君が望む永遠SS Fly again |
Scene.0 迷い鳥 PM11:00 音の消えた世界 「 コウカイシテイル 」 外は雪が降り続いている 「 ワタシハ イジヲ ハッテイタ 」 部屋の中にはカーテンの隙間から街灯の明かりが漏れている 「 …寂しいよ…… 」 早い時間にベッドに潜り込んだのに、寝付けずにいる 目の前に右手をかざし、その手に左手を合わせる 合わせた手を自分の胸元まで引き寄せる 「 孝之君… 」 その手を包み込むように身体を縮みこませる 「 …一人は寂しいよ…… 」 あの時、さよならを決めた事? 私はひとりでやっていけると彼に意地を張った事? 皆の側から離れた事? もう少し彼を見て居たら違った答えになっていたかも もう少し我慢していたら状況は変わっていたかも でも、答えを決めたのは私 答えを出してしまったのは私 ホントは側に居たかった ホントは側に居てほしかった 一人でも前に進めると思ったけど、後悔という鎖がそれを阻む 「 ねぇ、『 ここに居るよ 』って言ってよ。 」 「『 いつでも側に居るよ 』って声を聞かせてよ。 」 「 …寂しい、…一人は寂しいよ…… 」 私、そんなに強くなかった…… Scene.1 闇夜・迷飛 ( 戸惑うツバサ ) 退院の日、 両親と茜が迎えに来てくれた。 家族だけのお迎え 少し寂しい……けど、贅沢は言えないよね! お見送りは病院の看護婦さんや、 お医者の先生 知っている人も知らない人も 見送ってくれた 自宅に着いた私は、少し家を眺めた 懐かしい感じが変だった そして、玄関を開けようとしたときに違和感を感じた。 けど、それは茜の呼び声にすぐに消された。 足の自由の利かない私に、 新しく一階の部屋があたえられた。 少しでも身体に負担を掛けないようにと 両親からの気遣いだった。 家に戻ったその日から 私はリハビリの事ばかり考えていた 「 早く、一人で何でも出来るように戻らなくちゃっ 」て 当面はその事に一生懸命になる事に決めていた ある日、 茜は学校、 父は仕事、 母も用事で出かけた日の夕方 自分の部屋から出てきた私は、 リビングで立ち尽くした リビングのテーブルに腰掛けて笑っている男の子 「 たか……ゆ……き…君……? 」 少しの間、呆然とした。 自分の目が見開かれているのがわかった。 でも、すぐに孝之君は消えた 「 ……えっ……? 」 残像だ 幸せだった日々の残像が私の記憶に襲い掛かる 『 はっ 』として、玄関を見やる そこにも笑顔の孝之君が……。 キッチン 階段 二階の私の部屋の前 そこここに孝之君が浮かんでは消える 呆然と立ち尽くす私の目には涙が止まらない 思わずその場にうずくまり、 顔を伏せて泣いた。 声を上げて泣いた。 少し落ち着いてから部屋の中を見回す、 もう孝之君は見当たらなかった ただ、 二階の自分の部屋を見やったときに恐怖感を覚えた あの部屋には、 ここ以上に幸せが置いてある 私はその日から、 自分の部屋を避けるようになった そんな出来事があったからか、 私はリハビリの事以外も考え出した 本当は半年休んでから、 大学受験をしようと考えていた その考えを取り消し、 すぐに大学へ通う事を決心した これだけの時間で受験を抜けるのは大変だったと思う 幸い授業の受けていないところを茜が補ってくれた 茜は教えるのが下手だ。 でも、教え下手なりに一生懸命ヒントをくれた 私はそれが嬉しかった 未だにぎこちない姉妹の関係ではあるけど、 茜は家族だと実感できた 白陵大に進むつもりだった高校生の頃 本当ならそれが一番望ましかった でも、 私の我侭で他の大学にした この街から遠く離れた街にある学校 この街から通う事の出来ない所 リハビリの方は順調で、 医者も条件付で了解してくれた 両親は大反対した。 当たり前だと思う。 でも、 私の頑固さと、 茜の援護で許しを得た 私は退院から半年で、 この街を後にした 結局、 自分の部屋に入る事は無かった 私は自分の弱さを知った 「 孝之君……私…こんなに……弱い…んだよ…… 」 Scene.2 窓の外の青空 3月 退院してから3年半の月日が流れた 「 進路か……やりたい事は絵本作家だけど…… 」 私はこの部屋に移ってから、 一本も絵本を描けずにいた 一年のときは色々と忙しくって 二年目に思い出したようにスケッチブックを取り出したけど 新しいページは白いまま 結局、以前の作品の手直しをしている 大学での専攻は「児童心理」だけど、 なんだかつかみ所が無くて 「 こんなものなのかな? 」と不安に思う この街に越してきて良かった事が一つ 少し離れた街に「 絵本美術館 」があった事だ 今では時間を作ってはそこに入り浸っている 「 姉さん、またこの春も家に帰らないの? 