ワタシが本気になった試合
第1回 前田日明 対 山崎一夫
1988年6月 後楽園ホール 第2次U.W.F旗揚げ戦
ハイ、そういうわけでこの試合がワタシの初レビューとなります。長くなったり短くなったり、果ては更新がぷっつり途切れたりいきなりずらりと試合が並んだりする気が思いっきししますが、見放さずに見てやってください。面白いかどうかまでは、自分が気にしても仕方ないのでお客さん方に任せますわ! 気楽に行こうや!
そんでこの試合、まあ“初めて”にはちょうどいいんじゃないかな、と思った次第で。
第2次UWFは80年代末期には爆発的な人気を誇ってて、老舗の全日本、新日本をしのぐ勢いになっていたもんです。今じゃあ、前田も山崎も引退、総合格闘技系がシーンの中心になっていて、「UWF系」なんて言葉は死語になってます。かろうじて、元UWF、Uインター、リングス出身の田村潔司が「U−STYLE」を設立してはいますが、外見以外の精神はほぼ失われています。
ボクサーに対するグローブのように、キックに説得力を持たせたレガース・シューズ。パンチではなく掌打による打ち合いや、時には5〜6分も同じ体勢のままのねちっこいグラウンドレスリング。そのどれもが衝撃的で、後の格闘技の道に続くものであったと思える。
とは言えこのスタイル、従来のプロレスと比べると重大な欠点を持っているのです。それは選手のスタイルが画一的になる、つまりはみんな同じことしかやらないんです。キックも掌打も関節技も使う。そのどれもが強くは見えるんだけど、あんまりにも同じすぎて選手の個性がUWFスタイルそのものが持つ個性の方に塗り潰されてる気がしてならないのです。この中で自分を発揮していたのは藤原善明、鈴木みのるくらいだったかなぁ。船木誠勝がUWFは一番上手く消化してるようにも思えた。当時は。
まあ、前書きはこれくらいにしてこの試合、旗揚げ戦のメインイベントということでそれは盛り上がってた。いや、歳がトシなんで映像で見た限りでしたけど。終盤の前田をハイキックでふらつかせる山崎や、キックを捕らえて寝技で極めにかかる前田、見てて物凄く興奮する試合でした。「これぞ勝負だ!」とか思ったりして。でも、UWFでは「名勝負」と言えるのは少ないと思います。前述した通り、試合がどれも似たようなものになっていて、新鮮味が薄く、選手層の薄さがそれに拍車をかけて、同一カードの連続、ということになっていました。この状態の改善は88年末、鈴木、船木、藤原の三選手が新日本から移籍してくるのを待つことになります。
それでも、実際に「うお、UWFってスゴイ!」と言えるようになるのは、船木がスタイルの迷いを吹っ切って、先輩選手を掌打でボコボコにするようになってからなんですがね。その前段階として、この試合ほど旗揚げ戦の意欲が伝わってくる試合はないんじゃないでしょうかね。山崎も何かのインタビューでこの試合が第2次UWFで一番燃えた試合だって言ってましたし。
ではまあ、第1回は妙に長くなってしまったこの辺で。興味が出てきたら、誰か見てくれると嬉しいですね。