NO.20:DEVO 『Q:Are We Not Men?
A:We Are DEVO!』 |
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1.Uncontrollable Urge 7.Too Much Paranoias
2.(I Can’t Get No)Satisfaction 8.Gut Feeling/(Slap Your Mammy)
3.Praying Hands 9.Come Back Jonee
4.Speace Junk 10.Sloppy(I Say My Baby Gettin’)
5.Mongoloid 11.Shrivel−Up
6.Jocko Homo |
来ました、テクノ・ポップの王道、“DEVO”です。20回目を祝して、ここは初の洋楽でいってみたいと思います。まあCD持ってる洋楽自体、そんなにないですけど。そんで今までは体系的と言うか、まるで音楽雑誌の「懐かしの名盤セレクション!」みたいなことばっか書いてきたので、ここで一つ肩の力を抜いてめったやたらと書いてみたいと思うんで。ホントは単に“DEVO”の資料とかを探す時間が無かっただけですが。
そんでブライアン・イーノプロデュースのこの78年発売のデビュー盤ですが、邦題は『退廃的美学論』どういう訳し方をしたのやら。“DEVO”のアルバムタイトルはなぜかこの先も邦題にすると異様なものばかりになってしまい、挙句の果てに『ディーボの食いしん坊万歳』なんてアルバムまで出たりしてました。これこそニューウェーブか? そうです、ニューウェーブなんです、“DEVO”のカギとは。テクノ・ポップと言っても、今のそれ系のバンドが出す音と、このアルバムに収録されている音とはどうにも違います。特別キーボードがピコピコ鳴ってるわけでもないし、リズムボックスがシュッポシュポいってるわけでもない。“YMO”なんかとはイメージが全く違うのですな。どっちかと言うとギターもギャンギャンうなるし、ドラムもズタズタリズムを鳴らす。かなりロック的な音楽なのですよ。じゃあ“DEVO”はなんでテクノだ、ニューウェーブだなんて言われるのか。もう一言で言ってそのスタイルです。全員一緒のツナギ風の服、サングラス、妙な形の帽子、そして意味不明のロボット・ダンスのような動き、そのどれもがあまりに無意味。“DEVO”が当時のロック界で一番新しかったのが、音楽性どうのじゃなくてこのパッと見のインパクト、そのスタイルの斬新さにあるのではないか、と思うわけですよ。
音楽的には後期はともかく、このファーストは1曲目の『Uncontrollable Urge』からしてまるでパンクの曲のような疾走感溢れる演奏になってます。そして2曲目の『(I Can’t Get No)Satisfaction』は“ザ・ローリング・ストーンズ”のカバーで、もっとも有名な曲。しかし今度はメチャクチャなリズム感で確かにテクノ的なんですが、やはり現在のテクノイメージからは離れたものになっています。でもね、カッコいいんです。
“DEVO”のカッコよさっていうのは、とにかく映像に顕著に現れてます。ライブ盤では意味不明な叫びとか入ってたり、映像では銀行強盗みたいな覆面かぶってパンツ一丁のワイセツ物陳列状態だったり、そうかと思えば前述の『(I Can’t Get No)Satisfaction』のビデオ・クリップは例のツナギを着て絶唱! この「ニューウェーブ=ツナギ」というガレージ精神は80年代では“有頂天”が良く揃いの衣装でライブしていたし、いまでは“ポリシックス”が有名でしょう、揃いのツナギって。源流と言うか、まんま“DEVO”なんですが、もうそんだけこのスタイルが新しくて衝撃的だったことのなによりの証明でしょう。いわゆる「一人打ち込み的」なテクノ・スタイルを作ったのが“YMO”や“クラフト・ワーク”あたりなら、こういう「ビジュアル・ショック的」なテクノ・スタイルを作ったのが“DEVO”なのでしょう。でも、ニューウェーブとテクノって別に同じものではないとボクとかは思ったりするんですけどねぇ。テクノが出てきた70年代当時、とにかくとにかく「新しい」と言う範疇でこの二つはくくられて、同じようなイメージになってしまいましたが、まあ確かにテクノにロック的な演奏スタイルは無かったし、「イスに座って弾き語り」なフォークイメージをぶっ飛ばすほどの先鋭さを確かにテクノは持ってたんですねぇ。とにかく、ジャケットから題名まで最高なこのアルバム、タワーレコードとかに行けばたいてい置いてあるのでぜひとも手にとって見てもらいたいです。ん? あんま見なかったかな? まあアマゾンか近所の中古屋で探してどうしても無かったら通販とか…ベストなら結構売ってたりするんですけど、ボクは洋楽はベストから、ってのがイヤなんですよね。なんかそれ以上は聴かなくなっちゃって。洋楽はやはり1枚目、これですよ! |