オブラートで包んだ水みたいな貴方に
著:TAMAKI
   ───何故、そんなにギリギリなんですか?兄さんは。







   月を見上げた、少女は、心の中で、そう呟く。

   空には、袋から、バラ撒いたお菓子のように散らばる星。

   その下、ベランダに、少女は佇んでいる。








    兄さんを見ていると、たまに泣きそうになるんです。

   兄さんを例えるなら、揺れる花のよう。

   どんな時にでも、「ここ」にいる。

   でも、いつも、掴めないんです。

   『兄さんという存在』は・・・。








    ねぇ、兄さんは、どこまで“独り”なんですか?

   人なんて、吐いて捨てるほど、沢山いて、溢れているくらいなのに。

   秋葉と“ふたり”になれる兄さんを、そう、ずっと探しているのです。

   ・・・そうなれる、『兄さん』はいるのでしょうか?









    もし、兄さんが歩くのに疲れたときは、ねぇ、休みましょう?




       二人で、草原の風にでも、吹かれて、ゆっくり休みましょう。






   何もしない日には、秋葉の側にいてください。

   他愛ない話や、私の知らない時間の兄さんのこと、沢山話しましょう。

   それで、兄さん、寝る時間まで、ずっと、話していましょう?

   それで、眠くなったら、二人で、隣合って寝ましょう。

   でも、次の日、琥珀に見られると、怖いから、早くに起きなければなりませんけどね。








   兄さんは、どうして、他人のことまで、背負うのですか?

   それは、兄さんは、体も強くないです。

   それ以上に、秋葉はこう思うのです。











   ───兄さんは、その今にも崩れそうな足をした心で

   
      他人の「想い」まで、背負ってしまっているのですから。






    



    



    兄さん、秋葉は、もっと、兄さんのことが知りたいです。

    私の知らない8年という時間、







         兄さんが何をして、何を感じて

         何を思って、何を学んだのかを・・・。







    兄さん、どうすれば、秋葉は兄さんの近くにいられるのですか?

    あんなに、突然、秋葉の前から、いなくなってしまったから、不安なんです。










      ───兄さんを抱きしめたいんです。

         強く、強く、もう離れられなくなるくらいに・・・。






     兄さんが望む時は、秋葉は、ずっと、いつも、そばにいるから───








     実は、兄さんが、有馬の家にいってから、私は、人を信じられなくなった時期があるんです。

     それは、誰もが、「過ち」や「過去」を持っています。

     でも、あの時、秋葉は、兄さんに『置いていかれた』と思ったのです。

     そう、人を信じられなくなってから、何度も人を裏切ってしまったのです。

     ───裏切られるのが怖くて・・・。





      でも、それで失くしたのは、「秋葉」という存在で、

      同時に「遠野秋葉」という存在が、

      私の中で、大きくなってしまったのです。







     最近の兄さんを見ていて思うんです。

     本当の「強さ」は、人を信じられて、

     自分を信じることなのかな・・・?って。








    兄さん、やっぱり、この「想い」はいけないものなのだろうけれど・・・。


    





     秋葉が独りでいるとき、

     「大丈夫。側にいるよ。」

     って言って欲しいんです。




     



       秋葉が独りでいるとき

       「大丈夫、俺を信じて。」

       って言って欲しいんです。







         秋葉が独りでいるとき

         「秋葉がいないと、生きていられないんだ。」 

         って言って欲しいんです。












     ───こんなことを思うのはいけないんでしょうか?










       困ったようで、泣きそうで、でも、温かく笑う、








           兄さんのことが












            好き・・・。
END
あとがき
 こんばんは。
 今回は秋葉です。
 一応、時間としては、遠野家に帰ってきて、さっちんの所が終わってからです。
 結構、時系列的に、微妙なところを書いてしまったような気がします。
 まだ、秋葉と志貴が結ばれていないところですから、書きすぎてはいけないし、
 でも気持ちは「好き」というところです。

 実は、個人的には、大崎瑞香さんのHP、CLOCKWORKに寄贈させていただいた、「消えない夜に」とペアに書いたものです。
 時間的にはこちらが先、というカタチです。
 この変則的さは、結構好きですね。僕は。

 最近、スクライドってアニメを見てハマってしまい、バトルを書きたいんですが、どうも、しっくりこないんで、これを読んでくれた方、読みたいバトルSSのキャストをリクエストしてください。
 メールか掲示板でも、リクエストください。
 ちなみに、件名のないものは削除させていただきますので注意してください。

 楽しんでいただけたのかな?
 と心配です。

 それでは、別のSSで