」 「 ……うん、…ゴメンね。 」 「 え、…私は良いけど……お父さんたち、心配しているよ。 」 「 うん、……わかっている……。 」 「 ……… 」 「 ……… 」 「 じゃ、時間だから行くね! 」 「 うん、…お母さんたちによろしくね。元気だって伝えて。 」 茜は毎月、第一土曜日に此方へ来る その晩、一緒に過ごして帰って行く 3年もそんな事をしている割に、 姉妹としての関係はぎこちない 「 茜も3年前の事にこだわっているのかな? 」 違う、こだわっているのは私 そんな私を見て、茜も気にしているだけ そのうちに「 何とかしなくては 」と思っているけど上手くいかない この街に持ってきた荷物の中に茶色い紙袋がある 中身は過去の時間 絵本と写真 思い出にする為に持ってきた でも、未だに思い出に出来ない自分がいる この気持ちに整理をつければ前に進めると信じている 無理やり前に進もうとして失敗した事もあった 今では胸の痛みも減っている もう少し、もうちょっとだけ頑張れば進めそうな気がする だから、今は帰らない 一人で何とか足掻いてみる事にする そうすれば、新しい自分に出会えそうな気がする そう信じて…… Scene.3 緑の風 茜を新幹線のホームで見送った また来月まで一人きり そんな事を考えながら駅の大きな時計を見た 『 まだお昼か……よし、このままあそこへ行ってみよう! 』 駅前のレンタサイクルで自転車を借りて、広い歩道を走らせる 3つ目の信号を曲がり少し行くと、別荘地の中に人造湖が見えてくる 『 もう少しだ! 』 最後は上り坂、この上にその場所がある そこで自転車を降りて、 自転車を押しながら坂道を登っていく はやる気持ちは抑えられない やがて、一つの近代的な建物が見えてくる でもそれはお向かいの「 木のおもちゃ博物館 」 こっちも色々と楽しいものがあるけど、 またゆっくり時間のあるときに来ればいい 坂の頂上のちょっと奥に絵本美術館の入り口がある 自転車をその脇に止めて、 入場料を払って門を潜る そこには木と芝が公園のように広がっている その奥にいくつかの建物が見える 一番奥と左手の建物は展示がメインで、 手にとって覘く事が出来ない 時間があるときには見て回るけど、今日は右手だ! 図書館、 ここはいつ来ても楽しい 色々な絵本を手にとって読める 私の一番の場所 建物に入って一部屋一部屋吟味していく この建物は、小さな部屋が幾つかある それぞれに大きなテーブルがあって、小さな椅子が幾つかある それらの入り口を受ける大きな広間には一層大きなテーブルがあり 椅子やカーペットが広がっている 子供たちはいつでも大はしゃぎしている事も多い 私はいつでも一番奥の部屋に場所をとる その部屋にはお気に入りの絵本たちが一番多いから でも、雪の残る3月のこの時期、 観光客や子供たちを見つける事は難しいこの街の こんな駅から離れた美術館の一室に、 私のお気に入りの部屋に、 人がいるとは思わなかった その部屋に近づいていくと声が聞こえた 『 ……えっ?…… 』 声ではなくて鼻を啜る感じ? 壁際からそっと部屋の中を覗いて見る 男の人が肩を揺らしていた 『 孝之君? 』 この人の背中が一瞬、彼を病室ではじめて見た背中に見えた けど、良く見てみると全然違う 『 ……このままそっとしておいた方が良いよね…… 』 そう考後ずさりしようとした時だった ガタ! 足元にある子供用の椅子を蹴飛ばしてしまった 「 きゃっ!! 」 あわてて口を押さえる。が、遅かった 男の人は『 はっ! 』と顔を上げて振り向いた すぐに立ち上がり近づいてくる 「 大丈夫ですか? 」 その人の手が伸びる 私は呆然とその動作を見ている 「 どこか痛めましたか? 」 「 ……えっ……あのっ……いえ…あっ…はいぃ… 」 それを言葉にするのが精一杯だった 相手の顔から目をそらし、その人の手を見つめてその人手を借りた。 私は立ち上がり、お尻の埃をはたいてから彼を見つめた 『 涙の跡? 』 その人は気が付いたようで、手で必死にそれを拭い取った そして笑顔になり 「 大丈夫? 」 「 …ええ…… 」 私は笑顔を作る事さえ出来なかった 「 驚かせてしまったようですね? 」 彼は自分の使っていたテーブルへ戻ろうとした 「 …絵本って、結構感動するものなのですね。思わず泣いてしまいました 」 彼は涙を流した事を隠そうともしなかった 「 そ、そうですよね。私も結構感動して泣いてしまいます 」 「 ははは…。 」 その人は愛想笑いをしながら絵本を片付けた その際、彼が手にした絵本には見覚えがあった 『 マヤウルの贈り物? 