2003.10.7より



NO.5:INU 『メシ喰うな!』
        
1.フェイド・アウト                6.メシ喰うな!
        2.つるつるの壷              7.ライト・サイダーB(スカッと地獄) 
3.おっさんとおばさん             8.インロウタキン
4.ダムダム弾                   9.305    
5.夢の中へ               10.メリーゴーラウンド
                       11.気い狂て
 本の解説に書いてあったけど、町田町蔵(現・康)の詩(もしくは詞)は曲ありきの詩ではなく、でも曲があって、それに合わせる詩でもない。単純な話、パンクサウンドに乗せて町蔵が大声で自分の詩を、それこそ譜面どおりでも何でもなく歌っても、それは「音楽」として聞く者の耳に残る。彼の作るものは、表現活動全てが直結してて、コレは音楽、コレは詩、コレは小説なんて風に分割されたりはしない。同一地平線上の考えがそのまま媒体を変えてる、ということに過ぎないのだと思う。事実、町蔵の「言葉」はまるで変わっていない。意味があるのか無いのか、それを考える前に、突き刺さるような声で「言葉」が届いてくる。初めて聞いた時に、こんなものが20年も前にあったのか、と本気で驚いたものである。
 こんな風に、少々評論めいたことをたまには書こう、と。こういったページでの紹介が元で、この音楽を聴こうと思ってくれる人が一人でもいてくれたら嬉しいと思うし。このアルバムは町蔵のアルバムの中では最もロックさとポップさが混在してるものだと思うんですよ。まあ、他は2枚しか持ってないですけど。感情が乗ってくると、もうブッ飛んだ声になる町蔵の歌い方もやはり素晴らしい。やはり彼に一番合ってるにはロック歌手なのかな、と思うくらいです。でも、演奏の面から考えてもこの“INU”での町蔵がボクは一番好きなんですね。「つるつるの壷」やもう歌詞もわからない「メリーゴーラウンド」なんてのも名曲です。ゼヒ一聴を。
 しかし、当年19歳の町蔵であるアルバムのジャケットはもの凄い。あんまりにも迫力がありすぎて、枕元には置けないほどです。町蔵のアルバムはどのジャケットもピカイチですな。顔からしてパンク。こんな男になりたい………。
    

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