君が望む永遠SS
Heart

 作・橘 右京




〜序章〜


私が姉さんの退院の連絡をして・・ただ・・おめでとうって・・姉さんに言ってほしかったのに・・・


孝之「それはできない。・・・・・遙にしてあげることは・・・特にないんだ。」


茜「・・・・・」


孝之「さような・・・」


ガチャン!!


私は鳴海さんがさよならを言う前に電話を切った。


これが・・・鳴海さんとの最後の会話であり、最後の望みが途絶えた瞬間だった・・・。


私はそのまま泣き崩れた。どうすればいいかわからなかった。私は・・・ただ泣くことしかできなかった。


私の・・・鳴海さんの思いも・・・これで・・・終わるんだと思った。


だから・・・・私は泣いた・・・。





これは・・・数日後の出来事で、茜の思いがある男に変わったお話・・・・・・。








〜第1話〜   「出会い・揺らぐ心」


<9月24日(月)>


白陵大付属柊学園3年D組



茜「・・・・・・」


女の子「茜!ねぇってば聞いてるの!?」


茜「え?何?」


私は友達に急に声をかけられて驚いた。


女の子「茜大丈夫?元気ないように見えるけど・・・」


茜「私は常に普通よ?」


女の子「そんなことよりも、今日ね、私たちのクラスに転校生が来るって!!知ってた!?」


茜「まぁ、一応は・・・」


これでもこのクラスの委員長ですから・・・


女の子「3年の2学期に転校してくるなんて変じゃない?」


女の子2「その人なんだけど・・・なんとなくの理由でここに来たらしいよ?」


女の子「うそ!?」


茜「え!?」


さすがに私も驚いた。なんとなくなんて・・・・・


女の子「で、その人男?それとも女?」


女の子2「えっとね・・・たしか男だったよ。」


女の子「かっこいい?」


女の子2「かなりのイケメンだった!ほんとかっこいい!!!」


女の子「まじ!!」


2人は私をほったらかしにして話している。転校生か・・・・


私委員長だから学校の案内もしないといけないのか・・・・


めんどくさいな・・・・しかも、ここに来た理由がなんとなくなんて馬鹿みたい・・・








茜「きりーつ、礼!」


クラス全員「おはようございます!」


夕呼「おはよう」


茜「着席」


夕呼「ホームルームの前に・・・みんなに新しい仲間を紹介するわね。入ってきて。」


ガラッ


茜「えっ?」


鳴海さんに似ていたけど・・・違った。


夕呼「じゃあ、適当に紹介してちょうだい。」


転校生「はい。俺の名前は橘 蒼士です。 まぁ、なんとなくここに来ました。


    部活は剣道をしています。よろしくお願いします。」


茜以外の女子全員「きゃ〜〜〜かっこいい!!!」


夕呼「はいはい静かに。聞きたいことある人いる?」


男子「剣道やってるって言ったけど、実力のほどは?」


蒼士「まぁ、普通に全国優勝してるし・・・みんな・・・弱いから・・」


男子全員「おーーーー!!!」


女子「なんでわざわざここに来たの?」


蒼士「それはさっき言った通りなんとなく・・・・それと・・


   ここにいれば退屈しなさそうだから・・・それに・・・」


茜以外の女子全員「それに!?」


蒼士「か・・・可愛い女の子いるかな〜と思って・・・」


蒼士はそう言って私に目を向けてきた。


茜「えっ・・・?」


私は思わず顔を赤くしてしまった。


女子「あ〜!茜、顔赤いよ?もしかして・・・・?」


茜「う・・うるさいわね・・・ほっといて・・・。」


男子「ところで君は頭いいのか?」


蒼士「まぁ、以前の学校でも1位を難なく取っていたから・・・」


茜以外のクラス全員「おぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」


私はすごいとしか思えなかった。


頭がよくて、剣道も全国優勝レベル・・・すごいとしか言いようがなかった。


夕呼「そろそろいいかしら?橘もそろそろ席に着いて」


蒼士「はい」


彼はゆっくり歩いて私の席の横に座った。


茜「初めまして、ここの委員長をしている涼宮 茜、よろしくね」


蒼士「あっ、初めまして、橘 蒼士です。」


ほんと、かなりのイケメンね、かっこいい・・・・かも。


私はそのとき、彼に心が揺らいでいるのを知るよしもなかった。


そして・・・・・彼も・・・・・・。






〜第2話〜  「想い・・・」


<9月26日(水)>


彼が来てからもう2日が経過していた。


私は彼とすっかり仲良くなり普通に会話をしている・・・はずだった。