』 確かに、彼が手に持っていたのはその本だった その後、その人に連れ立って私はその建物を後にした 出口まで絵本の話で盛り上がっていた 「 あの最後は凄く良かった! 」 彼の率直な感想だった 私はそれに相槌を打つだけだった 彼は子供のようにはしゃいでいた 自分がそこに行って、何の絵本も見ていないことを後から知った。 Scene.4 空への思い あの人との出会いは私に刺激をあたえた 『 大人の男の人が絵本を読んで感動する。 凄いな絵本って。私もあんな絵本を描けるようになりたいな。 』 そう思ったとたん、私は無性に絵本を描きたくなった 今はまだ、新しいものは描けない。だから、以前の作業を急いだ 昔作った絵本の仕上げ作業を 「 ……でも、『 マヤウルの贈り物 』って読んだだけで泣けるかな?…… 」 疑問は残った。 が、それを確かめる術が無い事に気がついた 「 私、あの人の名前聞いていない。 」 考えてみると自分の名前も名乗っていなかった いまさら後悔している。 「 名前だけでも聞ければ良かったのに…… 」 引っ込み思案な性格から自分にはできない事は判っている 「 また、あそこに来るのかな?もう会えないのかな? 」 ……多分、会えないのだろうな………… その後、あの場所には何度も足を運んだ 時間のある限り美術館に居て出会える事を願った 結局会う事は出来なかった 3月の終わりに、私は電車で東京に向かった 仕上げた絵本を持って出版社を訪れる事にした 「 まだ、自信は無い。けど、一歩だけ、ううん、半歩だけでも前に進もう! 」 そんな気持ちで訪れた出版社だった 受付に話を通すと3階のロビーに通された そこに部屋から出てきた一人のスーツ姿の女性 私を見ると真っ直ぐに近づいてきた 手には名刺を持っており、お辞儀を深々としてからその名刺を差し出した 名刺の肩書きには「 課長 」と書かれていた 私は作品を手渡し、中を見てもらう 彼女はそれをゆっくりページを進めていく 一通り見終わると彼女は顔をあげ、 ちょうど通りかかった一人の男性に声を掛けた 『 村上くん! 』 その人は、部屋に戻る事を止め此方に歩いてくる 年齢的には私より2つくらい年上 なんとなく見覚えのあるスラッとした体型だ 目の前の女性は、その『 村上 』という人のそばまで行って 一言二言会話を交わして部屋に引き上げていった 「 駄目だったのかな?なんの感想もなかったのかな? 」 と不安になる そこへその『 村上 』という名の人が来て、名刺を差し出した 「 はじめまして。村上です。あなたは私が担当する事になりました。 」 「 ……えっ……? 」 「 あ、担当といってもまだ出版できるという話ではありません。 今は私があなたとの連絡係とでも言いましょうか。 」 「 ……あ、…そう…なんですか……。 」 「 はい……。 」 「 …… 」 「 あっ…と、それでですね、此方に連絡先などを書いていただけませんか? もしよければ、略歴など……言うなれば履歴書でしょうか。 」 「 あっ、はい。 」 私がその用紙を受け取り書き始めると、 村上と言う人は私の描いた絵本に手を伸ばした そして、手元に原画を引き寄せたときに 「 涼宮……遙さんとおっしゃるのですか…… 」 「 えっ、あ、はい。……あの…なにか……? 」 「 え、いや、ただ名前を確認しただけです 」 「 はぁ…。 」 「 失礼。…どうぞ続けてください。 」 「 はい。 」 私は履歴書を書き上げ、顔を起こすと、 村上さんは私の作品を見るでなく、私をじっと見ていた 「 ……あの……。 」 「 …あなた…絵本美術館に…… 」 「 …えっ……? 」 「 あの、先日、絵本美術館でお会いしませんでしたか? 」 「 あ………え、あの……。 」 村上さんは少し頬を緩めて 「 ああ、やっぱりそうだ! 」 確信していた。 「 あの時は、なんか色々とありがとうございました。 」 「 え……いえ、そんな……。 」 「 いやー、良かった、もう一度お会いする事が出来て 」 「 あ…そ…そう…ですね…… 」 「 あ、すみません。俺、勝手に浮かれてしまって…… 」 「 ……いえ…… 」 その後、絵本の話に戻った とりあえず、今日、作品を預からせて欲しいとの事 出来れば、その作品たちの下書きとかラフを見せて欲しいと言う事 変更する前の部分なども詳しく知りたいらしい いつの間にか課長さんがお茶を持ってきた 「 彼女の連絡先は聞いてくれた? 」 「 はい、この通りです 」 「 うん、……、涼宮さん…ですか 」 「 あ、…はい…… 」 「 今後とも色々とよろしくお願いします 」 「 あ、はい、お願いします 」 「 あなたの作品は、今後会議の議題として扱わせてもらいます。 