![]() (C)Copyright Gianluca Toshi 1999-2008
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The Broken Hearted Bride【WITCHWOOD WMCD2044】 | |
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2008年、待望の新作は5人体制のエレクトリック・バンドによるスタジオ録音で、これは4年ぶりとなります。
本作品は集大成のお宝DVDボックス「A Taste Of Strawbs」同様、ライナーノーツにはオフィシャル・サイトからオーダーしたファンたちの名入りによってまたしても胸躍る期待のアルバムです。同時に、本作予約者にはD・カズンズのソロ・ライヴ盤"Duochrome"がおまけで付いてくるという力の入れようです。 さて、今回のヒーロー&ヒロイン・バンド、果たしてどんな音を聴かせてくれるのか?とワクワク感でいっぱいなのですが、手に取ったジャケットは印刷が少々チープで、さすがはインディー・レーベル。まぁ、前置きはこれくらいにして実際に聴いてみますと・・・。 これは、英国ロック・サウンドめいっぱいの往年のストローブス・サウンドではありませんか!いや、今までの彼らのサウンドの中でも最もヘヴィで「英国の翳り」を感じさせてくれる大力作ではないですか! それではまず1曲目の"Call To Action"。05年のD・カズンズとコニー・コンラッドとのコラボ・アルバムにも収録されたプログレッシヴに押しまくるロックサウンドです。ランバートのギターリフと重厚なリズムセクション、そしてゲストのイアン・カトラーの物悲しいフィドル・サウンドで繰り広げられるイントロ。そしてカズンズの鬼気迫るリード・ヴォーカルが入るとそこはかつてのストローブスというよりか、今まで以上によりヘヴィに迫ってくるサウンドです。"Christmas Cheer(Everything's Going To Be Alright)"はランバートのノリの良いギターリフとチャスの押しの強いタイトなベースが魅力的。次の"Too Many Angels"は一転してカズンズのヴォーカルが前に出たポップ曲でホウケンのキーボードが優しく寄り添っています。さて次のタイトル曲"The Broken Hearted Bride"がまず最初のハイライトでしょう。小気味よいランバートのギターが冴えわたり、カズンズの控え目ながらも相変わらず説得力のあるヴォーカルが特徴です。"Shadowland"はランバートのソロ作"Work in Progress"に収録されたもののリメイクで、近年彼はなかなか味わい深い作品を多く手がけていますが、本作品はまさに彼の代表曲となり得るような曲で、ホウケンのピアノとランバートのギター・ソロ!これに尽きる、まさに聴かせ処の多い名曲ですね。 さて、B面(勝手にアナログ盤化しちゃいました! 笑)の 一曲目"Through Aphrodite's Eyes"はなかなか上出来の大作。メンバーそれぞれの奏でる楽器の相乗効果にて荘厳なサウンドが作り上げられています。いかにもホウケンらしいピアノ・フレーズがうれしい"Deep In The Darkest Night"。そして"You Know As Well As I"はランバート作の軽快なナンバー。スティール・ドラムのサウンドは本物かな?"Everybody Knows"はアコースティック・ストローブスのメンバーとしても、またアルバム制作時のマスタリングなどにおいても活躍中のチャス・クロンクの作品。以前はカズンズとの共作にて多くの作品を発表していたのですが、最近はどうなのでしょうか。もっと彼の作品を聴きたいですね。"Action Replay"はそのタイトル通り"Call To Action"のリプレイで、インスト曲。 さて"We'll Meet Again Sometime"はあの名盤「Two Weeks Last Summer」に収録されたカズンズの作品。おそらくこの作品で引退するジョン・ホウケンへに贈る曲?というところなのでしょうが、とりわけ最後を飾るこの曲の構成といったら、たんなるフォークロックの作品というだけの捉え方では収まらない、何か奥の深い部分が存在するように思えるような構成の素晴らしさ。特に後半のコーラス部分は特筆に値するアレンジだと思います。レトロ・トラックとあるように他の曲とは一線を画するリメイク作品なのですが、この曲に対するカズンズの特別な想い入れが感じ取れるのであります。 さぁ、全曲通して聴き倒しましたが、結論的に云えば本作は近年のストローブス作品の中では最高傑作といっても過言ではありません。プロデューサーのChris Tsangaridesの手腕による完成度の高い「英国ロックの森」的サウンドをベースに、息のぴったり合った5人による英国フォーク&ロックの真髄をまざまざと見せつけてくれました。 音楽界を引退するジョン・ホウケン。その花道を飾るに相応しいヒーロー&ヒロイン・バンドによる08年の大傑作でした。 [2008.09.21] | |
Secret Paths / Dave Cousins【WITCHWOOD WMCD2042】 | |
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2008年のデイヴ・カズンズのソロ作でアメリカ・ツアー用に発表した作品。今回はペダル・スティール奏者であるメルヴィン・ダフィーの流麗なるスティール・ギターをバックにカズンズの若々しく、シンプルながらも力強いヴォーカルを楽しむことができる素敵なアルバムに仕上がっています。 新作および他人の作品が一曲ずつ。それ以外はストローブス時代のものばかりで、ファンなら誰もが知っている曲が勢ぞろい。 バックに寄り添うスティール・ギターも程よく、カズンズの歳を感じさせない力強く優しい歌声を前面にフィーチャーした、ヴォーカル・アルバムというスタイルで全曲一気に聴かせます。 まず1曲目はふたりのアコースティック・ギターのイントロで始まる"Song of A Sad Little Girl"。カズンズの元気が聴こえてきただけで感激です。程よく響き渡るバックのスティール・ギターも違和感がありません。 次はここでの唯一の新作"Plainsong"ですが、シンプルな構成の曲調にマッチした浮遊感漂うペダル・スティールとカズンズの囁き声がブレンドされて心地よい雰囲気を醸し出しています。なかなかよい曲ですね。次の"The Shepherd's Song"は僕の大好きな曲。さてどんなアレンジで来るかな?と思って聴いてみるとこれがなかなかの出来上がり。カズンズの力強いギターのストロークにペダル・スティールは本当によくマッチしており、オリジナルの雰囲気を壊さずにプログレッシブ・フォーク的なサウンドで迫ってきます。"I Turned My Face Into The Wind"、こちらもオリジナルの良さをそのまま活かした様なさりげないアレンジ。といってもカズンズの弾き語りに控えめに寄り添うスティール・ギターの音色は透明感でいっぱい。 "Ringing Down The Years"はご存知のとおり故サンディ・デニーに捧げる歌。オリジナルよりもこちらのほうが好きです。カントリー・ソング風の曲調にスティール・ギターがとってもよく似合います。 "Josephine For Better Or For Worse"は曲自体の完成度が高いとシンプルなアレンジでも聴くに耐えるというか、却ってシンプルなほうが曲の持つ雰囲気を素直に表わせるというか・・・。"Canada"、この曲はあのボックスセット"A Taste Of The Strawbs"にて初めてお目見えしたカズンズのカナダへの想いを歌った曲。このアルバムの中でも好きな曲のひとつです。 "How I Need You Now"この曲もかなり旧いですが、やはりこういうギターでの弾き語り形式がもっともよく似合う曲であるとも言えますね。たおやかなメロディの流れに乗せてカズンズが気持ちよく歌う"I'll Show You Where To Sleep"。そして、まさにこの二人のユニット結成のために書かれたような"Beat The Retreat"は"Ringing Down The Years"と同様、アメリカン・カントリー・ミュージック風。そして最後の曲はあのマレーネ・ディートリッヒが歌った"Falling In Love Again"という曲。オールドタイミーな曲はカズンズのお好みなのでしょうか? さて、アコースティック及びエレクトリック双方のストローブス、そしてそれぞれのメンバーのソロ活動もかなり充実している昨今ですが、やはり親分のデイヴ・カズンズがこうして精力的に先頭きってステージに、スタジオに顔を出していることが嬉しくてなりません。これからも息の長いアーティストとして活躍してくれることを心から願っています。 [2008.05.06] | |
Live at The Calderone,New York '75【WITCHWOOD WMCD2041】 | |