〜回想<9月24日昼休み>〜


茜「で、ここが資料室。」


蒼士「へぇ〜いろんなところがあるな〜。」


見れば見るほど鳴海さんに似ているようで違う顔、何かいいと思ってる。


蒼士「ん?俺の顔になんかついてるか?」


茜「別に・・・」


蒼士「じゃあさ、あの裏にある丘って・・・何?」


茜「あれ?あれは・・・・」


私はあそこに行きたくなかった。


姉さんが鳴海さんに告白して、幸せが生まれたけど、崩れてしまった。


あの丘を見てしまうと、あの日の事故、


鳴海さんが壊れてしまったことなどを思い出してしまいそうでいやだった。


蒼士「あそこに行けるか?」


私はすぐに答えれなかった。そして・・・


茜「行ってみる?」


蒼士「もち」







蒼士「へぇ〜いい景色だ・・・」


3年経っていてもこの場所は変わらない。風がとても涼しい。


どうしてあんなことになったのだろう・・・


蒼士「本当にここの景色は最高だ。ますますここが気に入ったよ。そう思わないか涼宮?」


茜「・・・・・・・・・・」


蒼士「涼・・・・・宮?」


茜「え?どうしたの?」


蒼士「お前・・・・泣いてたのか?」


茜「えっ?」


頬を触ってみた。ほんとだ、知らないうちに泣いてたんだ。


彼に見られてしまった・・・急いで涙をぬぐった。


茜「こ・・これは関係ないわよ」


蒼士「何か悩んでるだろ?」


茜「べ・・別に・・・」


蒼士「いや、悩んでる。何かあったのか?ここで・・・」


茜「・・・・・・・・・・」


私はまた涙を流していた。


蒼士「俺でよければ聞くよ」


茜「う・・・・うん・・・・」


私は彼に今までの出来事を話した・・・・






すべてを話したことで肩の重みが少し軽くなった気がした。


蒼士「・・・・・そうか、そんなことがあったのか・・・」


茜「・・・・・うん」


蒼士「つらかったろ?」


茜「・・・・・・・・・・うん」


彼の優しさが私を暖かく包み込む。


蒼士「その・・鳴海さん・・だっけ?とても大変だったと思うね。


   どれを選んでもきつい運命を背負うしかなかったから。」


茜「・・・・・うん」


蒼士「涼宮も、鳴海さんに思いを寄せていたけど・・・鳴海さんは、水月先輩を選んだ。」


茜「・・・・・うん」


本当に辛かった・・・・・辛かったんだよ・・・・


蒼士「その・・・君の姉さんは今。何してるの?」


茜「今、絵本を作ってるの。」


蒼士「そうか・・・でも、涼宮が一番辛い思いをしたんだな・・・」


茜「えっ?」


蒼士「鳴海さんにふられて、とても大きな心の傷を負ってしまったから・・・」


私はまた泣きはじめた。この人は私の気持ちをわかってくれる。そう思った。


蒼士「俺じゃあ・・・だめかな?」


茜「えっ!?」


蒼士「急だけど、俺、涼宮を見たときからもう、惚れてしまってどうしようもなくて・・・」


茜「・・・・・」


蒼士「それに・・・その話を聞いたら本当にかわいそうで仕方なくて・・・・」


茜「橘君・・・・」


彼は急に立ち上がった。そして・・・


蒼士「お・・・俺・・・涼宮のことが・・・好きだ!!!」


茜「・・・・・えっ!?」


蒼士「その・・・・涼宮の悲しみを少しでも取り除きたくて・・・その・・・・・。」


茜「橘君・・・」


蒼士「ごめん・・・何言っているんだろう・・・ははっおかしいよな?やっぱ忘れてくれ。ごめん!」


彼はそのまま走って校舎に戻った。私は動けなかった。初めての告白じゃないのに、何か違う感じだった。


茜「やっぱり、私も、橘君のこと・・・・・」


私はそれを認めていいのかわからなかった。


めてしまうと、鳴海さんのことを忘れてしまいそうで怖かった。


私はまだ、鳴海さんのことを忘れたくなかった。


茜「私って最低な女よね・・・・・」


(お・・・俺・・・涼宮のことが・・・好きだ!!!)


まだあの言葉が胸に響いてくる・・・この言葉は今の私にとって、とても苦しい・・・・


茜「橘君・・・本気で私のこと好きって言ってくれた・・・」


私は悩んだ。鳴海さんのことを忘れ、彼と交際するか・・・


それとも、鳴海さんの思いを断ち切れず彼をも苦しい思いにさせるのか・・・


簡単なはずだった、鳴海さんのことを忘れるなんて・・・・・


簡単な・・・・はず・・・だと、思ったのに・・・


茜「どうして?何であたし、鳴海さんのことを忘れたくないの?もう、終わったはずなのに・・・・」


私は泣くしかなかった・・・・・


(涼宮の悲しみを少しでも取り除きたくて・・・・)


