haunted heart
9.10: 朝から濃いアズーリにつつまれて、空気も乾いていてすごしやすい。
3日前、重い腰を上げ5年ぶりに携帯電話を買い換えた。
これでフルブラウザ対応になり、いろいろと便利かと思ったが、まったく使い方が分からない。IT業界の5年は普通の時間の50年に匹敵すると思う。すっか り浦島状態だ。
機種変更のときに、待ち時間があったので、ブックストアで「ノーザンライツ」(星野道夫・新潮文庫)を買った。
今まで星野道夫はネイチャリストや環境保護的な論説に取り込まれがちで、なんとなく手をつけ辛かったのだが、梨木香歩のエッセイや池澤夏樹の書き物などで たびたび話題が出て読んでみる事にした。
意外と多い出版物の中でもこの本は少し変わった位置にあるような気がしてこれを買ってみた。装丁は最悪ではあるが・・・。アラスカの話ではあるのだが、自 然よりもそ の歴史が軸になっており、時間 空間ともに新鮮な旅にいざなってくれる感じである。歴史であるから、幾分客観的な書き方ということもあり、入りやすい。ぜひおすすめである。
アラスカのフロンティア時代の話は実に面白い。時代、場所ともにかなり特殊な状況だったことが分かる。星野道夫自身の捕らえ方も、まあそ うだろうとは思っていたが、環境保護的な視点はあまり強くなく、どちらかというと冷静なリアリストであるという印象のほうが強い。ただ好きなものを選んで いるだけという感じがした。幾分客観的というのはアラスカの本当に偉大な時代に、そこに居合わせられなかったという思いもあるのかもしれない。
他の本も少しづつ読んでみたいと思う。
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