9月13日(金) 第11日目 − 巡礼9日目  ナヘーラ 〜 カルサータ
出発
時刻
到着
時刻
道中
時間 
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距離/km
平均
時速/km
(歩行時間のみで計算)
宿泊
施設

A アルベルゲ
H ホテル
 M 朝食付
宿泊
料金
ユーロ 
夕食
場所
R レストラン
B バール
Aアルベルゲ 
夕食
料金
ユーロ 
累計
距離/km
 

距離/km
 
7:20 14:30 7:10 21.0 3.45 A 10 R 14  214  567 
 7時20分にナヘーラを出発。今日の道は、今までにないような四方見渡す限り何も遮るものがない平原のような中を、真っ直ぐな道が果てしなく延びているような雄大なところを歩きました。本当に気持ちが良く、疲れが吹っ飛ぶような快感をおぼえることもありました。本当にスペインに来て良かったと思っていました。もちろん、荷物も重く、しんどいのは間違いないですが、それを打ち消すだけの爽快感がありました。(しんどいということの方が勝っていましたが。)

 途中ゴルフ場があり、それを抜けたところに大きな新興住宅街がありましたが、まるでゴーストタウンのように人を見かけることはありませんでした。ガイド本によると完全にバブルの遺物で、せっかくの高級住宅に入居者がないらしいのです。どこの国でもバブルがはじければ同じようなことになっているようです。

 そのゴーストタウンの日陰の場所で休憩しましたが、スマホのスカイプを使用して日本に電話しました。こんなスペインの田舎にいてもきちっと通信が出来ました。いつか忘れましたが、日本の姉の家にスカイプをして、まわりの状況をスカイプ映像で見せてあげることも出来ました。スペインは、相対的に電話回線網(3G)が充実しているみたいで、ほとんどの場所でインターネットが出来ました。もちろん、スカイプやラインも出来ました。(ラインよりスカイプの方が音の途切れもなく品質は安定している感じでした。)それから、音声のタイムラグもあまりないようでした。本当に便利な世の中になったもです。
ただ、スマホにも欠点はあります。すぐ電池切れになることです。今回は、そのことの対策としてバッテリーも持って行きましたので、途中で電池切れによる通信不能状態はなかったです。余談になりますが、そのスマホの電源維持について、少し苦労することがありました。スペインでもスマホは普及しており、ほとんどの人がスマホを持っており、アルベルゲでは、電源コンセントの奪い合いでした。コンセントが多くないからです。(民営のアルベルゲは、コンセントが充実しているところもありましたが、少数派です。)その辺は、何とかバッテリーなどもうまく利用して電池切れは逃れることが出来ました。

 この日の道は、下の写真のように素晴らしい景色の中を歩いたのですが、結果論からと言うとスペイン巡礼の道の中で、今日の道とブルゴスを過ぎてメセタの大地に入ったところの景色が一番良かったように思います。今回の旅は、歩くのが主目的であったのですが、途中世界遺産などもたくさんありましたが、ほとんど見ていません。正直言って余裕がなかったことが一番の原因です。しかし、観光をしなかったからと言って、決して後悔はしておりませんし、後悔どころか、この道を歩けたことが何にもまして良かったということです。今日の道は一生忘れることはないと思います。

 それほどアップダウンもなく、比較的ラクに歩けましたので、目的地のカルサーダには、14時30分くらいに到着しました。
一軒目に入った教会のアルベルゲは、すでにコンプリート。その教会で他のアルベルゲを教えて貰い、そこへ行ったらOKでした。基本的に、そのアルベルゲは、料金は無料でドネーションだけというものでしたが、ドネーションしようとしたものの、小さいお金がなかったので両替して貰いましたが、こちらがドネーション箱へ入れる前に、自動的に係の人が10ユーロ、箱にいれてしまいました。これじゃドネーションと言えませんが、いずれにしろ10ユーロはするつもりだったので納得しました。
 このアルベルゲの料金なのですが、公営でだいたい5ユーロくらいで民営で10〜15ユーロといったところが相場のようです。しかし、普通考えてその金額で、アルベルゲが運営できるかというと絶対に出来ないと思います。ですから、絶対に宗教団体か政府から補助金などが出ていると思います。スペインの教会は比較的裕福なのかもしれません。いずれにしろ、その恩恵をスペインでは外人である僕らにも受けられると言うことは有り難いことです。
 今日のアルベルゲは、5階建てくらいの大きなアルベルゲでした。設備もまずまず良かったと思います。食事を調理する厨房も、そこそこ大きいものでした。慣れた外人は、近くのスーパーで食材を購入して、調理して食べていました。しかし、そんなに手の込んだことは出来ませんので、だいたいスパゲッティーとサラダ、カレーライスとサラダというメニューをしていることが多かったように思います。(厨房設備は一通りそろっていて、調味料まであります。)