彼の言葉がよぎった。


そうだ、確かに私の悲しみを少しでも取り除きたいって言ってた。


でも・・・本当にいいのだろうか・・・・








〜9月26日に戻る〜


学園入り口前




入り口前に彼がいた・・・少し元気がないようだった。


蒼士「よう・・・・・」


茜「・・・・・」


私は普通に声をかけていいか悩んでしまった。彼は忘れてくれって言ったけど・・・・


蒼士「丘の上のこと・・・ほんと忘れていいから・・・・


   涼宮・・・まだ鳴海さんのことが忘れられないだろ?」


茜「っ!?」


蒼士「だから・・・あのときのことは・・・」


ぱあーーーーーん


気付いたら、彼の頬を思いっきり叩いていた。


蒼士「涼・・宮?」


彼は、何が起こったのか理解できていないようだった。


茜「あなたに・・・・・あなたに何がわかるっていうのよ!!!」


私は走って学校へと向かった。彼の頬を叩いてしまった・・・


べつに彼は悪気がなくて言ったのに・・・わかっているはずなのに・・・


・・・どうして・・・なんで彼に言われると胸が締め付けられるの・・・・


それから放課後まで、私は彼と一言もしゃべらなかった・・・



〜放課後〜


私は水泳を休んで、剣道場へと向かっていた。


クラスメイトに聞いたら、彼は剣道場にいると聞いたからだ。


道場から声がする・・・


男子「胴ーーーーーーーーー!!!」


顧問「1本!!!すごいな橘、さすが全国レベルは違うな・・・他の人を鍛えることができる。


   どうやってここまで強くなったんだ?」


蒼士「どうやってって、そりゃあ日々鍛錬ですよ。毎日夜遅くまで練習、キントレなどをしてますから。」


顧問「そうか・・だが、さっきの胴は少しねらいがおかしかったぞ。何かあったのか?」


蒼士「いえ・・・何でもありません」


やっぱり、彼に元気そうな態度が見られなかった。今朝のことを気にしていると思う。


顧問「よぉ〜〜〜〜〜〜し30分休憩するぞ!!!」


私はタイミングを計って彼に近づいた。少し戸惑いがあったが、なんとか行った。


茜「橘君・・・」


蒼士「え?涼・・・宮?」


茜「その・・・今朝のことだけど・・・」


蒼士「あの時はほんとにごめん。涼宮の気持ちもわからないで無神経に言って・・・俺」


茜「もう・・・いいよ。そのことは・・・」


蒼士「俺・・・中学の頃、一度だけある女の人と付き合ったことがあるんだ・・・


  でも・・・その女の人はもう・・・いない」


茜「!?」


もしかして病気!?それとも・・・・


蒼士「デートの時、少し寝坊したんだ。


   それでやばいと思って、急いで待ち合わせ場所に行ったら・・・・」


茜「・・・・・」


蒼士「バスに・・・・・はねられて・・・・・出血が酷くて、意識不明で・・・・重傷で・・・・・・」


彼はもう泣いていた。話すのが辛いことはわかっている。


でも、私のために教えてくれる。止めたらいけないと思った。


蒼士「急いで救急車で運ばれたけど・・・・・・2時間後・・・昏睡状態に・・・


   そして・・・10分後に・・・息を・・・・・」


茜「・・・・・」


蒼士「・・・ごめん、急にこんなこと言って」


茜「そんなことない。本当に、辛かったんだね・・・」


蒼士「ああ。」


茜「大切な人を失う、それがどんなに辛いことか私には痛いほどわかるから。」


蒼士「そうだな。それから俺、誓ったんだ、もし他の女性と付き合うことがあったら、もう2度と


   悲しい思いはさせない、少しでも軽くしてあげようって」


茜「橘君・・・今日のこと本当にごめんなさい。あなたをぶってしまって。」


蒼士「もう、気にしてないよ・・・涼宮なら、鳴海さんの思いを忘れることができるはずだ。」


茜「え?」


蒼士「なんてったって、この俺が惚れてしまった女だからな!!」


茜「もう、何言ってるのよ!!!」


私は思わず笑ってしまった。


蒼士「へぇ〜〜〜。」


茜「何?」


蒼士「いやぁ〜涼宮が笑ったら可愛いだろうな〜と思っていたから、本当に可愛いな〜っと思って・・・」


私は思わず反射的に水着入りバッグで思いっきり殴っていた。しかし、


蒼士「おっと!危ない危ない・・・」


彼は瞬間的に避けていたのでびっくりした。


蒼士「へへへ・・・だてに全国に行ってないぜ!」


ガスッ


蒼士「ぐえっ!」


隙を見て後ろからバッグで殴った。


茜「へっへっへ〜〜油断大敵〜〜♪じゃあね〜〜〜」


私はお花畑でさまよっている彼をほっといて家に帰った。


家に帰る途中、私はとても嬉しくてしょうがなかった。


彼といると楽しくてしょうがない!私はそう思った。








〜第3話〜  「卑怯者・・・・」



それから、私は笑うようになってから学園生活が少しずつ昔のようになってきた。


クラスのみんなと一緒に話したり、いっしょにご飯を食べたり、時にはバカやったり・・・


この感じは本当に久しぶりだった。蒼士君と一緒にいると前の自分に戻れてるように思える。


そして、とある日のこと・・・・


友達「茜、あなたもしかして蒼士君と付き合ってるの?」


茜「へ?何で?」


友達「だって、急に彼のこと呼び捨てになったからさ・・・」


確かに、私は最近、蒼士君のことを蒼士と呼んでいる。


友達「で、結局付き合ってるの?」


友達はニタニタしながら聞いてきた。


茜「付き合ってないけど?」


友達「でも彼のこと好きなんでしょう?」


茜「・・・・・・・・・・」


私は黙ってしまった。「愛してるの?」と聞かれると「別に」って答えれるけど、


「好きなの?」と聞かれると何も言えなくなる・・・


友達「言えないならいいけど・・・それより、今度の蒼士君の大会見に行くの?」


茜「え?大会?」


友達「知らないの?なんかね・・・蒼士君、


   強豪ぞろいの大人の剣道大会に特別ゲストとして参加するらしいよ?


