星の見守る夜に
著:TAMAKI
  兄さん、兄さんは、いつも・・・。






 男女がベッドで横たわっている。



 男は、眠っていて、女は、半身を起こして、男を見つめ・・・



 ―――そして想う。










 私は兄さんのことがわからなくなる時があるんです。

 感情じゃなくて、兄さんは、「何か」を背負っていて、そこに、

 私がいるか不安になるんです。

 


 それは、今、兄さんは、私を愛してくれてます。

 でも、「何か」を、私から、隠しているみたいで・・・。






 ねぇ?兄さん。

 そんな不安がなくなるくらい、強く抱いて。

 私が息苦しくて、兄さんの背中を叩いてしまうくらい・・・強く。

 この体が壊れてしまうくらいに。







 そうやって、女は、男を見つめる。

 
 息を吸って・・・


 そして、微笑む。

 

 ―――視線は男の体を包む・・・。








 ねぇ?兄さん。

 その温かさで、私を包み込んでください。

 そう、その腕で、ぎゅっと抱き締めてください。

 私に、そのぬくもりを・・・残してください。









 時々見せる兄さんの、あの、安堵した顔を見ると

 あの日を思うんです。

 私の中から、滑り落ちるようになくなっていった記憶たちを。

 ―――なぜ、私が、ここにいられるかを・・・。

 兄さん、私はわかっていたんですよ。

 お互い、同じことを思っていたんですから。











 ―――何も言わなくていい。






  ここに、兄さんがいるだけでいいから・・・・。











 だから、今、強く抱いていたいんです。

 世間の価値なんて、何もいらないから。

 










 女は優しく、そして、穏やかに、男の寝顔を見て・・・



 窓の外を見る。









  ―――そこには、散りばめられた星たちが・・・。











 ねぇ?兄さん。

 もしも、いつか、兄さんが死んだら、

 その亡き骸を胸に抱き締めて、

 いつまでも、愛しい兄さんの、

 髪を撫でて、その、頬に触れ・・・そして、私と一緒に・・・

 私の中に摂り込んでしまおうって思うんです。

 それくらい、狂いたくなるくらいに、兄さんが好きなんです。









 今、こんなに幸せな自分が、少しだけ、怖いんです。

 だから、今、ぎゅっと、兄さんを抱き締めたいんです。





 その笑顔を・・・





  その体を・・・






  そして、あの日、兄さんが隠した涙さえも。








  兄さんが息絶えるときには、私の胸の中で・・・

  ずっと、側にいるから・・・。
 
  それまで、一緒に、生きましょう?











  少女は、男の隣に半身をもたれさせ、その男の体を抱く。



  優しく、



  その瞬間をも、抱き締めるように。










  だから、兄さんも、強く抱いて。

  私の体が壊れてしまうくらいに。

  この体に意味があるのなら、それは兄さんが知っているはずだから。








  そう、これから、この胸の温かさを・・・・




   確かめ合って・・・・









   ―――そして










   ・・・愛すの。

















  星は、瞬く。






  そして、少女の抱き締めた手に応えるように、







  男は、女の手を、握った。
END
あとがき
 こんばんは。TAMAKIです。
 今回は、断片です。
 実際、人間の思考を書きたかったんで、こうなってしまいました。
 読みにくかったですか?
 しかし・・・短いですね。
 実は、同じプロットで書いて、どうなるか試したものです。