Coffee Break
 
Coffee Break NO.142/2007年6月30日Sat.
     
                   本屋大賞

   100mを最後に全力疾走したのはいつだったろう。20年前、トラックで400mを全力疾走したときには、乳酸が溜まるということを実感した。足がよろけて立てなかった。そんなことを思い出しました。
   2007年度本屋大賞の「一瞬の風になれ 佐藤多佳子作」、スポーツ新聞を読むかのように軽快に読めますね。全3巻ですが、まさに一瞬の風のように通り過ぎました。
   高校の陸上部の生徒を主人公にしたお話で、ふとしたきっかけで陸上部に入った新二がアスリートして技量と心を成長させていくスポーツドラマです。もちろん高校生が主人公ですから、青春ドラマって一面もあり、友情あり恋愛あり、喜びも悲しみも搭載というところですが、その辺はサクサクっとしています。むしろ陸上の100mや200mの走り方、400mリレーの専門的な技術やトレーニング方法なども詳しく分かりやすく描かれていて、ドキュメンタリータッチのアスリート物語という印象さえ持ちました。
   この本を読んでいると、まるで自分が100mを走っているような気分になります。スポーツが大好きな人、今風の高校生気質を味わいたい人、それから一瞬の風のように走っている爽快感を実感したい人にも是非お勧めです。それからこの夏の世界陸上が10倍楽しめるようになるかもね。
 


Coffee Break NO.141/2007年6月23日Sun.
     
                   OTAKUSA

   知人の家の庭に紫陽花が咲いていました。青いのと赤紫のと。「ここは土地がやせているから紫陽花がよく育つのよ」と。最近は、酸性雨の影響で青いのは多いのですが、赤いのは少ないそうですので、ご家庭のお庭で両方咲いているとはちょっとした贅沢ですね。
   遠い昔、学生の頃、「おたくさ」というお菓子を長崎の人からいただきました。可憐な花びらの一枚一枚を編んで焼いたような形のクッキーで、サクサクとした食感がとても新鮮で、私の美味しいものとの出会いベスト3に入るほどでした。実は「おたくさ」とは紫陽花の別名です。名付け親はシーボルト。彼は出島で見た美しい紫陽花に、妻の「お滝さん」の名前をつけました。「おたくさ」はこんなロマンを秘めている名前のお菓子ですから、味わいもひと際です。紫陽花を見ると、「おたくさ」との懐かしい出会いを思い出してしまう食いしん坊のYumeなのでした。      
   
          

 
Coffee Break NO.140/2007年6月17日Sun.
     

                    絵本美術館       
   
            
   先週、戸田幸四郎美術館に行って絵本の原画を見たというお話をしましたところ、早速ご返事をいただきました。いわさきちひろの原画を観てこられたそうで、「原画の持つちから、エネルギー?を、強く感じ、一番好きになった絵の絵本を買ってしまった」そうです。「帰り道、急に降りだした雨でぬれてしまいましたが、何だか幸せな気持ちになった一」とのことでした。ちひろ美術館、大人のメルヘンですね。石神井台と安曇野にあり、どちらも素敵です。
   熱海の戸田幸四郎美術館には、「うちのおちびちゃんたちと行きましたよ」というお声がありました。「あいうえおの絵本はお気に入りでしたし、ちずの絵本で世界地図を覚えてしまいました」と。そうそう、「1から100までの絵本」で数唱を覚えたという話はたくさんお聞きしており、とても評判良いです。また、あるお母さんは「私たちが行ってたときに、1階のラウンジに急に幸四郎先生が出てきて、ピアノを弾いてくださって感激しました」と。
   作家さんとの偶然の出会いであれ、原画との対面であれ、またまた実体験との重なりであれ、絵本を通しておこるこれらの出来事、贅沢な時間だと思いませんか。
 


 
Coffee Break NO.139/2007年6月9日Sat.
     

                    原画       
   
            
   絵本の原画は絵本の台詞にない言葉も語ります。
   先日、熱海の戸田幸四郎美術館にて、絵本の原画を見てきました。戸田幸四郎さんは、数や言葉を自然に身につける知育絵本や宮沢賢治の作品を絵本にした物語絵本などを描いています。展示室に飾られている原画には、その該当のページを開いた絵本が置かれていますので、原画と絵本を対比できるようなっています。絵本の絵より原画の方がずーーっと大きく見えますし、色鮮やかです。
   原画は一枚一枚が雄弁です。微笑みながら語りかけてくるようです。「こっちにおいで」と観るものの手をとって、「そんなにあわてないで、ちょっと僕の絵に寄り道していきませんか」「もっとおしゃべりしようよ」と誘っているようです。絵本では見過ごしてしまいそうな一シーンですが、素の自分をさらけ出して、率直なセンスでその1〜2ページに見入ってしまう子供たちは、もしかしたら印刷の向こうの原画を見ているのかもしれません。これが童心ってことなのでしょうかね。
   絵本体験といいますが、原画体験、みんなに味わって欲しいと思いました。
   熱海の山奥の自然のなか、その日は突然の雷雨でした。稲妻に追われるようにしてたどり着いた小さな美術館での出来事でした。



 
Coffee Break NO.138/2007年6月2日Sat.
     

                    ときには・・・       
               
   月曜に甲府に行って参りました。山梨大学の学生さんの取材です。
   仕事のことはさておき、甲府を歩いていると流石にワインのお店やワインバーが目立ちます。世界に通じるワイン作りを目指している街という印象です。実際ワインの評価で世界的に普及しているバーカーポイントで有名なバーカー氏も、甲州のドライワインを高く評価しているといいますから、ここのワイン街は既に世界基準に達しているということでしょう。
   今回はドライではなくて白の極甘の「貴腐ワイン」を自分へのお土産にしました。甲州は白ワインの宝庫で、貴腐ワインも輸入物に比べて種類も多いし、お値段も手ごろなのです。ですから普段はあまり縁のない貴腐ワインを選んだというわけです。これは蜂蜜を溶かしたように甘いワインです。デザートワインというくらいですからね。私はタルトのようなこってりしたチーズケーキ、そして苺と一緒にいただきました。なかなか良い相性でしたよ。お菓子とアルコールなんて不思議な味わいですけどね。
   因みにこれまでに不思議に良いなと思ったベストマッチは、カレーライスと甘口のスパークリングワイン(アスティスプマンテ)の組み合わせでした。辛さと甘さの相反する味わいのハーモニーが美味しいと感じました。甘いもの同士のマッチング、甘辛相反するマッチング、色々なハーモニー、まるで人の相性のようでもありますね。これも一興。