![]() (C)Copyright Gianluca Toshi 1999-2008
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STRAWBS【1969 A&M】 | |
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彼らの記念すべき正式デビュー盤。(これ以前にサンディ・デニーを加えての『All Our Own Work』を発表してはいますが・・・。)待望の本作は2000年6月にSi-Wanレーベルより晴れてCDとして再発されました。
Gaz Dudgeonのプロデュースによってそれまでのシンプルなフォーク路線からちょっぴり脱皮した粋なアレンジのフォークロック・サウンドがいっぱいの完成度の高いアルバムです。
「The Man Who Called Himself Jesus」でアルバムはスタートしますが、力強いカズンズのヴォーカルのバックにはジョン・ポール・ジョーンズやニッキー・ホプキンスがサポートし、いかにもこれがフォークロックだというようなオーソドックスなサウンドを聴かせてくれます。「That Which Once Was Mine」、「All The Little Ladies」、「Pieces Of 79 And 15」と、カズンズとトニー・フーパーの優しい歌声と繊細なギターによる美しいメロディーが続きます。カズンズの歌声は少々抑えぎみでありますが一方フーパーは若々しく透き通るような高音を披露してくれて、二人のハーモニーも絶妙です。 「Tell Me What You In Me」は名曲といっても良いでしょう!アラビアン・バンドをバックに中近東風の雰囲気で楽しませてくれます。 この曲はずっと後の『Ringing Down The Years』でリメイクされているほどですから、カズンズお気に入りの曲なのではないかと思います。当然僕にとっても大好きな曲のひとつです。 カズンズとフーパーの共作である「Oh How She Changed」はオーケストレーションも手伝ってドラマティックな展開を見せてくれます。 本作は佳曲揃いでたいへんすばらしいのですが、中でも「Where Is This Dream Of Your Youth」は、あのリック・ウェイクマンのすばらしいオルガンをフィーチャーした『骨董品』でのライヴ・パフォーマンスのオリジナル・バージョンであり、ここではニッキー・ホプキンスのちょっとファンキーに奏でるピアノが聴き処です。 「Where Am I ?/I'll Show You Where To Sleep」は、オリジナルの「I'll Show You Where To Sleep」のテンポを速めて新たに「Where Am I ?」とミックスして作り直したらしいですね。 最後を飾る大作「The Battle」を聴き終えた時、あなたはSTRAWBS及びデイヴ・カズンズの魅力がストレートに伝わってきて、彼ら独自の世界に引き込まれてしまうでしょう。 ところで、てっきりデイヴ・カズンズ本人であると信じて疑わなかった「The Man Who Called Himself Jesus」のオープニングのナレーションは、実は全くの別人で俳優のリチャード・ウィルソンという方の声だそうです。それにしてもよく似てますね。 また、本作のライナーノーツはあのSTRAWBS WEBのDick Greener氏が担当しています。 【2000.7.1 改訂】 | |
Dragonfly【1970 A&M】 | |
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このセカンドアルバムはファーストとは打って変ってシンプルなフォークソングのアルバムとなっています。
オーケストレーションもなく、ゲストミュージシャンは、Sadler's Wells Orchestraのチェロ奏者のクレア・デニス、そしてリック・ウェイクマンです。
クレア・デニスは後の『Ghosts』にも参加し彼らのスタイルに欠かせないアーティストの一人です。リックはプロデューサーのトニー・ヴィスコンティによって見出され、このアルバムにゲスト出演したのをきっかけに次作から正式参加となるのです。 全体的な雰囲気は、ブリティッシュ・フォーク然とした優しさに満ちた繊細なメロディーの佳曲ばかりで心が和みます。カズンズの本領発揮とも言える囁くような歌声にのせてフーパーのコーラスが重なって味わい深いアルバムに仕上がっています。 実はこのアルバムは、1999年10月に再発されました。98年に再発された『骨董品』以降のデジタル・リマスター盤に遅れること1年、韓国のSi−Wanレーベルからついにリリースされたわけです。 (何故に今まで再発されなかったのか不思議なくらいの名盤なのですが。) 「The Weary Song」はロン・チェスターマンの流れるようなウッドベースとギターサウンドに乗せてカズンズとフーパーのハーモニーが美しく、「I Turned My Face Into The Wind」ではクレア・デニスのチェロによってより一層曲の味わいが増しています。 圧巻は「The Vision Of The Lady Of The Lake」です。プログレッシヴなフォークの真髄とでも言うのでしょうか、シンプルなメロディーラインの中に、曲の進行と共にたたみかけるようなカズンズの力強い歌声、バックのリック・ウェイクマンのさりげないキーボード等によって感動すら覚えます。 僕は、この『Dragonfly』とファーストアルバムを比較すると、この『Dragonfly』こそ、正に彼らが望んでいたスタイルをそのまま素直に表現している一枚なのじゃないかなーと思います。 ウッドベースに生ギター、そしてカズンズとフーパーのコーラス・・・これだけで充分に味わい深い音楽となって聴く者へ共感を与えるのです。この後、エレクトリックの方向へとどんどん進化してゆくSTRAWBSですが、息抜きにこの『Dragonfly』聴くことが一服の清涼剤となるのは間違いないでしょうし、こういうスタイルが彼らの原点であったのだな〜と今更ながら感激しながら聴いてしまうのです。 【18.10.1999 改訂】 | |
