Scene.0 『 君が嘘をついた 』 「 よう!孝之。元気だったか? 」 「 ……ああ、まあな。 」 「 どうだ? 最近、涼宮と勉強の日々か? 」 「 ……まあ、そんな所だ。 」 「 ……どうした?涼宮と、喧嘩でもしたか? 」 「 いや…………、慎二。 」 「 ん? 」 「 ………… 」 「 ……どうした?そんなに聞きにくい事なのか? 」 「 ……ああ、……水月の事だ。 」 「 ……!?…… 」 「 ……あいつ、何で水泳辞めたんだ? 」 「 ……以前、速瀬が言っていただろ? 人生を…… 」 「 聞いたんだ。あいつが水泳を辞めた理由…… 」 「 ………… 」 「 俺の為に辞めたって。俺の世話をする為に、 水泳との両立が無理だから、水泳を辞めた。 」 「 ……誰に……聞いたんだ? 」 「 そんな事はどうでもいい!どうなんだ、本当のところは? 」 「 ………… 」 「 ……ほんとう……なんだな? 」 「 ……ああ…… 」 「 …………そうか。 」 「 どうするつもりだ? 」 「 ……何が? 」 「 今は涼宮が居るんだろう?……また、あの頃に逆戻りか? 」 「 ……わからない…… 」 「 わからないって…… 」 「 少しだけ……少しだけ考える時間が欲しい…… 」 「 ………… 」 「 俺も、あの頃に戻るのはゴメンだ。でも、考えずには居られない。 答えを出せるまで、時間をくれ。 」 「 ……俺は良いけど……、涼宮の事、考えてやれよ。 」 「 ああ、判っている。 」 Scene.1 『 空が高すぎる 』 「 ……………くん、たかゆきくん? 」 「 ん?ああ、ゴメン 」 「 どうしたの?今日はずっとボーっとしているみたい。 」 「 ああ、バイトがね。 」 「 そんなに大変? 」 「 ん、まぁ、ちょっとね。 」 「 まだ、受験まで時間があるんだから、あんまり無理しないでね? 」 「 ん、ありがとう遙。 」 「 でね、ココなんだけど…… 」 「 どれどれ? 」 遙と図書館で勉強中、俺は水月の事を考えていた。 夕べ慎二と話していたこと、もう、守れていない。 彼女が目の前に居るのに、別の女の事を考えている。 「 …………くん、たかゆきくん! 」 「 あ、わりい。 」 「 ……今日は勉強、止めにする? 」 「 ………… 」 「 たかゆきくん、ね、お散歩しよう。 」 「 ……そうだな。 」 二人で図書館裏の雑木林の遊歩道をぶらりと歩く。 会話は無い。 遙は木の葉の隙間から覗く太陽の光を見つめているようだった。 言葉もなしに歩く。 遙はベンチを見つけて、丁寧に汚れを払ってから座った。 俺もその横に座る事にした。 遙は、やはり空を見上げている。 俺もつられて空を見上げていた。 秋風が木の葉を揺らす。 葉の隙間から時々覗く青空に、ふとまた水月の事を思い出す。 あの時、俺が自分の悲しみだけにひたらなかったら、 水月は水泳を続けていただろう。 そうすれば、今とは違った生き方をしていたはずだ。 俺はあいつの人生を無駄にしてしまった。 その上、あいつの感じていた幸せさえも、無駄にした。 俺が遙を選んだ事が間違いだったのか? コツンと肩に何かが当たった。 見ると遙が俺の肩にもたれかかりながら寝ていた。 なんとも言えない幸せそうな寝顔だった。 時々、口がむにゅむにゅと動く。 目も思いっきり瞑ったり、緊張が解けたように緩んだりしている。 はるかの寝顔、凄く安心しきっている感じだ。 でも、なんか笑える。 そんな寝顔を見て、くすくす笑いそうになるのを堪えた。 俺、また間違いを犯そうとしていた。 また一人で抱え込んで、自分を責めようとしていた。 自分の世界に籠もろうとしていた。 でも、今、この世界が現実だ。 ゲームじゃないから、やり直しは利かない。 再び俺の我侭で、この寝顔を苦痛に歪めてはいけない。 そんな気がする。 