そして、そこで通れば出版という形になると思います。 」 「 ……え、……本当ですか…… 」 「 まぁ、これは上手くいったらの話。 でも、そんなにマイナスに考える事も無いと思うわ。 ちょっと時間はかかってしまうと思いますけど、気長に待っていてね。 」 「 はい……。 」 「 あ、それと、彼、村上君。あなたとの連絡は彼を通してになると思います。 実は彼、最近入ったばかりで絵本の事良く知らないのよね。 そこの所、涼宮さんは詳しそうね。 」 「 いえ…そんな事は……… 」 「 良く出来ているわよ、あなたの絵本。 」 「 あ、それは……ただ、知っているだけで…… 」 「 うん、でも、かなりの絵本を読んできたのでしょう? もし良ければ彼に教えてあげてくれる? 」 「 あ……あの……教えられるかどうかは…… 」 「 うん、まぁ、沢山絵本のお話をしてあげてという事。 」 「 あ、そういうことでしたら…… 」 「 あ、じゃぁよろしくお願いします。 」 村上さんが最後にひとこと言った。 Scene.5 空の中の飛行機雲 「 涼宮さんは、今あちらの方にお住まいですか? 」 「 はい、学生なので……。 」 「 ご実家はどちら? 」 「 あ、隣の県ですけど……ここから電車で一時間位かな…… 」 「 今日はそちらに戻られるのですか? 」 「 いえ、このまま帰ろうかと……。 」 「 あ、そうなんですか。 」 私は村上さんと一緒に建物の出口まで来ていた 「 あの、……何か…… 」 「 …あ、えっとですね。あなたの作品をこの後ゆっくり読んでみて 感想をお伝えしようかと……。出来れば直接の方がいいかな?と思っただけです。 」 「 あ、そう……なんですか…。 」 「 僕もこの会社に入ってまだ3ヶ月なのですけど、 先輩達を見てきてそうした方がいいのかな?と考えたのでね。 ちょっとあなたの現在のお住まいは遠いもので、 気軽にそちらに伺う訳にも行きそうに無いですからね。 」 「 はぁ……。 」 そのまま建物を出たところで村上さんは立ち止まった 「 ではここで。なるべく此方の進行の方はこまめにお伝えしますので 」 「 はい。よろしくお願いします。 」 私は駅の方に向かって歩き出そうと振り返ったが、 一瞬立ち止まり、再び元の村上さんを見た 「 あの絵本を読んで、男の方が涙を流すってどんな意味があるのでしょう? 」 村上さんには最初、なんの事かわからなかったようだ 「 あの『 マヤウルの贈り物 』って、その…… 」 村上さんは気が付いたようで、いったん顔を背けてから私を見て 「 残像って、わずか2・3秒の出来事なのですよね。知っていましたか? 」 私にはなんの事か解らなかった。 「 残像が見えるときって凄く辛いですよね。 でも、ちょっと我慢すると思い出に変わる。 でも、その途中で目を逸らしてしまうと、次もまた見えてくる。 」 「 ……はぁ…… 」 「 あ、何言っているんだろう。……自分でも良く分らないくなっちゃいました。 」 駅に続く道を考えながら歩いた 村上さんの言った言葉、残像のお話 もう3年以上たったんだ。あの部屋に孝之君を見てから… 残像……幸せだった季節(とき)のカケラ…… あの街にまだ残っている…… あの部屋に残っている……? 「 ……残像が…思い出に…変わる……!? 」 私は自分の街への切符を買った 久しぶり、3年ぶりの街。 駅を降りるとあの事故現場が目に入った 今はもう元通りになっている 嫌な気持ちになったけど、それほど思い出せる事は無かった 少し離れて駅を振り返る でも、そこは通過点、何の気の無い会話を交わしながら歩いた場所 少し駅から離れた場所にある本屋、表から中を覗く 絵本のコーナー、 「 あそこで声を掛けられたっけ。私恥ずかしくって逃げちゃったんだよね…… 」 ふと通りを見てみる。一緒に歩いた帰り道 そしてその先に高校が丘の上に建っている 時計を見て、時間を確認してから高校へと向かった 校舎の裏からつながる小道を歩いてくると一本の木が立っている その木に近づく。木に手を伸ばして触れる。見上げる そして…振り返る…… 孝之君の残像が私を見つめて気まずそうにしている 私の思いが伝わった時 彼が私を見てくれた時 はじまった一ヶ月という時間 歯車が順調に回りだした瞬間 こみ上げる思いがある。胸の奥が絞られる。 出口を求めた思いが目に集う。でも、目は閉じない。 