 到着してから、シャワーを浴びた後、外に散策に行きましたが、すぐそばにコインランドリーがありましたので、パンプローナ以来ですが、洗濯をしました。乾燥機もあるので放り込んだら終わりという感じで非常に簡単に出来ました。
 その後、スーパーを探して朝食と昼食用のパンなどを買おうと思っていましたが、なかなか見当たりません。近くに食料品店がありましたが、シエスタで閉まっていました。あちこち、歩き回った末にやっとスーパーを見つけて購入しました。
 夕食は、レストランで食べましたが、写真のパエリアでした。味はまずまずであったと思いますが、結構高いような気がしました。レストランにひとりで行って食べることもかなり慣れてきました。

 今日も一日素晴らしい景色を眺めながら問題なく歩くことが出来ました。有り難いことです!!

 
新興住宅地であるもののゴーストタウンのようなシルエニャの街を抜けてカルサーダに向かっているときの道
果てしなく道が延びている

7時20分にスタート。少し曇った朝焼けの中を歩いています。
7時50分頃
一面に広がるブドウ畑
アソフラの街が見えてきました
大地を空の境目に立つ木が、まるで天まで届けとばかり背伸びしているみたいです 四方遮る物が何もない真っ直ぐな道
真っ直ぐな道を巡礼者たちが歩いて行く
彼らは何を考えて歩いているのだろう
先程の動画後半部分の道で歩いてきた道を振り返った写真です
天と繋がる一直線の道 僕はこんな一直線の真っ直ぐな人生を歩みたい。(無理か(笑)) 雄大でピュアな景色  こんな景色が大好きです
まっすぐな道の向こうにカルサーダが見えてきました 聖ドミンゴの遺骸が安置されているカテドラル
今日のアルベルゲ このスペイン巡礼で泊まったアルベルゲの名前は全く記録していません。うかつです。<(_ _)> 今日の夕食   パエリアを食べました。美味しかったです。ビールとパンで13.3ユーロ。
20時半頃なのにこの明るさ。子供もまだ遊んでいます
アルベルゲ前の広場にて 
  イタリアのシチリア島から来たロベルトさん
たびたび道中であいました。 

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今日はラクな行程で14時半頃目的地に到着。余裕が出来たのでコインランドリーで洗濯をしています。左写真はサンチアゴ デ コンポステーラまで560キロの標識です。今までで220キロ歩いたことになります。何でもそうですが、コツコツ積み重ねる大切さを知らされます。
 
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9月14日(土) 第12日目 − 巡礼10日目 カルサーダ  〜 ベロラード
出発
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場所
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夕食
料金
ユーロ 
累計
距離/km
 

