2003.10.28より
NO.25:佐野元春 『SOMEDAY Collector’s Edition』 |
disc 1 disc 2 1.シュガータイム 1.シューガータイム(single ver.) 2.ハッピーマン 2.スターダスト・キッズ(original ver.) 3.ダウンタウンボーイ 3.バイバイ・ハンディラブ(original ver.) 4.二人のバースデイ 4.ワンダーランド(mono mix) 5.麗しのドンナ・アンナ 5.マンハッタンブリッジにたたずんで(niagara triangle vol.2) 6.サムデイ 6.ソー・ヤング(original ver.) 7.アイム・イン・ブルー 7.ダウンタウンボーイ(original ver.) 8.真夜中に清めて 8.サンチャイルドは僕の友達(another mix) 9.ヴァニティ・ファクトリー 10.ロックンロール・ナイト 11.サンチャイルドは僕の友達 |
思い出すなぁ。約2年前に、自分への誕生日プレゼントとして、タワーレコードで買ったのがウソのよう。それほど名盤でした。すでにオリジナルであるディスク1も捨て曲一曲とてなし。感涙しながら聞いてたのを思い出しますね。 ところで、佐野元春の音楽イメージってのは「都市」なんですよ。彼の音楽に習って、「シティ・ライフ」と言い換えてもいい。とにかく、彼の音楽を聴いた瞬間に、夜の喧騒に包まれた「シティ・ライフ」がまざまざと蘇ってくるのですよ。それが人通りの途絶えた、深夜の新宿であったり、未だ覚めやらぬ原宿のようにも聞こえる。オリジナル版『SOMEDAY』のジャケットは、そのまんま硬質化した夜のビル群を意識してのものだった。そんな気持ちを知って、このアルバムを聞き流してみると、まざまざと80年代の、雑多で、それでいて何もない空虚なシティが広がっていくんですよね。それでも、人はどこかしこにいて、夜の都市を支えている。ボクが彼のアルバムを聞いたとき、初めて思ったことでもあります。大江千里にも、同じものを感じるがね 突き詰めれば、このアルバムを契機に、彼の音楽性は広がりを持った、と言ってもいいんじゃないですかね? 現に次作『ビジターズ』は“日本の”「シティ・ライフ」ではなく、本場アメリカの「シティ・ライフ」に聞こえたものだ。第1作である『バック・トゥ・ザ・ストリート』から続く「日本のシティ・ライフ3部作」の完結に相応しいものがある。ディスク1の1〜3曲など、その真髄でしょう。そして誰もが知る(今となっては?かな)名曲「SOMEDAY」になだれ込んでいく。曲調はゆっくりながらも、都市で生きる青年の息吹を感じさせる曲。前作『ハート・ビート』に収められた「ガラスのジェネレーション」は、こうして青年の「シティ・ライフ」に結実していく。その瞬間が、このアルバムには収められているのだ。 最後に、ボーナストラックのディスク2は、殆どがシングル盤に入っていたもの。「スターダスト・キッズ」、「バイバイ・ハンディラブ」など、オトナの洒落たメッセージなのだ。そう思うのだ。シンデレラは、最後は王子の下を去る運命なのだ。 ディスク1の9曲目、「ヴァニティ・ファクトリー」も名曲。まるでジャズ・バーに迷い込んでしまったようだ。それでいてハードな曲調。この曲は沢田“ジュリー”研二もカヴァーしております。まさにポップ・ミュージックの真髄が詰め込まれてます。 コレクターズ・エディションは、今はもう売ってないかも知れませんが、大都市なら旧作の中に紛れ込んでいる可能性高し。それでも欲しい場合は、ネットオークションを覗いてみてくださいな。ポップ・ミュージックの真髄、ここに極まれり! |