Scene.2 『 between the word & the heart 』 「 はるか、……はるか……遙! 」 「 ……ん、なぁに……あかねぇ…… 」 「 遙、まだ寝ぼけているのか? 」 「 ……あれ……たかゆきくん……!? 」 「 おはよう!目が覚めたみたいだな? 」 「 うーーー、あ、あぅーー 」 「 風邪ひくぞ! 」 「 ご、ごめんねぇ。なんだか気持ちよくなっちゃって……。 」 「 いや、良い物を見せてもらった。 」 「 ……!?たかゆきくん! 」 「 遙、油断しすぎ。お前が寝ている間に、色々とためさせてもらったぞ。 」 「 !? 」 遙はまず唇を触り、それから自分の服装が乱れていないか確かめていた。 一通り変なところが無いと解ると、こっちへ向き直って少し怒ったような顔をした。 「 もう、どこも変じゃなかったよぅ。……意地悪だよ。 」 「 ははは……ゴメン。……何もしていないよ。 」 「 もう! 」 遙はすねて横を向いた。 俺はその顔を覗きこむように身体ごと遙の方に近づいた。 「 悪かった。ゴメン。謝るから。 」 「 ………… 」 少しだけ目を開けて此方の様子を伺った。 その隙に、すばやく遙の唇を奪う。 French kiss! 遙は目を丸くして、何が起きたのか理解できなかったようだ。 しかし、次第に泣きそうな、悲しそうなそんな目をしていた。 「 ずるいよ、たかゆきくん。 」 「 嫌だった? 」 「 …………何も答えられないじゃない。……卑怯だよ。 」 「 悪かった。本当に許してくれ。 」 俺は、両手を合わせて頭を下げた。 こうすると、遙もそんなに意地を張っていられない。 そんな事はもう承知している。 「 うーーーー、今度はちゃんとしてね。 」 「 ああ、わかった。 」 遙の眼は緩んだ。 俺もつられて顔が緩む。 木々の葉が、再び揺れた。 「 遙、聞いてくれるか? 」 「 ……なあに? 」 ベンチに身を寄せ合って、再び空を見ている。 「 俺、先日、水月の水泳を辞めた本当の理由を聞いてしまったんだ。 」 「 ………… 」 「 あいつ、俺のために水泳を辞めたんだ。 俺が正気じゃ無くなるのを止める為に……。 」 「 ………… 」 「 俺、そんなに強くなかったから……、お前と話せない時間が続いて、 どんどん自分の世界に閉じこもったんだ。 もう、周りなんか全然見えなくって、周りが何を言っても聞かなくて…… 」 「 ………… 」 「 ふと、気が付いたら、水月が隣にいた。 すんでの所で、俺を暗闇から引っ張り揚げてくれたんだ。 その時には水泳を辞めていた。 何で辞めたのか聞いたら、あいつ、『 自分の人生を考え直した 』だと。 俺に気を使って、そんな事を言ったんだ。 俺は馬鹿正直にそれを信じていた。 」 遙は、相変わらず空を見つめている。 俺は、遙の横顔を見ている。 遙の髪を風が揺らす。 そして、此方へ顔を向けた。 「 今日、ずっと悩んでいたの? 」 「 ……ああ……。 」 「 そう……なんだ。 」 「 ………… 」 「 ……それで…… 」 遙は言葉を飲み込んだ。 俺も、それ以上何を話せば良いのかわからなくなっている。 時間だけが過ぎていく。 「 ねぇ、私がたかゆきくんに告白した日も、こんな空だったね? 」 「 ………… 」 「 あの頃、私、焦っていたんだ。 水月がね、水月がたかゆきくんを見ていたから。 」 「 !? 」 「 私、水月には敵わないと思っていた。だから、告白したんだよ。 」 「 ………… 」 「 たかゆきくんが、私の告白を受けてくれるとは思わなかった。 あの頃、私はやっとたかゆきくんと話が出来るようになったばかり。 でも、水月はすっかり仲間になっていて、 たかゆきくんと物怖じもしないで話していた。 」 「 ………… 」 「 水月が羨ましかった。 だって、最初にたかゆきくんを見つけたのは私なんだよ。 