初めての豪華クルーズ船乗船体験記

2015年6月24日〜28日

正木伸治

 初めて豪華クルーズ船に乗った。ダイヤモンド・プリンセス号という全長290メートル、116,000トンという巨大な船で、まるで17階建てのマンションが海を走っているような感じでした。
外の側で見る船の様子 7階にある観覧デッキ。周回を散歩できる
船内のバーラウンジの様子 最上階部にあるプールと大きなスクリーン。映画などが上映される。
最上階部分の屋根付きプール ビッフェレストランに並ぶスイーツ(食べ放題)

 6月24日から28日まで4泊5日で神戸〜釜山まで往復コースです。
24日12時頃乗船し、乗船してからすぐに船内で昼食です。14階のホライゾンコートというビッフェレストランでの食事。食べ放題です。しかし、アルコール類は有料になります。このレストランは、カジュアルなレストランで朝の5時から夜の11時までオープンしており、いつ行っても食べ放題。料理の種類は、豊富で日本料理もあります。もちろんデザートもフルーツも豊富です。コーヒー、紅茶も飲み放題。しかし、ジュースは、朝食時の時しかありません。ただ、メインはあくまで西洋式のものです。
とにかく、食べ放題で、下船するときには約2キロぐらい太っていました。まあ、僕のような下町育ちの人間は、食べ放題には目がなく、お腹いっぱいでもまた食べようとします。(笑)
乗船後すぐに14階ビッフェレストラン「ホライゾンコート」で昼食。昼から食べ過ぎです。食べ放題ですからついつい!

昼食後、部屋に戻ってゆっくりしました。
船は、17時にきっちり出発したようであったが、その時間帯は、部屋にいたがいつ出発したか全く気が付かなかった。部屋の音は、空調の音だけ。今まで何回も船に乗っているが、出航するときは、激しいエンジン音とともに出航していくというイメージが、今回はそれが全く異なっていることが判りました。それだけ、静かなのです。ましてや、僕の部屋は14階の内側なので、外の景色が見えないから余計に出航に気付かなかった訳です。今回の船旅で、神戸、釜山共に入港と出港の景色は見ていないのです。とにかく、静かな船です。船の揺れであるが、かすかに揺れているのが判る程度。それも、立っているときだけで座っているときと寝ているときは、全く揺れを感じない。船が大きいということもあると思う。まあ、海は比較的穏やかであったので、その揺れのなさであったと思う。
 下の写真は、僕の部屋の様子ですが、内側なので窓はありません。広くはないですが、狭いと言うほどでもありません。殆どが部屋にいなく、寝る場所と言うことで言えば十分すぎるほど十分です。この部屋が最も安い部屋です。
僕の部屋 ツインルーム ベッドの前の机と鏡
クローゼット 洗面所。この写真の左側がトイレとシャワー室

 夕食は、5階のビヴィバルディというレストランでフルコースの食事でした。この日は、カジュアルデーであったので、ショートパンツに草履というとんでもない格好で行ったのです。しかし、それは、やり過ぎであることが判った。いくらカジュアルデーでもディナーを、そのような格好で行くことが非常識なのです。しかし、初日ということで大目に見てくれたようで、止められかけたが通してくれました。(レストランの入り口で、昔の学生時代を思い出しましたが、登校時に風紀委員が立って服装を監視している感じ。さらに、衛生上の問題で必ず消毒液での手洗いを指示されました。)後で確認すると、それは初日なので荷物が部屋に届いていないということも考慮して大目にみた感じであったようである。3日目のカジュアルデーに初日と一緒の格好で行ったら、完全に入り口で止められ、部屋にズボンを履き替えに行った。まあ、これも勉強である。(笑)
初日のディナーでした。この他にデザート、パン、コーヒーが付きました。(いずれもチョイスできます。)

