2005R-8・IMSCツールド百万石ラリー



 2005年7月、ここ石川県鳥越村にまた中部のラリーマシンが梅雨のなか集結毎年このラリーは時期がらウェットラリーとなり、グリップの悪い低μでの戦いとなるラリーだ。またドライバーによる速さも大切だが、主催者の指示した時間にチェックポイントを通過する、いわゆる減点区間がある。このため、ドライバーの速さ、コ・ドライバーの計算の両方のコンビネーションがいかにうまく出来るかによって、勝負が決まるラリーといってもいいだろう。果たしてチーム鉄研に勝利の女神はこの、石川百万石の地へ訪れるのか・・・・・・?



参加車両について、中部ラリー選手権B2クラス(1301cc-2000ccまでの2輪駆動クラス)では14台が出走。主流車種は4車種。性能差で大きく分けて二つに分かれる。
 一つはノーマルでのエンジンパワーがないトヨタカローラレビン/トレノ(1600cc)と三菱ミラージュ
(1600cc)VSエンジンのパワーがあるホンダインテグラ(1800cc)とシビック(1600cc)。
 この戦いはもしドライバーの腕が同じであればレビン、ミラージュが非常に不利である。多くのドライバーが規定の変更によりミラージュから、インテグラ、シビックに乗り換えてきている。このことからも性能差があることがわかるであろう。しかし今井は資金面と今までの実績からミラージュでの参戦を続ける。

ラリースタート前
 
各車準備に追われる中、なんとミラージュのスモールランプのバルブ切れが・・・・。度重なるテストや整備が原因か、バルブが取れない!!
















何とか苦労しながらも、バルブ交換完了。ラリー本番前に周りを心配させる一面があったが、ミラージュドライバーの今井、コ・ドライバーの大串にとって、前戦ANDラリーでの2位を胸に必勝体制で望む!
 チーム鉄研でもう一台のラリーマシン、シビックタイプRは前戦ANDラリーを欠場。今回のR-8ラリーから参戦となる。チャンピオン戦としては二度目のR-8となる今回のラリー。ドライバーは八田、コ・ドライバーに佐々木で挑む。なんとか上位に食い込みたいとこ・・・はたして結果は?


いつもどおりドライバーズミーティングが開かれいよいよラリースタート。そして波乱を予感させる雨が降り出す。

第一ステージスタート
 
今回のラリーは二ステージ制で、走りでの減点と減点区間合計減点で争われる。WRC(世界ラリー選手権)とは違った日本独特のラリーである。

 雨は降ったり止んだりの繰り返しのなかラリーは20時01分一号車からスタート。ゼッケン8番のシビックとゼッケン13番のミラージュは無事にOD(主催者距離計測車と自車の距離補正区間)を通過し、第1CPへ。ここから
コ・ドライバーの戦いが始まる!!第1CPは両車とも減点0。幸先いいスタートとなる。チェックポイント通過後から指示速度はAv58km/h。走りの能力が問われるステージ。第1から約2km地点。下りヘアピンコーナーで今井が痛恨のミス!ヘアピンを曲がりきれずに停止。バックギアに入れ向きを変えるため5秒のロスタイムを喫する。しかしその後難なくAV58km/hにのせる。
 ここで大串は練習でのデーター取りで、下りでの距離補正をかけ4秒ずらすも、第2CPで減点4をくらう。通常車を限界で走らせれば、タイヤが滑るため距離がずれ、補正をかけなければいけないが、これは今井の走りが慎重になっている証拠だ。
 八田・佐々木車は減点3とまずまずの出だし。
 続く第3CPは時間調整チェック。そして走りのセクションとなる第4CPは登りせこ道とジャンクションからハイスピードとなるコース。ここでの今井の走りは卒なく慎重な走り、しかし
結果はベストタイム!八田も去年より攻めた走りで6番手と健闘。
 
続く5 6 7 8 9CPは減点区間。過去今井はこの減点区間でコ・ドライバーのミスにより減点をもらい走りでは上位に入りながら、減点区間で下位に沈むという苦い経験をもつ。しかし今回大串は過去3年の出場データーを元に、減点傾向をつかんでおり、また走行テストでの距離のずれを左右するタイヤの影響をも把握。計5CP中減点をわずか1点に抑えた。前戦のANDラリーでの減点により優勝を逃した苦い経験。ここでは踏ん張りをみせた。
 僚友のシビックコ・ドライバーの佐々木は車酔いと6CPでCPの予想位置を読み誤り、13点の大量減点をもらい下位に沈む。そして第1ステージが終了し各車サービス(車両整備)へ移動。

 第1ステージまでの減点は今井・大串か2位に9点差をつけてトップ。八田・佐々木は減点が影響し8位。ただドライバーの今井は走りについては満足しておらず、第2ステージをどう走るべきか、チーム監督兼メカニックの全日本ラリードライバーの山口と検討を行った・・・・・。