そして、頬を伝い涙が落ちる…… あたりが暗くなってから自宅へ戻った 何の連絡も無く帰った家は、娘の訪問に笑顔があふれた 遅れて妹の茜も参加して、華やかではないがそれなりに明るい食卓を囲んだ 自分の部屋の扉が目の前にある 家族が寝静まってから、階段を上がってきた 「 出来ればこんなところ誰にも見られたくない 」 そんな思いでドアの取っ手に手を伸ばした 扉を開き脇にあった明かりのスイッチをいれ 後ろ手に扉を軽く閉める もう6年半、この部屋に目を向けた事が無かった 一人でこの部屋に来るのも、あの事故にあって以来 手前にある小さな座卓 そこで孝之君と参考書を広げた 壁際の本棚 絵本の事を孝之君と話した おまじないもした キスもした そして……… 最後の孝之君が見えた時 彼の口が動いた 「 はるか ! ありがとう 」 幸せだった「 とき 」が押し寄せてくる 心が張り裂けそう 気持ちがあふれる 涙が止まらない 声が出そう 「 伝えたい思い 」を声にしたい 孝之君、孝之君、孝之君、孝之君、孝之君………………… 涙は止め処なかった でも、目は閉じなかった 「 姉さん…… 」 「 …… 」 茜の声 「 ……姉さん、どうし…たの……? 」 私はそのままの姿勢で答えた 「 …幸せな時間を……思い出にしていたの…… 」 茜は後ろに立ったまま、私が振り向くまで待っていた…… Scene.6 青空に目を向けて 「 すみません、村上さんはいらっしゃいますか? 」 「 はい、少しお待ちください。……村上君、電話…… 」 私は電話を手にしていた 今日、自分の部屋に戻る その前にもう一度村上さんに会いたかった 作品の感想が結構気になった 村上さんもこの後「 外回り 」になるとの事で 途中駅の改札中の喫茶室で会う事になった 村上さんは早目に付いていた様で紙コップに入ったコーヒーを飲んでいる 私もすぐに飲み物だけを頼んでその席に向かった 「 あ、どうも涼宮さん。……あれ、今日はなんだか晴れやかな感じですね? 」 「 こ、こんにちは。…そう…ですか…? 」 「 ええ、……何か良い事がありましたか? 」 「 いえ、…そういうわけでは……。 」 村上さんは、私を見るなり笑顔を作ってそんな会話を交わした 「 さて、三作品とも見せていただきました。大変面白かったです。 」 「 あ、ありがとうございます。 」 「 ただ、一つ気になった事がありました。実は課長も気にしていたのですが… 」 「 あの、………何でしょう? 」 「 涼宮さんは、今後絵本作家としてやっていこうと考えているのですか? 」 「 …はい、まぁ、…出来れば…そうしたいと…… 」 「 となると、一つだけ問題があります。 あの作品たちは最近のものではないですよね。 会議で通すには、出来る限り新しい作品が欲しいのです。 」 「 あ、…はい……。 」 「 それが出来るまで、この話は保留という形になりそうです。 」 村上さんは残念そうな顔をしていた。 私も分っていた。 そう、以前できたから今後も出来るとは限らない 当たり前の事、 でも、何かが変わる事を望んだ自分の行動だから後悔は無い 「 僕もね、凄く残念なんですよ。涼宮さんの絵と内容、凄く暖かくて ふわっと包まれるような感覚で好きです。それが形にならないのは嫌ですね。 」 この人の言葉が伝わってくる。心からの言葉。嬉しい。素直に嬉しい。 「 ……あの、…何とか……やってみます……。 」 「 そうですか!……あの、頑張ってください。 こンな事しか言えないですけど、…応援します。 」 「 あ、…ありがとうございます…。 」 「 ところで、もう一つ、履歴書にも気になった事があったのですけど…… 」 私はその一言でわかってしまった 話すかどうか躊躇った 顔を上げて村上さんの顔を見つめて決めた 「 あの、……私……交通事故に遭ったんです…… 」 村上さんの目はじっと私の目を見ていた 私はありのままを話した 今までは誰にも話さなかった ただ、三浪しただけとしか言わなかった過去 なのに、村上さんには話した 事故に遭う直前から付き合った彼の事 すぐに事故に遭ってしまい三年間眠り続けた事 目が覚めたときに心配してくれていた友人や彼の事 そして彼の3年間を知ってしまった事 自分から彼に別れを告げた事 そして、別れた事を後悔していた事 退院したこと 家から逃げた事 幸せな時間から逃げた事 そして、昨日思い出に変えた事 私はいつの間にかうつむいていた。 ふと顔を上げると、 村上さんは何か考えていた そして、顔を上げ 「 よく出来ましたね。涼宮さんのした事は、 間違いではないですよ。 人はそんなに強くは無い。 でも、あなたは強くなろうとしている。 それも間違いじゃないと思う。 ちょっと回り道をしている事なんて、皆やっています。 大事なのは、前にすすもうとすることだと僕は思います。 