2003.11.26より



NO.9:オムニバス 『子どもたちのCity
        
1.泯比沙子&クリナメン『フューチャー・ナウ!』 6.パパイヤパラノイア『眠れない夜のために』
 2.筋肉少女帯『23の瞳』        7.GO−BAN’S『愛をこめて“もっと!もっと!”』
3.人生『いかした彼女』             8.グレイトリッチーズ『金くれ』
4.きどりっこ『おくちがガーガー』    9.THE LONDON TIMES『僕は言いたい』
5.ばちかぶり『未成年』             10.メトロファルス『BRAZIL』
 どうも、久々の更新です。何だかんだ言って、やはり更新ペースというものは落ちていくものなんですかねぇ。最初の毎日更新がウソのよう。
 とりあえず、今回は“有頂天”とかが所属していた事務所・PCMが企画した、当時インディーズの音楽ブームが起ころうとしていた88年頃のオムニバス版です。とは言え、当時隆盛だったハードなビート・パンクなどの音楽とは違って、もっとポップでひねくれた音楽ばかりを集めたものになっていて、そのせいかいわゆるナゴム系のバンドが多いようにも感じられます。まあ、いい具合に色んなバンドが集まったCDとして、聞いてみるのがいいかもしれません。どれもドカドカうるさいロックとは無縁そうな人間ばかりです。各バンド紹介でもして、今回は筆を置こうと思ってるのですが、実は“THE LONDON TIMES”と”メトロファルス”は知りません。ですから、知りたかったら自分でgoogleなりで検索してみてくださいね。
 まずは“泯比沙子&クリナメン”、元はノイズな音楽で裸になって生魚を食うというパフォーマンスをやっていた泯比沙子でしたが、まあ、メジャーを目指すためにバンド形態の音楽に方向転換、楽曲もポップなものが多くなっていきまして、これも多分その時のもの。泯比沙子は「第2の戸川純」とか言われていましたよ。ボクはどうか、と思うんですが。ちなみにベースは現”ハイロウズ”の調先人。
 “筋肉少女帯”は御馴染み、オーケンのバンド。この当時はまだメジャーデビュー前で、ピアノ中心の楽曲作り。オーケンの歌詞もちょっと危険でした。“人生”も同じくナゴムのバンド。“電気グルーヴ”の全身バンドで、当時から石野卓球が音楽を作り、ライブではパフォーマンス集団が踊り狂うというバカをやっておりました。曲自体は、完全な打ち込みテクノ。
 “きどりっこ”は甘ったるいのかカン高いのかわからない声のてんちゆみと、佐藤隆一のポップ・ユニット。まるで“PSY’S”のようです。“ばちかぶり”はいまやB級俳優の重鎮、田口トモロヲが組んでいたパンクバンド。とは言え、トモロヲの書く詩は当時から哲学的で、社会状況や音楽シーンを強烈に皮肉ったものとして大人気に。次第に大人数のファンク・バンドとなっていきましたが、これはその頃の作品。いきなり「ボーイズ・ビー・シド・ヴィシャス!」と叫ぶトモロヲにビックリ。だがしかし、カッコいいです。
 “パパイヤパラノイア”は83年くらいから活動していて、現在も続いているガールズバンド。今のビジュアルといったら、いやこれが全く色褪せていないから不思議です。曲は正調ロック。“GO−BAN’S”は「♪アイに―来てアイ・ニードユー♪」で御馴染みだったガールズバンドの代表格で、札幌出身だったりします。ポップな曲が多くて、今作ももちろんそういう傾向。ボーカル・森若香織の声はカワイイ。彼女は現在役者をやってたりしてます。
 “グレイトリッチーズ”もまた、ナゴム系のバンド。王道的ロックな音楽を聴かせながら、詩はシッチャカメッチャカ。どこか“カステラ”に通じるものがあります。
 というような感じで。普通のうるさいロックは嫌い、もしくは80年代のポップソングを聞いてみたい人にとってオススメです。なにより、今や稀少となったナゴム系バンドの曲に慣れ親しむには、現在最も手に入れやすいCDだったりします。値段も2000円程度なので、ゼヒ気が向いてみたら聴いてみて欲しいですなぁ。


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