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 スモールマウスバスは雑誌にも大きく取り上げられ、その攻略法や湖のポイントが細かく紹介されていますが、そっくりマネをしても釣れる保証はありません。「ラージの釣り方はスモールには通用しない。」などといった情報に翻弄されて、自分の得意なスタイルを見失ったことはありませんか? ここでは初めて裏磐梯を訪れる方のために、ちょっとしたヒントを紹介しています。

 ここにはソフトルアーを使った釣り方はありませんので悪しからず。

シーズンはいつ? どこが釣れるの?
タックルは何が必要? ヒットルアーは?
狙うのはどんなポイント? ボートでの魚の探し方

- 釣るならこの湖 -

 オススメは桧原湖小野川湖です。どちらも魚影は濃く、景色も非常に美しい湖です。曽原湖はフィッシングプレッシャーが高めであるということ、秋元湖は放水により水位が安定しないという理由から、特におすすめしません。
 桧原湖と小野川湖にはレンタルボートもあり、道路からアクセスできる場所もあります。ただし、道路脇の駐車スペース下にある足場の良い場所や、道路から見える流れ込み周辺は攻められていますが...。
 裏磐梯の湖はボート釣りが圧倒的に有利ですが、満水時以外はウェーディングで釣れる場所もあるのでウェーダーを用意しておいて損はありません。また、秋になると桧原湖は水位が下がるので岸釣りしやすくなります。フローターなら小野川湖か曽原湖が大きさ的に手頃でしょう。

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- ヒットルアーはその日次第 -

 当然ですが、その日のバスのコンディションより様々に変わります。基本的にはラージマウスバスと同じルアーが使えます。私が多用するのはワカサギカラーの細身のペンシルベイト、テイルフックに羽根が付いたポッパー、5〜9cmのワカサギカラーリアルミノー各種、小型サスペンドシャッド、バイブレーションプラグで、トレブルフックのサイズは#6〜10(スパスパに研ぎます)にしています。また、時としてダブルスウィッシャーやバズベイトが、6月初旬以降はハルゼミに似たルアーが効果的になります。そして、梅雨時期や透明度が落ちた場合はスピナーベイトも外せません。

スモールマウスバスのファイト

 バスプロを含め釣り場で会う人の多くは主に4インチ以下の各種ソフトルアーを使っているようですが、大物狙いの人はラバージグを多用します。気になるこれらのヒットカラーですが、スモールの胃からはピンクからウォーターメロンまで様々な色のソフトルアーが出てきます。これまでのところ、キラーカラーと言えるほどの色は特にないと思われますから、その状況下で自信のあるカラーを選択すれば良いでしょう。
 裏磐梯の湖はどこも透明度が高いので、プラグのカラーはリアルカラーを中心に揃えたほうが無難です。スモールの食性と照らし合わせてみても、ワカサギカラーだけは外せません。とは言っても大雨後やターンオーバー時には派手なカラーが有効なこともあるので注意が必要です。

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- とにかく飛ぶタックルを -

 湖にヘビーカバーがある場所は限られていますし、釣れる魚は25〜30cmのものが多いので、ライト〜ミディアムのロッドが基本となります。ルアーに合わせてスピニングとベイトが用意できればベストです。使うルアーが小型化する夏はウルトラライトのスピニングタックルも役に立ちます。ただし、飛距離が出ないタックルはダメです。透明度の高い裏磐梯の湖沼では飛ぶタックルが断然有利です。特に産卵期とその直後以外に岸から釣る場合はキャスティング精度よりも飛距離が釣果を左右しますから、最低でも25mは投げられるタックルを準備したいところです。となるとロッドは最低6.0ft、ラインは5〜10ポンドの目立たないナイロンラインが無難です。これより細いラインを使う場合はキズや結び目に細心の注意を払い、アワセ切れを避けなければなりません。胃にソフトルアーなどの異物を入れたまま生きていくのはバスにとっても苦痛のはずで、最悪の場合は死んでしまいます。バスは保護する必要のない魚ですが、無益な殺生は慎むべきでしょう。

内臓を貫通したワームフック

 フィッシングプレッシャーの高い桧原湖イカリ潟付近と曽原湖以外なら4ポンド以下のラインは必要ないと思いますし、特に初心者の方は細いラインを使うべきではありません(裏磐梯のバスは富士五湖のバスとは違います!)。細いラインでしか釣れないスレた魚を相手にするよりも、太いラインでも釣れる魚を探し出すことに精力を注ぐべきでしょう。

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- スモールマウスバス狙いならココがポイント -

 裏磐梯の湖には、多くの平地の釣り場に見られる水門や橋桁、杭、アシといったポイントはほとんどありません。このため、初心者の方は、島周り、流れ込み、岬の先端、ゴロタ石、枯れ立ち木など、誰もが見てすぐに分かる場所を攻める傾向にあります。また、ボートに乗っても岸から離れない方が少なくありません。これらはポイントとしてハズレではありませんが、当然プレッシャーは高くなるので、ソフトルアーを使ったスローな釣りをして粘る方がほとんどです(レンタルボート店から近いほど、その傾向は強いと言えます)。また、普段野池で釣っている方などは、小さな障害物や岸ギリギリに、真夏の日中はひたすら日陰にキャストし続ける傾向にあります。攻略のヒントはここに隠されています。