」 「 ………… 」 涙が出てきた でも、私の顔はきっと笑っている 『 この人はわかってくれる……。 』 素直に思った。 帰りの新幹線の中 考えていた事があった この何年を振り返って 最近の自分が何もしなかったのは 自分を大事にしすぎて 色々な事から逃げていたんだという事 「 振り返る 」って大事なんだ 逃げているだけじゃ気が付かない 大切な何かがわかってくる その間に色々な人に迷惑を掛けていた事に気がついた その人たちにお礼を言いたい 何かをしたい 何かを伝えたい そんな気持ちが沸き起こっていた Scene.7 同じ風を見て 寮へ帰った最初の週末、茜が部屋を訪れた 先日の事で心配になったのかな? あの後、私は茜と話をしなかった ただ、笑顔を作って「おやすみ」と言ったきりだった 扉を開けたとき、茜の顔は暗かったが、 私の顔を見ただけで表情が一変した この部屋を訪れたときに見せた顔の中で一番の笑顔だった 茜は後で「 お姉ちゃん、なんか晴れやかな顔をしていた 」という 茜は自分の変化に気付いているのかな? 私の事を「 お姉ちゃん! 」と呼んでいる事に 夜、ベッドの上と下で寝ながら話をしていた ふっと、茜が言った言葉がとても嬉しかった 「 ねぇ、お姉ちゃん。ちょっと甘えてもいい? 」 「 ……なに……? 」 「 手……繋いでくれない? 」 「 ……… 」 「 昔さ、寝付けないときによく手を繋いで寝たよね…… 」 「 ん、いいよ…… 」 二人で布団から手を出して繋いだ 茜の手はとても暖かかった……… 翌日、茜を送りに部屋から出ようとした時に電話が鳴った 村上さんだった。 用事で此方の方に来たので私の事を思い出したらしい 私は茜を見送る事情を説明すると駅で会う事になった 「 涼宮さん、お疲れ様です。いかがですか?その後は… 」 「 はい、まぁ、なんとなくですけど…… 」 「 お姉ちゃん、この人が担当さん? 」 「 あ、はい、村上といいます。 」 「 茜!…すみません、あの、妹の茜です。 」 「 はい、よろしくお願いします 」 「 村上さん、姉の事、色々とご迷惑おかけしますが、よろしくお願いします。 」 「 え、あの、…まだ…知り合った…ばかり…と言うか……なので…… 」 「 あのー、…そういう意味ではないのですけど…… 」 と茜は村上さんを悪戯な目をして見つめていた 村上さんは、焦っていた 「 あ、それでですね、今日は涼宮さんに是非受け取ってもらいたいものがあるんです 」 「 プレゼント? 」 茜が変な目つきで口を挟む 私たちは駅の喫茶室でお茶をしていた 新幹線の時間まではだいぶあったので、3人でゆっくりする事になった 茜は村上さんがちょっと気になったようだ 「 いや、まぁ、ちょっと大げさかもしれませんが…… 絵本作家を目指す一歩目の記念として。 」 村上さんは茶色い封筒を差し出した 受け取ろうとしたら、横から茜が手を出してきておもむろに取り出した 「 あ!絵本だ!……あれ……? 」 「 あかね!………… 」 私はそれを確認したときに視線が止まった 『 マヤウルの贈り物 』 …………………… 村上さんは続けた 「 この作品、ある意味、私とあなたを出会わせてくれたものです。 内容は『 別れ 』を描いていますが、 私はこの絵本『 新しい出会い 』も描いていると最近考えているのです。 ちょっと考え方が飛躍しているかとも思うのですが……どうですか?…… 」 私は茜から絵本を受け取るとそれをじっと見つめいた 少し沈黙が続いた後、 「 実は、私も涼宮さんと同じような経験をしているのです 」 「 ……え……? 」 私は顔を上げて村上さんをみた 村上さんは目を自分の左手に向けている そこには結婚の証があった 「 妻は……一昨年亡くなったんです…… 」 「 ……えっ…… 」 「 別れというのは辛いですよね。 」 村上さんは、おもむろに左手を私に見せるように 「 形見です。……気持ちの整理はついたと思っていたのですけど… 絵本がきっかけになるとは思いも因りませんでした。 」 村上さんはうつむいた ちょっと間を置いてから、村上さんは話しだした 奥さんと結婚し2・3ヶ月しないうちに、奥さんが発病した 最初、風邪だと考えていた微熱は大きな病気の発見に繋がった それから入退院の繰り返し 奥さんの調子は良くなったり悪くなったりの繰り返し 奥さんは病名を知らなかった 村上さんは病名を偽った でも、一緒に頑張ろう!と言う気持ちだけは伝えた でも、奥さんの様態を間近に見る村上さんの気持ちの変化 いつまでも病名を偽った事を「 これで良いのか? 