4.12:
大口駅近くのカフェ・ド・クリエを利用するようになった。こざっぱりとしていて落ち着いて本が読める。最近は読む本が偏りすぎているせいか、記憶に
あるその文が、ハイデガーのだったか、ハーバマスのだったか、それともフッサールのだったか分からなくなる。まずい。こんなとろろ昆布みたいな本ばかりで
な
く、もうすこしレモネードのようなさっぱりとした本や、「暑くてめんどくさいことは考えられないな」というような本が読みたい。
キリスト教の核心である原罪論(共働と全的堕落の対立)に近づくために、「ギリシャ正教」(高橋保行著・講談社学術文庫)を読み始めた。どうやら、キリス
ト教世界のバランスを今ま
で読み違えていた。
カトリックとは別の流れがギリシャ→ローマ→ビザンチン→ロシアとあり、むしろそちらの方が伝統的で、初期キリスト教に近いらしい。ただ書いている人が日
本正教の人だということを鑑みる必要はある。またドストエフスキー
と正教の関係や、アレクサンドル・ネフスキーが聖人であることなど、いままでよく分からなかった「ロシアとはなにか」を知るうえではポイントのようだ。プ
ロコフィエフによる映画『アレクサンドル・ネフスキー』のサントラを聞いても
聖人というより英雄といった感じだった。
つまり実際には「聖人であり英雄」ということで、そのあたりイスラム世界と共通点があり、なんとも面白いように思う。 |
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