   彼ってやっぱ凄いよね?」


知らないも何も、彼が何も言ってなかったから、少し驚いた。特別ゲスト・・・・か。


友達「応援に行くよね?」


茜「もちろん行くわよ。」







<10月6日(日)>



ついに大会の日になった。私は、蒼士の控え室の前にいた。


友達1「なにか励ましてあげなさいよ!」


友達2「蒼士君の彼女なんだから・・」


だから私は蒼士の彼女じゃないのに・・・・すると


蒼士「ん?誰かドアの前にいるんですか?入っていいですよ〜。」


いつもの調子の声が聞こえてきた。


ガチャッ


茜「失礼します・・・」


蒼士「あれ?涼宮?今日のこと知ってたの?」


茜「友達が教えてくれた。もう、ちゃんと教えなさいよ!!」


蒼士「ごめんごめん、教えるの忘れちゃって・・・・」


コンコン・・・


男性「すいませーんテレビ局の者ですが・・・入ってもよろしいでしょうか?」


蒼士「ちょっと待ってください!」


茜「え?テレビ?そんなに有名だったの?」


私は少し驚いた。確かに、彼は全国優勝する強さだから当然か・・・。


蒼士「まあね。涼宮のほどじゃないけど・・・ちょっくらインタビューに行って来るわ」


蒼士はそういって部屋から出て、何やらテレビ局の人と話をしていた。


テレビ局の人1「緊張してますか?」


蒼士「いえ。そんなにしてません。」


テレビ局の人2「剣道をはじめたきっかけは?」


蒼士「いやぁ〜、なんででしょう・・・・。面白そうだったから・・・・ですね」


など、どうでもいいことを蒼士に聞いていた。しかし、


テレビ局の人1「じゃあ最後に、今付き合っている人はいる?それとも好きな人はいる?」


と聞いていたので少し戸惑ってしまった。


茜「どう答えるんだろう・・・」


私は少し気になった。一応、私のこと好きみたいだけど・・・・


蒼士「そのことについてはノーコメントです。では、失礼します」


と言って部屋に戻ってきた。


蒼士「もしかして聞いてた?」


茜「うん・・・ちょっと・・嬉しかった・・・」


蒼士「え?・・なにが?」


茜「なんでもない・・・」


そう。打ち明けてくれなくて本当に嬉しかった。






結局・・・蒼士は余裕に勝ち進んで、優勝した。






〜控え室〜


茜以外の女子クラスメイト「優勝おめでと〜〜〜〜〜〜♪」


蒼士「ははっ、ありがとう」


男子1「それにしても凄かったよな?はんぱね〜強さだったな?」


男子2「そうそう、一体どういう練習したらああなるんだよ?」


蒼士「それは企業秘密でございます!」


男子1「なんじゃそりゃ!」


私も笑ってしまった。本当に、蒼士といると楽しくなる。







〜帰り道〜


私は蒼士と帰る道が一緒だから、一緒に帰ることにした。


茜「ほんと、凄かったよ。試合になるとまるで別人になるんだもん」


蒼士「そうか?」


茜「ほんとなんていうか・・・かっこいいって思ったよ」


蒼士「えっ?」


茜「私ね・・・その・・・きゃっ!」


私はつまずいてしまった。


蒼士「茜!」


ガシッ


転倒する寸前に蒼士が助けてくれた。


蒼士「大丈夫か?怪我ないか?」


茜「さっき・・・茜って言ってくれた・・・」


蒼士「へ?」


茜「言ったよね?茜って?」


蒼士「いいいいいやだだだだだからその・・・・


   とととととっさの出来事でおおおお俺ななななな何言ったかおおお覚えてない・・・」


蒼士は顔を真っ赤にして言い訳を言っていた。可愛いと思った。


そして、みんなが知らない蒼士が見れて嬉しいと思った。


そのときの蒼士の顔を一生忘れないと思った。だって・・・凄い動揺してたから・・・







〜涼宮の家〜


蒼士「・・・・・・・・・・」


茜「どうしたの?」


蒼士「いやっ、凄い豪邸だなぁっと思って・・・・想像以上だ・・・・」


茜「そう?」


蒼士「じゃあ俺、帰るわ」


茜「あちょっと、夕食食べていってよ」


蒼士「いや〜〜〜その〜〜〜それはだな・・・」


なんで来ないの?よ〜し・・・こうなったら!


茜「来るの来ないの!?3!2!1!はい!」


私は水月先輩のお決まり(?)の言葉を言った。これでさすがに彼も、


蒼士「行きます・・・」


と答えた。


私は蒼士をほぼ無理やりに家に入れようとした時・・・


遙「茜?誰か来てるの?」


茜「あ。姉さん」


家の前に姉さんがいた。姉さんは蒼士を見て思わず


遙「え?孝之・・・君?それにしては何か雰囲気が違うような・・・」


私とまったく同じ反応をした。さすが姉妹と思った。







お父さん「いやぁ〜すまないね橘君、茜が無理に誘ったみたいで」


蒼士「いいえ、そんなこと・・・」


テーブルを5人で囲んで夕食をにぎやかに食べている。


お母さん「橘さんは優しいのね・・・」


蒼士「いえ、それほどでも・・・」


かなり緊張しているわね。でもさっきよりましかな?







