haunted heart
1.24: 川崎で園子温監督の「ヒミズ」を見た。全体的にはあれしかないよな、と思った。
最後の方で住田くんが水から上がってきたときに、ああこの映画はキリストの物語だったのかと思った。
赤のドレスを着た、茶沢さんはマグダラのマリアかもしれない。
住田くんは一度死に、生きた。まだ復活したとはいえない。
本当に生きるということは、人生の中で何度も死に、生きる。茶沢さんが(正確じゃないかもしれないが)言った「住田くんは今、病気なんだよ」という意味 は、 そう いう意味でしかない。
彼女は分かっていないかもしれない。彼女は普通という幻想の住人であり、そこに再び戻ることは絶望でしかないが、やはりあれしかない とも思う。
住田くんにも誰かに助けてもらいたいという思いがある。だから何度も貸しボート屋に帰ってくる。それでも住田くんと茶沢さんの間にはみぞがあり、そこを超 えているのは愛だけでしかない。
悲しい映画だ。次こそはと思って死んでは生きるしかないのか。
だから、悲しくて、くやしくて、いらいらする。
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