2年間もずっとずーっと見ていたのに、水月はさっさと仲良くなって、 たかゆきくんの隣で笑っていた。そんな姿、見たくなかった。 ホントは、その場所に居るのは私だと思った。 水月に取られたくないって思った。 」 「 はるか?…… 」 「 だから私、水月より先に告白したかったの。 たかゆきくんに、私の心を知って欲しかったの。 こんなにもたかゆきくんの事を思っている女の子が居るんだよって。 」 「 ………… 」 「 ……本当は、断られると思っていた……。 だから私ね、告白を決心した時に、もう一つ考えていた事があったの。 もし、私が告白して断られたら、その後は水月を応援しようって。 水月が今度は頑張る番だよって、応援しようと思っていたの。 水月に、心に正直になりなさいって。 」 「 ………… 」 「 結局、それは出来なかった。 …………私が病院で目覚めたときも…………。 」 遙の事が、また解ったことが嬉しかった。 変な話だ。こんな時に、こんな話をしている時に感じることじゃない。 なのに、心が近づいていく事を実感していた。 Scene.3 『 ためらわない、迷わない 』 「 わたし、ずるいんだよ。……たかゆきくんに選んでもらえた事を理由に、 親友を、水月を裏切ったんだから。 ……水月から大切な物を奪ったんだから……。 」 「 遙、それは違う!!俺が水月を裏切ったんだ。 遙が気にする事は無いんだ。 」 「 ううん、違うの。私が水月の気持ちを無視したんだから……。 」 「 それじゃぁ、自分の心を無視したほうが良かったのか? 自分の気持ちはどうなる? 」 「 ………… 」 「 遙、それを言い出したら俺たち、周りの全てを裏切っている事になる。 俺たちの関係ってそんな物なのか? 俺たち、本当に周りを傷付けるつもりだったのか? そんな事は無いだろう? そんなつもりは無かっただろう? 」 「 でも…… 」 「 ああ、判るよ。 でも、俺が水月を選んだら、今度は遙が傷ついただろう? 遙が落ち込んだだろう? それとも、別の誰かを選べば、誰も傷つかなかったのか? そんな事は、無いだろう? 」 「 ………… 」 「 ………… 」 俺たちは、図書館を離れ無言のまま歩いていた。 遙は一人うつむき、歩く速度も遅い。 そんな遙の横を歩幅を合わせるように歩いている。 『 時間が一番残酷で、……優しい……。 』 ふと先生の言葉を思い出していた。 顔を上げて周りを見回してみると、 いつの間にか俺たちは高校の側まで歩いていた。 俺は、遙の手を取って少しだけ足早に歩き始めた。 遙は、少しビックリしたように、それでも抵抗もせずについてきてくれた。 あの場所を目指して………… 「 覚えているよな?俺たち、ここから始まったんだ。 」 「 …………うん。 」 「 俺は遙を傷つけて、水月に助言されて、遙と向き合う事が出来た。 遙の心を掴んだんだ。 」 「 ……うん。私も、たかゆきくんを疑って、 一人自分の世界に閉じこもろうとして、 でも、たかゆきくんが手を伸ばしてくれた。 私の心の扉を開けてくれた。 」 「 俺、遙を選んで良かったと思っている。 お前にずいぶん助けられている。 」 「 わ、私だって、たかゆきくんには助けてもらっているよ。 沢山たくさん……。 」 「 俺、遙のおかげで前向きに生きているんだ。 」 「 私、たかゆきくんが居なかったら、前に進めたか判らない。 」 「 …………… 」 「 …………… 」 「 じゃあ、俺たちの選んだ道は正しかったんだよ。 」 「 ………え……… 」 「 俺は後悔していない。……と言ったら嘘になるけど、自信もって言える。 遙と一緒にずっと歩いて行きたい。 遙に横に居て欲しい。 」 「 …………わ、私も、たかゆきくんと歩いて行くよ。 ずっとずーっと、離れないんだから。 」 「 ありがとう。 」 「 ……うん……。 