〜1時間前〜


お父さん「茜、そちらの方は?」


茜「私の親友」


蒼士「涼宮・・・もう少し簡単に紹介してくれ・・・」


お母さん「あら?その人、茜の彼氏?」


蒼士「あの〜、俺は彼氏じゃなくてクラス・・・」


茜「そう、彼氏」


蒼士「えっ!」


蒼士はかなりびっくりしていた。


お母さん「あらあらあら、茜にもとうとう彼氏ができたのね」


茜「嘘で〜す!」


蒼士「涼宮・・・・頼むからごちゃごちゃにしないでくれ・・・・」





お父さん「なるほど、君が噂の剣道の天才青年か・・・」


蒼士「知っていたんですか!?」


お父さん「いやいや、茜から教えてもらったのだよ。いつから始めたのかね?」


蒼士「中学になってからです」


それからにぎやかに会話が弾んだ。しかし・・・


お父さん「中学の頃、誰かと付き合ったことはあるかね?」


蒼士「えっ!?」


茜「!?」


お父さん「いやぁ〜君みたいな人は女の子に人気があるだろうと思ってね?」


蒼士「まぁ・・・・1度だけ同じ剣道仲間と付き合ったことはあります。」


お父さん「ほう・・・その女の人は今どうしてるのかね?」


茜「お父さん!!!」


お父さん「ん?どうした、急に大声を出して?」


蒼士「涼宮・・・いいんだ」


茜「でも!」


遙「どうしたの茜?」


この話はあまり語りたくない彼の過去・・・・それ以上言わせたくなかった・・・


蒼士「その人は・・・・・もう・・・・いません。・・・・・中3の頃に亡くなりました・・・・」


お父さん「!?・・すまない・・・いやなことを思い出させて・・・」


蒼士「いえ、いいんです。」


遙「辛かったでしょう?」


蒼士「・・・はい」


お父さん「じゃあ両親は何をしているのかね?」


蒼士「父はいません。母一人で俺を育ててくれました。


   ・・・・・けど、去年・・・末期ガンで・・・亡くなりました・・・」


お父さん「・・・・・また・・・辛いことを思い出させてしまったね・・・すまない・・・」


私はもう驚くしかなかった。愛する人を失い、そして大切な母までも失ったなんて・・・・


とてもじゃないけど辛すぎる・・・


何とかこの雰囲気を変えなきゃ!・・・・何か面白い話題はないかな・・・・


お父さん「じゃあ、ここの学校に来た理由は何かね?」


チャンス!!!



茜「あっ、それはねお父さん・・・彼ね・・」


蒼士「違うんだ・・・」


茜「えっ?」


蒼士「ただなんとなくが理由でここに来たんじゃない。


   俺はあそこにいるのがもう嫌で、逃げてきたんだ。」


茜「蒼士・・・・」


蒼士「俺は・・・・本当は卑怯者なんだ!」






〜第4話〜   「茜の気持ち・思わぬ再会・・・」



場の雰囲気がとても気まずくなった・・・


蒼士「・・・すみません。もう帰ります・・・・ご馳走様でした・・・」


そういって、蒼士は帰った。私は止めようとしたが、


お父さん「茜、行かせてあげなさい。」


茜「でも!」


お父さん「いいから、今はそっとしてあげなさい」


茜「・・・・・・・」


私は泣きながら部屋に戻った。


(俺は・・・・本当は卑怯者なんだ!)