 2日目は、フォーマルデーで、この時は、ブレザーにネクタイをして行きました。まあ、これは問題なし。しかし、マナーに厳格なイギリスの船では、タキシードでないと駄目な船もあるとのこと。ダイヤモンド・プリンセス号はアメリカの船なので比較的フリーな部分が多いとのこと。僕などは、イギリスの船には絶対に乗れないかもしれない。(笑)
ディナーは、一流レストランのような前菜から始まってデザートまで出る本格的なものではないが、スープか前菜、メインディッシュ、デザート、コーヒー、パンといった略式のものです。しかし、2日目のフォーマルデイでは、これに+αがついた。飲物は、別途注文の有料サービスとなる。テーブルには、専属の給仕が2〜3人おり、一回言えば、次の機会からは客の好みを覚えているようである。メニューについては、肉料理とか魚料理、デザートなど、すべてチョイスできる。また、肉料理も魚料理も両方ともに食べることが出来るようです。客の要求に応じてくれます。同じテーブルの若い日本の男性は、西洋料理も和食(メニューに和食もある。)も注文していました。僕も、そうしたかったのですが、やはり恥ずかしくて出来ませんでした。
 この日は、事前に聞いていたのですが、「オードリー・ヘップバーン」メニューというのがあり、これを選択しました。これは、オードリー・ヘップバーンが船名を命名した際の特別メニューです。オードリー・ヘップバーンと同じものを食べたというお洒落な気持ちになりました。(笑)
【オードリー・ヘプバーン特別メニュー】
温かいサーモンの燻製
青葱のブールブランソースブリオッシュトーストのせ
ミックス・グリーンリーフと鶉の卵のサラダ
メープルとホワイトバルサミコ・ドレッシング
4種チーズのトルテリーニ・パスタ
ホワイトクリームソース
ブルゴーニュ産マール酒のシャーベット
牛テンダーロイン・フィレ肉 森のキノコのデミグラスソース
新鮮な季節の野菜とポテトコロッケ添え
バニラ・パンナタコッタとレモン・チーズケーキ
グランマルニエ風味のミックスベリー添え
コーヒーまたは紅茶、オードリーのプティ・フール
 
     
 それから、この2日目のフォーマルデイの日にサプライズがありました。僕は、6月4日が誕生日なのですが、6月生まれということで、我々のリーダーの八田さんの粋なはからいで、船の方から誕生の祝いをしてくれたのです。これにはビックリすると同時に感激。特製のチョコレートケーキを持ってきてくれて、周囲の人たちがバースデイソングを歌ってくれました。それから、船の方の心憎い演出で、僕の部屋のドアーにバースデイカードとバースデイ風船が飾られていました。この辺の気配りは見事なものである。ここまできめ細かいサービスをされると、この船のリピーターになってしまいそうです。
右上は、特別のバースデイチョコレートケーキ 部屋の前にバースデイカードと風船が飾られていました

 夕食が終わったら、ショーやダンスなどに興じることが出来る。僕自身もダンスを少しするので、2日目のフォーマルデイの日は、ダンスを踊りました。非常に狭いフロアーなので踊りにくい上に、ソロボーカルとピアノ演奏での曲であり、メチャクチャ一曲の演奏時間が長く、ステップの少ない僕にとっては、非常に難しく同じステップばかりになってしまいました。しかし、何とか初めての体験としてクルーズ船上でダンスを踊ることが出来て満足しています。我々のリーダーの八田さんは、凄くお上手でステップを多く知っておられ、非常にダンスを楽しんでおられたのが印象的でした。
1日目の夕食後、プロダンサーによるラテンダンス 大ホールでのショー
名物のシャンパンウオーターフォール 見事なステップでダンスを楽しむ八田さんと赤野さん

 夜遅くまでエンターテインメントがあり、ショー、映画などもしていた。野外の大スクリーンでトムクルーズ主演の映画をしていたので、少し寒かったが最後まで見ました。上映中にも、ウエイターの気配りで、アイスクリームやお菓子を持ってきてくれたりします。もちろん無料ですし、余計なチップの心配もいりません。(チップは、最終精算時に纏めて定額を払う仕組みになっており、チップになれない日本人にとって非常に楽なシステムです。)
今回映画は、合計3本見ました。野外で見た映画以外は、屋内のホールで2本見ましたが結構楽しめました。
その他のエンターテイメントは、マジックショー、ボーカルショーなどもあったが、あまり興味が湧かなかったので少ししか見ていません。
昼間の野外スクリーン 夜遅くまで野外のスクリーンでトム・クルーズの映画を上映