」 「 ………… 」 「 ………… 」 「 俺たち、水月に何も出来ないんだな。 」 「 ………… 」 「 俺たちに出来る事は待つことだけな様な気がする。 」 「 ……そうかも……そうかもしれない……。 」 「 水月を傷つけた俺たちには、 水月の傷が回復するのを待ち続けるしかないんだな。 水月は帰って来ると言っていたから、 その言葉を信じるしかないんだな。 」 「 うん、そうだね。 それと、水月が帰って来ても、 私たちの関係が壊れないようにしなくちゃいけないんだね。 」 「 !?……そう……だな。確かにそうだ。 これでもし水月が帰ってきた時に別れていたなんて事になったら、 水月をもっと傷つけちまうな。 」 「 うん…………。 」 俺たちはいつしか手を繋ぎあっていた。 遙が俺の手を握る力は強い。 俺も負けない位強く握る。 改めてここで、お互いが決意した。 もう二度と離れる事の無い心を実感した。 Scene.4 『 伝えたい事があるんだ 』 「 よう孝之、待たせたな。 」 「 いや、…… 」 「 ……で、今日はなんだ? 」 「 ああ、俺の……俺たちの考えを伝えようと思ってな。 」 「 考え?……この間のか? 」 「 ああ。 」 「 もう答えが出たのか。 ……お前の事だからもっと悩むと思っていた……。 」 「 これでもマジで、随分悩んだんだぜ。 」 「 ……そうか…………いや、悪かった。 」 「 ああ。 」 「 で?どうするんだ……って、なんか答えはわかる気がする。 」 「 ああ、俺は何もしない事にした。 」 「 …………… 」 「 と言うより、水月を信じて待つことにした。 」 「 …………… 」 「 俺たちに今更何が出来るんだろうな? 」 「 ……そりゃぁ………… 」 「 そう考えたから、待つことに決めたんだ。 あいつを信じることに決めたんだ。 ……間違っているかな? 慎二。 」 「 …………いや、……間違ってはいないと思う。 」 「 そう言ってもらえると助かる。 正直、自信が無かったんだ。 」 「 お前、変わったな。……涼宮か? 」 「 ああ、……あいつと居ると俺、段々強い自分になれる気がするんだ。 自分の狡さを認めて、自分の弱さを認める事で、 変わっていく気がするんだ。 」 「 ………… 」 「 それが正しいかどうかは正直、判らない。 でも、お前に認めてもらえるなら、それでいい気もする。 」 「 おいおい、俺が認めた所で…… 」 「 いや、遙は認めてくれたから…… 」 「 ……のろけか?…… 」 「 …………悪いか? 」 「 一人身の俺に対して言うことじゃないだろう! 」 慎二はいきなり俺の首を絞め始める。 その力は、ちゃんと手加減をしている事がわかる。 慎二が俺の事を見ていることがわかる。 以前の俺ならそんな事も気が付かなかっただろうに……。 「 所で孝之。 」 「 ……ん? 」 「 水月の話、誰から聞いたんだ? 」 「 え、ああ、水泳止めた理由か? 」 「 ああ。 」 「 あれは、バイト先に来た白稜大の学生からだ。 」 「 ? 」 「 女が3人位でテーブルを囲んで話していたんだ。 なんとなく見覚えがある。 たしか、高校の頃、同じ学年に居た奴だと思ったけど……。 」 「 誰だか判らないか? 」 「 ……ああ、ちょっとな……。 」 「 名前でもクラスでも何でもいい。思い出せないか? 」 「 ……どうした?慎二……。 」 「 ……いや、なんでもない。 」 「 ……もしかして、速瀬を探しているのか? 」 「 ………… 」 「 どうなんだ?慎二。 」 「 ………ああ、そうだよ。探しているんだ。 」 「 ……いつから? 」 「 この間の夏休みからだ。 」 「 ………… 」 「 あいつ、両親にも何処にいるか知らせていない……。 ちょっと、最近気になって探し始めたんだが、全然行方知れずなんだ。 お前なら、何か知っているんじゃないか?