その言葉が頭の中をぐるぐる回っていた。


茜「なんで?なんでこうなるの?あんまりだよ!」


私はどうすればいいかわからなくなった・・・


茜「どうして私夕食に誘ったの!?こんなことになるのなら・・・・」


茜の部屋の外で、遼は茜の嗚咽を聞いていた。


遙「茜・・・・・」





〜同時刻〜


暗い部屋の中で・・・・蒼士は泣いていた・・・


蒼士「俺・・・なんであんなことを言ってしまったんだ?・・・」


もう取り返しがつかないことはわかっていた・・・・なのに・・・・蒼士は泣くしかなかった。


蒼士「くそっ!くそくそくそくそ・・・・・くそーーーーーー!!!」


バサッ


蒼士「えっ?」


蒼士は、机から何が落ちたのか見てみると・・・そ


れは、前にこの部屋を借りていた人のと思われる絵本だった・・・


題名がぼんやりと見えた。


蒼士「マヤウルのおくりもの・・・・っ!?」


蒼士は、丘の上で涼宮が言ったことを思い出した。


・・・・確か、鳴海さんていう人が遙さんにこの絵本をあげたと言っていた。



そして事故の日に渡そうと思ったが汚れてしまって渡せなかったことも聞いた。


蒼士「まさか!?」


蒼士は明かりをつけてこの絵本を見てみた。確かに靴の足跡がはっきりと残っている・・・・・


蒼士「これは・・・・偶然か?」


ピンポ〜ン


蒼士「誰だ?」


蒼士は不思議に思いながらドアに近づくと・・・・声が聞こえてきた。


女「ちょっと、やっぱやめなよ。ここはもう私たちの家じゃないんだよ!」


家?じゃあドアの前にいる人は前にここに住んでいた人・・・・


男「ただあの本を取りに来たって言えばわかってくれるはずさ・・・な?水月?」


蒼士「っ!?」


水月「でも孝之・・・・・」


蒼士「っ!?」


これは偶然か?偶然すぎるぞ!!!だが、確かめずにはいられなかった。蒼士は扉を開けた。


ガチャッ


孝之・水月「あっ・・・」


蒼士「・・・・・他の人たちに迷惑ですので、ひとまず中に入ってください・・・」


水月「・・・すみません」


そして、蒼士は2人を中に入れた。





蒼士「あなたたちがここに来た理由は、これですね?」


蒼士はマヤウルの贈り物をテーブルに置いた。


孝之「・・・・ああ・・・そうだ。」


孝之がその本を取る寸前に蒼士が取り上げた。


孝之「何をするつもりだ?」


蒼士「・・・・質問させてください」


水月「いいけど・・・」


蒼士は心を落ち着かせて言った。


蒼士「あなた・・・鳴海孝之さん・・・・ですね?」


孝之「っ!?」


蒼士「そしてあなたは、速瀬水月さん・・・ですね?」


水月「っ!?・・・どうしてそれを?」


蒼士「・・・・涼宮・・・茜から聞きました。あなたたちのこと・・・・全てを。」


孝之「・・・・茜ちゃんの知り合いか?」


蒼士「はい・・・・俺は涼宮のクラスメイトです。・・・・名前は・・・橘蒼士と言います」


水月「橘・・・・・・もしかして君、今日あった剣道大会の優勝者?」


蒼士「・・・そうです」


孝之「知ってるのか?水月」


水月「うん、会社の同僚がその試合の決勝でこの人と戦って・・・負けた」






〜一方・・そのころ茜の方は・・・〜


私はなぜか、鳴海さんのマンションに向かおうとしていた。


茜「・・・馬鹿みたい、もう引っ越したことわかってるのに・・・」


でも・・・・そこには蒼士がいることはわかってる。教えてくれたから・・・


到着してみると・・・やはり明かりがついていた。ドアの前まで行くと・・・声が聞こえた・・・


蒼士「お願いがあります・・・・・どうか・・・・遙さんと涼宮にもう一度会ってください!


   鳴海さん!!速瀬さん!!!」


えっ!?鳴海・・・さん・・・・速瀬・・・・さん?


もしかして!!!私は思わずドアを開けてしまった・・・


ガチャッ


蒼士「えっ!?・・・・・・涼・・・・・宮」


孝之「茜・・・・・ちゃん」


水月「茜・・・・・・」


3人誰もが驚きを隠せなかった・・・・






最終話  「本当の想い・・・」



私は驚きを隠せずにいた。


茜「え・・・鳴海・・・さん?それに・・・・水月先輩?・・・どうして?」


孝之「・・・・この本を持っていくの忘れたからさ・・・」


孝之はそういってマヤウルのおくりものを見せた。


孝之「じゃあ、俺たち帰るから・・・・水月・・・行こう」


水月「・・・・うん」


2人は立ち上がって帰ろうとした。


茜「待ってください!!!」


孝之「茜ちゃん・・・・」


茜「お願いです・・・・姉さんに・・・一度だけでもいいですから・・・・・会ってください・・・」


これが私にできる精一杯のことだった。そして私は泣き出した。


水月「茜・・・・・・」


茜「もう・・・2人を恨んでませんから・・・・


  お願いだから・・・・姉さんに・・・・会ってよ・・・・」


私はもう、それ以上は言えなかった。蒼士は黙って見ていた。そして・・・


蒼士「・・・・俺からもお願いします。


   どうか・・・・遙さんに会ってください・・・・お願いします・・・」


そういって、蒼士は2人に向かって土下座をした。


水月「橘君・・・・」


蒼士「お願いします・・・・・お願いします・・・・・」


2人はそのまま帰っていった。これで、伝わったのだろうか・・・・。


残った2人は黙ったままだった。


茜「・・・・・・・・・・」


蒼士「・・・・・・・・・・」


とても気まずい雰囲気である。


(俺は・・・・本当は卑怯者なんだ!)


まだあのことを気にしているのかもしれない・・・何かいってあげなきゃ・・・・


蒼士「どうして・・・・」


茜「え?」


蒼士「どうしてここに・・・・・来たんだ?」


茜「それは・・・・心配だったから・・・」


蒼士「・・・・・・・」


茜「自分は卑怯者だって言ってたけど・・・・仕方ないよ」


蒼士「・・・涼宮にはわからないよ・・・」


茜「わかるよ・・・辛かったんでしょう?」


蒼士「じゃあ、どう辛いのかわかるか?」


私は答えれなかった。どう答えればいいのかわからなかった。


蒼士「お前に・・・俺の何がわかるっていうんだよ!!!」


茜「っ!?」


急に蒼士が怒った。わたしは驚いてしまった。


蒼士「貴様にわかるか!?中学の頃、愛する人を失ってしまった時、


   友達に同情の目で見られたときのいやな気持ちを!!!」


茜「・・・それは・・・・・・・」


蒼士は私に思いっきり近づいた。


蒼士「高2の時、母親が死んで周りの人から軽蔑な目で見られたこの苦しい気持ちを!!!!」


茜「・・・・・・・・・・」


蒼士「何とか言えよ!!!」


蒼士が私の胸倉を掴んできた。そのとき見せた目は本当に辛そうな目をしていた。


少しでも足を踏み外せば壊れてしまい


そうで、見ているのが辛かった。


蒼士「お前に・・・・・俺の気持ちがわかるはずがねぇんだよ!!!」


蒼士は泣いていた。手が震えていた。見てるのが、とてもじゃないが辛すぎる・・・・


蒼士「だから・・・・・俺のことはほっといてくれ!!!」


そういって私を突き飛ばした。


さいわい、蒼士は力を入れずに突き飛ばしたおかげで、怪我はどこにもなかった。


蒼士は私に背を向け・・・


蒼士「出てってくれ・・・・・」


茜「・・・・・蒼士・・」


蒼士「出て行ってくれ!!!」


茜「・・・・ごめん・・・」


私は泣きながら出た・・・・そのとき中から声が聞こえた。


蒼士「なぜ・・・・・・なぜ俺は涼宮にあたってるんだよ!!!悪いのは俺なのに!