 2日目は、フル航海デーでした。午後3時にアフタヌーンティーがダイニングであり行ってみました。紅茶やスコーンなどお菓子類が沢山出ました。しかし、ディナーが午後5時半からなので、食べるのは少しセイブしました。お菓子のスコーンは、有名パティシエが作っているとのことで、それを目当てに乗船する人もいるようです。スコーンは、まずまず美味しかったです。それに付けるジャムとのマッチングも良かったように思います。

 3日目の朝に釜山に到着。先程も書いたようにいつ着いたのは全く判りません。釜山では、夕方5時に出港するまでフリータイムですが、僕は韓国が嫌いなので、最初から降りるつもりはありませんでした。一日中船で過ごした。船で過ごしても退屈することはありません。食べ放題、寝放題、遊び放題で非日常的な世界でした。
釜山のダイヤモンド・プリンセス号が横付けされた埠頭の様子。地上へは降りなかった。 向かい側に停泊していた韓国海上保安庁の船。マーズ関係の仕事の引き継ぎをしているようである。

 時間をつぶすについて、クルーズについて非常に不満な分があります。それは、僕が少しネットオタク気味でり、ネットが使えないことです。使えるのですが、メチャクチャ高いのです。高いのは当然で、衛星回線を使っているからです。高いのを承知で使えばいいのですが、スピードも遅いみたいです。24日に神戸を出発して28日に神戸に帰るまで一度もネットをすることがありませんでした。(課金方式は、時間従量制でパケット従量制ではないので、通信速度が速かろうが遅かろうが繋いでいた時間での請求です。)料金は次の通り。
600分 199$、400分 159$、200分 99$、100分 69$、1分 79セント

 26日の夜は、最上階野外のプールのそばで、昔流で言えばディスコ大会をしていました。今流の踊り方にはついて行けないですが、メチャクチャの我流で阿波踊り的な踊りをした。(笑)何年ぶりだろうか、こんなことをするのは。しかし、歳を取った人でも元気な人がおり、一生懸命踊っていました。まあ、毎日やれば出来るようになると思います。
それから、別の部屋では、カラオケ大会の予選をしていました。最終日に決勝があるらしい。婚活ツアーの人たちも乗船しており、その連中の一部の人もカラオケに参加しており、応援に熱が上がっていました。婚活ツアーは、50歳が上限らしく僕の年齢では資格がないようです。(笑)後で聞いた話では、6組くらいの交際カップルが出来たそうです。

 最後の航海日である6月27日の朝は、ゆっくり寝て、朝食は、いつもと違ってホライゾンコートで食べました。昼食は、ビッフェではなくフルコースにしました。昼食後、現代版007の映画を見たのですが、映画名は、「キングスマン・ザ・シークレットサービス」。最近見た映画では、娯楽アクション版としては、大変面白い楽しい映画でした。
最後のディナーでは、夕食ダイニングに関係スタッフが全員出てきて感謝の行進とでも言おうか挨拶に出てきました。この辺もきめ細かいサービスの一環であり、いたれりつくせりという感じでした。
最後のディナーの日、サービススタッフが行進で出てきて挨拶
   
最後の日に5階のプロムナードで大ディスコ大会が開かれました。右の写真は、LSC会員のお二人で20歳代にタイムスリップしていました。 

28日に、これまた知らない間に神戸港に着いていました。一度に全員が降りたら大混乱になるので、事前に降りる時間を予約しておくのですが、僕は予約するのを忘れたので、船側まかせになり降りるのが遅くなりました。しかし、それは、荷物の受け渡しに問題があるだけで、荷物を自分で運び出す場合には、時間は関係ないようです。結局10時前に下船しました。