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Witchwood Mediaからまたしても貴重なライブ音源の発表! 本作品は75年にニューヨークはカルドロン・コンサート・ホールにて行ったライブの模様を編集した作品です。
いわゆる「骨董品期」のライブやヒーロー&ヒロイン・バンドのライブ音源は結構CD化されていたりしますが、この作品はいわゆるジョン・ホウケン脱退後の「Nomadness」期の4人体制になってしまった時期のものであります。この時期カズンズは自分達のフォークロック・サウンドには不可欠であったキーボーディストの存在において、ホウケンが抜けたことによって若干の不安を感じながらのレコーディングに入っていったと思われます。僕自身当時"Nomadness"を入手したときに、彼らの今後がちょっぴり心配になったくらいですから。
何が理由なのかわかりませんが"Nomadness"自体いまだ正規CDも発売されず、またその時期のライブ音源については本邦初公開なのでありますから、興味がそそられるのは言うまでもありません。 なるほど、4人体制+ジョン・ミーリング(ジャズ畑出身でそのスジでは結構有名人らしい)とロバート・カービー(今更説明はいりませんね)はゲスト・ミュージシャンという扱いではありますが、思っていた以上に貢献度は大きく不安は吹き飛びます。 さてそれでは収録曲を聴いてみましょう。まず、どういう意図かわわかりませんがオープニングはテープによる"Still Small Voice" 。そして今まで聴いた"Ghosts"のライブ録音ではおそらくこの録音がトータル的には一番出来が良いのではないでしょうか。ただしランバートのギターソロが暴走して納まりつかなくなってミストーンの連発に残念!という部分もありますが・・・。次の"Autumn組曲"の出来も納得。特にR・カービーのメロトロンが味わい深いサウンドを醸し出しています。ランバート&カズンズのツイン・ギターもなかなかです。さて、楽しみにしていた"Nomadness"からの選曲はまず"Hanging In The Gallery"ですが、カズンズのアコースティック・ギターの弾き語りで始まり、サビのランバートの伸びのあるE・ギターは特に素晴らしいです。次の"The Promised Land"も大好きな曲。初めて聴くイントロからカズンズ&ランバートの掛け合いによるヴォーカルは絶好調!本作品のベストテイクでしょう。次の、今まで聴いたライブ録音のなかでも一番へヴィーに仕上がった"New World"も最高。アルバム「Ghosts」からの"Lemon Pie"と"Remembering〜You & I"はJ・ホウケン不在を忘れてしまうほど出来の良い仕上がりで不安はまったくありません。"Out In The Cold"〜"Round & Round"はライブ定番の曲。次に来るのはぼくの大好きな曲のひとつ"The Life Auction"ですが、こちらも相当ハードな出来上がりで特にランバートのギター・リフとR・カービーのメロトロンが大爆発で大変魅力的!"To Be Free"はこうして聴いてみるとまさにライブ向きの曲で、カズンズはとっても気持ちよく歌ってます。さて最後の曲、これまた定番の"Hero & Heroine"でありますが、とってもパワフルで今まで聴いたこの曲の演奏の中では最高の出来であると思います。 こうして聴いてみますと、当時のJ・ホウケン脱退後の彼らにとって結果的には一抹の不安もありませんね。イギリス本国を離れアメリカを本拠地としてツアーを開始したストローブス。この時期にメンバーの異動があったのは大変辛かったのだろうけど、それでもツイン・キーボードの助っ人のおかげで乗り切った彼らに拍手です。アメリカ&カナダでチャートインを果たし、バンドとして一番脂の乗った時期のライブはやっぱり圧倒されてしまいます。録音状態は中の上くらい。しかしながら何度も云いますがNomadness期の作品が聴けるのが本当にうれしいし、そして一日も早い"Nomadness"の正規CD化を望む今日この頃なのであります。 [2007.11.11] | |
The Boy In The Sailor Suit / Dave Cousins【WITCHWOOD WMCD2040】 | |
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カズンズの07年新作はチャス・クロンクやミラー・アンダーソンらの協力による"ブルー・エンジェル・オーケストラ"を率いたソロアルバムで、また新たなユニットでのチャレンジです。チャスはエレクトリック&アコースティック両面において今では欠かせないメンバー。ミラー・アンダーソンは元キーフ・ハートレイ・バンドのギタリストで、カズンズのソロ"Two Weeks Last Summer"での客演(特に"Blue Angel"でのE・ギターソロが光ります)以来の長いつきあいです。そしてフィドルにはイアン・カトラー、ドラムスにクリス・ハント。この4名にクリス・ボール(ピアノ)、トニー・アットウッド(オルガン)そしてエリザベス&フランシス・トップヒル(バッキング・コーラス)らのスペシャル・ゲストを加えた構成となっています。 カズンズおよびストローブスの精力的な活動が目立つこの頃ですが、特にこのアルバムにおけるカズンズの歌声の若々しいこと!近年の彼のアルバムの中でもベストと言えるくらい瑞々しくも若い歌声を堪能できること間違いなし。 オープニングはフィドルの流麗な響きが印象的な"Never Take Sweets From A Stranger"。軽快なフォークロック曲にひと際冴えるミラー・アンダーソンのギター・リフ&ソロが目立ちます。次の"Mellow Moon"はゆったりと身をまかせながら聴けるムーディーな曲。おそらくカズンズ自身が爪弾くギターとそれに絡むフィドルが優しく伝わる"The Smile You Left Behind"はオーソドックスな弾き語りのフォーク曲。 ライトなフォーク・ロック調の"Calling Out My Name"は甘酸っぱいフィメール・コーラスが彩を添え、サビの部分ではまたしてもミラーの艶やかなギター・ソロ。一転してハードなギターが炸裂するブギー調の"Mother Luck"。ここでもカズンズの老いはまったく感じられません。ほのぼのとしたイントロで始まる"Wish You Were Here"はカズンズの穏やかで優しい歌声が和みます。 "Skip To My Lou"のイントロはフィドルとリズムが力強くノリもよいトラッド・ロック調。次のメロディアスなロック曲"Lonely Days,Lonely Nights"。この2曲はあのコニー・コンラッドと共作となっています。 "Bringing In The Harvest"は大地の恵みに対する感謝の歌でしょうか。のどかなオルガンの音色がカズンズの歌唱にさりげない彩を与えます。 エンディングはカズンズ作には珍しいちょっぴりスワンプ風なブルース曲"Hellfire Blues"。クリスのピアノ、ミラーの粘っこいギター・ソロが目立ち、ストローブス的ではない一面が強調されており、たいへん興味深いです。 本作は、まさしくいぶし銀のデイヴ・カズンズの本領発揮で、すべて捨て曲なしで非常に丁寧に作られたアルバム。 それにしても、全曲カズンズの声質は30年前にタイムスリップしたかのような若さと力強さで驚き!!。 [2007.06.30] | |
Touch The Earth / Lambert Cronk【WITCHWOOD WMCD2039】 | |
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御大デイヴ・カズンズがストローブスを一時脱退しラジオ関連の仕事に就いた後、事実上ストローブスは解散ということになるわけですが、そんな状況の中、本作はD・ランバートとチャス・クロンクのふたりがリーダーシップをとり、アンディ・リチャーズ、トニー・フェルナンデスらと共に密かにアルバム録音を行っていた発掘音源で、この度07年に改めてCDとして発表されました。当然私もこんなものがあったなんて知りもしなかったわけです。 本作はストローブス名義でもなし、かといってランバートのソロ作でもなし(彼はチャスからお呼びがかかるまでは、音楽を離れてスキーのインストラクターを生業にしていたらしい)どういう位置付けになるのかよくはわからないですが、こうして今改めて聴いてみると、バンド及び彼らの音楽はいわゆるパンクムーヴメントの流れを意識せずにはいられず、苦しみぬいた結果は、彼ら独自の音楽的方向性で進むしか方法がなかったということなのでしょうか。 よって、ストローブス名義でのCDではないですが、初CD化ということでNEWアルバム扱いでこちらでレビューすることにします。 まずは、"Touch The Earth"。この曲はあのボックス・セット/A Taste Of STRAWBSによって初めて聴くことが出来たわけですが、それなりにヒット性もあるポップ・ソングに仕上がっており、ランバートのヴォーカルが冴えわたっています。