2003.10.3より
NO.4:THE STALIN 『THE STALIN BEST』 |
1.ワルシャワの幻想 9.水銀 2.ロマンチスト 10.Go Go スターリン(シングル・ヴァージョン) 3.アレルギー(シングル・ヴァージョン) 11.爆裂(バースト)ヘッド 4.STOP JAP 12.アザラシ 5.下水道のペテン師 13.Nothing 6.365 14.STOP GIRL 7.天プラ 15.M−16(マイナー・シックスティーン) 8.取り消し自由 16.虫 17.バイ・バイ“ニーチェ”(ライヴ・ヴァージョン) |
かの“クドカン”も好きな遠藤ミチロウ率いる“THE STALIN”です。80年代、まだ未整理だったパンクに思いっきり強い定義づけのようなものをしたのがこの人です。英語よりもわかりやすいので、カタカナで書くと“スターリン”は観客が嫌がることをやって、逆にそこから観客とのコミュニケーションを図るというミチロウの考え方がありました。事実、最初にマスコミに取り沙汰されたときには、全裸、放尿、汚物の散乱、果ては観客にフェラチオ要求といったパフォーマンス要素の強い、一種のイロモノ的な見方をされていました。しかし、“スターリン”がそれだけで終わらなかったのは、ミチロウ自身が高い音楽性を持っていたからでしょう。また、詩においても「ロマンチスト」や「天プラ」のような自己や人のあり方を断罪するようなメッセージ性を持ってるかと思えば、「STOP GIRL」のようなラブ・ソングを歌ったりしています。クドカンの対談本でも書いてあったように、ミチロウ自信には「パンクはかくあるべし」という考えは全くなく、それ故に広い音楽的な視野を持てたのだと言えるでしょう。 この“スターリン”というバンド自体、ミチロウにとっては「個」であって「全」ではなかったのではないかと思ったりします。“スターリン”はその過激性が薄れる前に解散。以後、フォークスタイルのソロやビデオのみによる作品発表を行う“ビデオ・スターリン”といった活動で音楽を突き詰めていくことになります。 そんな“スターリン”の作品、ぜひとも一度聞いてみてください。「ロマンチスト」のギターや歌詞は、一度聞いたら病み付きになること必至! ちなみに、このベスト盤は最新のヤツで、音質が高いのに対して、選曲がファンにはあまり好まれていないようです。“スターリン”のアルバム全てを集めたベストの方も出ていますので、そちらを買ってみるのもいいかもしれません。ボクはこれが2000円以下だったので、つい買ってしまいましたが。入門編としては最適だと思いますよ。 |