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Coffee Break NO.127/2007年2月23日Sat.
春の香り
暖かい風に乗って、自然と目を閉じてしまいそうな甘い香りが運ばれてきました。白木蓮です。香水の材料としても使われるそうですから、うっとりするのも当たり前でしょうか。大寒ということを忘れてしまいそうな春の香りです。目を開けて香りの元を探してみると、花の方はちょっとデカイですね。木蓮の花に鼻をつけて香りを嗅いでいる人がいたら随分おかしな姿でしょうね。ま、木蓮というくらいですから、蓮の花に似ているわけで、じっと佇むときの存在感はありますけどね。
実は、花木に限定して言うと、木蓮は地球上で最も古い花木なのだそうです。これは一億年前からあったらしいから、ホントに由緒正しい花木ということですね。そう説明されると、幾分グロテスクな花びらにも、蓮の花に共通するような太古の遺伝子の存在を感じるものです。西洋では、「椿、ツツジ、木蓮」は三大花木とされているとのことですので、古今東西、木蓮は存在感が大きいということです。そう思うと、この甘い香りに更に親しみが湧いてくるというもの。
それにしても、今年は開花が一ヶ月も早い。異常気象が心配ですね。
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Coffee Break NO.126/2007年2月19日Mon.
春も直ぐそこ
微笑み返し♪」(古い!)ではありませんが、先週は各地で春一番が吹き荒れました。春一番?・・・知り合いのHPでは次のように紹介してありました。『立春から春分の間に、初めて吹く南寄り(東南東から西南西)の強風の事。風速8m以上である事が必要。元々は長崎県壱岐市の漁師の間で使われていた。春先、日本海を進む低気圧に向かって南側の高気圧から風が吹き込む事で、この現象が発生する。そのため、主に太平洋側で観測される。春一番が吹いた翌日は西高東低の冬型の気圧配置となり、寒さが戻ることが多い』ということです。この大風の原因は、日本海に出来た低気圧と前線です。つまり暖気と寒気の境目が日本海に移ったというわけですから、西高東低の冬型の気圧配置が崩れたことを示します。春はもう直ぐそこってことですね。
ところで「春一番」という言葉を生んだという壱岐の猟師の話を調べてみました。すると1859年(安政6)のこの時期の大風によって、地元の漁師が大勢遭難したそうです。その大風を春一番と言って、地元では畏れたそうなのですね。それから昭和62年、郷ノ浦港入口の元居公園に、船の帆をイメージした「春一番の塔」が建てられたとのことでした。自然への畏怖がこめられた言葉なのですね。
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Coffee Break NO.125/2007年2月12日Mon.
泣ける本
泣ける本、何かありませんか?
会社でひょんなことからこんな話題に花が咲きました。新入社員の女の子が「東京タワー(リリー・フランキー)は泣けました」と言ったので、早速読んでみました。
ある3人家族、母と息子と父の親子関係を息子の目から描いた小説です。最後は、気丈で、いつも他人の気持ちを大切にしている「オカン」が癌で亡くなるのですから、確かに泣ける小説でした。しかし、それはむしろ爽やかな涙です。この小説には次の「みつを」の言葉が上手に挿入してありました。
「ただいるだけで/あなたがそこに/ただいるだけで/その場の空気が/あかるくなる/
あなたがそこに/ただいるだけで/みんなのこころが/やすらぐ/
そんな/あなたにわたしも/なりたい みつを」
みつをの言葉がこれほど自然に腸(はらわた)に染み込んだのは初めてでした。「東京タワー」はそんな小説なのですね。爽やかに泣いてみたい人にはオススメです。
「東京タワー」には、啄木の歌の挿入もタイムリーです。
「たわむれに 母を背負いて そのあまりの軽さに 泣きて三歩あゆまず 石川啄木」
これには流石にジーーんときましたね。
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Coffee Break NO.124/2007年2月4日Sun.
食の物語
皆さんはこれまでの人生の中で「美味しかった」と感じた食べ物、ナンバー1は何ですか?
先週、ある会合で伊豆の下田に行きました。その夕食懇親会で、金目鯛の煮付けなどのご馳走を頂きながら、近くのお席のメンバーの方とこんな話をしていました。「美味しそうな煮つけですね。ところでこれまでに美味しいと思った食べ物にどんなのがありますか?」すると、向いの席のご婦人は「ありきたりだけど、父親が作ってくれたバターライスが忘れられないほど美味しかった。たいした料理ではないけどね。母が入院したときに、父が作ってくれたものです」と。父の味ですか、子供に心配かけないように、お父さんがんばったのでしょうね。愛情いっぱいの格別な味だったのですね。
隣の席のご婦人は、「若い頃、まだ新幹線がなかったころのことですけど、夜行列車で岡山に行きました。それは長旅で、揺られ疲れて岡山に着いたとき、駅で食べた水蜜桃の美味しかったこと」と、遠くを見つめる幸せそうな眼差しで仰いました。疲れを溶かす甘味の優しさ、渇いたのどを湿らす果汁の心地よさですね。
心で味わうご馳走食、その人だけのノンフィクションの素敵な物語、おご馳走様でした。
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