   ・・・・ごめん・・・・涼宮・・・


   ごめん・・・・・ほんと・・・・ごめんな・・・・・うっう・・・」


蒼士はもう泣くしかなかった。


私は・・・・蒼士に何もできなくて、何も言えなくて、とてもくやしかった。





<10月7日(月)>


蒼士は学校に来なかった。何度も電話しても留守だった。


おそらく、私に会いたくないのだろう。どう接すればいいのかわからないから・・・・





<放課後>


友達1「茜・・・・・」


茜「・・・・・・」


友達2「茜ったら!!」


茜「え?ごめん・・・・なに?」


友達1「あそこの丘の上にいるの・・・・・蒼士君じゃない?」


茜「え?」


私は丘のほうを見た。確かに彼だ。


友達2「行ってあげなよ。先生には、うまく誤魔化しといてあげるからさ」


茜「うん・・・ありがとう」


私は急いで丘へと向かった。


そして・・・本当の気持ちを伝えようと思った。





〜丘〜


丘にたどり着いたとき風が吹いた。少し肌寒い感じがした。


茜「蒼士・・・・・」


私が言うと蒼士はびっくりしたようにこっちを見た。


蒼士「あっ・・・・」


蒼士は私を見て逃げようとした。


茜「待って!!!」


私は彼の腕を掴んだ。そして・・・・抱きしめた。


蒼士「涼宮?」


茜「私、昨日のこと誤りたくて・・・・・それと返事・・・・まだだから・・・・」


蒼士「涼宮・・・・・」


私は泣いていた。


茜「昨日は・・・・本当にごめんなさい・・・・・・何もできなくて・・・・何も言えなくて・・・・」


蒼士「あれは・・・・本当は俺が悪かった・・・・ただ俺は・・・涼宮にあたっていただけなんだ・・・」


茜「ううん、もういいの・・・本当に辛そうに見えてしょうがなかった・・・」


蒼士「涼宮・・・・」


私はもう後悔しないことに決めた。


(涼宮の悲しみを、少しでも取り除きたくて・・・)


