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寄稿 |
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2004年12月12日、NHKスペシャル「不信の連鎖 水俣病は終わらない」が放映されたその翌日、環境省の窓口部長ら幹部が関西水俣病訴訟の初代原告団長の故岩本夏義・愛子夫妻の仏壇に頭を垂れた。その一部始終を支援者の山中由紀さんがレポート、寄稿してくれた。厳しい現実にも極力明るく生きている患者原告の人たちの姿がイキイキと描かれており、さながら“パロディ風実録”とでも言おうか………。
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実録・“環境省がやって来た♪”
岩本初代原告団長夫妻の仏前に謝罪に
「遅きに失した」「来ないよりまし」………こもごもの声
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山中由紀 |
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夏義さんと愛子さんにお焼香する部長。
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小笹恵さんに頭を下げる部長
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夏義さんの日記を手にとって読む部長と、後ろから覗き込む室長。手前の3人は原告。
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「職員一同の思いです」と持ってこられた羊羹。ちなみに、恵さんの好物はお饅頭。私は煎餅
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部長さんが帰った後、マスコミの取材を受ける恵さん。 |
こんにちは。お元気ですか??!
NHKスペシャル「不信の連鎖 水俣病は終わらない」が放映された翌日、環境省の部長さんと室長さんが、初代原告団長・岩本夏義&愛子夫妻の仏壇前に登場しました。
「もっと早く来てほしかった…」「本来なら、こちらが提案しなくても、そちらから自発的に来るのが筋」とは言え、11月24日の環境省と交渉の終わり際に思い切って小笹恵さん(岩本さんの長女)が主張したことで実現した、官僚による焼香。恵さんだけでなく、坂本美代子さんはもちろん、普段はおとなしい森ミスカさん(岩本さんと同郷、78歳)や杉山多美子さん(岩本さんの姪)まで、泣きながら口々に―
「もっと早く来てほしかった…」
「本来なら、こちらが提案しなくても、そちらから自発的に来るのが筋」
「夏義さんが、一番苦労した」
「本来なら、ここに一番先に焼香に来るべき」
「(亡くなった時から)ずっとお待ちしていました」
「ここから近くの病院に行くとき、すぐ近くなのに、あっちフラフラ、こっちフラフラ歩いていたから、時間が掛かる。一緒に行くと怒るから、離れて付いて行った家族の気持ちを考えてみてほしい」
「川本文子さんと荒木多賀雄さんも、ここに来たかったけれど、体がしんどくて今日は来れなかった」
「医療費だけでは生活費に困るから、行政認定してほしい」
「せっかく裁判が終わったのだから、これからは安らかな生活を送らせてほしい」
「死に損にならないように、死んだ人のことも忘れないで」
「今日の謝罪が、これからの第一歩です」
「水俣病患者だと認定してください」
―と語り掛けたのでした(ゆっくりだけど、よー、しゃべる、しゃべる…♪)。
認定されれば、医療費と年金(国民年金程度ですが)が出て、少しは安定した生活が過ごせます。それに、認定されると、補償金欲しさのニセ患者というレッテルを剥がせます。行政による患者認定、これだけは譲れないのです。
そして、夏義さんの日記を「読んでみてください」と見せたところ、部長は意外にきちんと読んでくれた感じで、恵さんたちも後で喜んでいました。室長は部長の後ろから覗き込んでいました。提訴4年目の頃の、団長としての赤裸々な心情が述べてある部分を開けて渡したのですが、まぁ良かったかな。夏義さんは字が上手とはいえ書字障害のため読みにくいので、最初はギョッとしたはず。これで少しでも原告に“人間味”を感じてもらえれば良いナ〜♪
環境大臣の小池百合子さんは、謝罪下手で、謝罪しても「誠意が感じられない」と水俣病関係ではブーイングを浴び続けているのですが、今回の部長さんは、そういう意味では謝罪上手(?)というか、「誠意がない」などと言われてしまう「隙」はありませんでした。ちなみに室長さんは、なかなかハンサムなのに髪が跳ねてました。部長さんの顔は、ブルドッグ!
下手糞な謝罪をされると、原告達の心をかえってかき乱すことになるので、その点だけは本当にホッとしました(涙)。
最初のマスコミが来たのが朝10時で、部長さん達の到着が11時50分。室内にはテレビ局が5つに新聞社が2つ、入りきれなかったところは玄関の外でワイワイ(詳細不明)。
部長さんたちのお帰りが0時40分頃で、そのあとは各社の取材が続き、仏壇の前で恵さんは同じような返事を反復。美代子さんたちも取材され、最後のマスコミさんが帰ったのが午後3時頃。その間、多美子さん差し入れのドーナツも食べましたが、「おなか減ったねぇ」ということで、出前を取って、皆で醤油ラーメンをすすったのでした。
以下は丸秘公開☆ラーメン中の会話………。
私「掃除したの?」
恵「仏壇だけな」
美代子「あんた、私の足をよう突っついてたけど、なんやったん?」
恵「私、足が痺れたのに、いっぱい喋って、なかなか終わらんから」
美代子「言うべきことは言わなあかんと思ったんやけど」
恵「足がしびれたから、早く帰ってもらいたいのに」
美代子「あんたが喋ることあるから、早く終われと催促してるのかと思った」
恵「ちゃうよ〜」
………全員爆笑。
まぁこんな感じで、なんだかんだと大笑いして過ごしています。
恵さんは、スーパーで天麩羅をあげるパートさんをしてます。週末は朝から晩までパートなので、とても掃除どころではなかったのでした。なお、天麩羅の油を熱く感じないため、普通の人より効率的に作ることができて、大活躍中なのでした!
感覚鈍磨? 後で水ぶくれはできるらしい。普通じゃないですよね〜、いくらなんでも…。でも、足は太ももまで痺れたそうで、部長をお見送りするときは、這ってました〜。
恵さんからは「恥ずかしいから、来んといて」と言われつつ、木野茂先生共々10時40分から4時50分頃まで、仏壇の前に居続けた山中由紀でした。
夕方の毎日放送(TBS系)で3分弱ほどのニュースになっていました。今日の光景だけでなく、夏義さんの声や姿も出てきました。朝日系のテレメンタリーでも夏義さんが多発していて、とっても懐かしかったです(涙)。
夏義さんの足の裏をコショコショしたところ、「こそばくないけど、何かしてるのは分かる。やめ〜」と言われたものでした(笑)。
朝晩の冷え込みがきつくなりました。風邪にはご用心を!! ではでは〜♪
*山中 由紀 http://homepage2.nifty.com/yukidon/
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