距離/km
 
7:05 15:30 8:25 22.9 3.52 A 10 A 237  544 
 7時5分にカルサーダを出発。この日は、全行程を通じて体調的に最悪の日となってしまいました。
朝から比較的単調な道が続きました。巡礼道が、ほぼ自動車道と並行して続いているような状況で、あまりにも変化がなくく面白くないと言った感じでした。さらに、今までで最も暑く、そして風もあまりありません。風がなかったら、日差しがきついので体温がどんどん上がっていくような感じになりました。そんな中、歩いていて凄く眠くなってきました。それと同時に体がだるくなってきました。
特にビジャマールデルリオ村から宿泊地のベロラードの区間が最悪でした。何回も休憩をとる始末です。荷物の重さがこたえます。たぶん、今日で巡礼10日目で今までの疲れがどっと出たのかもしれません。完全に体がイエローカードを出しました。もうへとへとという感じでした。この日の宿泊地は、トサントスというところを目指していたのですが、この日だけは、一つ手前のベロラードに泊まらざるを得ないことになっていました。まだ、元気な頃は、意地でも荷物の重さに耐えて、サンチアゴデコンポステーラまで行こうと思っていたのですが、それどころではなくなりました。歩く時間と休憩する時間のデータを取っていたのですが、最も厳しかった1日目と2日目と同等の休憩時間となっていました。さらに、しんどくて写真を撮る気力も失せていたので写真の数も圧倒的に少なくなっていました。
 青息吐息でベロラードの村にたどり着いたのですが、最も手前にあったアルベルゲに飛び込みました。しかし、何と運の悪いことかコンプリート。そして、そこはホテルも併設していましたので、ホテルの空き室も聞きましたが、これも満室。
愕然となりました。(そこはバールも併設しており、バールの中を見渡したら、巡礼5日目に会ったベルギー人の女性を見かけ、少し声をかけましたが、元気がなく声が出ていなかったのかもしれませんが、向こうは気づきませんでした。しんどいので、再び声をかけることはしませんでした。彼女を見たのはこれが最後になりました。)
仕方ないので、再び歩き始めて村に入っていきました。そして、アルベルゲを見つけました。すぐに入って受付をしましたが、ラッキーというか、実際はコンプリートだったのですが、補助ベッドを用意してくれたのです。本当に有り難かったです。地獄に仏とはこのことかと思わざるを得ない状況でした。その補助ベッドに、着替えも何もせず、バタンキューが如く横になりました。熟睡ではなかったですが、軽く寝ることが出来ました。 目を覚ましてからシャワーを浴びたら体がスカッとして、体調は回復しました。可能性として、睡眠不足もあったのかもしれません。とにかく、やれやれでした。
 夕食時には、すっかり元気になり下の写真にあるように、同席したアメリカ人やブラジル人と片言の英語で少しだけコミュニケーションをとり、楽しく食事が出来ました。
 最悪の結果にならずに本当に良かったと思いましたが、また同じことを繰り返しては駄目ですので、変な意地を張らずに、荷物を日本に送り返すことにしました。ここベロラードは、小さな村ですので、郵便局があるかどうかも判らないし、翌々日に到達する予定のブルゴスで送り返すことにしました。それまでに、体調が戻らない場合は、歩く距離をいつもの半分にしてしのごうと思いました。
 先程睡眠不足かもと書きましたが、通常なら睡眠不足になるはずがないのですが、(20時か21時に床につく。しかし、寝付けるのは24時頃)寝ても熟睡出来ていないのかもしれません。緊張感もあってか、夜中に何回もトイレに行き、細切れの睡眠になっていました。その睡眠は、最後の最後まで同じパターンでした。トイレに行くにしても、非常に気を遣います。回りの人に迷惑をかけては駄目なので、音をさせないように、そろりそろりとベッドから離れてトイレに行っていました。その辺も、熟睡出来ない一因だったかもしれません。(トイレによく行くのは、ビールを飲んだり水分を取り過ぎていたこともあるかもしれません。)アルベルゲは、安くていいのですが、完全共同生活のようになりますので、その分、余計に気を遣うことの負担はあります。仕方のないことですが。

この日は、そんなことで、写真もあまり撮らなかったし、歩いていての印象も乏しく、ひたすらしんどくてバテてしまったということしか頭に残っていない日でした。まあ、35日も歩くのでこんな日があるのも当たり前かもしれません。しかし、最悪のことにはならずに済んだことを感謝して良しとしたいと思います。
 
 
        グラニョン村でブラジルから来ている人たちと3ショット 3人とも笑顔が最高です
出発から30分経過し明るみかける 進行方向と逆の景色日の出間近 7時30分過ぎ
前はひまわり畑で先には一面に麦畑が広がる 今日は雲一つない紺碧の青空 真っ直ぐな道が続く
標識の前で一休み
まえの畑はヒマワリ畑なのです。ヒマワリが一面に咲くと何とも言えない景色になると思います。 今日のメインディッシュ(他にサラダ、ワイン、デザート、パンが付く。所謂巡礼者食のメニューという固有名詞です。)
 
 アメリカのサクラメントからのご婦人と3ショット    ブラジル人で自転車でゴールを目指している人と2ショット

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今日はかなりバテてしまいました。今までの疲れが、どっと出たみたい。宿泊場所を一つ手前にして何とか無事に到着しました。明日の距離も予定の半分にします。そして、荷物を軽減するために一部日本に送り返すことにしました。最後まで当初のままで頑張りたかったのですが、体からイエローカードが出ました。今後も色々なことがあると思いますが、意地を張らずに柔軟に対応します。写真は今日のアルベルゲ。
 