次の"Every Step Of The Way"もランバートの突き抜けるハイトーンと伸びのあるギター・フレーズが健在。 "The Reluctant Hero"はまさにスティング!! サウンドもランバートのヴォーカルもかなりスティングを意識したのは間違いありません。"The Night"はあの「Deep Cuts」期のサウンドで作風もかなりポップで乗りも良い。一転してロッカ・バラード風の"The Theatre's falling Down"ではここでもランバート入魂のヴォーカルを聴くことができますが、それにしてもいままで彼がこれほど歌が上手いと実感したことがありませんでした。ランバートのシャウトが目立つ"Sleepwalking"を経て"Smash The Glass"はアルバム「Don't Say Goodbye」で聴いたことがあるようなイントロです。 "Round And Round"(「Hero & Heroine」に収録された曲とは別もの)のパーカッションは打ち込みによるものですが、メロディラインがとっても秀逸。ソウルフルな"Only Child"はとてもストローブスでは考えられなかった曲調。 恐らくチャスのヴォーカルをフィーチャーした"Stay With Me"は明るいフォーク・ロック作品。 ここまでが81年当時に録音したもの。"One And Only"と"A Splash Of Blue"のみ06〜07年に新たに録音したふたりの作品。前者はランバート作で、アコースティカルでまったりと落ち着いた曲。後者はプログラミングが主体となったチャスの作品(ヴォーカルも当然チャス本人)となっています。 それぞれの曲の出来上がりはかなり評価できるものばかり。特にランバートの洗練されたヴォーカルが冴え渡っており、当時のプロモーション次第ではチャート上位に顔を出すことも夢ではなかったような気もしますが、いかかでしょう。 [2007.06.07] | |
A Taste Of Strawbs ![]() 【WITCHWOOD WMBS 2036】 | |
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06年11月に4CDセットとして遂に発表となった「A Taste Of Strawbs」。 プリオーダー分にはおまけのCD5が付いてくるという特典や、予約者のネーム入りライナーノーツにカズンズ氏直筆サイン入り証明書も付属となり、前評判は上々。 このボックスセットは、やはりこの時期に(再結成しレギュラー・ツアーも開始した時期に)発表されたことに意義があるのでしょう。まさに彼らのアンソロジー&集大成として、英国フォーク・ロックの歴史の中で生き抜いてきたD・カズンズをはじめとしてバンドのメンバーの輝かしい足跡であるのは間違いない事実です。 ◆DISC 1 -EYES WIDE OPEN- 本作品は音質において素晴らしい出来上がりということを最初に述べておきましょう。60年代のデモに始まりBBC音源やライブレコーディング、そしてアウトテイクなどほんとうに驚きのサウンドです。 1)はベース担当がジョン・ベリーのストロベリー・ヒル・ボーイズのトラッド・ナンバー。当時はバンドとカズンズ個人は並行して活動していたようです。2)("Higher germanie"として後に発表)では英国内では名バンジョー奏者としても有名だったカズンズの爪弾くミュートされたバンジョーが物悲しく響き渡ります。3)はベース奏者がロン・チェスターマンに。若々しいトニー・フーパーの歌声を聴くことが出来ます。4)は66年のカズンズのデモテープから。5)は「Preserves Unncanned」でもおなじみの曲。6)、7)と67年のサンディ&ストローブスの音源。デンマークはソネット・レーベルのオーナー、カール・ヌードセンの耳に入り契約。彼ら初のアルバムは一日のみ閉めたコペンハーゲンの映画館のステージでの録音であったとのこと。そんな時代があったわけですね。 8)から12)はガス・ダッジョンとトニー・ヴィスコンティとの関係も絡めて・・・ トニー・フーパーのフラットの階下に偶然にも住んでいたガス・ダッジョン。彼の奥様がトランスアトランティック・レコードのオーナーの秘書を務めていたらしく、夫にラルフ・マクテルのプロデュースをしたらどうかとの提案が適いラルフのファースト・アルバムをプロデュース。カズンズらはストローブスのプロデュースをガスに依頼したが彼はビートルズのアレンジャーのひとりで、アップルで働いていたトニー・ヴィスコンティを紹介。このあたりからガス、トニー、ストローブスとの密接なコネクションが始まったようです。 特に12)はカズンズのリミックスによってE・ギターなどがよりクリアなサウンドに仕上がっています。13)はクレア・デニスもリック・ウェイクマンも登場するBBC音源。1stアルバム収録曲よりもずっとリアル。 さて、一方その頃、後のストローブス・サウンドを支えるデイヴ・ランバートはファイアを引っさげてサイケ・ロック・シーンで活動中でした。カズンズとのコンタクトはあの「Magic Shoemaker」でのバンジョーでの参加がきっかけとなるのでしょうか。14)のレア・バージョンは魅力的で若さ溢れ、相当聴き応えありです。 15)はBBC音源。トニー・ヴィスコンティのプロデュースの下に2作目の「Dragonfly」製作に入るストローブス。16)はオーケストレーションの飾りを取っ払ってリックのオルガン、クレア・デニスのチェロでシンプルなアレンジを施したバージョン。ノイズが目立ってちょっぴり残念です。 17)は実にレア。ジョン・フォード、リチャード・ハドソン、リック・ウェイクマンらが正式メンバーとして参加してのクイーン・エリザベス・ホールでのライヴ・レコーディング。この曲はアンコール曲だったらしいですね。ウェイクマンはメンバーとして正式参加するとともに新婚旅行はコンサート・ツアー地のパリだったという逸話も。18)はR・ハドソンのシタールがリアルに響くBBC音源です。19)はまさにリックの独壇場。当時のコンサートではかなり話題に上ったらしいです。20)はリックがストローブスを去る直前のBBC音源。バンドの状態はあまり良くはなかったようです。なぜならリックのYES移籍はカズンズらには事後承諾だったようで・・・。 このDisc1ではストロベリーヒル・ボーイズ時代の作品およびカズンズのソロでの作品はやはりストローブスの原点であるがゆえ、殊のほか印象的で、この一枚を聴いただけでも充分に満足できます。 特に一発録りのBBCスタジオ・レコーディングの曲の完成度の高いことに、またまた驚き!です。 ◆DISC 2 -CHANGING PLACES- 1)、2)、3)はBBC Radio1での録音で奇跡的な高音質。(ジェフ・グリフィンのプロデュースによる「Sounds of the 70s」、72年に録音)YESに移籍したリックに代わりブルー・ウィーヴァーの登場です。個人的にはB・ウィーヴァーに代わってからのサウンドのほうがメロトロンが前面に出てきて、音の厚みも増したような気もします。(もちろんリックの超絶テクもすごいけど) カズンズとランバートの共作である4)、このふたりがデュオとして何度かステージに立ったこともあるというのは初耳。また、5)(カズンズ作でソロアルバムに収録)はランバートのヴォーカルによるもの(これも初耳)。6)はレズリー・スピーカーを使わないシンプル・バージョン。これってエフェクトなしのほうが良かったのでは?という感じです。 7)は彼らの出世作。ハドソン&フォードふたりのデモです。 さて8)はもう一方の重要人物であるデイヴ・ランバートの名作。しかしながら、このストローブスというバンド、地味ながらタレント揃いじゃありませんか!(いまさらですが、カズンズだけがストローブスのメイン・アクトではないことが証明できますね) 9)は重要な問題を含んだ一曲。"Part Of The Union"のヒットによって、ハドソン-フォード組とカズンズの対立(?)で、結局はハドソン-フォードが分離独立、一方のカズンズはT・フーパー、R・チェスターマンらと録音した9)のニュー・バージョンを発表したりして、お家騒動が勃発。結局残ったふたりのデイヴが新メンバーを加入させて新生ヒーロー&ヒロイン・バンドのスタートに向けて走り出すのです。10)はその新メンバーによるスタジオ・リハーサル。ジョン・ホウケンは言うまでもなく現メンバー。リズム隊のふたりはあのTEN YEARS AFTERのメンバー。ランバートの意見でこの二人は採用されずチャス・クロンク、ロッド・クームスに落ち着いたことは有名な話。スタジオ・ミュージシャンだったチャスはリックの紹介、スティーラーズ・ホイールの解散がきっかけでグッド・タイミングだったロッド、この二人に元ルネッサンスのジョン・ホウケンというメンツで再出発となったわけです。11)、12)(未発表曲)はカズンズのギター一本による貴重なスタジオ・デモ・バージョン。こうなると、やっぱり素の音楽性はフォークなのだなと実感します。13)も未発表ですが珍しいアップテンポのロックンロール曲。ホウケンのピアノが飛び跳ね、ランバートのブルージーなハーモニカが。14)は実際のマグダリアン・カレッジのチャーチ・ベルの音。