孝之。 」 「 ……俺でも、検討は付かない。 あいつの事で知っているのは、水泳が好きだった事だけだ。 今思えば、俺、あいつの事ほとんど知らない。 」 「 …………そうか…… 」 「 高校のあの木の所なんかは、何か残していなかったか? 」 「 ああ、何度も行って調べたんだが、何も残していない。 水泳部の顧問も知らないらしい。 あいつの居た会社にも行ったんだが……。 」 「 速瀬の事だから、水泳に関わった場所に居るんじゃないか? 」 「 ……!?…… 」 「 悪い、そんな事しか思い浮かばない。 ……力になれなくて……ゴメン……。 」 「 いや、…………悪かったな。 」 「 何が? 」 「 嫌な事を思い出させたかな?と思って……。 」 「 ……慎二、勘違いするなよ。別に嫌な事だなんて思っていない。 逆に感謝しているんだ。 」 「 ? 」 「 俺と遙は、もうそんな事は出来ないんだ。 それだけの事をしてしまったから。 それでも、遙は水月に会いたがっている。 」 「 ………… 」 「 だから逆に、俺からも頼む。水月を探し出して欲しい。 」 「 ……良いのか?孝之…… 」 「 ……忘れちゃ困るぜ。 俺たちは仲間なんだ。 遙も含めた4人で……。 」 「 ………… 」 「 仲間を心配するのも、仲間を助けるのも当たり前の事じゃないか? 」 「 ……ああ、そうだな。 」 「 慎二、もう一つ言っておく。 もし、困った事があったり考えに詰まったりしたら、 俺たちを頼ってくれ。 」 「 ………… 」 「 俺達は、直接水月を探したり何かしたりは出来ない。 でも、何かをしたいと思っている。 それが、お前の相談にのる事や、一緒に考える事なんじゃないかな? そうする事で、水月に何かが出来るのだと思う。 」 「 ………… 」 「 俺のほうも、出来るだけ情報は集める。 もちろん、遙と茜ちゃんにも手伝ってもらう。 かなり都合のいい事を言っているのは判っている。 けど、……どうだろう? 」 「 ………ああ、頼む。 何かわかったら教えてくれ。 」 「 ありがとう、慎二。 」 「 何を? 」 「 いや、……本当に頼む。 」 「 ああ。判った。サンキューな、孝之。 」 慎二の視線の先には地面があった 孝之の奴、……本当に変わったな。 多分、良い方向に向いているんだろう 『 相談してくれ、頼ってくれ 』と言うのは、 一人で抱え込むなって事だろう。 あいつから出る言葉だとは思わなかった。 あいつも、きちんと自分の通ってきた道を見つめていると言う事だな。 俺も、もう二度と間違いは繰り返したくない。 孝之、存分に頼らせてもらうぜ。 覚悟していろよ。 慎二はいつの間にか、夜空を眺めていた。 その視線の先には、星が輝いていた。 Last scene 『 信じるところへ 』 再びこの場所へ立つ。 もう二度と立つ事は無いと思っていた。 でも、帰ってきた。 それでも、不安はある。 私がここに返ってきても良かったのか? 私を受け入れてくれるだろうか? それを今から試す。 大きく息を吸って、止める。 次の瞬間、身体を投げ出す。 一瞬に飲み込まれる身体。 包まれる身体。 周りの声が聞こえる? 彼等の声が届く? …………… 『 おかえりなさい! 』 君が望む永遠SS『 MY HOME TOWN』END 04.03.02 あとがき 遙END後の話です。 今回の作品は、大分時間が掛かりました。 当初はもっと長い話になる予定でしたが、 伝えたい事が不明瞭になったため、 何度も書き直し、結局贅肉を落とすことにしました。が、 そこに伝えたい事が明確に書かれたかというと、正直不安です。 もし何かを感じていただけたのなら、 此処の掲示板に感想を教えてください。 では、また。 |
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