３月のとある日に愛車のセレナの１年点検でなじみの日産ディラーに行ったんです。
これが全ての始まりでした．．．

点検を受けている間の待ち時間って暇ですよね。
営業担当と話をしたり、車のカタログを見たりして時間を潰そうと思ってもなかなかそうはいかなくて、皆さん代車を手配したりして車を預けちゃうんじゃないでしょうか？

私の場合はちょっと事情が違うんです。
仕事上、平日に休みとなる事が多くて、平日の午前中にディーラーに行って点検を受けるんです。
田舎のディーラーですから平日の午前中なんてスタッフの方も結構ヒマで私の相手をしてくれます。その中で十年来お付き合いしている工場長が２年程前から、クワ・カブ飼育を始めまして、その工場長とクワ・カブ談義に花が咲いて１時間や２時間はあっという間に過ぎてしまいます。

ところが点検を受けた日はあいにくとクワ友工場長が休みで一人で時間を潰すはめになってしまいました。
ひとりで何気なく展示車を眺めると、私と同じ型、同年式のセレナが１２８万円で販売されていました。

『１２８万で中古販売するって事はこのセレナの下取りっていくらになるのだろう？』
と、試しに店長に聞いてみました。
「店長、私のセレナはいくらで下取りしてくれるの？」
「ヤマコウさんならいつもうちで車検や点検を受けてくれるので高く取ってあげるよ。ちょっと待っててね」
と、査定一覧表を持ち出して来ました。
一覧表にはでかでかと『社外秘』と書いてあるのにお客さんに見せちゃうんです。
この店長はいつもこんな感じで、お客と面倒くさい駆け引きはやらずに自分から、
『これがうちの限界。だから買って！』と切り出してきます。
典型的な田舎の営業マンなんです。

その店長の査定一覧表には９１万と記入されていました。
「ヤマコウさん、これは基準だからここから車検残や走行距離数、ボディの傷などを査定して減算するので、これより査定額は下がるからね。何ならきちんと査定してあげるから、エルグランド買ってよ」
と、いつものように言ってきましたので、
「そんなお金があったらこのセレナに６年も乗っていませんよ〜」
とその日は早々に退散しました。