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9月15日(日) 第13日目 − 巡礼11日目  ベロラード 〜 アヘス
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A アルベルゲ
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距離/km
 

距離/km
 
7:25 15:50 8:25 27.7 3.96 A 5 A 10  265  516 
 7時25分にベロラードを出発しましたが、昨日のあの倦怠感的疲れが嘘のようになくなっており、自分でもビックリするくらい体調が良かったです。荷物の重さは変わらないし、特に他に昨日と変わったことはなかったのですが、いずれにしろ絶好調でした。歩いた距離も27.7qで二番目に長い距離でした。この後も、最後まで昨日のようなしんどさはありませんでした。
このスペイン巡礼の道を歩いていて、つくづく感じたのですが、確かに昨日のようなしんどさもありましたが、全般的にフーフー言いながらも、致命的な疲労はなく、それ以外では、風邪もひかなかったし、お腹も壊さなかったし、筋肉痛で苦しむことはなかったし、もちろん怪我もすることなかったし、足のマメすら作らなかったのです。とりもなおさず、こんな頑丈な体に生んでくれた両親への感謝をつくづく感じました。それから、神的に言えば、少し体調が怪しくなってきたら、昨日のようにきちっとイエローカードを出してくれます。(自分でそう思っているだけですが。)神様が守ってくれていると思わざるを得ません。もともと僕は、神様は信じない方で、苦しいときの神頼み程度のことです。しかし、今回のことで多少なりとも神というものを意識させられました。かといって、特定の宗教に入信する気はないですが、多少なりとも神の存在を感じることになりました。
それより何より両親に感謝感謝です。歩きながらずっとそのことを思っていたのは事実です。有り難いことです。

 本当に順調で、歩行の平均時速を見ても明らかです。今まで13日間歩いた中で最も速い速度でした。
朝出発したときは、写真のようにどんより曇っていましたが、昼から非常に良い天気になりました。まるで僕の体調に合わせるが如きです。途中、森の中を抜けるような(綺麗な森であれば良かったのですが、水が流れたような道)道がかなりありましたが、何の変化もなく歩くには面白くない道でした。まあ、これも歩きながら考えたことですが、人生と同じだと思ったことです。山あり、谷あり、ガタガタ道あり、アスファルト道あり、天気の日もあり、雨の日もあり、嵐の日もあり(今回は嵐はなかったですが。)、長い人生も色々あり、自分の人生についても色々考えさせられました。

 今日の宿泊場所は、当初昨日の体調のこともあったので、疲れたら何も考えずにそこに泊まろうと思っていました。しかし、好調であったのでオルテガというところで泊まろうと思いました。しかし、オルテガに着いても、依然好調であるし、欲を出して次のアヘスまで行こうと言うことになりました。オルテガからアヘスまでの道のりは、一人旅でした。誰も後から来ません。たぶん、オルテガに泊まる人が多かったのかもしれません。一人広大な平原を貸し切り状態で歩いていました。この平原は、全部僕のものだと思わんばかりに歩きました。気持ちの良いものです。遠く彼方には、風力発電の風車がたくさん見えていました。とにかくこのあたりは、遮る物が何もないので風力発電には非常にむいているようです。

 16時前にアヘスに到着。最も手前のアルベルゲに泊まりました。いつもの通り、重い荷物を持って、村の中を歩いてアルベルゲを探すのが面倒だからです。(この辺も、アルベルゲの詳しく載っているガイド本を持っていなかったことは大失敗でした。)レストラン兼用のアルベルゲでした。このアルベルゲの形式は、今までで初めてベッド式ではなく、床にマットレスを敷いただけの日本式の寝床でした。僕は、この方が好きです。ベッドから落ちる心配がないからです。そして、何だか広々使えるからです。そして、比較的隣との間隔が広く、のびのび出来ました。
夕食は、このアルベルゲのレストランでしましたが、メニュー(巡礼者食の定食)を食べましたが、いつもの通りワインは飲み放題で付いていました。しかし、僕はもともと酒が弱いので、せいぜいグラスに1〜2杯程度でした。これで良い気分になれます。
今日は、絶好調のうちに1日が無事に過ぎました。両親に感謝、神に感謝です。
明日も、今日と同じように好調であるように!!
 