」と言う自問自答 周りになんの相談もせずに自分だけに閉じ込めた気持ち 看病だけを続ける9ヶ月、 新しい治療の段階に移り 少し希望を掴みかけたところでの現実 葬儀後の村上さんは段々篭っていく 仕事へも行かなくなり、毎日部屋に閉じこもり 日々自分を責めてゆく、 今になって後悔して 自分を否定してゆく 部屋の中で幸せの日々の香りだけに包まれながら 「 本当は看病していた最後の頃には、僕もおかしかったんだと思います 何もしないで部屋に寝転がっていた夕方にそれを見つけるまでは。 ふとした切っ掛けで幸せな日々の残像が見え、僕はそれを夢中になって探し回ったんです 涙は流れっぱなしでした。部屋で見つけられるだけ見つけて 最後の残像を見たとき、彼女は「 ありがとう 」と言ってくれました いや、言ったような気がしました 」 「 ボーっとしていたら夜になっていました。 その時には彼女は思い出に変わっていました。 今はもうホントに整理がついたと思っていたのですけど ちょっとした気の緩みからあんな風になってしまうんですね。 あなたに見られてしまいました。 」 少しの間があって 「 でも、それであなたに出会えたのです。 もしあの時涙を流していなかったら、きっとお話もしませんでしたよね? 」 村上さんは顔を上げて、少し寂しい笑顔を作った 「 立場は違いますけど、なんだかひとごとに思えなくて……。 」 村上さんは私をみて 「 僕は、妻の看病から『 後から悔やむ事だけは止めよう 』と決めました。 私はあなたの絵本を見て、素直に応援しようと決めました そのプレゼントは私の応援の気持ちです。 」 私は再び絵本を見て 『 私と同じ事を感じている…… でも、明らかに違う事 この人は前向きな人だ! 私より何倍も辛い思いしてきたのに、とても強く感じる 私の心が温かい気持ちに包まれる 』 茜は私を見ていた 私は 自分の中で『コトリ…』と何かが動き出すのを感じていた Scene.8 ツバサを広げて ここ数週間で色々な事が起こった ここ数週間で私の周りが変わった 私が変わった 私はあの日以来、考えていた 過去を振り返って思い出した あの人の話しを聞いて決心した この絵本は私からの手紙 私が今まで迷惑を掛けた人たちへの感謝のしるし 私の思いを込めて丁寧に書き上げる 宛名は書かない 私が生きてきたこと 考えたこと それを感じ取ってくれればそれでいい 今、目の前に白いページが広がっている 青空が広がっている Last Scene 青空の向こうへ 絵本は完成した 今日の3時ごろに村上さんが取りに来る 私はその前にやっておく事を思い出した 本棚の隅に刺さっていた茶色の紙袋 先日、村上さんから貰った茶封筒 それをもち出して部屋を出る 茜が目の前に居た 「 お姉ちゃん!絵本できたんでしょう?見せて!!! 」 「 ……なんで知っているのよ! 」 「 え、じゃ、やっぱり出来てるんだ。ねぇ、見せて!見せて!! 」 やられた! 茜にはかなわない 再び部屋の鍵を開け 机の上においてあるプラスティックケースを取り 「 部屋に上がらないの? 」 「 う〜ん、今日は天気もいいし、外で見よう! 」 しぶしぶそれを部屋から持ち出した 茜は近くの自販機で紅茶を二つ買ってきた 「 はい……汚さないでよ。 」 「 わかってるって! 」 私はケースの中から一つのクリアファイルを取り出すと茜に渡した 茜はそれを受け取り、一つずつ隅々まで見回すように眺めていく 『あ〜あ、出かけようと思っていたのに…… まぁ、良いか。すぐそこだから30分もあれば行って返ってこれるわよね』 茜に貰った缶の紅茶を飲み始めた 茜は一通り見終わると不思議な顔をして聞いてきた 「 ねぇ、これの表紙は? 」 「 それはこっちに大切にしまってあるの。 」 「 見せて! 」 間髪を入れない茜の催促 でも、これはまだ見せられない 「 駄目! 」 「 けち! 」 茜はしぶしぶ引き下がった 「 そういえば、どこかに出かけようとしていたんじゃないの? 」 「 え、あ、うん……茜も来る?… 」 「 付いて行って良いの? 」 私は首を縦に振り歩き出した 茜はまだ飲みかけの紅茶を片手に横に並んだ 寮の角を曲がろうとした時に声を掛けられた 「 あれ、涼宮さん……。お出かけですか? 」 村上さんだった。 「 早いですね?まだ、約束の時間まで一時間ありますよ。 」 「 あぁ、今日は車だったもので、渋滞を予測して早く出てきたのですが こんなに早く着くとは思わなくて…… 」 茜と私は顔を見合わせ少し笑った 「 で、どちらまで行かれるのですか?もし良ければ車でお送りしますけど…。 」 「 ええ、すぐそこなんですよ。村上さんも良ければ一緒に来ますか? 」 「 え、良いんですか?じゃ、御一緒します。 