2003.10.29より



NO.8:JUN SKY WALKER(S) 『J(S)W
        
1.カギは誰が・・・           5.HEY,HEY,HEY
2.MY GENERATION       6.BAD MORNING
3.ガラスの街              7.NO−NO BOY
4.SUICIDE DAY            8.言葉につまる 
 さて、2連続更新の2弾目は“ジュン・スカイ・ウォーカーズ(以降、ジュンスカ)”のインディーズ時代の一枚。制作と発売は、宝島社が設立したインディーズレーベルのキャプテンレコードからです。
 キャプテンは80年代当時は見事なサブカル雑誌。この後、エロ雑誌を経て経済雑誌になるとは誰も予想つかなかったですが。とにかく、当時のキャプテンレコードは宝島社のバックアップによってインディーズ界での強い影響力と宣伝能力を持ってまして、所属してたバンドも数多かったです。たしか、“ブルーハーツ”もここの所属だったんじゃないかなぁ。オムニバスには“ザ・スターリン”の遠藤ミチロウや“有頂天”も参加してました。
 そこで“ジュンスカ”はパンクバンドとして発進。何個かのカセットブックの後にこのレコードを発表して、メジャーデビューを飾ることになります。その活動の中心となっていたのは、今や懐かしの「ホコ天」。80年代は若者の天国であった「ホコ天」では踊り狂うもの、そしてライブを行うものが増大し、何千人もの人がそれを見に集まってくると言う現象が起こりました。俗に言う「バンドブーム」の前夜というやつです。80年代ほど、若者のエネルギーが“若者らしく”満ち溢れて、発散されていた時代というのは無かったんじゃないですかね。現在の子どもは、若いうちからあまりに多くの事を知っちゃった、というか、知ったつもりになってる気がしますねぇ。かく言うボクもそんな若者の一人なんでしょうが。こまっしゃくれて物事をナナメに見て、「自分は子どもです」と大抵のことからすり抜けるのはどうもねぇ。80年代というのは、フザケンナ! と若者達が色々なものに対して、実のところそれほどわかってもいなかったのに吠え続けていた時代だったのだと思います。でも、それはカッコ悪いことなんじゃなくて、考えていることを正直に、一生懸命にぶつけるところに意味があるんです。体裁にこだわっていては、本当に満足することは出来ないんじゃないでしょうか。
 “ジュンスカ”の音楽は、まさしく自分たちの現状を歌い、つまりは青春の日の憤りをそのままぶつけていくことなのだと思います。本作には、結成当時のメンバーによるそうした青々とした「若さ」が存分に伝わってきます。殴りつけてくるようなビート感と切ない歌詞。バンドブームの渦中にあった殆どのバンドの曲は、このような10代、20代の「若さ」が渦巻いており、出来ることなら彼らの曲を同じく若い世代達に聞いてもらいたいのです。あの時代に彼らのそんな「若さ」を支持したのは、同じような「若さ」を抱えて人たちなのですから。
 このCDを店頭で手に入れるのはちょっと難しいですな。オークションだったら、状態さえ気にしなければ500円程度で手に入れることがあります。全曲名曲。ロック好きは、ひとまず聴いてみてくださいな。若いってことを青臭いと笑う前に。


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