  間もなく今日の宿泊地である アヘス村に到着 今日も1日無事歩き通すことが出来た!!
テイロン川に架かる古い橋(橋名忘れました) トスサントス村が見えてきました
トスサントス村にある水飲み場
スペイン巡礼の道を印象づけるいつもの道という感じ ペンドラ峠にあるモニュメント
こんな林の中の道も歩きました 途中で知り合った南アフリカ共和国の人
オルテガの教会 オルテガを過ぎてすぐの平原 向こう側に写真では判りにくいが風力発電の風車がたくさんあった。
119時半頃でも真昼のような明るさ サンチアゴデコンポステラまで後518qの標識
今日の夕食  サラダ、メインディッシュ(名前不明)、デザート、ワイングラスで10ユーロでした。メインディッシュは、ズッキーニなど色々な野菜が入ったトマトソースに目玉焼きですが、味のマッチングは、goodでした。

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今日泊まるアルベルゲは写真の通りです。アヘスというところです。今日は、どういう訳か、昨日とうってかわり絶好調でした。昨日の体調から今日は控え目に歩こうと思っていましたが、予定の倍以上歩きました。15時50分頃に到着。宿に着いてからも余裕が尺尺です。ずっとこの調子が続けば良いのですが、そんなに甘くはないでしょう。今日のアルベルゲの部屋は日本式です?
          
 
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9月16日(月) 第14日目 − 巡礼12日目  アヘス 〜 ブルゴス
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H ホテル
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ユーロ 
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B バール
Aアルベルゲ 
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ユーロ 
累計
距離/km
 