これを「Ghosts」に採用しようとしたようですが、結局はボツ。この時期カズンズはオーバー・ワークとストレスでアルバム録音はかなり困難だったようです。15)は北米進出用の初シングルのデモ。16)は"Grace Darling"のフレンチ・バージョン。カナダ向けということですね。17)、18)はアルバム「Nomadness」用のデモ。18)は未完成で収録せずに終わりました。19)はBBC2でのレコーデッド・ライブ。残念ながらJ・ホウケンがバンドを去っていきます。ピアノはジョン・ミーリング(ジャズ・ロックでは有名らしい人)、そしてフェンダー・ローズを弾くのはロバート・カービーが登場。(ニック・ドレイク絡みで有名です)彼らとは「Grave New World」期からの付き合いで、この後も彼らをずっとサポートし続けるのです。 ◆DISC 3 -INSIDE OUT- Disc3はパンク・ムーヴメントの台頭によって否応なしに過度期にさしかかったバンドの運命はいかに!?という内容の一枚。 1)は本来はアルバム「Deep Cuts」に収められる予定だった曲。バンドは長年親しんだA&Mからオイスター・レーベルに移籍します。次の76年版2)はランバートのギターをフィーチャーしているのだけれど、もともとが超名曲だけになかなかそれを超えられないところがあります。この時期にはあのロバート・カービー(私の大好きなアレンジャー兼プレーヤー)がメンバーとしてキーボードで参加しています。 3)はアルバム「Burning For You」のアウトテイクで、この時期カズンズはバンドを去ることを考えていたようです。(実際にはこの後に実現してしまうことなのですが・・・。)4)のホームデモは「タイタス・グローン」にインスパイアされた曲のようで、この時期にはまたしても彼らは新鋭レーベルのアリスタに移籍して心機一転を図ろうとしたわけです。アルバム「Deadlines」に収録されなかった5)はプロデューサーのジェフリー・レッサーの考えのようです。カズンズよりもランバートのリード・ヴォーカルのほうがヒット性があると判断したようです。あまりにも悲しいですけど・・・。まぁ、この時期はパンクの波が押し寄せてきていずれにせよ、彼らのようなバンドスタイルは自然に淘汰するような状況に陥ってしまったようです。 6)は「Deadlines」収録時には歌詞を変えた"New Beginning"としてタイトルと共に変更、そしてカズンズのピアノ弾き語りの7)は後にウェイクマンとのコラボで歌う"The Young Pretender"の元歌です。 さて、8)は「Heartbreak Hill」に収録予定のデモでしたが、このあたりからバンドの重大事件勃発。会社が彼らのマネージメントから手を引き、せっかく録音した「Heartbreak Hill」は宙に浮いたまま発表されず長い間お蔵入りとなってしまうのです。(その後発表、そして06年リマスタリングで再発) またランバートも脱退し、代わりにジョー・パートリッジが参加。カズンズはミュージシャンを引退しラジオ局のマネージメントへ・・・。 バンドは空中分解してしまい、 残ったメンバーは9)をシングルとして発表します。(これ、結構良い曲です)また10)など、フラメンコ・ギタリストとのコラボ(??初耳です)をやったりしますが、すべて上手くはいかなかったみたいですね。ランバートはその後なんと、スキーのインストラクターやったりしてますから・・・。 で、カズンズは旧友のB・ウィロビーとのデュオで復活。11)はふたりの久々のステージでの録音。12)、13)はその後、ウェイクマン加入期のメンバーとワンオフでステージにあがり久々の大集合。トニー・フーパーのヴォーカルを久々に聴くことが出来ます。14)15)はイン・コンサートでのライブ用で、ハドソン&フォードのリハーサル曲及び3年後に発表するアルバム「Don't say Goodbye」に収録された曲です。16)はアルバムではトニーのヴォーカルになる、カズンズのデモ。一旦こうなると勢いに拍車がかかって、17)のベルギーでのウェイクマン&カズンズとしてのステージ活動など本格的復活の前触れがやってくる・・・そんな時期だったのです。ウェイクマンが爪弾くのはピアノではなくシンセサイザーですが、骨董品ライブの再現ですね。 ◆DISC 4 -FURTHER DOWN THE ROAD- さて、ストローブス・ボックス・セットの最終章、Disc4についてです。 カズンズにとってUSプロモーション・ツアーの最中のサンディ・デニーの死は大ショックだったでしょうね。サンディへの哀悼曲である 1)はTV放送用のテイクでしょうか。キーボードはクリス・パーレン、ベースはロッド・デミック。この曲のアコースティック・バージョンはカズンズ&ウィロービーによる"Goergia On Our Mind"という限定アルバムに収録されたバージョンのようです。(ジョージアというのはサンディの娘、ジョージア・ルーカス) 2)はカズンズがピアノの弾き語りで歌うデモ。 93年、結成25周年記念のツアー時の録音である3)はブライアン・ウィロービーのE・ギターとストローブスの最後の(?)大物キーボーディスト、ドン・エアリーのキーボードが炸裂! 4)、5)においてもドン・エアリーが弾くのは、ウェイクマンばりのクラシック音楽をちりばめたスキルフルな演奏で、この人、ディープ・パープル、オジー・オズボーン、レインボウ、ホワイトスネイクなどに在籍したひと。音的には80〜90年代の音ですがなかなか派手で結構!6)は98年の30周年記念のチズウィック・ライブのリマスタリング。(リック・サンダースのE・バイオリンが加わってオリジナルよりもエキサイティングなサウンド構成です。) ランバート&ウィロービーのアコースティック曲である7)はランバートのまったりとした歌声がグッド。 8)はブラームスの交響曲No.4をベースとした曲のようですね。 9)でのカズンズの演奏するE・ダルシマーはこの世に2台しかない貴重なダルシマーらしく、現物を見てみたいものです。 10)はクレイグ/ウィロービーのコンビの作品で、アコースティック・ストローブスとしてのラジオ・ショーの為の録音です。 ランバートとウィロービーのEbowが醸し出す不思議な雰囲気のイントロで始まる11)はサンディ没後25年のステージでの演奏。カズンズの抑えた歌唱が彼女への想いをつのります。アコースティック・ストローブスでのウィロービー最後の演奏である12)はランバート不在時のバンドを影で支えた彼へのメッセージでしょうか。 ロバート・カービーのオーケストレーションが光る13)、アルバム「Deja Fou」に収録された曲でもある14)はアウトテイクなのですが、ランバートのハーモニーが程よくマッチ。15)はウィロービーに代わったチャスがベース・ペダル&12弦ギターで活躍する05年版"Dragonfly"です。 16)はカナダでストローブスが絶大な人気を誇ったことへのアンサーでしょうか。カズンズは一度はカナダ国籍取得も真剣に考えたらしいですから・・。 さて、17)は情感たっぷりのカズンズの歌唱。このセットの最後を飾ります。 駆け足で辿ってきましたが、やっぱり、デイヴ・カズンズというアーティストのやってきた音楽って、ベースがしっかりしているからいつの時代でもブレがないですね。 シンプルなホームデモなんかを聴くとなおさら実感します。その時その時のバンドのメンバーによってアレンジも変わるけど、30年以上もファンの期待を裏切らない彼ら。これからも末永く活動してもらいたいですね。 以前にもボックス・セット発売の噂がありましたが、これだけ待たされた甲斐がありました。だってこの何年かの間にあらゆるメンバーが復帰したり新譜も発表されたりしたわけですから。 今、満を持して発表された"A Taste of STRAWBS"は紛れもない一生ものとして愛聴したいですね。 ◆DISC 5 -...TASTEBUDS- そして、DISC5について 未聴のお宝ザックザクのおまけです またもや信じられないほどの高音質で始まる1)は66年録音のストロベリー・ヒル・ボーイズの作品です。2)はR・ハドソンとJ・フォードによる骨董品期に収録したインスト。シタールの音色とJ・フォード特有の締まったベース音が醸し出す独特の世界です。3)はオリジナルよりもミラー・アンダーソンのギター・パートがより多くフィーチャーされたアウトテイク。ロジャー・グローヴァー、ジョン・ハイズマン、リック・ウェイクマンといまさらながら錚々たるメンツを再確認。4)は"Part Of The Union"が発表された時期のカズンズの心境を歌ったものらしいのですが、詳細はわかりません。(おそらくバンドの分裂を憂いた歌なのでしょうか)5)は本来は1stアルバム用にトニーのリード・ヴォーカルで収録予定だったらしいのですが、カズンズの意向で「Bursting At The Seams」 の発表後にカズンズのヴォーカル・バージョンとしてリミックスされたようです。これも4)に関係したカズンズの意思表示なのでしょう。トム・アロムのプロデュースによる6)はアルバム「Deep Cuts」用に録音されましたが、レーベル移籍に伴いプロデューサーもルパート・ホームズ&ジェフリー・レッサーに。