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Perfume
著:TAMAKI
「え・・・?違う・・・わよね・・・・?」 私は街を歩いていた。 さっき不意に、「ある香り」が私の鼻腔をくすぐったので、ふと、立ち止まって振り返ったのだった。 ―――何か・・・残してしまったという想いだけ。 「そんな訳・・・・ありませんわね。」 それはお館様の香りがしたから。 今日はたまたま奴隷を調教に来て、監視はヴァネッサに任せて車に戻ろうとしたときのことだった。 「・・・・・・もう戻ることなんてないのですから。」 車に戻ればカーステレオのジャズの音が鳴る。 「もうだいぶ慣れましたわ・・・。この立場に・・・・。」 そう、もうだいぶ慣れた。 ―――この寂しさに・・・・。 ―――お館様のいない生活なんて考えられなかったのですから・・・・ もっと、お館様を沢山、抱き締めたかった。 もっと、中まで、お館様に犯して欲しかった。 残るはただの後悔。 それでも、 『カオルコ、俺がお前を支配する。』 そう告げた相手は現に、こうなってしまっても私を支配し続けている。 いつしか、ジャズは、ロストラヴソングになっていて、私の今の心境にはうってつけの曲だった。 ―――Where’s my love? そんなものは決まっている。 私の想いはお館様だけ。 「いいわ。今日はもう少し外に出てから帰る。ガードの者は3人ほど。」 そう告げた私は街に入る。 「かしこまりました。」 その声とともに私は外に出た。 別段、街は人が流れているだけで、何もない。 ただ、ふと、あの香りが私をそうさせているのだけは事実だった。 「あの香り・・・は、やっぱり私には・・・・。」 心の中で呟く言葉。 それ以上の言葉はむなしくなる。 多分、私はあの日から、何かを残したまま。 いや、多分、望んで置き去りにしたのだろう。 ―――けれど、もう誰も愛さない。 その覚悟だけは完全で、それは忠誠もある、そして、愛もある。 私は、もう他の者を守ることなどしないだろう。 「そうね。次はあそこで調教できるわね。場所を覚えておいて。」 ガードをしている男に言う。 ただ、こくり、と頷くだけ。 ―――ふっ、とすれ違う瞬間に香った。 ばっ、と振り返るけれど、人の流れでその香りの主は消えたまま。 ―――あぁ、どうして、こんなに胸が苦しいのだろう。 ふと、想うのはあの日の夜。 キスの感触まで覚えている。 あの優しい表情。 残る匂いで思い出す。 私はこの香りに包み込まれたのだった。 優しい、私だけを包み込んでくれる香りで。 ―――・・・・一番、愛した人との夜を記憶の裂け目から、呼び出す。 ただ、一度きりで、最後に愛した人との夜。 あの戻りたい日々はもう過ぎ去った。 今の、私は、組織を拡大するだけ・・・・。 「もう、二度と、あの方は戻られない。」 口に出すと怖くなった。 それでも・・・・。 ただ、そこにある眠る、お館様さえいれば・・・・・。 私とすれ違った、アジア系の顔をした男から、香る。 あのパフィウムをつけた、お館様と同じ匂い・・・・。 END
あとがき
こんばんは えーっと、今回もカオルコです。 いや、ジョンブラでは一番好きなヒロインなんです。 で、今回は香水です。 えぇ。あえて、パヒュームと発音を書かないのはこだわりです。 パフィウムというほうが、カオルコのグロスの唇には似合うような感じですから(それだけですか これはバックでフリージャズなんか聴いてると合う話かもしれませんね。 うん。今月はジョンブラ強化月刊だ(笑 了
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