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Age of guilt
著:TAMAKI
裏通りを通り抜ける・・・。 裏通りを後にする。 そして、何事もなかったように、俺は街中を歩く。 ここにいるヤツらは、みんな普通じゃない、そう思うとおかしかった。 異常が正常と言えるこの場所。 この場所を平然と歩く。 そう、俺は、記憶がない。 否、望んでこうなったとでも言うべきだろう。 記憶を完全に失くしてからは、あの頭痛もない。 そう、麻痺してしまったように。 俺は、あの日、領主レギーナから解放された。 ・・・否、解放されたというよりも、監視する必要がなくなったのだ。 理由は一つ。 記憶を完全に閉じたから そうなってからは、世界が変わった。 俺は、この通り、休日には街中を散歩できる。 カオルコやヴァネッサを誘ったが、あいにく二人とも用があるのだそうだ。 大方、領主さまのところだろう。 公園のベンチに掛けて、人を眺める。 みんな退屈そうに歩くばかり。 冴えない顔ばかりが並んでいる。 唐突に、 「おい!兄ちゃん、金くれよ。」 とホームレスだか芸術家くずれの、中年が声をかけてきた。 俺は、真紅の瞳で冷酷に一瞥したあと、空を見上げた。 「金だせっつってんだろう!?」 その中年男が声を荒げた瞬間、黒尽くめの男が10人以上やってきて 蹴りをくれてやっていた。 俺は冷淡にそれを見つめる。 そして言った。 「ソイツにはイカした薬をやろう。調教に使えるだろう?牝ブタにはちょうどいい。」 中年男は意識を失っており、頭に、紙袋を被され、両手には拘束具をつけられて 黒づくめの集団に運ばれていった。 おおむねこんな生活だ。 平日は奴隷を調教し、製品にする。 最近は、カオルコも俺のやり方をわかってきたらしいのでたまには、休んだりもしている。 それに、領主レギーナから聞いた話では、俺はかなり評価の高い調教師らしい。 どうやら、後から後から、注文がくるのだそうだ。 そんなことは俺にはどうでもいいことだ。 「お館様。」 いきなり声をかけてきたのはヴァネッサだった。 「どうした?ヴァネッサ。」 そう、ヴァネッサも俺の一件から、かなりの自由を得たらしい。 運命の甘受、とでも言えよう。 「はい。今日は領主さま、カオルコさまとのお食事です。それに、今日は主賓がお館様なのですから、 遅れるわけにはいかないでしょう。」 ヴァネッサはあくまでも冷静に抑揚なく言う。 俺は、 「わかった。だが、まだ3時だ。5時には帰る。それまではその辺をうろうろしてるさ。 何なら、カーンを大通りの端にでも待たせておいてくれればいいさ。」 ヴァネッサは恭しく頭を下げ、 「かしこまりました。それでは失礼します。」 と、公園の入り口に待たせてある車に乗って帰っていった。 ふぅ、と息を吐く。 「そういえば次の出荷まではまだまだあるな・・・。」 いわば俺には、品評会は祭典のようなもの。 ただの祭典。 他のヤツなど見てはいない。 そう、奴隷がどれだけ熟してきたかを見るためだけ。 俺やカオルコ、ヴァネッサ以外の誰かに見られても普段どおりやれるかを・・・ただ見るだけのもの。 そして、それを楽しむ亡者ども・・・。 ───俺も・・・その中の一人だ。 そういえば、コンラッドという少年が、この前、聞いてきた。 「お館様、記憶がなくて、寂しいとか思うことはないのですか?」 ・・・と。 そんな感情は多分、もう今の俺は持ってはいない。 そう告げると、 「そうですね。ここにいれば過去なんて、関係ないですから。」 そう、コンラッドは言って去っていった。 しかし、最近、カオルコやヴァネッサと話していても、綺麗な花を見ていても 不思議と何も感じない。 あるのは、空虚というもの・・・否、虚しさなんてものはない。 その気持ちには戸惑う。 だから、最近は街にまで散歩するようになったのだろう。 空を仰ぐ。 不思議とコンラッドの言葉が思い出される・・・ 「記憶がなくて、寂しいとか思うことはないのですか?」 目を閉じて考える。 そう、今の俺自身に。 侘しさはある。 しかし・・・・・ 迷いなど・・・ない。 そう呟いて、俺はベンチから立ち上がり、カーンの待つ大通りの端に向かって 歩き始めた・・・。 END
あとがき
ピジョンブラッドSSの第二弾。 リアクションないんで、寂しかったり・・・。 まぁ、ハナっからこれは期待してはいなかったり・・・。 でも、誰かグーグルとかで調べてくんないかなぁ・・・。 そういうのを求めるゲームじゃないのかも。 さて、前置きが長くなったが、本題です。 今回は、バッドエンド2のあとです。 これは結構、可能性の高い終わり方だと思ってます。 でも、ハッピーエンドでは絶対にないですね。 実は、この前はじめてバッドエンド2にいったりしました。 本来、ダーク好きなので、いいですね。こういう話は。 そろそろ、月姫書かなきゃなぁ・・・。 では〜 了
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