Just A Collection Of Antiques And Curios【1970 A&M】 | |
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Rick Wakemanが正式加入後初のこのアルバムはクイーン・エリザベス・ホールにおけるライブを収録したものです。それも「Where Is This Dream Of Your Youth」以外は全て新曲という快挙です。 前作の“DRAGONFLY”からゲストミュージシャンとしてプレイしていたリックですが、このアルバムでは彼を全面的にフィーチャーした曲も多く、彼のほとばしる才能は聴く者への充分なインパクトを与えてくれるのです。 当時のSTRAWBSはトラディショナルな流れの中に独自の詩の世界でスパイスを利かせたまさにブリティッシュ・フォークそのものでした。カズンズ独特のクセのある歌声と重く憂いのあるメロディーライン。アコースティックな響きの中にひときわ冴え渡るきらびやかなリックのオルガンとピアノの斬新なアレンジ。こんな雰囲気で聴衆をぐんぐん惹きつけてゆくのです。 幸いなことに、カズンズを含めたメンバーが若いリックに対して自由にプレイをさせている・・・、そんなおおらかさとメンバーの信頼感をこのライブで感じ取ることが出来ます。 1曲目の「Martin Luther King's Dream」は正式デビュー前の収録を収めた“PRESERVES UNCANNED”でも聴くことが出来る、かなり古い曲です。「Antique Suite」、カズンズお得意の組曲はこの時代に端を発していたのです。次の「Temperament of Mind」、これは唯一のリックの作曲であり彼の素晴らしいテクニックとセンスが存分に発揮され聴衆も一緒に楽しんでいます。まさに“YES”に加入し大活躍する“Rick Wakeman”の原点を垣間見ることが出来るような、満足感いっぱいの曲です。 「Fingertips」はナイーブなカズンズのボーカルにシタールの音色が独特の雰囲気を醸し出しており、こういう作風は彼らの得意とするところだと思います。 やはりリックのピアノは素敵だなと感じさせる「Song of A Sad Little Girl」を聴き終えると、このアルバムのエンディングを飾るにふさわしい大作、「Where Is This Dream Of Your Youth」です。この曲は1stアルバム、遡れば“PRESERVES UNCANNED”にも収録されていた名曲ですが、ここでもリックのオルガンが前面にアピールされ、長い間奏ではまさしくリックの独壇場といっていいほど素晴らしいアレンジとセンスに心奪われます。 この時代のフォーク・バンドのコンサートというものは今とは比較にならないほど聴衆がおとなしく、拍手だけでのコミュニケーションがほとんどでしたが、このライブを体験した聴衆には、最後の曲を聴き終わった時の声援に満足感を噛み締めたような素直な反応があり、またこうしてアルバムとしての録音を聴いている私達にもその興奮がダイレクトに伝わってきてたいへん満足できるアルバムです。 | |
From The Witchwood【1971 A&M】 | |
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邦題「魔女の森から」とタイトルされたこのアルバムが彼らの日本デビュー盤となります。 本国デビュー盤から数えると4作目にあたるわけですが、彼らのこれまでのアルバムの中ではかなり宗教色が濃く、詩はもちろん音自体もダルシマー、シタール、ハープシコードなどを使用していることでより一層その雰囲気を醸し出しています。 一曲目はリックの優しいオルガンで始まる「A Glimpse Of Heaven」、ダルシマーの調べが心に染みる「Witchwood」(リックがめずらしくクラリネットを演奏しています)。この2曲を聴いただけでそこはもうStrawbsの世界です。カズンズの曲はもちろん素晴らしいのですがこのアルバムではJohn FordとRichard Hudson作曲によるものも収録されています。それでも全体の曲の構成はスムーズでアルバムコンセプトはしっかりと守られています。 どちらかと言えばリックのキーボードが注目を浴びてしまったこの時代のStrawbsでしたが、このアルバムのしっかりとした作り、そしてカズンズ、ハドソン・フォードそれぞれの織り成す“英国の翳り”が表現された楽曲こそしっかりと認識されるべきなのです。 このアルバムが、アルバム毎に成長する(いわゆるプログレッシヴに)Strawbsの出発点であるといっても過言ではありません。特に「The Shepherd's Song」のようにブリティッシュ・トラッドをベースとしながらもいろいろな音楽要素を採り入れたアレンジは出色の出来栄えです。カズンズのヴォーカルにかぶってくる、さすがにリックだなと思わせる隙のないキーボードなどからもその進歩的な試みを(当時においての)窺い知ることが出来ます。 リック・ウェイクマンの華麗なキーボードが聴ける最後のアルバムとして大変価値のある一枚ですが、そんなことに囚われずにカズンズの基本的な音楽感及び彼らの全体像をしっかりと受け止められる絶好のアルバムであるのです。 尚、当時の国内LP盤のジャケットは↓です。 ![]() 【17.01.2004 改訂】 | |