島 ゴロタ石 枯れ立ち木

 平均サイズ以上のスモールマウスバスを狙うのなら、小さな障害物や岸際に注目するよりも水通しの良い湖底の変化している場所(カケアガリや起伏etc)や7月なら水深4m前後にある藻を見つけること、高水温期なら適水温層を探すこと、秋はワカサギの居場所を探すことの方が重要です。裏磐梯の湖は透明度が高いので、おおむね水深10mまではスモールの棲息圏となりますから、水深5m以浅の障害物が常に1級ポイントになるとは限りません(ただし、産卵直後や急な減水時、急な水温の低下時など行動パターンの変わり目には障害物に付く場合もあるので、障害物を狙うのは全くの見当外れだというわけではありません。障害物があるに越したことはないのですが、障害物がないとスモールもいないと判断するのは早計ということです)。ですから、まずはポイントの全体像を捉えることを目的として、ラフに探ることから始めると良いでしょう。最初から細かいことに注意が向いてしまうと、泥沼にハマってしまいます。特に近くに小島があったなら、その近くには起伏がある可能性が高く、ボートの真下がポイントだったりもします。特に桧原湖南部エリアでは要注意です。
 また、散発的にポイントをつくる要因としては風が筆頭に挙げられます。6〜9月は微風ではなく湖岸に波がバシャンバシャンと打ち寄せるくらいの風ならば、日中でもトップウォーターゲームが期待できます。強風を嫌う初心者の方は多いので盲点とも言えるでしょう。ただし、湖岸が赤土の場所では水がみるみる濁りますから、そのような場所は避けたほうが無難ですし、ボートの操船にも注意が必要です。
 以上のことが頭に入ったら、その場所へ行くタイミングも考えましょう。積極的なポイント移動を体得するには、やはり上級者に同行してもらうのがベストです。

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- 魚探がなくても大丈夫(?) -

 魚探を持っている本格派の方以外は経験と勘が頼りでしょうが、裏磐梯の湖は透明度が高いので魚を直接見つけたほうが早い場合が良くあります。特に産卵期は偏光グラスをかけて水深1.5mラインを中心に見れば、産卵床から逃げて行くオスのスモールを見つけることができるでしょう。その場所から多くのヒントが得られるはずです。
 産卵期に限らず、スモールを狙う場合は砂まじりの礫地を探した方が良い結果が得られます。そのような場所は水通しが良いことを意味し、たとえ水底に障害物がなくても、スモールにとっては居心地が良いようです。特に水の色が違って見える線(水深が深くなる線=ブレイクライン)にはルアーを通してみる価値があります。流れ込みから沖へと延びる溝なども同様です。これらの条件が2つ3つと重なった場所は、高い確率で好ポイントとなります。
 7月は水深2〜4m付近に生える藻が好ポイントになります。藻は目で見て分かるポイントですが、どこでも釣れるわけではなく、やはり水通しの良い場所ほど好結果が得られます。ルアーに引っ掛かってきた藻も判断材料となり、形のハッキリしたものや色が鮮やかなものは必ず条件の良い場所に生育しています。
 この他には岸から遠く離れた場所で釣っているボートの場所を覚えておいて、そこを後から釣るという裏ワザもあります。そういう場所にはカケアガリや起伏があるのですが、それらは魚探がないと探し出せません。本格派の方に代わりに探してもらうわけです。目に見えないポイントですからフィッシングプレッシャーは当然低く、時間をおいて入れば回遊してきた群れが釣れる可能性は十分あります。特にバスボートに乗った方はポイントの移動がとても速いので丁寧に釣っていない可能性が高く、後からその場所に入ったらあっさり釣れた経験もあります。もし、桧原湖南部で釣行するならば、沖に浮かぶボートにも注意を払うと良いでしょう。

小魚の群れ バスのボイル 春ゼミ

 これまで述べた地形的要素の他に、生物的要素も大変重要です。ワカサギのライズやバス自身のライズとボイル、春ゼミの落下やカゲロウの羽化などは目で確認できる現象です。餌さえあれば場所に全く関係なく捕食するのがスモールマウスバスの特徴ですから、固定観念に捕われて岸沿いばかり見ていては、せっかくのチャンスを見過ごすことになります(実際、ボートの後ろで起こるボイルを無視して岸にルアーを投げ続ける人もいます)。特に晩夏以降はワカサギの行動を重視する必要があります。
 いずれにせよ、1カ所で粘ることはせずに広範囲に釣ってから(あるいは釣らずに魚を肉眼で探してから)的を絞り込むことが大切です。特に水位が下がっている間や気温の変化が激しい秋は魚が大きく移動することもあるので、「前日爆釣したポイントへ行ったら魚がいなかった。」ということも良くあります。そんな時のために、自信を持って投げ続けられる飛距離の出るルアーが1つは必要です。
 桧原湖等深浅図や、小野川湖深浅図も参考にしてください。

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福島県では2001年6月1日よりブラックバスとブルーギルの移植が
禁止になりました。違反すると懲役2ヶ月以内または罰金10万円

裏磐梯バスフィッシング情報 〜桧原湖とスモールマウスバス〜