Scene・0
「 おーい!!はるかーーー!!! 」
「 …たかゆきくーーーん! 」
涼宮遙は、鳴海孝之の姿を見つけると、急いで駆け寄った。
「 待ったか? 」
「 ううん、時間通りだね?さすがたかゆきくん。 」
「 そうか、じゃぁ、行こうか? 」
「 うん!!! 」
二人はすぐさま、柊町駅の構内へ消えていった。
その直後にロータリーであった事故の事は知らない……。
君が望む永遠 突発的 アナザーサイドSS
それでもHAPPY BIRTH DAY
Scene・1
「 でもたかゆきくん、なんで駅から来たの? 」
「 ああ、慎二に呼び出されちまってさ、橘町で会っていたんだよ。
あ、そうだ!これ……。 」
孝之は遙に絵本と一緒に写真を渡した。
「 あっ、あの時の写真?……あーーーっ、私、変な顔してる。 」
「 ええーっそうか? 」
「 ほら。 」
「 ……大丈夫、十分可愛いよ。 」
遙はその言葉を聴いただけで顔を真っ赤に染めた。
孝之はそんな遙の姿を見ただけで、幸せに感じるまでになっていた。
「 あ、そう言えば速瀬ともあったな、橘町で……。 」
「 えっ水月と? 」
「 ああ、……今日、あいつの誕生日なんだってな? 」
「 うん、そう。実はその事をたかゆきくんに話そうと思っていたの? 」
「 ? 」
「 あのね、今日、絵本作家展の帰りで良いから、水月の誕生日プレゼント、
一緒に見てくれないかな? 」
「 ああ、そんな事か。お安い御用だよ。 」
「 ホントっ!!良かった。 」
「 じゃぁ、遙はどんなのが良いか目星つけとけよ。 」
「 うん、もちろん。……ふふっ 」
「 ……? 」
「 こんなのも良いね? 」
「 ……? 」
「 こんな風に二人で一つの物を考える事。 」
「 ああ、そうだな。 」
電車の中での他愛のない会話が嬉しい二人だった。
Scene・2
「 うわっ失敗した! 」
「 ………… 」
「 此処で買えたんだ……。まして、ここで買えばサインを入れて貰えたんだな? 」
「 ……あっ、そうだね。 」
「 くっそー、もうちょっと考えればよかったよ……。 」
「 でも、私はこっちがいいな。 」
遙は孝之から貰った絵本の袋を大事に持ち上げた。
しかし、孝之はすまない気持ちで一杯だった。
遙にはもっと喜んでもらいたかったから、なけなしの財布を覗いて直ぐに行動に移した。
「 あの……、これ、ください。 」
「 あ、はい。……今なら作家さんもいらっしゃいます、サインをお入れしますか? 」
「 はい、もちろんです。 」
「 たかゆきくん……いいよぅ、わざわざ無駄遣いしなくっても……。 」
「 いや、これは絶対に無駄遣いじゃないぞ!二人の記念じゃないか? 」
「 ………… 」
そう言われると、遙は何も言えなかった。
「 では、此方の袋をお渡ししておきますね?
それで此方の絵本の見開きを出してください。
そこにサインを入れてもらえますので……。 」
「 はい、ありがとうございます。……ほら遙、並ぶよ。 」
「 ……うん……。 」
少し戸惑った感じの遙だが、それでも顔は嬉しそうだった。
今日は夏休み最後の日曜日というので、他にも数人の絵本作家がサイン会を開いていた。
それでも一番の人気は『 マヤウルのおくりもの 』の作家で、
少しだけ列を作っていた。
それでも、待つ時間はそれ程無く、直ぐに自分達の番に廻ってきた。
遙は絵本をすばやく出し、サインをお願いした。
その脇から孝之は口出しした。
「 あの、此処へ『 絵本記念日 』って入れてもらえませんか? 」
「 たかゆきくん、そんな……、わるいよう……。 」
「 大丈夫だよ。 」
通訳の人がその事を作家に話すと、その人は快く引き受けてくれた。
その絵本を受け取ると、もう一つ孝之はお願いしていた。
「 あの、別の場所で買ってしまった絵本なのですけど、
此方にもサインいただけませんか? 」
「 !? たかゆきくん、図々しすぎるよ、止めようよ、ネ?