<乗船後の感想>
 とにかく安い料金でリッチなムードが味わえた。コストパフォーマンスが非常に高いと言える。
今回かかった費用は、ツアー代金が68,700円(早期予約割引なども含む。)。船内で使った飲物やチップなどが約11,000円で合計79,700円。
単純には比較できないが、仮にシティーホテルに4泊5日で宿泊し食事した場合と比較してみる。
 シティーホテル : 一泊朝食付き   10,000円X4=40,000円
 昼食       :  2,000円X4= 8,000円
 夕食       :  5,000円X4=20,000円
 映画鑑賞    :  1,000円X4= 4,000(シニア料金)
      合計              72,000円
となり、+αを加えれば同額程度になります、外国まで行く運賃を考えればクルーズ船の方が遙かに割安です。
こんなに安い値段で贅沢で美味しいものが食べ放題というのは魅力です。
まあ、僕などは、どちらかというと遊ぶのが下手な方で、外国人のように優雅にゆっくり遊ぶと言うことが出来ないので、まだまだクルーズの魅力は判らない部分があります。
 おおよそのクルーズのことは、今回の経験で判ったのですが、今回はあくまで体験乗船的な意味を持っており、将来的には、まずピースボートに乗って100日間の世界一周をしたいと思っています。ただ、ピースボートは、ダイヤモンド・プリンセス号よりかなりグレードが低いと思われますで、単純に比較できないものの、ある程度の感触は判ったと思っています。さらに、将来は、このダイヤモンド・プリンセス号のような船でもう少し長期のクルーズに行きたいとも思っています。
 結論としては、今回の体験は非常に良かったと思うと同時に、また乗ってみたいという気持ちにもなありました。
口ではうまく言えないが、それだけ素晴らしかったと言うことです。
乗ったことがない人は、是非体験で乗船してみる価値はあると思います。

1.費用       総額 約80,000円
2.船の設備     レストラン、シアター、プール&ジャグジー、和式共同浴場、バー/ラウンジ、フィット
           ネス設備、サウナ、コインランドリー、カジノ、ショッピング、屋上シアター他
3.旅程       神戸と釜山往復(釜山滞在昼間約半日)
4.食事・飲食    朝、昼、夕食フルコース、ビッフェ形式レストラン(5時から23時まで食べ放題)
           アイスクリームショップ、ハンバーガーピザショップ、アフタヌーンティー、無料
           すしとイタリアンレストランは有料
5.アクティビティー ダンス、カラオケ、クイズ大会、映画上映、ショー、絵画オークション
6.船室       僕の場合は、最もリーズナブルな部屋で内側
7.サービス     部屋の清掃およびタオル替え1日2回。
8.服装       日常は自由なカジュアル。フォーマルデイのみディナーは正装。
9.チップ      個別に渡すのはなく、船内料金として1日11.5$を最終精算時に支払う。
10.船内での支払い 現金の場合は、乗船時デポジットとして300$支払いし下船時精算。クレジットカード
           の場合は乗船時カードナンバーを登録し、それで精算。いずれも船内では、ルームキー
           カードで行う。
11.誕生日     事前に言っておけば、それなりのサービスはしてもらえる。
12.インターネット 通信料が高く現実的ではない。ネットが出来ないと考えた方が良い。その点が、僕に
           とっては大いに不満な点である。
13.船内の連絡   毎日船内新聞が発行され、その日のショーや映画、催し物などの案内が書かれている。
           船内の催し物などに積極的に参加しようと思えば、注意深く新聞に目を通してお置かなけ
           ればならない。
14.船内放送    緊急の時や重要なお知らせ以外は、殆ど放送がない。日本の電車のように懇切丁寧に
           連絡事項など放送してくれない。日本の本当にホスピタリティーに溢れたシステムに慣れ
           ているものにとって不自由を感じることがあるかもしれない。あくまで自己責任で自分自
           身のアンテナを張っていなければならない。
           その辺は、やっぱりアメリカの船。しかし、それは世界標準と考えた方がよい。

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