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とみながグループは、保険薬局の運営を通して、地域の皆さんがより健康であるためのお手伝いをしています。

代表ご挨拶

 当グループでは、勤務する全ての薬剤師に対し認定実務実習指導薬剤師として薬学6年制の学生を指導することの他、学校薬剤師として学校保健に係る活動に参画し児童生徒等の現在と将来を守ることを求めています。

 保険薬局で調剤や医薬品の供給を行うことは最も大切な職務ですが、加えて教育に携わることや地域の子供たちを守ることも薬剤師として大切な役割であると考えています。薬剤師法1条に「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」とあります。「その他薬事衛生を司ることによって公衆衛生の向上に寄与する」ということが、その専門性を活かして地域に貢献することに当たります。

  今回は(公)日本薬剤師会の公衆衛生委員会において危険ドラッグ乱用防止活動に携わりましたので以下、作成した文章を掲載します。

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 薬物乱用は、心と体を蝕むだけでなく、家族や友人を巻き込み、乱用者の人生を台無しにしてしまいます。米国では、違法ハーブに関連した中毒情報が年々増加し、欧州では、青少年の5%以上が危険ドラッグを使用していると報告されるようになりました。さらにインターネットの普及とネットショップの台頭により、危険ドラッグを購入するハードルは確実に低下しています。このような欧米各国の現状と日本国内でのインターネットの使用状況を考えると、日本での危険ドラッグの蔓延・乱用の増加は今後十分に予想されることです。

  私達薬剤師は、国民の信託を受け、医療人として、人権の中でもっとも基本的な個人の生命・健康の保持増進に寄与する使命を担っています。特に、公衆衛生上の薬学的、化学的知識を必要とする分野は、最も薬剤師が求められる分野です。そのような状況の中で、乱用薬物である危険ドラッグについてその蔓延を許すわけには行きません。

 すでに薬剤師は学校薬剤師として、学校における保健教育の中で薬物乱用防止教育に取り組んできました。文部科学省では、中学生及び高校生を中心に薬物乱用の有害性・危険性の啓発を継続し、特に地域の実情や児童生徒等の発達段階を踏まえ、大麻やMDMA等合成麻薬、危険ドラッグの有害性・危険性に関する指導の充実を図るなど「青少年による薬物乱用の根絶及び薬物乱用を拒絶する規範意識の向上」を目標の一つに掲げ、学校における薬物乱用防止教育を一層推進することを求めています。特に危険ドラッグについては、合法などと称して法の網をくぐり抜け乱用されている現状から、中学校及び高校といった学校教育の早い段階で、危険ドラッグの危険性について知識を伝えることが必要です。

  ただし、その知識を得ていざ大学生や大人になったとしても、世間にはさらに巧妙な薬物への誘惑や入手手段が溢れています。特に危険ドラッグについては青少年に限らずあらゆる世代に乱用されているという現実があり、どの地域においても薬物乱用の蔓延が心配されます。

  そこで、学校薬剤師だけでなく町の保険薬局も、地域に貢献する薬局として薬物乱用防止活動の拠点となることが必要です。地域で活躍する薬剤師が地域の人達に薬物乱用を防止する姿勢を示し、危険ドラッグが危険であり、どのような作用を持ち、個人や社会に悪影響を与えるかを伝え、幸せな社会を守りたいものです。


2014年10月吉日
とみながグループ代表   富永 孝治