結局は未収録となりました。7)はカズンズ&R・カービーによるインスト。8)はチャスとカズンズによる「Deadlines」用のデモ。9)はThe Intergalactic Touring Band(内容は不明)を率いてのカズンズですが、あのウィル・マローンの作曲。一方、フラメンコ・ギタリスト、ジュアン・マーティンを招いたストローブスの10)、カズンズは05年になってはじめてジュアンと共演しています。11)はケンブリッジ・フォーク・フェスティバルの後のTelevision South West用の録音です。ライブの"Lay Down"としてはかなり良い仕上がりです。(最初でコーラスがもたつきますが)12)はなんとブルー・ウィーヴァーがひそかに(?)デモっていたらしいですが、素晴らしい出来上がりです。B・ウィロービーのリード・ギターのテクニックが冴え渡る13)。14)は現アコースティック・ストローブスによるステージですが、カズンズの声に若干元気がありません。15)はカズンズのバンジョー、チャスの12弦、そして鋭角的なランバートのギターとヴォーカルが素晴らしい構成でせまります。そして最後を飾るのはやっぱりあの名曲16)。おそらく数あるテイクの中でも最上の出来上がりのような気がします。(ランバートの高音が出なくても許してしまうのです)特に後半のキーボードがオリジナルに近いフレーズでうれしいのです。 ・・・とまぁ、こんなかたちでオマケのCD5が先着1000名さまについてくるわけですが、最初から5枚入りボックスで発表したらよかったのでは?と。それだけCD5の意義は大きいと思いますから・・・。 [2007.01.05] | |
Recollection【WITCHWOOD WMCD2033】 | |
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WITCHWOOD MEDIAのアーカイブVol.3という名目で、2006年発表の"RECOLLECTION"というライブテイク集です。
2ndアルバム"Dragonfly"への参加がきっかけのリック・ウェイクマン、そしてヴェルヴェット・オペラからの移籍組であるジョン・フォード(b)&リチャード・ハドソン(per)の二人。彼らが正式メンバーとして加入し、ブルーグラスからフォーク・デュオ〜フォーク・トリオと変遷してきたストローブスに最初の本格的なバンドスタイルをもたらして活動を開始。そしてこの5人のメンバーで発表したアルバムはクイーンエリザベスホールでの「Just A Collection of Antiques And Curios / 骨董品」だったわけです。 "It was Tony Visconti who introduced Strawbs to Rick Wakeman"(僕たちにR・ウェイクマンを紹介したのはトニー・ヴィスコンティだったんだよ)こういう書き出しで始まるカズンズ自身の書くライナー。このライブテイク集の意味がこの文章に現れているような気がします。R・ウェイクマンの正式加入によってバンドの音楽性が飛躍的に変化しフォーク・ロック・シーンにも華々しく登場。そういう意味でもこの音源の頃というのは特別重要であるようです。もちろんリズム隊のふたりの存在も大きく、ソングライティング面などでもバンドの多面性が強調された時期であったようです。 さて順を追って書いていきますが、1st〜2ndアルバム及びT・フーパーとのデュオ時代の曲をバンドスタイルで(特にキーボードが前面に出た)演奏していることがすごくフレッシュで全曲聴き入ってしまう好演奏ばかりです。 トニー・フーパーのほのぼのとしたボーカルで始まる"We'll Meet Again Sometime"は「骨董品ライブ」のボーナス・トラックとしても収録されていましたがウェイクマンお得意のいわゆる手数の多いキーボードが特徴。1stアルバム収録の"Oh Am I Dreaming?"はフーパー&カズンズのコーラスが息もぴったりという感じ。"Song Of A Sad Little Girl"は「デジリマ骨董品」と同じイントロフルバージョンが嬉しいです。ウェイクマンの奏でる美しいピアノでうっとりです。 ハープシコードとギターのアンサンブルが効いた"That Which Once Was Mine"に、ダルシマーの優しいイントロで始まる"Fingertips"は中半からシタールとオルガンによって盛り上がっていく展開が聴き処。 ちょっぴりハードでテンション高く歌い上げる"The Man Who Called Himself Jesus"。"Temperament Of Mind"はウェイクマンのまさに独壇場。「骨董品」と比べてまだまだ若さが出ていて、こなしきっていない感もありますが・・。 今回ライブ演奏初登場の"Josephine,For Better Or For Worse"をはさんで、ハイライトの"The Antique Suite"は完成度は一級品。"The Battle"のオルガンはオリジナルではニッキー・ホプキンスでしたがここではもちろんウェイクマン。タッチの違うフレーズが面白いです。 "Where Is This Dream Of Your Youth?"はたぶん骨董品ライブと同音源をリミックスしたのかな? 最後の曲はシャドウズのヒット曲(らしい)"Dance On"です。 あくまでもアコースティカルに、それでも曲によってはハードに・・・。D・カズンズの多彩な曲作りに加えてR・ウェイクマンという最強キーボーディストを得た前途洋々のストローブスだったのでした。数多くのアーティストとのセッションプレーヤーを経てストローブスに加入、後にイエスに引き抜かれキース・エマーソンらと共にロック・キーボーディストの第一人者にまで駆け上がったR・ウェイクマン。本作は彼の若々しく瑞々しい演奏が堪能できる一枚のアルバムとして聴くのも正解のような気もします。(もちろんバンドスタイルのストローブスの再出発ということも併せて)驚きの非常にクリアな録音状態。「骨董品」をお持ちの方は必聴ですよ。 [2006.04.07] | |
Painted Sky 【WITCHWOOD WMCD2028】 | |
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05年最後の発表となる本作"Painted Sky"は米国カリフォルニアでのスタジオ・ライブ・テイクを収めたものです。
2005年12月7日発売との情報でしたが、直接WITCHWOOD RECORDからの通販によって何故か12月3日には入手出来て大変ラッキーです。
カズンズとランバートそしてB・ウィロービーからバトンタッチしたC・クロンク。この3人の新体制によるアコースティック・ストローブスとなるのですが、私自身彼らの新作にはずっと興味津々でありました。
本作は特にアコースティック・ストローブスという表記はなく単なるストローブス名義における新作となっています。(裏ジャケに"Strawbs Acoustic"と控えめに表記されているだけ)これは今後はこの3人体制を基本として活動していくことの宣言なのでしょうか。デビュー当時はR・チェスターマンとトニー・フーパー、そしてD・カズンズの3人でスタートしたわけで、オリジナルのフォーク・トリオに戻ったといってもよいのかもしれません。必要に応じてR・クームスとJ・ホウケンが助っ人に現れてステージを形成する・・・そんなかたちでしょうか。 さて、以前からB・ウィロービーのギター・フレーズにはイマイチ納得できないところがある(本人には申し訳ないのですが)とコメントしてきましたが、ここでのメンツはいわゆる70年代にバンドの絶頂を迎えた当時のメンバーのうちの3人ですので息もぴったり。C・クロンクは高音のバッキングボーカルも得意なのでその分コーラスに厚みも出て、自分の思い描いていたストローブ・サウンドが奏でられる嬉しさというものが確かに存在します。 では収録曲の紹介です。まずはランバートがまったりと熱唱するナンバー"Oh How She Changed"で始まります。"Grace Darling"はカズンズ&ウィロービー・バージョンよりも音の厚みがあって迫力充分です。3人のハーモニーが清々しい"Shine On Silver Sun"はカズンズのバンジョーがオリジナルとはまた違った雰囲気を醸し出しています。さて本作に収録されたなかでいちばん期待していた曲"The Antique Suite"ですが、予想以上の出来栄えに大満足。充分にアコースティカルなオリジナルの雰囲気もそのままに現代版「骨董品」も楽しめます。ここでもランバートの大変丁寧に歌い上げるパートが心に染みます。一方カズンズのほうは若干声が苦しく少々お疲れモード。さてさて、印象的なエレクトリック・ダルシマーのイントロが始まればそこはもう初期ストローブスの世界。 "Benedictus"はアコースティカルなユニットはこれからずっと継続して欲しいという気にさせる曲です。この3人にとってぴったりな選曲だなと思わせる"Midnight Sun"。オリジナルを優先したギター・フレーズに好感が持てるし、ランバートのE−Bowもとても良い感じ。"Cold Steel"は大好きな曲でアルバム"Deja-Fou"から。バンジョーが独特のサウンドを形成しています。カズンズが優しく歌い上げる"If"、そして最後を飾る"Autumn"は"The Antique Suite"と同様本作の収録曲の中でもハイライトであります。アルバム"Hero & Heroine"での代表曲をアコースティック・ギターで表現してしまうテクニックはさすがだなぁと素直に感心してしまいます。 本作はアダルトなテイストに溢れており、余裕さえも感じられる演奏なのですが全体的にテンポがスロー。しみじみとゆとりを持ったテンポに敢えて変更しているのでしょうが、もう少しメリハリがあっても良かったのかと・・・。しかしながら録音は高音質で選曲も演奏も完璧!いつのまにかストローブスの世界に引き込まれてしまい、改めて彼らの作り出す音楽が魅力的なものであることを再確認出来る名盤と評されて当然でしょう。 [2005.12.04] | |
