2004.07.07
一護[BLEACH]
くそっ…。何が助けるだ。何が借りを返すだ。
結局、結局俺は、肝心なところでまた助けられた…。
連れていかれるあいつを、だまって見ていることしかできなかった…。
連れていかれて、殺されるのが分かっていたのに…。
俺には、どうすることも出来なかった…。
だから俺は強くなる。
卍解を習得して、必ずお前を助ける。
ルキア、絶対にお前は死なせない。絶対にだ!!
2004.07.06
ルキア[BLEACH]
捻曲げて、しまった。
ただの霊媒体質の、単なる高校生の、人生を。
巻き込んで、しまった。
尸魂界の争いに。
私のために、お前が血を流す必要はないのだ。
なぁ、一護。私のために流れる血など、あってはならんのだ。
莫迦者が。あれほどおってくるな、と言ったのに、あれほど……。
だが、よくその顔を見せてくれた。
死なせてしまったと思っていたのに。
生きていても、もう会うこともないと思っていたのに。
すまない。もうよいのだ。死ぬ覚悟はできておる。
だから、もうよい、もうよい、のだ…。
すまない。
2004.04.16
たわいない(一護xルキア)[BLEACH]
「のう、一護。」
しかし何も答えない。
「寝ておるのか?」
顔を覗き込んでみる。
口元に手をかざしても見る。
規則正しい呼吸が感じられた。
「…ありがとうな。」
小さな、蚊の鳴くような声でささやく。
その声は、一護の耳に届いたのか。
「…バカヤロウ…それはこっちの台詞だ。」
こちらも、蚊の鳴くような声で返事が返ってくる。
そっぽを向く一護に。
ルキアは静かに笑いかけた。
2004.03.07
願い(一護xルキア)[BLEACH]
「一護…」
辛そうに俯く。
あの時、自分が死神の力を渡さなければ…
自分がもっと早く虚を倒していれば…
そうするしか生き残る方法がなかったとしても。
自分のした事が悔やまれる。
一介の高校生の、人間の。
信頼していた者の、運命を捻じ曲げてしまった、後悔。
そればかりが頭をめぐる。
「一護…」
囚われの身の自分には、その者を按じ、名を呼ぶことしか出来ない。
自分は無力だ。
その事がたまらなく悔しい。
もし、たった一つ、一つだけ願いがかなうなら。
「一護…無事であってくれ…」
2004.03.11
決意(一護xルキア)[BLEACH]
「バカヤロウが…」
思うのはただ一人。
自分の命を体を張って助け、そのせいで死に向かう女性のこと。
助けに向かい、逆に助けられ、連れ去られた女性のこと。
「くそっ・・・」
自分は、無力だ。
最初の時も二回目も。
無茶をして、殺されそうになっていた。
助けるつもりで、逆に助けられた。
借りを返すつもりで、また肝心なところで借りを作ってしまった。
もう、負けられない。
今度は命がかかっている。
「ルキア…絶対…殺させねぇ…。絶対にだ!!」
何があってもそれを果たすまでは。
絶対に、負けられない。
2004.03.13
出会った日(一護xルキア)[BLEACH]
「ほれ。」
ポンと何かが放られる。
慌てて受け止めてみると、丁寧にラッピングされた箱だった。
「なんなのだ、これは?」
いろいろな方向から眺めまわしながら聞くと、
「プレゼントだよ。」
と、ぶっきらぼうに返事が返ってきた。
「プレゼント…?」
わけが分からない。
なぜ自分は一護からプレゼントを貰うのか。
理由に覚えがないのだ。
と、一護の口から答えが聞けた。
「ああ。今日で一年だからな。」
ああ、そうか。今日で一年になるのか。
自分が一護と出会ってから。
一護とともに行動し始めてから。
一護にとっては危険な日々が、戦いの日々が始まった日。
自分はとうに忘れていた。
それでも、一護は覚えていてくれた。
自分には忌まわしいであろう日なのに。
「そうか。ならば私も何かせねばな。少し目を閉じて待っていろ。」
そう言って立ち上がった。
はてさて、ルキアは何をあげるのだろうか…。
2004・03.20
来てくれた(一護xルキア)[BLEACH]
一護が来てくれた。
無事にその顔を見せてくれた。
あの時、死んだと思っていたのに。
生きていても、死神の力は失ったはずなのに。
それに、力の差は歴然だった。
それなのに。
一護にはそのまま逃げる選択肢もあったはずだ。
「一護…」
それなのに来てくれた。
危険を顧みず、それを承知で。
自分を助けるために。
以前とは比較にならないほどの力をつけて。
「一護…」
来てくれた。無事でいてくれた。
そのことが嬉しかった。
「一護…これは、ありがとう、というべきなのかな」
その窓の外では『双極』が、獲物を待つように、鈍く光っていた。
2004.03.22
日常(一護xルキア)[BLEACH]
「のう、一護。」
突然、呼びかけた。
「なんだよ。」
かたわらの一護は、さも気だるそうに返事をする。
「たまにはこんな日もいいものだな。」
一護は一瞬驚いた顔をしておきあがった。
「…」
そのまま黙って額に額を押し当てる。
「…んー。」
「なっ!何をするか馬鹿者め!!熱などないわ!!」
突然の思いもよらない行動に顔を真っ赤にしてあとずさる。
しっかり一護をたたくことも忘れない。
「ってー…」
ひりひりと赤くなった頬をさする。
「全く油断も隙もない…」
憤慨するルキアではあったが、その頬の赤みは未だ引かず。
「のう、一護。」
また呼ぶ。
「なんだよ。」
先ほどとは違い、気だるさは抜けているようだ。
「たまにはこんな日もいいものだな。」
2004.03.24
会話(一護xルキア)[BLEACH]
「のう、一護。」
「なんだよ。」
「おまえの家はいつもこんなに騒々しいのか?」
「いや、そういうわけでは…」
「そうか。」
「なんだよ。」
「別に。ここに居座っているのだから、環境くらい気にしてもいいだろう?」
「……」
「…どうした?照れておるのか?」
「バカ。んなことねーよ。」
「そうか。」
「おう。」
そんなある日の会話。
2004.03.31
特訓(一護xルキア)[BLEACH]
「違う!!何度行ったら分かるのだ!」
「分かるか!」
「頭だけを割るのだ!他のモノを割るな!」
「できるか!」
「何故だ!お前はそんなに馬鹿か!」
「テメーの絵で、頭と他を区別できるか!!」
「や、やかましい!つべこべ言わず見分けろ!」
「できんって言ってんだろ!」
「うるさい!胡椒の量を倍にするぞ!!」
「テメッ、キタネーぞ!!」
「やかましい!!イヤなら見分けろ!」
「テメーの絵がもっとマシなら見分けられらあ!」
こんな感じで延々と胡椒ボールを割る一護でした。。