あの言葉が脳裏に返ってきた。そうだ、今度は私が彼の悲しみを少しでも取り除いてあげよう・・・・


茜「私・・・・あなたのことが・・・・好きです・・・・」


蒼士「え?」


蒼士は本当に驚いている様子だった。


茜「蒼士が私の悲しみを少しでも取り除いてくれる。


  だから私も、あなたの悲しみを少しでも取り除きたいの・・・」


蒼士「涼宮・・・・・」


茜「お願い・・・これからは・・・茜って呼んで・・・・」


蒼士「・・・・茜・・・」


私はゆっくりと蒼士から体を離し、彼の顔を見上げた。


微風にそよぐ、やさしい前髪。


とてもやさしそうな瞳。


やさしそうな唇。


蒼士はやさしさに満ちている。


やさしすぎたために悲しいこと、辛いことに遭ってきた。


私も、悲しいことや辛いこともあった。


でも、これからは少しずつ取り除いていこうね・・・・


まさか姉さんが告白したところで告白するなんて思わなかった。私は、ここが好きになった。


この場所で、彼と仲直りすることができた。自分の本当の気持ちに気づくことができた。


この場所のやさしさが、夕暮れのやさしさが、風に揺れる木々のやさしさが、


そして、蒼士のやさしさが、私の心を包み込んでくれる。


私も、彼の心を包み込んであげよう。


蒼士が、視線を絡めてくる。


私も、彼の瞳を受け止める。


私は、静かに目を閉じた。あごをかすかに上げる。


蒼士は、私と唇を重ねた。


そのやさしさが、やわらかさが、あたたかさが、全身に広がっていく。


夕日に染まった私を、蒼士はしっかりと腕に抱いた。








これが・・・・・・・・・ほんとうの・・・・・・・・


わたしの・・・・・・・・こころだから・・・・・・・




すると・・・


男子「ヒューヒュー!!」


蒼士「!?」


私と蒼士は急いで声のするほうへ振り向いた。するとそこにはクラスメイト全員がいた。


男子1「やっぱりこの二人は付き合うのか〜〜〜」


男子2「俺、涼宮さんのことねらってたんだけどね〜〜〜」


女子1「私は蒼士君をねらってたのに〜〜〜〜」


夕呼「はいはいそこまで。」


なぜか先生までいた。


茜「せっ先生まで!いつの間にみんないたんですか!?」


夕呼「えっとね・・・・確か・・・・涼宮が『あなたの悲しみを少しでも取り除きたいの・・・』


   って言ってたところから」


私と蒼士は顔を真っ赤にしていた。本当に恥ずかしかった。


夕呼「それより・・・橘!!」


蒼士「は・・・・はい!!」


夕呼「あんた・・・・なぁに学校サボってんだ!!」


蒼士「い・・・いや・・・・それには深いわけがあって・・・」


夕呼「言い訳は聞かないわ・・・」


蒼士「先生ひどっ!!」


夕呼「さあ、お前たち!橘を思いっきり懲らしめちゃっていいわよ。遠慮はしなくていいからね?」


クラスメイト男子全員「イエッサーーーーーー!!!」


茜「あちゃ〜・・・」


蒼士「これはまずいな・・・」


夕呼「涼宮!あんたも同罪よ!!」


茜「え〜〜〜?何でですか〜〜〜〜〜!?」


夕呼「何ででも!!覚悟しなさい!女子ども!やっちゃいなさい!!!」


クラスメイト女子全員「は〜〜〜〜い♪」


茜「うわっこわっ!」


蒼士「う〜んこりゃあまじでやばいな・・・」


私は本気で身の危険を感じた・・・・


茜「蒼士・・・どうするの?」


蒼士「どうって・・・・・こうするのさ!!」


蒼士はいきなり私の手を握って走り出した。


蒼士「逃げるに決まってるだろ!!!」


茜「・・・・そうだね!!」


私と蒼士は逃げ出した。


夕呼「逃がすな!!!捕まえた奴は褒美をあげるわよ!!」


男子・女子「イエッサーーーーー!!!」


またみんなと一緒にバカができる・・・・・蒼士とデートができる・・・・


私は本当に幸せだ・・・・・


私は走りながら言った。


茜「これからも・・・・・・ずっと一緒だよね!!!」


蒼士「・・・・あたりまえだろ!!!ずっと一緒だ!!!」






〜それから〜



<12月31日>


今日は蒼士と一緒に過ごす初めてのクリスマス。


私は、蒼士を家に招待して家族みんなでクリスマスパーティーをした。


クリスマスパーティーの最中で、


ピンポ〜ン


お父さん「はて、誰だろう?遙、ちょっと見てくれないか?」


遙「うん」


お姉ちゃんはドアを開けた。すると、驚いた表情になった。


遙「え・・・・孝之君・・・・水月・・・・・平君!?」


茜・蒼士「え!?」


私と蒼士は急いでドアに行った。するとそこには鳴海さん達がいた。


茜「鳴海さん・・・・・水月先輩・・・・・。」


蒼士「来て・・・・くれたんですね?」


孝之「・・・ああ、遙・・・・遅くなってごめん。」


水月「遙・・・・私・・・」


遙「ううん、もうあの時のことはいいの。それより!」


お姉ちゃんは元気な声で、


遙「それより、早くおいでよ。みんなでクリスマスパーティーしようよ?」


孝之「・・・・・そうだな!!」


水月「そうね!やりましょう!!」


慎治「ああ!・・・それより・・・・・茜ちゃん・・・」


慎治さんが急に言ってきた。


茜「何です?」


慎治「この人・・・・・誰?」


慎治さんは蒼士を指差して言った。


蒼士「俺は・・・・・」


茜「へっへ〜〜〜聞いて驚かないでください!!!私の・・・・・彼氏で〜〜〜〜〜す!!!」


孝之・水月・慎二「え!?」


3人はかなり驚いていた。


水月「遙・・・知ってたの?」


遙「うん・・・・・10月頃から付き合い始めたんだって・・・」


慎治「くあ〜〜〜〜〜〜やられた!!!茜ちゃんが先に彼氏を作ったなんて・・・・負けた・・


   ・・くそ〜先に彼女を作って自慢しようと思ったのに」


茜「へっへっへ〜〜〜残念でした〜〜〜♪」


遙「もう・・・早く入ろうよ・・・・お父さんたちが待ってるよ?」


茜「そうだね!」


孝之「行こうぜ。水月、慎二。」


水月「うん!」


慎二「ああ!」


こうして私は家族と、鳴海さんと、水月先輩と、慎二さん・・・そして・・・蒼士と一緒に今までにない


最高のクリスマスパーティーをした。


お姉ちゃんも幸せそうで嬉しかった。


鳴海さんたちも、これからちゃんと会いに来るって行ってた。


私と蒼士の思いが通じた・・・・凄く嬉しかった。私は泣いてしまった。


蒼士「あれ?茜、泣いているのか?」


茜「だって・・・・嬉しくて・・・」


蒼士は私を抱きしめた。


蒼士「よかったな・・・」


茜「・・・うん・・・・・うん」


今年は最高のクリスマスだった。


そして今までにない最高のクリスマスプレゼントをありがとう・・・・神様・・・


私・・・・凄く幸せです!!!


ありがとう!!





〜あとがき〜
これにてこの話はおわりです。
いかかでしたでしょうか?
なんかむりやりだな〜って思いました。
でも、みんなとまた会えて、いろんなことができればな〜と思ってこんなふうになりました。
よかったらコメントをぜひ!!
次回作をお楽しみに!!
もしかしたら・・・この続きを書いているかも・・・・・
(第二部に続くってなるのか!!!)
それはまた後日・・・・



     

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