第2ステージ
 第1ステージより走りが重視される第2ステージ。その走りが順位を大きく左右されるのはドライバーの誰もが感じていることだろう。そんな雨降りしきる中第2ステージスタート。10CPより競争区間に突入!ここで今井は走りを乱しセカンドベスト。八田は挽回を図るべくアタックするも5番手タイムとなる。
 11CPより激しく雨が降りしきる中、なんとハイドロプレーニング現象が起こる中、前走車がコースアウト、リタイヤとなる悪条件のなかをアタック
後半はセミウェットから、ドライに変わるなど路面状況はめまぐるしく変化する。ここでも今井はセカンドベスト。前半のマージンが削られていく。前走車リタイヤによりペースを乱した八田は10番手と大きく後退する。
 13CPからの競争区間は登りのステージ
ノーマルECUとノーマルエンジンのパワーの無いミラージュにとって非常に厳しいステージ。
 シビックのパワーを頼りにアクセルを踏み込む八田。結果はゼッケン8番までならばベストと言われるも6番手タイムと先ほどのCPのおくれを挽回。そして今井は登りのステージの不利と、途中無線中継車をCPと間違え減速するも、結果は
なんとベストタイム
 
なんとか上位を狙いたいチーム鉄研シビック。初優勝を狙える位置についているミラージュ。両車とも速く走らなければいけない使命には変わりない
 
シビックは15CP16CPの減点区間を最小減点で通過したが、今井・大串ミラージュは今ラリーで最大のドラマが起こった。
 CPでなんとラリーコンピューター(時間、距離、速度のずれを計算、表示するコンピューター)の
CPボタンとPCボタン(ラリーコンピューターの速度変更ボタン)の押し間違いと、押すタイミングを間違えてしまった!!!コ・ドライバーの大串はよくこのミスをし、これにより今まで今井は優勝を逃してきた。今井の脳裏には「またか!」と不安がよぎるも、大串は走れ!の指示。計算を始めるも、ファイナルインジケ゛ーター(先行、遅れの時間を表示するメーター)はかなりの先行。一度狂いだした歯車は再び元に戻るのか?3分ぐらいしたところでファイナルインジケ゛ーター表示が変わる。「ゆっくり・・・・停まれ!」大串から指示が出る。結果は2秒の減点。全開走行の揺れる車内での計算。大串は自分のミスをカバーした。後に計算したところ、2点の減点はボタンの押した位置の距離のズレと判明。今回の大串は今までと違っていた。そして最終ステージへ・・・・・。
 13CPと同じ林道の再走となる17CP。八田はここでもゼッケン8までのベストをとるも、後続に抜かれ7番手タイム。今井はここでもセカンドベストをとる。最終ステージを全開で駆け抜けるが、インテグラ、シビックには劣り、走りの課題は満足できずにラリーは終了。夜明けを迎えた。
                  結果・・・・・
 無事に完走し八田・佐々木シビックは8位。今井・大串ミラージュはなんと優勝。

 優勝者の今井のコメント
 全開で走れない、走りについて最悪に近いものであった。走っていても面白くもなんとも無い。大串が淡々と計算で補正をかけ、処理を行うのに対し、ドライバーがうまく走らせることが出来ない。歯がゆくて涙が出てきた。・・・・・悔しかった。


 走りでベストタイムこそ2本だが、合計タイムでは他車より速く、またコ・ドライバー減点も合計で、他車より少なくその結果が優勝となった。そして今井にとってモータースポーツを始めて12年、ラリー参戦足掛け7年の
競技生活で初優勝となる。



 
ドライバーとコ・ドライバーのコンビネーションが問われたラリー、R-8・IMSCラリー。今井・大串が一番足りなかった部分、コンビネーションの大きな壁を、また一つ越えることが出来た。
 一方八田・佐々木はまだまだコンビネーションは今ひとつ。ドライバーの走り、コ・ドライバーの車酔いと課題を多く残すラリーとなった。
 第2戦でのシリーズポイント(全4戦)は今井・大串がポイントリーダーとなる。
 参戦車両の数だけドラマがあったラリー。来年もこのラリーで不慣れなオフィシャルが現れることを期待したいものである。


ラリー当日サービス(車両整備地点)では山口殿(全日本ラリードライバー)のアドバイスとそのご友人のサービス作業(車両整備)が今井・大串優勝と八田・佐々木の完走に貢献いたしました。ここでお礼もうしあげます。



次回新城ラリー予告 

 ここはサーキットか!?サーキット並な超高速ターマックバットルが繰り広げられる新城ラリー!TC制ラリーにより完全速さ勝負!速いものが勝者となるこのラリー。速いのは誰か?全日本ラリー選手も参戦する新城ラリーはギャラリーステージでのギャラリーを魅了する!!!
完全速さ勝負の新城ラリー2005は10月16日開催予定。




巨星没する


 今回のラリー前日の2005年7月8日、中部のモータースポーツを支え、そしてラリーの繁栄に心血を注いでいただいた、ソモスモータースポーツクラブ代表、故高橋秀徳さんがご逝去をされました。高橋さんは常にモータースポーツオフィシャルで大変お世話になっていました。
 安らかな眠りを祈るとともに、この勝利をささげ次戦へと望む
。                チーム鉄研一同