後ろにも人が並んでいるんだから……。 」
それでも、その作家さんは満面の笑顔でサインをしてくれた。
横文字の『 絵本記念日 』の言葉も忘れずに……。
お礼を二人で丁寧に言った。
「 可愛いカップルですね? 」
っと、通訳の人を通して言われてしまった。
二人して顔を真っ赤にしながらその場を離れた……。
「 ああ、恥ずかしかった。顔から火が出ちゃうよ……。 」
「 でも、良かったろ? 」
「 うん、これもたかゆきくんのおかげだね。 」
遙は満面の笑みを浮かべている。
孝之はそんな笑顔を見るだけで満足できた。
「 じゃぁ、後は水月の誕生日プレゼントだね? 」
「 ……あっ、そうだったな。さて、何処へ見に行く? 」
「 うん……、水月のプレゼントも絵本じゃぁ駄目かな? 」
「 ……いや、それもいいんじゃないか?遙らしくって。 」
「 そう……かなぁ? 」
「 ああ、きっと喜んでくれるよ。 」
「 うん、そうだね、そうしよう。 」
遙は再び売店の前まで来て絵本を見繕っていた。
ふと、孝之の目に懐かしい絵本が留まる。
「 あ、これは? 」
「 えっ、どれ?……栗と蔵……。 」
「 これなら速瀬も喜ぶんじゃないか?大きな玉子焼きは出てくるし、
喰い意地のはった速瀬にはもってこいだろ? 」
「 そんなこと言ったら、水月に叱られるよ。 」
「 っとそうだったな……。 」
「 でも、これも良いかも。……水月も前に好きだったって言っていたし。 」
「 へぇー、そうなの? 」
「 うん、前に一度そんな話をしていたんだ。そうだね、これにする。 」
絵本は二人でお金を出し合った。
ちょうどその作家さんも来ていたので、サインを入れてもらう。
その上で、丁寧にラッピングしてもらった。
遙はそんな絵本を大事そうに抱え込んだ。
Scene・3
デパートの屋上でソフトクリームを食べている二人。
「 はぁ、こんな場所久しぶりだ。 」
「 えーっそう? 」
「 ああ、子供の頃以来だよ。 」
「 私は良く来るよ。だって、気持ちいいもん。 」
「 そうだな、確かにきもちいいなぁ、フェンス越しだけど,海も何とか望めるし。 」
「 そうだね、でもそれよりほらあっちの方、あの辺りが私たちの街だよ。 」
「 あっ本当だ。あれ、もしかして白陵か? 」
「 そう、私たちの高校だね。 」
「 へー、こんな所からでも見つけられるんだな? 」
「 うん、……最初見つけたとき、なんだか嬉しくなっちゃんた。 」
「 ああ、あるあるそういうのって。 」
「 ふふ……、風が気持ちいいねぇ。 」
「 そうだな。 」
暑い夏の日差しも傾いているのでいくらか過ごしやすい。
夕闇まではまだ時間があった。
二人はいつの間にかソフトクリームを食べ終わっている。
「 この後、どうしよう? 」
「 そうだな、どうするか……。 」
「 ……ねぇ、プレゼントを渡しに行こうか? 」
「 !? 」
「 折角なんだから、皆で水月のお祝いしよう? 」
「 ……それも良いかもな。 」
「 うん、じゃ行こう! 」
遙は此処は積極的に孝之の手を取り屋上ガーデンを後にした。
Scene・4
電車の中で二人くっついて話をしている。
先ほどまで、二人椅子に腰掛けていたのだが、
途中の駅で乗ってきた老夫婦に孝之は席を譲っていた。
遙にも席を立つ事を勧めた。
「 すごいね、たかゆきくんって。 」
「 ……何が? 」
「 私、あんな事できないよ……。 」
「 あんな事って……ああ、席を譲った事か? 」
「 うん。 」
「 俺もビックリしている。 」
「 ?? 」
「 俺以前だったら全然譲らなかった。
けど、遙と一緒にいるとさ今までできなかったことが出来るようになるんだ。 」
「 ……そう言われると、ちょっと嬉しいかな? 」
「 さんきゅうなっ! 」
「 …………… 」
遙は照れるばかりだった。
「 所で俺、橘町で速瀬と会った時に遙と待ち合わせしているからって
そっけなくしちまったんだ。あいつ、……気にしているかな? 」
「 うーん、気にしていると思うけど、多分大丈夫だよ。
このプレゼントと皆でお祝いすれば忘れちゃうよ。 」
「 そうか?……そうだな、皆でお祝いか……。じゃぁ、慎二にも声を掛けるか。 」
「 そうだね、……私も茜に話してみようかな? 」
「 それがいい!そして、何処かの店で楽しくぱーっとお祝いしちまおうぜ。 」
「 うん、そうしよ。……でもそうすると、後で皆で集合した方が良いのかな? 」
「 ………ああそうだな、考えてみれば慎二もゼミ中だから、
夜にならないと都合付かないだろうナァ。 」
「 うん、……じゃぁ、夜8時くらいからならどうかな? 」
「 ああ、それいいな。そうしよう、そうすれば慎二も来られるだろうし。 」
「 じゃぁ、それまでに茜に話を通して、GIF89a2 ユ f、ネf」Eオモ+ざヌンッマ%|ミ崚qZォヘB砂sォ
lエメチレワ「ヌ沈サヨzッィヒパウムf*Qjヲuイム厠厳ニン襃ヘ磆
nァハ0ユkュコヨ7K硼 ! 3 , 2 タbィ)時、rノl:読BQ3D烏6タzソ牴WヒIHゥユia02尊|Nッロ逋ウ"スミko&炎旧拷&&}T+撼泛。「。堵 "!ウエエオウテ&エ!" E&10, ルレ ゙(&ク-ル001!,
#
廃B'ト8A@ #BP! ナ園
X@!漾YZ9 `(QVkナ2dシ< ツ
2,,ツ@*訓 ムテ ミ萩ナ H兵&