All Our Own Work+Bonus / Sandy Denny and The Strawbs 【Estrella Rockera ER42119】 | |
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ついに出てしまいました!いつかはCD化されるであろうと期待に胸を膨らませていたのですが、こうもあっけなくリイシューされるとは。
ある通販サイトで偶然発見したのですが、オフィシャルサイトのSTRAWBS WEBにも出ていないしちょっぴり不安でもありました。それもそのはず届いたCDはEstrella Rockera盤というスペイン盤らしきものでありますが、この件に関しての確かな情報は不明です。(正規盤でないということは考えられますが。) さて、本作"All Our Own Work"というストローブスの初録音盤は68年にコペンハーゲンにおいての収録。名義もSandy Denny and The Strawbsとなっています。当時LP盤で所有しておりましたが、あまりにもシンプルなフォークミュージックであるし、ストローブスよりもサンディがメインのアルバムでしたからそれほど聴き込んだ記憶がありません。しかしその後中古盤屋などでは高額で売られているのを何度も確認していますから相変わらずレアなアルバムなのだなと再認識したり。 "Sandy Denny and The Strawbs"は、以前より本サイトに別ジャケのアルバム画像のみ掲載しており、またサンディ・デニーのサイトにてちょっとだけ書いていますが、それはデイヴ・カズンズの責任編集にて91年に発表された曲目及び曲順違いのリイシュー盤です。 今回の"All Our Own Work+Bonus"はオリジナルのLPプラス91年盤に組み込まれたトラック3曲を加えて完全盤としたものなのです。また強烈なインパクトを持ったジャケットもオリジナルを再現しているのが非常にうれしいです。 さて、発売の経緯はこれくらいにして、やっぱりオリジナル盤通りの曲順はたいへんしっくりするし、91年盤では曲によって録音状態の良くないトラックもあったのですが、デジリマ(?)なのでいくぶんか録音がクリア。 ほとんどの曲においてサンディがメイン・ヴォーカルをとっており(それはそれでうれしいのですが)まだ若くて初々しい彼女の声ばかり目立つし、カズンズ、フーパーはむしろバックアップに徹しているようです。彼女のページではちょっとばかり辛口コメントを述べていますが、よく考えてみればサンディの方向性とカズンズの思い描いていたサウンドにはかなりの相違があったように思われるのです。私自信もサンディのストローブスってこの後どんな展開になるのか?と考えると明確なスタイルというものが浮かんできません。ですから、Joe Boydに見出されフェアポートに移籍したのも自然な流れだったのではないか・・・。結果として英国の歌姫として活躍の場を見いだすことが出来たのではないかと・・・。 この時期の曲は"Preserves Uncanned"にてもカズンズとフーパーのヴォーカルで聴くことが出来ますが、そのほうが何故か僕は好きです。 やっぱりカズンズの憂いを含んだ声に魅力を感じているからなのでしょうか。 | |
Live At NEARfest 2004【WITCHWOOD WMCD2026】 | |
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UK、USツアーも開始し、アコースティック・ストローブス(B・ウィロービーに代わりチャス・クロンクが参加)のステージも並行して開催と、本格的な活動で話題に事欠かないストローブス周辺。そんな中2004年7月11日、米国はペンシルバニアにおけるNortheast Art Rock Festival(NEARfest)のファイナル・セットに我らがストローブスが登場、そのライブ盤が発表されました。(実際は発売が予定よりも2ヶ月遅れて2005年8月15日) まずはセットリストから判断すると、USツアーならではの「Hero & Heroine」〜「Burning For You」期をメインに、お決まりの「Down By The Sea」や「Lay Down」をからませ、また新作「Deja Fou」からも選曲されており、聴く前からワクワク気分がいっぱいです。 構成メンバーはUS版ストローブスですからもちろんあのヒーロー&ヒロインバンドというわけです。 さてそれでは順を追って解説していきましょう。 「Out In The Cold」〜「Round & Round」で始まるステージ、録音が非常にクリアです。各楽器のバランスも程良く、特にJ・ホーケンのキーボードが味わい深く魅力的。カズンズといったら相変わらず年齢を感じさせないワイルドで若々しい歌いっぷりだし、R・クームスの繊細だけど巧みなドラミング、チャスのプログレ風ベースラン、そしてこちらも若さ溢れるD・ランバート君のハードでタイトなギタープレイ・・・。最初の2曲でもうノックアウト気味の私ですが、次の「Lay Down」にしてもアカペラで始まり後半のメロトロンがかぶってくるあたりの盛り上がりは素晴らしい出来です。 「Burning For Me」はライブ盤では初登場。ホウケン氏の流麗なピアノをバックにカズンズ氏は情感たっぷりに歌い上げます。メロトロンが荘厳な「New World」はおなじみですが、ちょっぴりハードでドラマティックです。 本ライブでの目玉は何といっても次の「Autum組曲」でしょう。こちらも過去のライブ盤と比較すると断然出来が良いのです。とにかくこのステージではホウケンのキーボードが重要な役割を担っているし、選曲においてもそれを充分に意識しているはずです。そしてなによりも凄いことはこの5人でこれだけ緻密で重厚な音楽世界を作り上げていることです。ランバートの和みのボーカル、サステインの効いたE・ギターと流麗なメロトロンのコンビネーションは涙モノです。 「Remembering」〜「You And I」ではカズンズ、ランバート、チャスの3人のハーモニーが心に残り、ランバートがボーカルとギターで頑張る「Heartbreaker」(イントロでドラムとちょっともたつくけど)では打って変わって力強さを前面に出しています。 さて、「This Barren Land」はアルバム「Deja Fou」からの選曲ですが、この曲は私が特にお気に入りの曲だったものですから嬉しいことこの上ありません。後半のランバートのギターソロ部分あたりからの盛り上がりは往年のストローブスのパワーを感じさせるには充分です。 ステージもそろそろエンディングに近くなり、もうひとつのハイライトである「The River」〜「Down By The Sea」、これもいままでのライブ盤の中でも明らかにベストテイクでしょうね。ランバートの高音部にはもう期待しなくても・・・(笑)メロトロンとオルガンの洪水の中にランバートのエンディングにおけるギターがとってもハード&メロー! 締めは「Hero & Heroine」〜「Round & Round (Reprise)」、若かりし彼らを彷彿させるプレイに圧倒させられます。 アンコールで登場し、「Here Today,Come Tomorrow」をホウケン氏のピアノをバックに朗々と歌い上げるカズンズ氏。前のアルバムにおいても情感たっぷりだったし、相当思い入れのあるナンバーなのではないかな。 最初の発表では、ランバートの歌う「Winter & Summer」が聴けるとの情報もあって期待していたのですが、ステージ上では演奏されたのでしょうかね。 いずれにしてもこのライブ盤はあの「骨董品ライブ」にも勝るとも劣らない、高いレベルの好盤なのではないでしょうか。ヒーロー&ヒロインバンドとして彼らの後世に残る名盤になると確信します。こうして今や現役バリバリで再活動しているのを実体験すると長年のファンとして、そして同世代の一音楽ファンとしては嬉しくて、うれしくて言葉にできません。 | |
Deja Fou【WITCHWOOD WMCD2020】 | |