」 村上さんは車を寮横の空き地に止め私たち二人の後ろをついて来た 寮の裏はすぐ山になっていて、少し先に行くと鳥居があった 境内にいた人に古札納所(こさつおさめじょ)の場所を聞き、 そちらへ向かった 二人は、ただついてくるだけだった その建物の前で抱えていた紙袋を確認した 茜と村上さんは私の事を黙って見ていたが 袋から取り出したものを見て驚いた 「 どういう事か説明していただけますか? 」 少し怒ったような強い口調 茜は目をそらした 私もそれは承知していたので、 落ち着いて説明を始めた 「 …これは、……この絵本は、私の過去の鎖なんです。 」 私は建物の中にそれを納め再び村上さんを見た 今度は胸の中にある茶封筒から真新しい絵本を取り出した 「 あれは、さよならを告げた人に貰った絵本。別れを決めた絵本です。 そして、これはあなたから頂いたもの。出会いを示した絵本です。 」 村上はちょっと困惑しながら 「 ……同じ…絵本だったのですか……。 」 「 ……はい……。 」 私は村上さんから貰った絵本を大事に胸に抱えた 「 あの絵本には沢山の嫌な思いをつけてしまいました。 嫌な記憶や思いがあの絵本の中に詰まってしまって……、 確かに、思い出も沢山ありますが、 それは胸の中にあれば良いと思ったんです。 自分の手元へ置いておくには、重すぎて……。 どうすれば良いか解らなかったのです。 」 私は少し涙目になりながら答えた 「 でも、こうすれば少しは報われるのではないのでしょうか? 」 村上さんは少し考え、優しい笑顔を作って言った 「 ……そうですね……そうかもしれません……。 」 私はその笑顔に「ホッ」とした 茜はいつの間にかその様子をじっと見ていた。 私たちは座る場所を求め境内の隅に場所を見つけた 茜はさっきから黙りこくっている 私は村上さんに出来上がった絵本を渡した 彼はその原画を大事そうに手にした 「 あ、ありがとうございます。では、見せていただきます。 」 ファイルの中から丁寧に原画を出して、注意しながら読み始めた ページをめくる度に色々と表情が変わった 村上さんは一通り見終わり、少し微笑んだ 「 あれ?そういえば、……表紙……ありましたっけ…? 」 私は一呼吸をして、村上さんに別のクリアファイルを渡す 茜は興味本位に覗き込んだ 村上さんは最初遠めに見るように眺めた 題名を確認して、その下の作者名を見る 「 ……むらかみ……はるか……??? 」 村上さんは私の顔を見つめている 茜は少しだけ私たちから離れたところで後ろを向いている 一つ深呼吸 顔を上げて 相手の目からそらさない 相手を見つめて 相手を信じて 大切な言葉を伝える 大切な想いを伝える 私の言葉で 「…私を……お嫁さんにしてください!」 あれから、数ヶ月 茜は、色々な大会の記録を塗り替えていると言う たまに私の部屋へ来て 「 あの時は何が起こったかと思っちゃった!大胆なんだ!! 」 といつでも冷やかしていく 私の絵本は出版社の会議を通り 企画で「3冊同時発刊」となった その中には「 ほんとうのたからもの 」も含まれていた 季節は春 大学の卒業 私は新しい一歩を踏み出した 隣にはもちろん彼がいる 彼とならいつまでも歩いていける 目の前には広い青空が広がっていた 君が望む永遠SS『 fly again 』END 03.12.25 あとがき ここまでお読みくださってありがとうございます。 いきなりこんな事を書くのもなんですが、私、 「水月END」が好きではありませんでした。 色々と理由はあるのですが、「本当の宝物」の意味を考えたときに 一つの仮定を作りました。 「この本の理由は、友人達へのメッセージではなく、別離」ではないかと。 事実、その通りに話を進めていました。けれど、書いていくうちに自分の中の『遙』が 勝手に動き出して、いつの間にか沢山のメッセージを含む結果となりました。 ここで、再び酷い真実を書きますと、最後の章で遙に絵本を燃やさせる事も 考えたのです。一度、それで書き上げたのですが、一日置いたら再び『遙』が 「私、こんなことしないよ!」なんて自分を責めて来たので、 丸々書き直しました。 当初、考えていたシナリオに比べ、方向がまったく逆を向いてしまいましたが 書き上げてみて、私は非常に満足しました。 皆さんから見たこのお話の感想を私は楽しみにしています。 否定するような内容でも、異論を唱えられる内容でも、些細なことでも結構です。 此処の掲示板にお聞かせください。 本日は本当にありがとうございました。 たくと |
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