距離/km
 
7:35 14:45 7:10 23.9 4.28 HM 60   289  492 
 いつもと同じで7時35分、まだ暗いうちにアヘスを出発して、今日の目的地であるブルゴスに向いました。
最初の村のアタプエルカまでは、ほぼ平坦な道のりでしたが、それを過ぎると少し登りになりきつくなり、台地の上にのぼっていくような感じであり、ごつごつした道が続きました。台地の上に着いたら、そこはまさに台地。平らな土地で進行方向に向かってカスティージャ方面が見渡せた。結構雄大な景色でした。そこには、今日の目的地であるブルゴスの街がかすかに見えていました。見えたものの、そこまで行くにはかなり距離があるようでした。
 登りの途中で、アジェギで食事を共にしたドイツ人の学生と会いました。相変わらず愛想が良く、ついでだから写真を撮って貰いました。一人旅であると、自分自身の写真を撮ることはどうしても少なくなります。僕は、シャイなので、なかなか写真を撮って欲しいと頼めないのです。中には、こちらから言わないでも、撮ってあげようと言ってくれる人もいましたが、これは有り難いことでした。そういうことで、今回の旅で1200枚ほど写真を撮ったものの、自分が写っている写真は、ほんの僅かです。本当は、もっと自分の写真も撮りたかったのですが、一人旅では仕方のないことです。
 ドイツ人の学生とは、ここで会ったのが最後でした。その後、一度も見ることはありませんでした。歩くのは僕より遙かに速いし、若いのでサンチアゴデコンポステーラには、僕よりかなり早くついたものと考えられます。
 緩い下りの台地を下ってからは、それほどアップダウンはありませんでした。途中、道路が二つに分かれるところがありましたが、どっちがいいか判らないので、たくさんの人が行っている左のコースをとりました。この道は、畑の中を歩くようなコースではなく、回りに何もない空き地の間を抜けていくようなコースで、あまり面白くありませんでした。そして、ブルゴスが近づいてきたとき、ブルゴス空港の側をあるきました。もちろん、景色もよくない飛行場の側の道ですから、単調そのものでした。そんな景色であり、この間の写真は一枚も撮っていません。
 そんな道の連続の中、ようやくブルゴスの玄関口まで来ました。急に車が多くなり建物も多くなってきました。
道路の幅も広くなっていますので、標識がどこにあるのか判りません。そして、僕の前後には、あまり巡礼者が歩いていないのです。ひょっとして迷うかもしれないという予感がしました。予想通りに市の中心部へ入っていて完全に迷いました。
 時間的になかり余裕があったので、都市部でありバールなどもありましたので、今日の昼食はバールで摂ることにしました。適当なところでバールに入ったのですが、値段の割にあまり美味しくありませんでした。美味しくない上、ここで時間を取って昼食を食べたのが、結局、今日アルベルゲに泊まれなかった原因になりました。
 市の中心部へ来て、ますます標識が判らなくなりました。このときは、スマホも役に立ちませんでした。要するに、市の何処へ行けばいいのかが判らなかったので、もちろん住所も判らないしお手上げでした。あるところでは、全く逆の方向に歩いていました。地元の人に聞いたら、親切に教えてくれて、方向だけは確保出来ました。疲れてきたので、公園で休んでいたら、ラッキーなことに女性2人連れの巡礼者(次の日に再び会い写真を撮りましたが下の写真です。)が前を歩いて行きましたので、チャンスとばかりに後を付いていきました。そこから、かなり距離がありましたが、足の速い女性に遅れまいと必死のパッチで追いかけて行きました。幸い見失うことはありませんでした。そして、目的地に着いてアルベルゲに行きましたが、巡礼者が並んでおり、僕もその女性たちの後に並びましたが、なな何と、その女性たちの前でコンプリート。なんたるこっちゃ!! あの不味い昼食を食べなかったら、間に合っていたはずなのに思ったけれど後の祭り。仕方ありません。女性たちは、ツーリストインフォメーションに行くと言いましたので、一緒に連れて行って貰いました。そのインフォメーションで、地図とホテルを教えて貰い、ついでに郵便局の場所も聞きました。もちろん、インフォメーションの人は英語が出来ますので何とか聞くことが出来、教えて貰いました。何故、郵便局を聞いたのかというと、重い荷物を日本に送り返すためです。そんなことで、ホテルは後回しにして、まず郵便局に行くことにしました。
 市内地図を貰っていましたので、何とか郵便局にたどり着きました。ここまではいいのですが、それからが大変でした。
しかし、僕には強い味方が付いていました。そうスマホです。スマホが通訳をしてくれたのです。スマホに向かって「荷物を日本に送りたいのですが、どうすればいいのですか。」とスマホに話しかけると、しばらくしたら、それをスペイン語に翻訳して声を出してスマホが喋ってくれるのです。たまたま、郵便局は空いており、待っている客もいなかったので、職員も親切に対応してくれたと同時に、この素晴らしいスマホの能力に俄然興味を持ったみたいで、どこのメーカーのスマホかとも聞かれました。四苦八苦はしたものの、そんなことで無事荷物を日本に送り返す手続きをすることが出来ました。送り返す荷物の重さは、4.6sありました。これでかなり楽になります。スマホの威力と素晴らしさを実感した出来事でした。
 郵便局を後にして、今度はホテル探し。一軒目のホテル(ガイドブックに載っていたホテル)は、満員。二軒目でやっと泊まることが出来ました。しかし、ツインルームしか空いておらず、仕方ないので決めましたが、何と60ユーロ。非常に痛い。返す返すもあの昼食がより高いものになってしまいました。(こういうとき複数で来ていると、部屋代は安くなるのですが、一人なので、もろに部屋代が負担になります。)
 部屋に入り、荷物の整理をしてからシャワーをあびて、その後、街に散策と夕食をしに出ました。結構な繁華街で、バールやレストラン無数にあるのですが、何処へ入っていいか判りません。仕方ないので、レストランでの食事はあきらめて、スーパーで食材を買ってきてホテルで食べようと思いました。しかし、あれだけ大きな街の大きな繁華街なのに、スーパーが一向に見つかりません。かなり歩き回って何とかスーパーを見つけ、ビールやパンなどを購入しました。そして、ホテルに帰って食べましたが、お総菜的なものはなく、ハムとパン、そしてビールにフルーツ。粗食となりました。
 ブルゴスの街を散策したかったのですが、残念ながら全く出来ませんでした。身の回りのことで精一杯で、そこまで余裕がなかったというのが本当にところです。
 まあ、いずれにしろ、今日も1日無事終了。やれやれでした。
 
  カスティージャを見渡す丘(台地)の上に立つ木製の十字架 「無理な歩きは禁物」という注意を促している
慎重に身繕い(特に靴)して薄暗い中アヘスを出発
丘の上に上がる途中、先般アジェギで食事を共にしたドイツ人学生が撮ってくれました。(偶然に出会ったのですが、この後、一度も会いませんでした。) 丘の上に何だか判らないけれど、たぶん何か注意事項が書かれていると思います?
遙かカスティージャ地方を見渡す。ブルゴスが見えています 丘を下ってひたすらブルゴスに向かって歩いています
高くて不味い昼食
珍しくBarで昼食。これで9.5ユーロ。高過ぎるし不味い。最低でした。
ブルゴスのアルベルゲが満杯なので仕方なくホテルにしましたが、ツインしか空いておらず他を探す気力もなかったので60ユーロも出して泊まりました。
ブルゴス 世界遺産のカテドラル ブルゴスのサンタマリア広場

