午前4時富山市浜黒崎海岸を200名が65キロ先立山.雄山山頂3003米を目差し
篝火の元、各自懐中電灯を手に常願寺川の堤防を上流へしばらく砂利道が続き
足元だけを気にしながらも、草むらや田んぼから虫の声に傾ける余裕も出て、空を
見上げれば星が瞬いており、天気が約束されたと一安心。
時々河川敷内も走り、左側に厚い雲が有るなと思いながら、次第に空が明るさを
増して来たら雲ではなく、此れから登る立山連峰であるが、何で山に向わないで
平行に行くのかと納得が行かないまま、さらに上流へ山と山の間から日に出が
見られ感動しながらも、山が前方に見えて来るのには不思議で為らなかった。
川から離れいよいよ上り坂となり、覚悟を決めたらせっかく上ったのを下り
3.4回繰り返し「立山駅」36キロ地点に7時40分頃到着、おにぎり一個とバナナで
腹ごしらえし、本格的な上りへ40名前後が通過したそうで次の関門43キロ地点
「称名滝」前が10時30分なので歩いても充分余裕だなと出発、それ程の勾配では
ないのだが歩きが多くなってしまい、何とか1時間でエ−ド到着、立山の冷水で
冷した「そうめん」2杯に「おしるこ」ナシなどを頂き、称名滝つぼから一気に
観光道路までの2.5キロ間で500米以上を登る山道に入り、途中展望台も在るが
救いで滝を眺めて一息入れ、何とか一歩一歩と登っている脇を若い女性が
風の様に通り過ぎアッという間に姿が見えなくなり、(8時間50分ほどでゴ−ル
したそうで、翌朝も3時に宿を出て雄山山頂まで登り6時半には戻ってきた。)
よれよれに成りながらも、登りきり今年から走行の危険を減らす為に木道を通る
コ-スに変わったそうだが、その木道が滑らない様に横みぞが引いてあり、溝に
つま先が引っかかり、走りにくく歩きと決め込む。53キロ地点「弥陀ヶ原」より
バス道路へ足元ばかり気にしながら歩いていたが、高度をかなり上げた様で
左側に見えてた奥大日岳が低くなりだし、更に此れから登る立山が真近に迫り
尖った剣岳も手に取る様に見えた。
G.Wでテレビに映る雪の大谷を過ぎ、標高2450米の室堂に12時5分到着
熱いおかゆ、バナナ等腹に詰め込みシュ-ズをトレイル用に履き替え、
いざ山中へと勢い込んだら、2700米の「一の越」まで遊歩道として整備され
誰でも登れるのだが、室堂まで頑張り過ぎたのか少しの坂も膝に手を乗せて
歩く始末である。
一の越からは急坂となるが、学校前の子供も登っているので、四つん這いなり
登り1時半前には到着、山頂の神社でお払いをして立山で一番高い大汝山3015米
に登る積りでいたが、ガスが架かり下界は何も見えず諦め下山となったが
富士山のように一気に下る事はできず、ひたしら足元に神経を張り詰め、やっと
一の越へ「ほっと一息」やっとお花畑を見る余裕ができリンドウやヨツバシオガマが
盛りの様でチングルマの実が風に揺れていた。
荷物を受け取り、今夜の宿となる300名以上も泊れる「雷鳥荘」へ一度50米を
下り再度登りやっと宿へ日本で一番標高の高い温泉で疲れを取り、夕食後
完走パ-テイが開催、飲食物など下界よりかなり割高になっているので、
予算内での苦肉の策であろう、それでも飲み物は充分であった。
北海道や宮城県からの参加者が居たが、前回貰った人は外され私が遠来賞を
頂いき、さらに抽選会でも当り二重に頂いた。
今回のトップは7時間30分前後で私も9時間30分前後でゴ−ル40番以内に
入ったのでは。また今年から立山駅から約30キロウォ-クの部が6時スタ−トに
32名が参加した。 アテネオリンピックも閉会し野口みずき選手がパナシナイコ
競技場に入って来た時にわたしも、同競技場内を同じ様に走ったのを思い出し
感動もひとしおでした、更に今回のマラニックで一緒にギリシャに行った
香川県の人と会う事が出来きた、今年もスパルタスロンに行くそうである。
出来たら私も来年と思ったが無理だろう。

●平成16年8月28日(土)  第7回立山登山マラニック     守信夫