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星の見守る夜に
著:TAMAKI
兄さん、貴方の瞳は何を見ているの? そして、どこを目指しているの? ベッドの上には男と、少女が・・・ 男は眠り、少女は、想う・・・・・。 行くあてがあるのか、ないのかわからない兄さんは、いつか消えてしまいそうで 怖かった。 霧みたいに、ただ、そこにいて、微笑んでくれている兄さん。 いつか、その霧が無くなってしまいそうで・・・ 秋葉を包んでくれなくなりそうで・・・。 だから。こうやって、兄さんが帰ってきてくれた日から、隣で寝ているんです。 こうしていれば、兄さんと、離れなくていいような気がして・・・・。 兄さん?もし、兄さんの中に「1番」というものがなくて、 それが兄さんの行くあてのないのに、関係するなら・・・。 ―――秋葉のために・・・・ どうか、秋葉のために生きてください。 だから、今、強く、ここで抱き締めてください。 抱いて・・・ください。 兄さんの体温で、私の体を包み込んでください。 兄さんの不意に見せる、あの儚い顔は、 ―――やはり、あの日なのでしょうか? 帰ってきて、数日してからの、あの傷を負って帰ってきたあの日のことでしょう? 秋葉は知っていたのですよ? 兄さんと繋がっていたから・・・。 あの、弓塚さんという女の子のことを考えているんでしょう? ・・・・秋葉には、それが羨ましいのです。 弓塚さんのように、兄さんの中に「永遠」としていられる存在が。 でも、今は、もう何も言わないでください。 ここに兄さんがいるだけで・・・兄さんの側にいられるだけで ―――それだけで、いいんですから。 ――そうやって、少女は、男の体を抱く。 それは強く。 男の体を壊してしまいそうなほど・・・・。 兄さんと居て、気付いたんです。 兄さんはいつも『死』と歩いているから、空洞のようなんだって。 だから、掴みようがないのだって。 ・・・でも、その空洞を私の血で・・・一杯に満たせたら、と思ってしまうんです。 そうすれば、兄さんとずっと一緒にいられそうな気がして・・・。 ねぇ、兄さん? いつか兄さんが死んだら、その亡き骸を、胸に抱いて、 いつまでも、愛しい兄さんの髪を撫でて、頬に触れて・・・ その兄さんの亡き骸を私の中に入れてしまってもいいですか? ――もう一度、少女は、男の体を抱く。 今度は優しく、包み込むみたいに・・・。 ねぇ、兄さん? 今、私がよく兄さんを抱き締めたくなるかわかりますか? ・・・兄さんの、その笑顔を・・・ ・・・兄さんの、その空虚を・・・ ・・・兄さんの、動く胸を・・・ ずっと、永遠に感じていたいから、なんですよ。 もう一つだけ・・・理由があるんです。 兄さんの、その体が・・・ 止まるときには、私の胸の中で・・・息絶えて欲しいからです。 ・・・だから、兄さん、兄さんも私の体を強く抱いて? この遠野の体が、私に時間を許す限り、兄さんを包み込むから。 時には、傷つけるかもしれません。 時には、兄さんの胸の奥を、傷つけるかもしれません。 それでも、秋葉は・・・ 秋葉の気持ちは・・・。 兄さんのことを、 愛して、愛し続けるから・・・。 ベッドの上の男と、少女は眠る。 それを窓越しに、散りばめられた星々が見守っていた・・・。 END
あとがき
こんばんは。TAMAKIです。 今回は、やっぱりスランプ抜けていませんが、なんとか書き終えました。 そして、今回のヒロインは秋葉ですね。 消えない夜に、の続編です。以前、clockwork様へ寄稿したものの続編となっています。 時系列からみれば、ここで公開している、「オブラートで包んだ水みたいな貴方へ」から始まって、先ほど書いた「消えない夜に」になり、今回の「星が見守る夜に」に繋がります。 ただ、あくまでも、連載というわけではありません。 書いていて、時間的繋がりができてしまったわけですね。 今回のテーマは抱擁ですね。 まったりと、少し、怖く、それでも大切にする気持ちを書きたかったんですよ。 それが出来ているかは、わかりませんが・・・。 では、また、別のお話で・・・。 了
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