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今日の出会い(写真は翌日のもの)
ブルゴスで道に迷い、このおばさんの後を付いていきアルベルゲにたどり着きましたが、このおばさん達の前でコンプリート。結局一緒にツーリストインフォメーションまで行き色々聞きました。おばさん達とは、そこで別れ、僕は郵便局へ行った後、ホテルに入りました。このおばさん達はドイツ人でした。

 
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9月17日(火) 第15日目 − 巡礼13日目 ブルゴス  〜 オルニージョス
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平均
時速/km
(歩行時間のみで計算)
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A アルベルゲ
H ホテル
 M 朝食付
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夕食
場所
R レストラン
B バール
Aアルベルゲ 
夕食
料金
ユーロ 
累計
距離/km
 

距離/km
 
8:05 14:10 6:05 20.0 3.81 A 5 B 9.5  309  472 
 今日は、この道を歩く中で出発時間が最も遅く8時5分に出発しました。いつもと違ってすでに外は明るかったです。
昨日泊まれなかったアルベルゲの前を通り過ぎるとカテドラルの裏側に出ます。写真のカテドラルは、朝日に反射して黄金色に輝いていたのが印象的でした。残念ながらカテドラルの中には入らなかったです。昨日も入る時間もないし、今日もそのまま歩くつもりだったので入る予定はありませんでした。そもそも、この道の全ルートを通じて、観光は殆どしなかったというのが事実です。本音を言って歩くのが精一杯で余裕がなかったというのが理由です。
 ブルゴスの市街を通り過ぎると、いつもの景色が広がってくるのですが、この日の道は、今回の巡礼の道の中で最も印象に残った道でした。好き好きはあると思いますが、メセタの大地を歩くのは最高だったと思います。天気は最高、心地よい風が吹き、日差しがきつくて汗はかきますがすぐに乾きます。歩きながら、ipodで音楽を聴いていました。本当にロマンチックというか、心が洗われるというか、自分自身がドラマのヒーローになったような気分になっていました。
この時、聴いていた曲ではなくて、浮かんだ曲は次のようなものでした。
 「A RIVER,FLOWING BACK TO THE OCEAN」 「ガブリエルのオーボエ〜'ミッション”より」 「未来」などなどです。もっと頭の中を色々な曲がよぎっていましたが忘れました。
とにかく、歩いていて本当に気持ちが良く何と表現していいか判りません。
 写真にありますが、僕一人の平原の中で昼食を食べました。昼食と言っても、いつもの通り、パンとコーラとフルーツ。しかし、そんなものでも美味しいのです。仮にどんな不味い物を食べても普通のものであれば、そのまわりの環境によって、全然味が違ってきます。やはり、人間の味覚というのは、その時その時に応じて、色々感じ方が違うようです。
その時、「幸せ」ということも思いました。スペイン巡礼道を歩いていて、そこには、青い空、白い雲、爽やかな風、燦々と照りつける太陽、そして、雄大な景色、そんな環境に置かれていましたので、本当に僕は幸せだと思いました。何と表現していいかわかりませんが、先程書いた味覚と同じで、置かれた環境で幸せという感じも違ってくるのだと思いました。お金や権力などではかれるものではありません。貧しくても、力がなくても、「幸せ」を感じることが出来るのです。それは、ずっと継続するものではなく、瞬間瞬間に感じることです。こんなことからも、今回スペインに来て良かったと思っていました。
 恥ずかしながら、この歳で、ここスペインに来る前に2回ほど恋をしてしまいました(^0^;)。残念ながら成就しなかったのですが、こうして、この素晴らしい環境の中を歩いているとき、そんな苦しかった思いも、一度に吹き飛んで、逆にその時の「幸せ」感が倍加したような気になりました。(僕は、多少マゾヒスティックなのかもしれませんが。(笑))いずれにして、何回も書きますが、その時の気持ちをどう表現していいか適当な言葉が見当たらないのが事実です。
 メセタの大地に入る前に、僕の前をイギリスから来ている老夫婦が歩いていました。おじいさんの方が、後ろから見ていると、体が右に傾いており、今にも横に倒れるのではと見えるのですが、ストックを使いながら、ゆっくり確実に歩いていました。そのおじいさんとは、何日か後に一緒に写真を撮りました。(荷物は、軽いナップザックだけでしたが、先に重い荷物を宅急便(スペインで何というか知りません。)で送っているのだと思います。) 
この道は、結構高齢者でも歩いていました。そんなことで、サンチアゴデコンポステーラまで行くのに制限時間はありませんので、時間をかけて無理をしなければ誰でも歩けると感じました。
 下の写真にありますが、メセタの大地に入る前に小さな教会がありました。何か童話に出てくるような小さな教会。何だか小さな恋の物語風の小説の舞台になりそうな感じでした。(笑)
 この日歩いた距離は20q。それほど高低差ははなかったので比較的ラクに歩けて、宿泊地のオルニージョスには、14時過ぎに到着しました。アルベルゲは、村に入った手前にありましたが、すでに普通のベッドの部屋は満員でした。これは大変だと思いましたが、泊まることが出来した。しかし、泊まる場所は、隣にある大きな体育館の中でした。そこにマットを敷いて寝るのです。まあ、僕は、どんなところでも寝ることが出来さえしたらいいと思っているので、一向に気になりませんでした。
その体育館も、時間が経つにつれてどんどん巡礼者が入ってきました。かなりの、補助マットがあるのだと思います。間隔はゆったり取っていますが、結構満員になっていました。
 夜中に困ったことがありました。相変わらず、トイレに何回も行きましたが、男性トイレの入り口の扉が開かないのです。鍵をかけるはずがないのに開かないのです。もちろん、真夜中なので管理人を呼びに行くわけもいかないし、仕方ないので、隣の女性トイレに入りました。その時、何日か前に、アメリカ人の女性二人連れを僕が追い越して、そのまま追い越されなかった人の年寄りの方がトイレに入ってきて変な目で見られました。何か言われたら、英語がしゃべれないけれど、男性トイレの扉のところへ連れて行って説明しようと思いましたが、その人は何も言わなかったので助かりました。結局何故、男性トイレの扉が開かなかったかというと、この後、何回も経験しましたが、スペインの扉の建て付けが悪く、思い切り引きながらノブを回さないと開かないことが判りました。まあ、勝手が分からない海外だと色々なことがあります。