Grave New World【1972 A&M】 | |
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その素晴らしいキーボードプレイで絶賛されたRick WakemanがYESに加入した後、Blue Weaverを加えて発表されたのが、「Grave New World」です。 リックの自由奔放なプレイはそれだけで彼らの音楽の基盤に重要な味付けをして聴く者にアピールしてきましたが、このアルバムでのBlue Weaverのキーボードは全体的なバランスを重視した曲構成の中で緻密なアレンジを施して充分に楽しませてくれます。特にメロトロンの織り成す荘厳さがアルバムのテーマにも充分に活かされています。 一曲目の「Benedictus」でこのアルバムの宗教色の濃さを感じ取ることが出来ます。カズンズのエレクトリック・ダルシマー(このアルバムでは全体的にエレクトリックな方向性を強め、使用する楽器にもそれは表れています。)がアクセントとなり、ウィーバーのメロトロンもしっかりと曲をサポートしています。 「Heavy Disguise」はジョン・フォードの自作自演で、ロバート・カービー・シルバー・バンドがバックに加わっています。この曲、後のライブではアコースティック・ギターのみでHUDSON-FORDのコンビにおける名演が聴かれます。 「New World」がこのアルバムのメインとなる曲でしょう。メロトロンを前面に押し出した重厚なアレンジにカズンズの少々おどろおどろしい(?)ボーカルを乗せたこの曲は、後々、よりハード&ヘビーに変化して行く彼らの原点を思わせる名曲です。「Tomorrow」においてカズンズはエレクトリック・ギターに持ち変えて、よりハードなアレンジを楽しんでいます。(この曲は唯一のメンバー全員の共作です。) カズンズが朗々と歌い上げている「Is It Today,Lord?」はハドソンの作曲で、彼の得意とするシタールとトニーのオートハープがより一層雰囲気を醸し出し味わい深い曲に仕上がっています。そしてピアノが美しい最後の曲「The Journey's End」へとスムーズに流れて幕を閉じます。この曲、ウィーバーとカズンズの共作ですが、次のアルバム「Bursting At The Seams」でのラストを飾る「Thank You」に通じるものがあります。 詩の内容はもちろん、それぞれの曲の邦題、またジャケットやライナー等においてもすべてが宗教的であり、音自体も前作以上に重厚さと荘厳さをを増しています。フォークのジャンルではめずらしくコンセプトをしっかり意識して作りあげられた、まさにストローブス・ワールドが確立されたといえるアルバムです。 | |
Bursting At The Seams【1973 A&M】 | |
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Tony Hooper脱退後に加入した、Dave Lambertのフレッシュな魅力、それによってロック寄りに変化したサウンド。またシングルヒットを2曲も輩出したアルバム・・・と、いろいろな意味で話題性に溢れたアルバムです。 それでも当時のステージでは、あくまでも彼らに対して“フォーク・バンド”の方向性を強いる熱心なファンからはブーイングが起こったと聞きます。それだけ知名度も増してきた時期だったのでしょう。 最初は、何か今一つ物足りなさを感じましたが、聴き込むほどにそれぞれの完成された曲作りにうなってしまった・・・というのが正直な感想です。 それでは全ての曲を順を追って解説して行きましょう。 繊細なメロディーをモダンなアレンジで聴かせる「Flying」、カズンズのバンジョーがほのかな隠し味となって魅力的な作品に仕上がっています。 「Lady Fuschia」はHudson-Fordによるトラッドな雰囲気いっぱいの佳作です。バックのシタールが彼ららしさをアピールしています。 なんといっても次の2曲がこのアルバムのハイライトであると思うのですが、いかがでしょうか? 「Down By The Sea」はカズンズの持ち味である“憂い”が充分に発揮された導入部から、一転してパワフルなランバートのヴォーカルとエレクトリック・ギターの艶やかなリフでドラマティックに展開するメロディーは、まさしくより一層ロックの方向に突き進むスタイルを確立しつつあることを伺わせるには充分です。 「The River」もナイーブなカズンズのヴォーカルが心を打つ名曲です。 この2曲の順序は入れ替えられたらしいです。なるほどライブでもベスト盤の“Halcyon Days”でもアルバムの曲順とは逆に演奏されています。 いわゆる彼らの代表ヒット曲である「Part Of The Union」、これなら知っているという方は多いですね。 「Tears And Pavan」は二人のギターのかけあいがすばらしくお得意の組曲として完成度の高い名曲です。 「The Winter And The Summer」は唯一のランバート作ですが、彼の表現力もバンドの作風に大変よくマッチしており好きなメロディーラインです。エンディングからあの「Lay Down」のギターイントロに移るさりげない雰囲気がとても美しく響いてきます。僕は曲の後半から絡んでくるウィーバーのメロトロンが華やかで大変気に入っています。 カズンズの豊かな愛情、暖かみを感じさせながらアルバムは「Thank You」で幕を閉じます。 非常に丁寧な作りでいつ聴いても心に残る代表作であり、また、現在の活動においてもいわゆる“BURSTIG AT THE SEAMS BAND”というネーミングまでもたらし歴史を刻んだこのアルバムは僕の推薦盤です。 | |
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