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ジョン・ホウケンが正式に参加してからの最近のストローブスといったら、北米ツアーを中心にUK&USバージョン、そしてアコースティック・ストローブスというバリエーションによる積極的なバンド活動ゆえに、ファンには嬉しさいっぱいの今日この頃です。しかしながら長年カズンズと共に活動してきた旧友のB・ウィロービーはキャサリン・クレイグとの活動重視とやらでバンドメンバーからは下りたらしく、アコースティック・ストローブスへはチャス・クロンクが参加。最近のバンド周辺の状況はやたらと騒がしいです。(以前よりギタリストとしての貢献度は計り知れない彼に敬意を表しながらも、やっぱり私個人としてはE・ギターはD・ランバートなのですけど。) で、ニューアルバム"Deja Fou"は待望の"Hero & Heroine Band"。ジョン・ホーケン加入と聞けば、そのサウンドを勝手に思い浮かべて期待に胸が弾んでしまい、やっと到着した新作"Deja Fou"を幾度か聴き込んでレビューを書いている次第です。 (それにしてもジャケットの色が派手だし、もうちょっとデザインに工夫があってもいいんじゃないかな?) ではまずは一曲目から。 カズンズとランバートの共作であるインストルメンタル曲、"Riviera dei Fiori"。"Ghosts"を思わせるギターフレーズにシンプルなメロトロンが絡んで、2曲目の"Under A Cloudless Sky"へと繋がります。相変わらずカズンズの声には張りがあって歳を感じさせません。ランバートのギターリフが聴こえてくるあたりからテンションが上がりホーケンのキーボードとコーラスがドラマティックに構成された曲。 一転して"Face Down In The Well"はクレア・デニス加入時の"DRAGONFLY"を思わせるチェロが。ヴァイオリンとギターのハーモニーにカズンズのしっとりとしたボーカルをフィーチャーした佳曲です。"On A Night Like This"ではひさびさにカリプソのリズムと共にD・ランバートのギターがさえわたります。B・ウィロービーの作風を感じさせる"If"ではあのロバート・カービーの流麗なオーケストラル・アレンジメントが・・・。ロバート・カービーといえば、"Grave New World"まで遡れるし、"Deadlines"期にはメンバーとしても迎えられていました。 さて、やっぱりバンドのもう一人の重要人物であるD・ランバート作の、"Cold Steel"はこのアルバムの中でもベストテイクでしょう。ランバートのギターに絡んでくるカズンズのバンジョー、そしてマンドリン、ランバートの力強い歌声、ホーケンのメロトロン、チャスの正確なベースライン、R・クームスのタイトなドラミング。リニューアルストローブスの中でも代表作に数えられる名曲ですね。 アコースティック・ストローブス的な"Sunday Morning"をはさんで、"This Barren Land"はあのEL&Pで知られるW・ブレイク作詞の"JERUSALEM"へのオマージュ。そういえば、"Grave New World"のジャケットはこのW・ブレイク作の"Glad Day"でした。ランバートの強力なギターが印象的だし後半部分は特にエキサイティング!。 "When The Lights Came On"、なんとなく"Don't Say Goodbye"の頃の曲調を想起させる"Russian Front"はホーケンのキーボードが大活躍。 そして実際にはエンディングであると思われる"Here Today, Gone Tomorrow"もホーケンのピアノをバックに切ないバラッドを情感たっぷりに歌い上げるカズンズ。 最後は、ボーナス・トラックとして聴きたい(?)"NRG"。たぶんエナジー=エネルギーを意味しているのでしょう。まさに中東的雰囲気!。 さて、やっと実現した"Hero & Heroine Band"。曲の完成度とリメイク曲なし・・・これらを判断すると、今後カズンズとランバートは本気になってバンド活動を続行することの心意気充分ということなのでしょう。 "Hero & Heroine Band"といえども、期待したような重厚で華麗ななキーボード・サウンド(特にメロトロン)やランバートのハードなギターよりも、どちらかというと"Bursting At The Seams"期のようなフォークロック・風味にあふれる、近年の作品の中でもかなり充実した好盤であるといえるでしょう。 | |
Blue Angel【WITCHWOOD WMCD2008】】 | |
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待望の2003年バージョンのストローブスがやってきました。あまりにも期待しすぎてUK盤とUS盤を両方オーダーしてしまいました。(内容は同じなのにネ)アルバムタイトルはカズンズのソロの中でも超名曲である"Blue Angel"。なにやらすごく期待されられるじゃありませんか!ここで改めてメンバーの紹介を・・・。といっても、このアルバムは曲ごとにメンバーを入れ替え、過去のメンバー大集合といった感じなのですが。カズンズとウィロービーを筆頭に、あのデイヴ・ランバート、R・ハドソン、チャス・クロンク、ロッド・クームス、そしてブルー・ウィーバー!それからなんと、ウィロービーつながりでキャサリン・クレイグ、そしてあのメアリー・ホプキン、圧巻はマディ・プライアまでもが参加しています。このメンバーを見ただけでも思う存分期待してしまうほどです。 さて、それでは早速1曲目から解説していきましょう。"Blue Angel"のニューバージョンはChiswickでのDVDにも収められていましたが 丁寧にアレンジが施されていますが元歌が完璧すぎるからか、どうしてもいまいちなじめない気も・・・。でもカズンズの歌声はなんと若々しいのでしょう!さすがですね。次は"Deep Cuts"や"Burning For You"あたりの時代のノリのいい"Oh So Sleepy"。ランバートのエネルギッシュなギターリフがうれしいし、バッキングコーラスでも頑張っています。チャスもR・クームスもいるので往年のポップ的ストローブスサウンドが蘇ったといっていいのでしょうか。メアリー・ホプキンとのデュエットが心地よい"Further Down The Road"、そしてアコースティック・ストローブスでも演奏していた"There Will Come The Day"と"The Plain"。これはワタシの一押しです。(アレンジが濃すぎるというところもあるけれど・・・。)、これも往年のカズンズ節が蘇りました。プログラミング(by Chas Cronk & Blue Weaver)によって荘厳さがより一層強調されてますね。軽快な"Do you Remember"、そしてなんとなくジェフ・リン風のアレンジが楽しい"Rhythm of the Night"。カズンズがピアノ弾き語りで優しく歌う"Sealed With A Traitor's Kiss"、そして残念ながらランバートのギターは入っていませんが、名曲の"Lay Down"。違和感のないアレンジは嬉しいです。最後のボーナストラックにはマディ・プライアを前面にプッシュした"The King"。マディさんが歌うとなんとなくスティーライ・スパンの曲に聞こえてくるのが不思議です。 ざっと駆け足で解説してしまいましたが、このアルバムのポイントはカズンズ氏の歌声の若々しさ!、ランバートの存在感、それから今後メアリー・ホプキンがどれだけ関わってくるのか?です。それがなんとも嬉しくて今後を期待させるんですよ。全体的に往年のストローブスサウンドは健在!ということでしょうね。このメンバーでの次作も大いに期待しましょう。 | |
Baroque & Roll by Acoustic Strawbs【WITCHWOOD 2001】 | |
