春野銘茶    市川園
 製茶工場
製茶工場の全景
製茶工場の全景
 茶園まで上るちょうど中間あたり、小道を右に折れ20mほど下ると深
 い谷に囲まれた製茶工場が現れた。
 製茶に家内工業的なイメージを抱いていた私は、その規模の大きさに
 目を見張ると同時に、工場内の工程が全てコンピューター制御された
 完全オートメーションであることを聞き再び驚きの声を上げた。

 杉地域茶生産組合が運営する平成11年に完成したこの近代的な製
 茶工場は、全長約60m、生茶から荒茶へと製茶する一貫工場で、全
 景写真右手奥へ生茶を搬入し、7工程を経て左手前から完成品の荒
 茶となって搬出される。各工程は全てコンピューター制御により最適
 な条件で以って加工処理されるよう設計されている。

 なぜこのような近代的な加工工場が必要なのか、市川寿さんに尋ね
 てみた。
 「新茶の時期は、4月の終わり頃から約3週間が勝負。組合員の茶園
 でほぼ一斉に芽吹く茶葉が同時期に搬入される。製茶は、摘み取っ
 た茶葉をできる限り新鮮なうちに処理しすることが美味しいお茶を作る
 秘訣。同時期、大量に搬入される生茶をすばやくしかもできる限りコス
 トを抑えて処理するためにはこのような加工工場が必要となってくる。
 最盛期には、24時間ぶっ通しで加工するときもあるんだよ。」

 2003年ここで作られたお茶に、名誉ある賞が贈られた。
 第57回全国茶品評会において「農林水産大臣賞」が与えられ、その
 品質の高さが証明された。
農林大臣賞受賞の垂れ幕がかかる
2003年度農林水産大臣賞
受賞の垂れ幕がかかる

 *画像はクリックで拡大
  します。


 製茶工程のあらまし


 製茶工程の概要を機械と工程を追って説明いたします。
   *全ての画像をクリックすると、拡大画像をご覧いただくことができます。2005年5月8日撮影
生茶の搬入
生茶の搬入
 各農家より、摘み取ったばかりの生茶が続々と搬入
 されます。
生茶の投入1 生茶の投入2
投入
 軽量された生茶が投入されます。
生茶の容姿やごみの混入などを見る 生茶の成分を検査して等級を決める
検査
 高品質を保持するため協同組合員が当番で、搬入され
 た生茶を抜き取って、外観チェックと成分検査を実施し、
 それぞれの等級を決めています。
管理機 ごみ選別機
管理機 ごみ除去機
 摘み取った新鮮な生茶を蒸し器に送る前に一次的に保
 管をする所。同時期に搬入される茶葉は何百キロにも
 なります。そのままにしておくと蒸れて品質が落ちます
 ので送風と適度な攪拌をして品質を保持する機械です。
 その後、ごみ除去機を通って蒸し機に投入されます。
蒸し機 蒸し機
蒸し機
 100℃以上の蒸気で以って生茶を『深蒸し』する機械
 です。2003年度より、より余裕をもって蒸すことができ
 るよう蒸し釜がもう1台追加され2台となりました。
粗揉機 全工程管理室
粗揉機(そじゅうき)
 蒸し上がった茶葉を3段階掛けて粗揉みする機械です。
管理室
 全ての工程はこの管理室でコンピューター管理されて
 います。
揉捻機 揉捻機
揉捻機(じゅうねんき)
 揉みながら蒸しを施す機械です。
中揉機
中揉機
精揉機 精揉機
精揉機
 私たちが普段見るようなお茶のような形に、最終仕上げ
 の揉みを施す機械です。
乾燥機 乾燥機と梱包機
乾燥機
 最終的に、5〜6%の水分含有量になるように乾燥を
 する機械です。
真空梱包機
 出来上がった荒茶を空気を抜き窒素を充填して梱包す
 る機械です。

 全工程が全自動、コンピューター制御で最適な条件で加工されるよう設計されている。
 「時間が品質を左右する製茶」短期間に多くの生茶を低コストで加工処理するにはこのような工
 場が必要であることを痛感した。



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