|
warm snow...
著:TAMAKI
「ことり、これでいいか?」 「うん。いいよ。そんな感じで。」 今日は、朝倉くんの家で、二人っきりのパーティー。 どうやら、音夢も、気を使って、こちらに帰ってくるのをずらせてくれたようだ。 今夜は12月24日。 朝倉くんと初めて過ごすクリスマス。 あの日から、お姉ちゃんの結婚式の日から、ずっと側にいてくれた朝倉くんと・・・。 初めてのクリスマスだ。 「ことり、朝倉に変なコトされたら、すぐ電話してきて構わないよ。」 家を出るときに、たまたま夫婦そろって、家にいたお姉ちゃんに言われた。 それに私は「あはは・・・。」とだけ笑った。 でも、その視線は温かくて、家のみんなが包み込むように、私を送ってくれた。 結婚式以来、お姉ちゃんはタバコを吸うのをやめた。 どうやら、これから生まれてくる赤ちゃんの為らしい。 それを聞いた時、私は凄く嬉しかった。 だって、研究一筋のお姉ちゃんが、「好きな人のために」やめたのだから。 家を出発するとき、ちらりと見たお姉ちゃんの姿を見て、 「朝倉くんと・・・あぁなれたらいいな・・・。」 そう、小さく呟いた。 朝倉くんとは、あの桜の木の下で待ち合わせることにしている。 それは、私にとって、誓いでもある。 ―――ずっと、貴方を・・・ 朝倉くんを信じること・・・。 そう誓った木の下で、待ち合わせする。 それは普段は、別のところ・・・例えば、学校とか、商店街の本屋さんとかでも待ち合わせる。 でも、特別な日は・・・、二人にとって大切な日にはあの桜の木の下で待ち合わせる。 いつも、純一くんは遅れてくるけれど、絶対に来てくれる。 ・・・それくらい、私が、心を読めなくてもわかるくらい、解る。 ―――――それくらい朝倉くんが好き・・・。 「じゃ、これで、全部出来たね。」 二人の前にはケーキと私が作ったグラタン、それにいくつかの定番料理。 それに・・・目の前にいる朝倉くん。 私には、朝倉くんといられるだけで、嬉しいクリスマスだ。 今日は、本当に、音夢には感謝しないと。 「ことり・・・これ・・・。」 すっ、と純一くんが出してくれたものを見れば、小さな箱。 「ありきたりなんだけど・・・。受け取ってくれ。」 開けてみて、私は涙が出そうになるくらい嬉しかった。 「あ・・・ありがとう。純一くん。」 ・・・指輪が入っていたのだから。 二人で、夕食を済ませて、ソファにくつろいで、TVを見ている。 TVではありきたりなラブソングがかかっている。 かかっているのは音楽専門番組で、今年売れた曲で、ラブソングばかりをセレクトしているようだ。 ・・・しばらくすると、窓の外に白いものが降りてきた。 「純一く・・・・」 気付けば、純一くんは眠っている。 ふと、自分の左手を見れば、薬指にさっきプレゼントされた指輪がある。 そして、純一くんの寝顔に、 ありがとう・・・。 ―――そう告げた。 TVからはあまり聴いたことがない曲が流れていた。 タイトルはsnow。 I`m overloading with all the love that you`ve designed ボクは、きみがくれた愛で一杯なんだよ 唯一、聴き取れた文章がこれだけだったけれど、純一くんに対する、私の 気持ちとまったく同じだった。 だから、もう一度、その歌詞を、呟いた・・・。 I`m overloading with all the love that you`ve designed ―――と。 「ん?ことり?何か言った?」 朝倉くんが目を覚ましたみたいだ。 「え?ううん。ただ、綺麗な曲だったから、少しだけ歌ってみただけだよ?」 起き上がって私の後ろ側に回る朝倉くん。 「なんだ。そんなことなら、起きておけばよかったな。」 後ろから、私を抱き締めながら、そう囁く。そう、耳元で。 「ううん。これから、もっと私の歌、聴いてもらうから。」 そう言って、自然にお互いを求めるようなキスをした。 ―――そう、夜はまだまだ永い。 クリスマスが終わるまで・・・ずっと抱き合っていたいね。朝倉くん。 TVはその夜、ラブソングを流し、二人の世界を創っていた・・・・。 END
あとがき
本当に久々です。 ただの気まぐれっぽいSSです。 個人的シュミにかたよりましたね。 ちなみにこの後は、二人・・・純一くんとことりだけの世界です。 だから、こういうカタチにしました。 そういえば、もうすぐDCのヤツ出ますね。 SSの募集がなかったのは、やっぱり、アレのせいですかね(苦笑) では 了
|