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Chiswick Liveにおいてあの"Bursting At The Seams BAND"が復活し、精力的な活動で動き始めた彼ら。個人的にはデイヴ・ランバートの復活が嬉しいのでありますが、本作はカズンズ、ウィロービーそしてそのランバートの3人によって録音された、その名も"アコースティック・ストローブス"という名目のスタジオ新録音です。いわゆるアンプラグド形式であり、3人のアコースティック・ギター+カズンズとランバートのハーモニーが聴けるというだけで胸が躍る一枚です。こういうかたちでのアルバムといえば、"Old School Songs"(カズンズとウィロービーのジョイントアルバム)が思い出されますね。あの盤は、どうしてもウィロービーのギターフレーズに若干の違和感を拭えないのだけれど、本作では3人のギターバトルが前面に押し出されているものの、バランスも程よく、特に聞き覚えのあるランバートのギターフレーズとのバランスを重視したのか、ウィロービーのフレーズはここでは全く違和感を感じさせない、いや、もう完璧なくらいのアレンジで迫ってきます。 まず一曲目は"Tears & Pavan"。やられました。息もぴったりのギター競演。カズンズの歌声は昔と変わりません。ジョン・ホウケン作の"Remembering"、そして"You And I"に至っては、遂に出ました!ランバートとカズンズの力強いハーモニーが・・・。涙なくしては聴けない力作であります。アルバム"Don't Say Goodbye"に収録されていた"Evergreen"、カズンズのしっとり切ない歌声で聴かせます。一聴してそれとわかる流麗なストリングスアレンジはあのロバート・カービーのもの。Don Aireyとカズンズの共作である"There Will Come The Day"はメロディーの良さとカズンズの雰囲気がぴったり。 全くの個人的な意見ですけど、"The Golden Salamander"はちょっとだけ残念です。それというのも、オリジナルが素晴らしすぎるのか、カズンズにはほんの少し声量を抑えて囁くように歌って欲しかった・・・そんな贅沢を許して欲しいのです。ライブではお決まりの"The River"〜"Down By The Sea"ですが、Chiswick House Liveでもそうでしたが、ランバートの高音が活かされてない(というか、高音が出なくなっているのですね。)ほんと惜しいのです。でもそれも30年の歳月、こうして今でも現役でやってくれるだけでも幸せなのですからこれ以上言いますまい。"The Flower And The Young Man"、私はこのアルバムでのベストテイクのような気がします。オリジナルではトニー・フーパーの独特の歌唱でしたが、それに劣らずランバートが良い雰囲気で歌いかけます。カズンズとのアカペラ・パートも絶品です。"Benedictus"では待望のカズンズのダルシマーが嬉しいですね。これもなかなかの出来です。最後はウィロービーとキャサリン・クレイグの共作である"Alice's Song"。これをまたカズンズがバンジョーの音色とともに感情こめて切々と歌っています。 さて、一気に書き流してしまいましたが、本作は期待を裏切らない、彼らが30年の実績をもとに本気で作ったアルバムと云っても過言ではないはず。こんな素敵な作品が出てしまっては、次作においてはアコースティックではないストローブスもぜひ聴いてみたくなるじゃぁありませんか! それにしてもカズンズの歌声ってほとんどと言ってよいほど歳月の経過を感じさせませんねぇ。 | |
Strawberry Music Sampler No.1【2001 WC CD 2002】 | |
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あぁ、遂にあの幻のストロベリー・ミュージック・サンプラーがCD化されました。といってもこれは、1969年に100枚限定で出版社向けに発表されたレコード盤からの盤起こしのようです。オリジナルはただ真っ白のジャケット、裏面にはトラックリストが記述されたシンプルなものでしたが(残念ながら実物を見たわけではありません)、今回のCD化では赤いロゴで大きく"Strawbs Sampler"と印刷されています。なんとジャケットにはレコード盤の丸い痕跡が映し出されています。(そういえば、確か日本国内のみで発売された"リック・ウェイクマン&ストローブス"もまっさらな白ジャケにエンボスという形式でした。)このようなマニアックなアイテムがCD化されるとは誰が考えたでしょうか?不思議ですね。 さて、内容についてですが、一言で言えば"Preserves Uncanned"に収められていた曲に若干のアレンジを施したような感じであります。もちろん、サンディ・デニーの若々しい歌声も聞こえてきます。("Sail Away To The Sea"、"Two Weeks Last Summer"、"Nothing Else To Do"、それに名曲"Who Knows Where The Time Goes") このままサンディがフェアポートに移籍せずにストローブスに残ったら、英国版PP&Mかチューダー・ロッジのような純粋でシンプルなフォーク・バンドの形態で進んでいったのでしょうか。改めてカズンズ、フーパー、サンディのコーラス・ハーモニーが素晴らしいということが感じ取れました。 "And You Need Me"、この曲は前述の"Preserves Uncanned"にも収録されていましたが、かなりビートルズの作風(ギターアレンジ)を意識して作られれているようで、そういう面でも好きな曲です。 "Ah Me, Ah My"は"Grave New World"に収録されていた曲ですが、なんとこんなにも古い曲だったとは知りませんでした。"Grave New World"において、この曲のバックはトニー・ヴィスコンティズ・オールド・タイム・オーケストラが務めていたわけですが、本作のアレンジは全くと言ってよいほど同じもので、実際はどうなのか調査の必要がありそうですね。 | |
The Complete Strawbs Live At Chiswick House【2000 WITCHWOOD COLLECTION | ||
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2000年発売の最初のCDは、Chiswick Houseにおいて開催された30周年記念コンサートを収録したライブアルバムでした。"The Complete Strawbs"とタイトルされたこのアルバムは、過去においてストローブスに在籍していた主要メンバーが大集合しています。
現代のストローブスのライブは1993年にリリースされた"Greatest Hits Live"以来のものですから、それはもう興味津々であるわけです。
参加したアーティスト達は下記の通り。
とにかく、こんなに豪華な顔ぶれが勢揃いしているわけですし、又ゲストで出演しているフェアポート・コンヴェンションのフィドラー、リック・サンダースがどのようなプレイを聴かせてくれるのか、又リック・ウェイクマンの息子であるアダム・ウェイクマンのキーボードも楽しみで聴く前から興奮してしまったことを付け加えておきます。 さて、このアルバムは次のような4部構成になっています。 "Thirty years on","Stateside Strawbs","Strawberry Hill Boys again","The Re-Union Strawbs" まず1曲目の「Further Down The Road」、バックにはブライアン・ウィロービーとのコンビでもおなじみのキャサリン・クレイグが美しいハーモニーをつけています。 「Ringing Down The Years」では、ゲストのリック・サンダースのフィドルがまったく違和感なしに、いやそれ以上に曲に厚みを持たせてサンディ・デニーを偲ぶ気持ちに拍車をかけます。 次のステージは通称USバンド、リズム隊にはロッド・クームスとチャス・クロンクが登場。もちろんギターはデイヴ・ランバートです。残念ながらキーボードはジョン・ホウケンではないですが、ゲストのアダム・ウェイクマンが良い味を出しています。 またもやリック・サンダースの絶妙なロック・バイオリンが聴ける「Hero & Heroine」は特筆すべきで、もともとバイオリンのパートがあったような仕上がりでビックリします。 次の展開は「Strawberry Hill Boys Again」。ということは相棒のトニー・フーパーの歌声が聴けるのです。 あの"Greatest Hits Live"では影が薄かった彼でしたが、ここでは「Oh,How She Changed」で熱唱してくれて、この歌声を聴けただけでもうれしくなります。 「Witchwood」はカズンズのダルシマーで聴きたかった・・・というのは贅沢でしょうか?(ステージでは 実際に披露したらしいですから・・・)でもこの曲のライブ・バージョンとしてはお初なのでそれだけで納得ということにしましょう。 さて、最後は現在のリユニオン・ストローブスが締めくくります。「New World」、「The River〜Down By The Sea」と、お馴染みのナンバー。「Down By The Sea」ではランバートの歌声を聴くことができますが、高音がちょっと辛そうです。 最後の曲は、「Lay Down」ではなく、「Part Of The Union」です。これは東京公演では聴けなかったですからこういうエンディングでもいいですね。(実際のアンコールは「Tell Me What You See In Me」でしたが。) さて、一気に書いてしまいましたが、実際のステージでは36曲演奏し、これらの曲以外にも「Blue Angel」や、ランバートのソロ、ハドソン・フォードとしてのステージなども披露したらしいです。欲を言えば2〜3枚組としてこの30周年コンサート全てを収録したものをリリースして欲しかったですね。 セットリスト及び詳細はSTRAWBS WEB内のChiswick 30th Anniversaryをご覧下さい。 2000ツアーも大成功のストローブス、今後も目が離せませんね。 | ||
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