ハル[RAVE]

俺は世界を救う。
そう決めて旅立った、あの日。
それから俺は、大きく、強くなった。
色々な、仲間もできた。
ムジカやジーク、レットにジュリア。ルビーにグリフ、ベルニカ。
そして、エリー。
ドッグレース場で会ったときは変な奴だと思ってた。
けど、今では一番守りたい。
この思いだけは負けない。
シバにも。世界に対する思いは負けても、これだけは。
そして、星の記憶で、ルシア、エンドレスをたおす。
世界の崩壊を防ぐ。
それまでは絶対に負けない。負けられない。