Coffee Break
Coffee Break NO.98/2006年4月30日Sun.
      

                   「食

   国別の食に関するアンケート調査のなかで、日本人は「食事を作った経験が少ない」の項目で輝かしい一位を獲得しました。寂しい気がしますね。料理はするが食事は作らない、ケーキやクッキーは作れるけど、お味噌汁の出汁がとれない人が増えているそうです。

   さてさて、標題の「食育」はまさにこのような状態に対して、最近クローズアップされている言葉です。「食育」とは、食事を作るという行為を教育の大切な要素にしているのだそうです。食事を作ることを通して身につくものは沢山ありそうですよね。調理の技術や習慣はもちろんですが、親から子へ子から孫へと代々伝えられる知識もありますね。いっしょに作っていると親子関係も深くなりますし、たくさんの「生活の技術」を身に着けるということにつながっているようです。栄養のバランスということとは別の次元で「生活者として基本的に身につけておきたい知識であり、スキル」が自然に身につきそうです。単に料理教室で調理法を学ぶというのは違い、食事をつくることによって生活が広がりそうです。大げさですが、文化や伝統の継承もあるかもしれませんね。

   ところでこの言葉、既に明治時代に語った人がいたそうです。その人こそ、平塚市の方ならよくご存知の村井弦斎なのです。平塚市以外の方のためにちょっとご紹介しておきますね。・・・村井弦斎とは、揚げたての「弦斎のカレーパン」で有名。平塚駅北口のバスターミナルの片隅にお店があって、そこの茶店風のベンチに腰掛けて熱々のカレーパンを食べることができました。
   村井弦斎、明治期の小説家。当時、平塚市きっての資産家であり、奥さんとともに夫婦そろって当代の食通家としても著名でした。小説「食道楽」はベストセラーになったそうです。彼はその小説「食道楽」で、食事とは「子供の心身を育むこと」と書いていたのですね。食事は、体だけでなくて心を育むということを説いていたのです。
   「食育」ということば、いかがでしょうか。ちょっと意識して、一緒に食事を作ること、見直したいですね。
  
  追記:平塚駅前の「弦斎のカレーパン」のお店、この3月よりそこの区画が工事に入っていて、お店は閉店しています。


   
Coffee Break NO.97/2006年4月16日Sun.
      

                    「春の絵本」


   「このゆびとまれ」「もういいかい まあだだよ」(平出衛著 福音館)は、子育てサークルで毎年この時期にご紹介している春爛漫の絵本です。子供たちはひらひらと舞うちょうちょが好きなようです。先日の二宮のサークルでも、1歳11ヶ月の子、男女2名が絵本の中のちょうちょを見てニコッとしていました。お花畑が綺麗に描かれている場面と、黄色いちょうちょが指にとまる場面をじっと見ていました。
  この二人のお子さんは、お母さん方が日頃から読み聞かせをしていますので、絵本のページめくりをするようになっています。自分のペースでページをめくりながら読み聞かせを聞く、もう絵本大好きになっている証しです。先日は、半年ほど前に自分がかじって端っこがちょっと削がれている絵本を持っていて、「読んで」ってお母さんに差し出していました。今年はきっと一人読みができるようになるでしょうね。楽しみです。



Coffee Break NO.96/2006年4月8日Sat.
      

                     「散る」美学


    散るという飛翔のかたち花びらは/ふと微笑んで枝を離れる   俵 万智


  大好きな歌です。毎年この歌を思い出します。散る瞬間にこの歌を口ずさみたい。
  「散る桜に励ましをもらった」という俵万智さんのコメントが印象的です。「散る姿」に見るのは、終わりの形ではなくて、花びらの「飛翔」の潔さだと言います。だから「ふと微笑む」のですね。散る花びらが微笑んでいる、素敵な心象風景です。「自分の心が散るときは満開であってほしい」と俵さんは言います。
  日本の繊細な伝統、桜の旬は散る間際。今週末が花見の本番かもしれませんね。



Coffee Break NO.95/2006年4月2日Sun.
      

           「さくら」


  宴会でも始まったかのように、草花が急にぱっと開きだしましたね。思わず「さくら」(月間かがくのとも 絵本)を買ってしまいました。ソメイヨシノの独り言を絵本にしたもので、桜の芽の描写が素敵です。「わたしのあかちゃんがめをさまします」「こいピンクのかおがみえてきた」「もう めではありません。つぼみです」・・・「みてみて。わたしのあかちゃんは よつごだったり いつつごだったり」・・・桜の花が膨らんでいく様子をコマ送りの絵で伝えています。そして最後は「みごと みごと」と満開の「わたし」でおしまいです。裏表紙には、色々な種類の桜が描かれてあります。

  「アリのこ ちえちゃんのおつかい」(月間かがくのとも 絵本)は、2歳半の子が最近お気に入りになっているとあるお母さんが教えてくださいました。外に出てありを見つけては喜んでいるのです。自然科学の絵本、アウトドアが始まる季節にはお勧めですね。実体験と絵本を合わせることの喜びを子供たちに知って欲しいと思います。きっと今現在、豊かな時間を持てる子供になることでしょう。

  成長だとか、未来だとか、将来だとか、夢だとか、それらは何のための言葉かというと、きっと今現在を豊かに過ごすための言葉だと私は思います。将来のための自然科学絵本なんてけち臭いこと考えないで、今を豊かに感じるために読み聞かせする「かがくえほん」は良いものです。実体験が言葉を豊かに育てるのは言うまでもありませんが、ことばが実体験を豊かなものにするということもまた真理です。子供たちの今現在をフォーカスしていく日々でありたいものです。