 そんなこんなで、メセタの大地を歩いた素晴らしい1日も無事終わりました。
 
             朝日に映える 世界遺産 ブルゴスのカテドラル
カテドラルの前にて(これはカテドラルの裏側ですが。) ブルゴス市街を抜けたところの風景
カルダーダス村に続く道
カルサーダス村 メセタの大地に入る手前の小さな教会
今日の風景は最高でした。このあたりからメセタの大地に入ります。遮るものは何もありません。僕が憧れていた風景が目の前に広がります。まるで夢を見ているようで!!
メセタの台地  天気はいいし、風は爽やかだし、空は真っ青だし、雲は真っ白だし今日の道は最高!!
この平原で昼食中でした。何とも言えないくらい最高の気分です。こちらに来て本当に良かった思う瞬間です。幸せです 何処までも何処までも続く道 先には天国があるのか
やはり今日のこの道は、スペイン巡礼の道の中ではハイライトです。最高に好きな道でした。
一本の木が平原の真ん中に 所々に石が積み上げられている
オルニージョス村が見えてきました。でもかなり距離はあります。    まもなくオルニージョスに到着です 
 
 オルニージョスの街並み   アルベルゲの裏側風景 
 
今日の夕食  写真の二品とデザート、パンとビールが付いて9.5ユーロ。スペイン料理ではありません。味はまずまず。しかし、ビーフは硬かった。 

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今日のアルベルゲは、普通のベッドは満杯で、僕が入ったのは、体育館にベッドを並べたところでした。寝ることが出来ればいいので、僕はこんな広々としたところの方が好きです。料金は5ユーロ。とにかく今日は絶好調で荷物を減らした効果絶大。さらにコースのアップダウンが少なく、そして風景が抜群でした。距離も短く言うことなし。まあ、たまにはこんな日もあっても良いでしょう!!
 
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